2000/2/* 十字野郎なんか埋めちまえ!
内装の総ビニールレザー化はそれなりのペースで進んではいた。あと残すはリヤの内装とセンターコンソール、天井だけ。しかもビニールレザー貼りはそれなりに経験を積んできたので、今後はそんなに戸惑うことは無さそうだ。しかし、肝心なものが未だほっぽらかしのままであった。それはグローブボックスのボタンのところに開いたミットモネエ十字の穴。十字野郎デザインの車なんだから十字の穴があったって別にいいじゃん、って誤魔化したいところだけど、さすがにこれはこのままじゃダメだよなあ。
このビニールレザーはあんまり弾力性が無いので、無理矢理伸ばして誤魔化すのは無理だ。そうなると、上から何かの枠でもはめるしか無いんだけど、一体こんな形の枠なんてものがあるんだろうか? 適当な鉄パイプと、丸い板切れでも組み合わせりゃ何とかなるか? それもちょっと無理っぽいな。そんなことを考えながらホームセンターで色々物色するも、目ぼしいものは見つからない。唯一、大きめのハトメが使えそうな形をしていたけど、内径15mmでは小さすぎる。グローブボックスの穴は22mmなのだ。これじゃ小さすぎるし、それ以前に指が入らない。うーん、困った、何か良いものは無いのか? そう思いながらあちこちのホームセンターをうろついているうちに、凄いものを見つけてしまったのだ!
何のことはない、単なる鉄パイプのエンド部用金具だ。しかしコイツは見れば見るほどただの金具ではない。コイツの内径は19mm、鉄の厚さ等を考えれば、内径22mmのグローブボックスの穴にピッタリに違いない、しかも深さも形状も全然問題無いぞ、ちょっとだけ余計な部分をパテか何かで埋めればもう完璧だ、それに何と言っても値段が2個で145円だ、これだッ、これしかないッ、と興奮さめやらぬままその金具を掴んでレジに直行!!
そして家に戻ってグローブボックスに嵌めてみる。これはまさにジャスト・フィット。見事なまでにピッタリと嵌まってくれるではないか。この金具は実はピアッツァのグローブボックス修理用に作られたんじゃないのか? なんて見当違いな思い込みをしてしまうほどの素晴らしさ。これは参った、まさかこんな意外なモノに助けられるとは。さあ、こうなったらいかにも金具然とした部分をそれっぽくパテ埋めしなければならない。ここで普通はパテを使うのに、俺が取り出したのは何故かポリエステル樹脂。あんまり深い意味はない。
金具の端部と、穴の部分にテープを巻いて、適当な形を作ったところにポリエステル樹脂を流し込む。パテじゃこういう芸当は出来ないからこっちの方が良いのだ、なんて強がってみたけど、そもそもこんな強引なワザが上手くいくのかどうかなんてやったことないから判らない。まあ下手なパテの盛り方をして、削るのに苦労するよりはよっぽど形が出やすいに違いない。何しろ、失敗したところで所詮は1個72円50銭だ。そして乾いた頃を見計らってテープを剥がす。うむ、中々良い出来ではないか、と思ったけど、良く見たら金具と樹脂の間に段差があるなあ。まあしょうがないか。まずは余計な樹脂をペーパーで削って、ある程度形を出したところで隙間をパテで埋めて、上からプライマーを塗って形状を確かめる。これを何度か繰り返して、ようやく形になってきたところで茶色に塗る。ビニールレザーの色と同じにしようかどうか迷ったけど、ピラーの内張り等の色に近いこの色に決定。さあ、出来たぞ〜。
塗料が乾くまで充分待って、コイツをグローブボックスに取り付ける。おぉ、思いの外良いではないか。まあホントは何も無い方が良いに決まってるんだけど、変な穴が開いているより億千万倍マシだ。早速グローブボックスをダッシュボードに付けてみたりする。うむ、悪くないではないか、と一人で納得していたら、コイツには大きな問題があった。穴が深くなっちまったから、指が奥まで入りにくいったらありゃしないのだ。まあいいか、こんなの滅多に開けないし。
こうしてようやく内装部品で一番目立つダッシュボードが完成した。さあ、あとは後ろの内張りとセンターコンソール。内張りは簡単そうだけど、センターコンソールはなー、どう見たって簡単じゃないぞ。さあどうしたもんかねえ…
Next diary