Part 2 やっぱり観光地は楽でいいねえ (2001/05/27)
フロリダの太陽の下で思う存分一服を楽しんで、それだけで妙な達成感に浸っていた俺ではあったが、そんなことで満足している場合ではない。とにかく空港から出ないと何も始まらないので、まずはレンタカーを借りに行かなければならない。日本にいる間にDOLLARのサイトから予約してあったので、目指すはDOLLARのオフィスだ。案内板を見てみると、どうやらレンタカー関連は空港の1階らしい。簡単に見付かったので人の列に並ぶ。予約する時にLast nameとFirst nameのフィールドを間違えて逆に入力してしまったことを思い出して若干不安になる。まあ予約したときの画面を印刷してあるから特に問題は無いだろ。そして俺の番が来る。受付けのオネエサンは何となく中米風なキレイな人である。っていうか、太っていないだけでキレイに見えてしまう。予約してあるんですけど、なんて言いながら紙を見せる。その紙のおかげで話はスムースに進む。フロリダ州は日本の免許だけでもOKだ、なんていうのをどっかのWebで見た記憶があったので、試しに日本の免許だけ見せてみると、特に問題は無い雰囲気はあったものの名前やら何やらが読めなくて困っている。かわいそうなので忘れていたふりをして国際免許を出す。その後の予約内容の再確認とか、保険はどうするか、ガソリン満タンオプションは要るか、なんていった確認は簡単に終わったけど、それでは米国での滞在中の連絡先は? なんて話になり、これから安いモーテルでも探すつもりだから何も決めてない、なんて言うとオネエサンも困ってしまう。しょうがないので日本の電話番号を教えるという妙な結末になる。そんなの何の役にも立たないと思うんだけど。じゃあ車はあっちの建物に入って右側に行って、M-4のところにあるから、なんて感じで特に問題もなく受付完了。うむ、案外俺の英語も通じるではないか、なんて思ったけど、多分これはネエチャンが英語がヘタクソな観光客慣れしているだけに違いない。いや〜観光地はやっぱり楽でいいわい。そこで調子に乗ってビジターセンターは何処にあるか聞いてみると、レンタカーを借りるとついてくる地図を見ながら道を説明してくれて、大体の場所を教えてくれた。安モーテルのクーポンだの、地元情報だのを手に入れるには、まずはビジターセンターの類に行くのが一番手っ取り早い。この場所を聞けたのは大きい。
オネエサンに別れを告げて車のところに向かう。M-4の場所を探してウロウロしていると、いかにもこういう場所の管理人といった感じの黒人のお爺さんに話しかけられる。鍵は貰ったのか? なんて言っている。鍵は車に付いているもんだとばっかり思っていた俺はちょっとばかしシドロモドロになってしまう。まだだ、って言いながら受付で貰った紙を見せて俺の車がどれなのかを確認する。そこの向こうにある青い車だ、なんて言っている。そしてお爺さんは反対側の建物を指差して、そこで鍵を貰ってこい、なんて言う。その建物の所に行ってみると、中にはオバサンが一人ダラダラしている。そこで受付で貰った紙を出すと、一番上の黄色い紙だけを取って、それと鍵を交換してくれた。気がつくとさっきのお爺さんがそばに居て、もう場所は判るよな、なんて言っている。その後お爺さんとオバサンは何やら談笑しているが、訛りがスゴ過ぎて何言ってるんだか全然判らない。まあ俺にはあまり関係無いのでさっさと車の所に行くことにする。
今回の車はDAEWOOのLANOSとかいう車らしい。日米欧の車ならそれなりに知っている俺も、さすがに韓国の車はサッパリ判らん。当然このLANOSってのも知りゃしなかったんだけど、まあ前に借りたFORDのFOCUSと似たようなもんだ。ちょっと背が高めのコンパクトな4ドアセダン。テールランプだとか内装だとかがウネウネしていてちょっとだけトーラスっぽい。どっちにしてもカッコ悪いことには代わりはないけど、3日間しか使わないからそんなのどうだっていいや。いすゞの車を出せって言っても出てくるわけが無いし。さっさと諦めて荷物をトランクに放り込んで、地図だけ持って運転席に乗る。久しぶりの左ハンドルにちょっとだけ緊張する。インパネ周りの造形はやっぱり最近のアメ車っぽい感じで、何ともおおざっぱな作りだ。禁煙マークも無いし、灰皿もちゃんと付いているので、どうやらこの車は禁煙車ではないらしい。早速エンジンをかけてエアコンを最大にする。キーを挿したりすると、それだけで警告音が鳴るあたりがいかにもアメリカ仕様っていう感じ。ステレオはカセットとラジオ。カセットテープは持ってきていないのでラジオをつける。当たり前だけど、どのFM局も英語ばっかり。
DAEWOO LANOS、そしてオレンジなフロリダのナンバープレート。何故か前はつけなくてもいいらしい。しかしパッとしない車だなあ。
ビジターセンターに行くには、空港の前の有料道路に乗って、途中でInternational Driveに降りてから北方向に行けばいいらしい。フロリダって有料道路ばっかりなのが困りものなんだけど、いくら何でも空港のところに作らなくたっていいのに。そしてこのInternational Driveは、観光地としてのオーランドのメインストリートなんだそうだ。そんな感じでビジターセンターの場所は頭に入れてみたけど、そもそもこの駐車場から出る方法がよく判らない。しょうがないので適当にウロウロしてみるとアッサリ出口が見つかる。うっかり左側通行していたことに気付いて慌てて右側に寄りながら出口を右に曲がり、暫く進むと看板が出る。左に行くとDisney方面らしい。普通はTampaとか地名を書くもんだと思うんだけど、Disneyなんて書いてしまうのがいかにもオーランドらしい。そしてループ状の道路を回りながら上がっていくと、すぐに有料道路に合流する。そして目の前に広がるのはダダっ広くてひたすら真っ直ぐな米国の道。うぉー来たぜアメリカ!
久しぶりのアメリカの道に少々興奮気味な俺の前に突如料金所が現れる。おぉぉ何だこれは、一体どうすればいいんだ? 焦っているうちにも料金所はどんどん近づいてきてしまう。一番左側はE-Passとか書いてあって、右側の方はReceiptとか書いてあって、じゃあ真ん中は何だ? んー、多分誰も居ない自動改札みたいなやつなんだろう。E-Passってのは多分日本で言うETCみたいなやつだな。とにかく料金所であたふたするとカッコ悪いので、最も安心そうな係員が居る右側の方を選ぶ。2-Axlesとか3-Axlesとかで料金が別れるらしいけど、一体何のことだか判らん。よくよく考えてみるとAxleは車軸だから、普通の乗用車だったら2-Axlesだから一番安いやつだな。トレーラーなんかだと4とか5になるってことだろう。そんなことを半分寝かかっている頭で無理矢理考えているうちに俺の番がやってくる。念の為値段を聞いてみると$1.25だと言われた。うむ、やっぱり一番安いやつだったか。25セントのコインを持っていなかったので1ドル札を2枚出す。左側の窓を開けて金を払うってのも妙な気分だ。暫く走るとまたしても料金所が現れる。今度は75セント。何でこうチマチマ現れるのかはよく判らんけど、合わせて2ドルだからまあいいか。そこから少し走るとInternational Driveの看板が現れたので右側から降りる。
International Driveに入ると、左側には巨大なコンベンションセンターがあり、その周りはほとんどホテルばっかり。そこから暫く走ったところで右側にそれていく道があって、そこにはUniversal Driveと書いてある。するとどうしたことか俺は何故かInternationalとUniversalを混同してしまって右側に行ってしまう。途中で間違えたことに気付いて、信号待ちの間に慌てて地図を見てみると、どうやらこの2つの道はこの先で再び交差するらしい。そのまま真っ直ぐ行ってしまうとUniversal Studio Floridaに行ってしまうようだ。そんな所に行ってもしょうがないので交差するところで左に曲がってInternational Driveに戻る。その交差点のところにはWet'n Wildなんていうプールがあって、とにかく目茶苦茶混んでいる。プールどころかその周りの道も歩行者だらけで、しかも水着で歩いている。キレイなネエチャンだったらいいのに、困ったことにこんな所に来るのは殆ど家族連れだから、デブな母親とガキばっかりなのが面白くない。
International Driveを暫く南下すると、左側にビジターセンターがあるとの看板が出る。しかし右車線に居た俺は見事に入りそこねてしまって、しょうがないのでちょっと先でUターン。駐車場に車を停めて外に出る。うぉー、外は冗談抜きで暑いぞ。さっさとビジターセンターに入ってフリーペーパーだのクーポンだの地図だのを物色する。まるで日本の旅行代理店の如くクーポンの類が並んでいるので、安そうなものだけを頂く。HYATTだのMarriottだのといった有名どころは当然無視。
とりあえず貰えるだけ貰っとけ! どうせタダだし。
さて、これからどうしましょうかねえ。時間はもうこの時点でとっくに4時を過ぎてしまっている。今日のうちにDaytona Beachに行ってしまおうかとも思ったけど、今から行ったところで大した事は出来ないだろうし、日程的にもアウトレットやスーパー巡りなんかは今日中に済ませてしまった方が良さそうなので、今日のところはオーランドをウロウロして、宿もオーランドにすることに決定。
早速駐車場を出て、International Driveの北の端っこにあるBELZというアウトレットモールに向かう。ちょっと走ったところにセブンイレブンがあったので何となく寄ってしまう。オーランドにはセブンイレブンがあっちこっちにある。シンシナティに居たときは、シカゴだろうが何処だろうが一度も見なかったのに。実はセブンイレブンってのは日本が発祥なんじゃないだろうな、なんて疑ったりしたもんだけど、こっちには沢山あるので変な感じ。店に入って、とりあえずスターバックスの瓶入りモカコーヒーと、フロリダの地図を買う。とりあえず図書館で借りたフロリダ本は持っているんだけど、やっぱり地図はあった方が何となく安心する。買い物を終えたところで店の外で一服して、それからさらに北に向かって車を走らせたところにBELZはあった。
なんか思ったより狭いぞ。これのどこがオススメなんだ?
事前に調べた情報によれば、ここはオーランドでは一番デカイっていう話だったんだけど、なんだか全然そんな感じがしない。そもそも狭いではないか。駐車場には車も全然停まってないし、何しろこういうアウトレットには必ずといっていいほどあるNIKEが無い。別にNIKEで何か買うつもりは無いんだけど、無けりゃ無いで何か変な感じ。まあそれはそれでいいとしてとりあえず歩き始める。何となく入ったFOSSILでサングラスとTシャツを買う。それからさらに歩いてみたけど、どうにもこうにも興味を引く店が無い。DKNYもコーチも俺には無関係だ。何だよコレ、ちょっと期待外れだぞ。
少々ガッカリしながらBELZを出て、ちょっと南に走ったところにOFFICE DEPOTがあったので寄ってみる。PDAのコーナーに行ってみると、今回の出張のお目当ての一つであるPalm m505が置いてあった。Palmの日本語版はGraffitiエリアがカッコ悪くて嫌いだし、日本で輸入物の英語版を買うとクソ高いので、こういうものは自分が来た時に買っておくに限る。値段は定価の$449。まあ出たばっかりだしねえ。そもそもPalmは日本でも米国でも基本的に定価販売だからなあ。ちょっと迷ったけど、念の為他の店も見てみようと思って今回は買わないでおいて店を出る。駐車場に戻ったところでクーポンの類を見ながら今日の宿を物色する。このクーポンがあればさらに$5ディスカウント、なんてのもあるんだけど、よくよく見てみるととっくに期限切れだったりする。どうも米国はこういうのが多い。そして色々見ているうちにHaward Jones Innというのが目に留まる。おぉ、何だここは、あのハワード・ジョーンズか? いつの間にミュージシャンからホテル経営に転身したんだ? とか何とか思いつつよくよく見てみると、実はHaward JonesではなくてHaward Johnsonであった。しかしそれはそれとして、朝食付きで$39はそこそこ安いので、もう考えるのもメンドクサイのでフィーリングでここに決定。ここはそれなりに全国展開しているようで、ここからすぐ近くにもあるんだけど、何となくもっと南の方にあるKISSIMMEEという場所にある宿に泊まることにする。まだ明るいし、もうちょっと車で走ってみたいっていうだけの理由なんだけど。
KISSIMMEE地区に行くにはI-4に乗るのが手っ取り早いんだけど、それでは面白くないので敢えて適当に走ってみることにする。何も考えずに適当に走っているうちに、WAL★MARTなんかがあるショッピングモールを発見したので、当然のように寄ってみる。やはり米国に来たらWAL★MARTは外せまい。ショッピングモールの馬鹿デカさに米国を感じる。特に何も買うわけでもなくWAL★MARTの店内をブラブラする。ここでは残念ながらPalm m505は売っていないようだ。結局何も買わずに外に出て、モール内を走っていると前方にSTAPLESを発見。ここはコンピュータ関連製品を扱っているので一応中に入ってみる。PDAのコーナーはあったけど、何故かm505は置いていないようだ。しかし他の製品を見てみるとやっぱり定価販売っぽい。しょうがないのでまた店内をブラブラしていると店員に話しかけられる。例によってJust looking.で誤魔化すと、もうすぐ店を閉めるからね、みたいなことを言われる。おぉ、そうか、今日は日曜日だったんだ。米国の店は日曜日は大概にして6時に閉まってしまうのだ。しょうがないので店を出る。さて、これからどうしようかねえ。多分今からだと何処に行ってもどうせ閉まってるだろうから、もう諦めて宿に向かうとしますか。
ショッピングモールを出てI-4をTampa方面に向かう。KISSIMMEE地区は、最初に乗った有料道路やDisneyのあたりを超えてさらに南の方にある。久しぶりのインターステートはやっぱり気持ちが良い。さっきの有料道路も勿論気分が良い道だったんだけど、やっぱりタダな方が良いに決まってる。KISSIMMEEの表示が出たところでI-4を降りて、東に向かって10分ほど走ったところにHaward Johnson Innはあった。まあ典型的なモーテルっていう感じだ。入り口のあたりに車を停めてフロントに向かう。部屋はある? と聞いてみると、$44だけどいい? なんて言う。ありゃ、$39じゃなかったっけ? なんて思ってみたけど、考えてみたらその$39ってのはあのクーポンを出した時の値段に決まってるじゃないか。あちゃー、車に置いてきてしまったぞ。でも今更戻るのも何となくばつが悪いので、それでOKしてしまう。対応してくれたオッサンは生粋の米国人のようで、今一つ英語が判りにくい。大概にして米国ネイティブじゃない人の英語の方が判りやすいのだ。それでも特に問題無く手続きは終わり、137号室のカードキーを貰う。部屋の配置図を見ながら場所を教えてもらって、その部屋に向けて車で移動。まさにモーテル。
今日の宿はこんな感じ。ドアが開いてるのが俺の部屋。しかしこの建物の色は何とかならんのかね。
室内は案外キレイ。
荷物を部屋に持ち込んで、例のごとく馬鹿デカいベッドに寝転がる。あー、やっと着いたって感じ。そのまま寝そうになってしまったので慌てて起き上がって、とりあえずネットに繋がるかどうか確認してみる。PowerBookを鞄から出して、ケーブル類を繋いで起動。問題無く動く。さて接続するか、と思ったらどういうわけか全然モデムが電話をかけてくれない。おかしいぞ、ちゃんと日本にいる間にオーランドのアクセスポイントを登録しておいたのに、信号を出さないんじゃ意味がないじゃないか。さんざん調べてみると、AOLのモデム設定で内蔵モデムではなくて赤外線に繋ぐようになっていた。これじゃ動くわけがない。これを変えるとアッサリ繋がった。一安心したところで宿の近辺を散歩してみる。建物の裏側にはこじんまりとしたプールがあって、家族連れがくつろいでいる。その向こうには湖(というより沼)があって、ジェットスキーが停まっていたりする。まあ単なる沼以上の何物でもないのですぐに部屋に戻ってしまう。
さて、そろそろ晩飯にするか。もうかなり眠いのであまり食い気も無いけど、今日は多少意地になってでも遅くまで起きておかないと時差ボケを解消できないから、少しは食っておかねばならん。そんなわけでレストランは当然却下で、こういう時はファーストフードが最適だ。レストランなんかに行こうものなら、出てくるのを待っている間に寝てしまうに違いない。そして米国でのファーストフードと言えば俺にとってはBurger KingのWHOPPERなのだ。日本じゃあんなにデカイのは800円ぐらい払わないと食えないからなあ。それに何処にでもあるっていうのがこういう動くのがメンドクサイ時には逆に好都合だ。早速車に乗って道に出る。ちょっと走ったところに案の定バーガーキングはあった。考えるのがメンドクサイので、例によってNo.2、なんていう頼み方をしてしまう。何となく持ち帰って部屋で食いたい気分だったのでTo Goで頼む。さて帰るか、と思ったらBurger Kingの向かいにはセブンイレブンがあったので、そこに寄って晩酌のビールと、お土産に頼まれていたMarlboro Menthol Mildをカートンで買う。Mildって言ったつもりなのに、何故か店のニイチャンは緑のLightを持ってくる。それじゃない、青いやつだ、って言うと怪訝な顔をしているが、単に青いやつもメンソールだってことを知らなかっただけみたいで、おぉ、これもメンソールなのか、なんて言っている。まあ俺だって頼まれなきゃそんなのは知らないんだけど、店員なんだからそのくらい把握しておいてほしいもんだ。まあIDを要求されなかったのでカンベンしてやろう。
部屋に戻って、眠い頭では極めて意味不明なテレビを見ながらDOUBLE WHOPPERを食う。久しぶりに食うコイツはやっぱり美味い。しかもデカイので、これとポテトだけで少食の俺には充分すぎる。うーん、これではビールの入る余地が無い。調子に乗ってDOUBLEなんかにしなきゃよかった。とりあえず一旦シャワーを浴びてスッキリしてからビールタイムとする。到着の無事と、米国との再会を祝って一人寂しく乾杯する。そしてビールを飲みつつ、地図を見ながら明日の予定を考える。考えるとはいっても、とりあえず朝早めに出てDaytona Beach方面に行くってことと、あとはDaytona International Speedwayに行くってことくらいしか決まらない。細かいことは行ってから考えりゃいいや。旅は行き当たりばったりの方が面白いのだ。それからネットでDaytona Beachの情報を探したりしているうちにやっと夜11時。もうそろそろ寝てもいいだろ。電気を消して、久しぶりにグニャグニャの米国風ベッドに潜り込むと、あっという間に眠りに落ちてしまったのであった。
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