なるか、二人乗り解禁
バイクに乗らない人は全然知らない話かもしれないが、高速道路でのバイク二人乗りが法律で禁止されているのは、世界広しといえども日本と韓国だけである。
バイク乗りにとっては実に不条理な話であり、法改正を要求する運動はかなり以前からあった。
主にハーレーダビッドソン等の外国二輪メーカーからの外圧(トホホ)、一部のバイク乗りによる地道な活動(例:高速道路二輪車二人乗り規制撤廃会議)、さらにはバイクに乗る国会議員(電車に乗ったことすらなかった元国土交通大臣もいたみたいだけど)も巻き込んで、ようやく道路交通法改正案が警察庁から国会へ提出される運びになった。
※一昨年にも実現しかけていたのだが、(主に)ある国会議員の暗躍によって潰されてしまっていた。
改正案提出に伴い、警視庁のWebサイトには、パブリックコメントを求める文章、道路交通法改正試案、意見送付先のメールアドレス等が掲載された。
よほどの反対意見が無ければ、普通は提出に至るらしい。というより、どちらかといえば「意見は受け付けておきましたよ」という建前にすぎない。そして、この手の改正案は「提出されるまでが勝負」で、提出されてしまえば殆どの場合は通ってしまうらしい。要するに、ここまできたら通ったも同然なのだ。
しかし問題が発生した。このパブリックコメント募集の途中経過として、二人乗り規制廃止に対する反対意見(判りにくい話だが、要するに二人乗りは禁止のままにしろということ)が7割を占めている、という話がどこからか出てきた。このままでは改正案が提出されないままボツになるか、提出されても否決されてしまうということなのだ。
ネット上のバイク界(?)では、一斉に「二人乗り規制廃止に賛成のメールを送ろう」というムーブメントが発生した。あちこちの掲示板やMLに同じネタが流れまくった。去年と同じ轍を踏んでたまるか、という思いがあったのだろうか。
しかし「反対意見が7割」に関する情報源は一切不明である。色々探してみたが、どうやらネット上には無さそうだ。誰もそんなことは疑問に思っていないらしい。バイク乗りとは、何と実直な人種であることか。
噂だけが一人歩きしているんじゃないか、といった疑念は最後まで捨てきれなかったのだが、最終的にはコメントを送ることにした。意見を求められているのだから、それに返事をしただけの話である。パブリックコメントの募集は今日までだったので、慌てて昼休みに送った。勿論、二人乗り規制の撤廃に賛成の意見を投じた。
別に意地でも二人乗りがしたいわけじゃないのだ。自分が自由に選べる権利が無いことが気に入らない。二人乗りをするかどうかを決めるのは、バイクに乗っている本人だ。法律が決める必要なんか何処にも無いし、決められたくもない。