save the piazza! ---- diary

1999/5/9 遂に、真のXEに。

せっかく部品を沢山取ってきたというのに、何故かその後はあまり暇が無かった。そして、何故か週末に限って雨が降るという日々が続く。折角晴れても、普段の足車たるJR120の方に手をかけなくちゃいけなくなったりして何も進まない。連休はJR120の天井交換だとかセンターコンソール交換だとかをしているうちに終わってしまった。参ったなー、これじゃ錆びがどんどん増殖するだけじゃないか。

ただ、錆びなんかよりもっと気になることがあるんですよ。この間取ってきたマルチドライブモニタはまだ生きているのか? 死んでるのか? これが気になってどうにもしょうがない。別に動かなくても、飾りでもいいんだけど、とにかく気になってしょうがない。部屋にあるマルチドライブモニタのボタンを押して遊んでいても何も始まらない。こんなところでいじっていたって、繋がっていないんだから動くわけが無い。ああ気になる。やっぱり思わずボタンを押す。勿論動かない。そしてようやく暇な週末がやってきた。天気は悪いけど、動くかどうかのチェックなんて室内で出来るから、我慢できなくなって秘密基地に向かってしまった。

ボデーカバーを外して、運転席に乗り込む。まずはエンジンがかかるかどうかの確認。ちゃんとターミナルを外していたので問題ない。さあ、肝心のマルチドライブモニタのチェックだ。ボロボロのセンターコンソールを剥ぎ取る。ああ邪魔くせえ、何で三菱のカーステなんかついてるんだよチクショウ。こんな邪魔くさいものは適当に取っ払って後席に追っ払って、早速繋げようとしてみる。だけど、取ってきたマルチドライブモニタ&ハーネスは'81型、この車は'83型。きちんと合う保証は無い。それどころか、無理矢理三菱製カーステなんか付けていたもんだから、元々付いているハーネスは途中で切れていたりして、使えるんだかどうなんだかさっぱり判らん。クソッ、誰だこんなことしやがったのは。ジウジアーロに怒られても知らねえぞ。

ハーネスを2本並べて比べてみる。すると、メインハーネスと結合するコネクター2本のうち、1本がものの見事に違う。どういうわけか'83型の方が線が2本多い。こりゃ参った、これでは'81型のハーネスは使えない。判っていつつも、気が焦ってしまって同じ形状のコネクターだけをメインハーネスに繋ぐ。マルチドライブモニタの前面を自分の方に向け、フロアトンネルに載せる。動いてくれっ、と祈りながら、ゆっくりとキーを捻る。

すると、表示部には緑色の【0:00】の文字が!!

嗚呼、なんてこったい、動いたよ、動いちまったよ! やったよ父ちゃん、俺はやったよ!! 半狂乱になりながらやたらめったらボタンを押す俺。どうでもいいからとにかく押してみる。説明書がないと使い方が判らないので、とにかく押す。ふむふむ、何だと、ストップウォッチか。お、動いた。コレを押すと、お、止まった。それにしても1/10秒単位とは妙に貧乏くさいストップウォッチだな。もうちょっと細かくないとゼロヨンに使えないじゃないか。このKM/Lってのは燃費か? 車が動かないんだから燃費も何も無いよな。それよりこのKTEってのは何だ。よく判んねえけどまあいいや。相変わらず何も判らないままボタンを押し続ける俺。ただコネクターを繋いだだけなのに、ものすごい満足感が俺を包む。煙草が美味い。一服しながら相変わらずキーを押す。

ついでなので、オーディオが使えるかどうかも試してみる。JR120から「シニア・ドリーム」の入ったカセットテープを持ってくる。誰が何と言おうと最初にかける曲はこれだと決まっている。古くさいカセットデッキに横方向に差し込む。シャーッ、というノイズが明らかに聞こえる。数秒待つと、あの聞きなれたギターが聞こえはじめる。おぉ、こいつも生きていたか! しばし聞き入る俺。音はフロントスピーカーから聞こえないが、そんなのは大した問題ではない。でも、どうにもこのオーディオはそのまま使う気になれないなあ。出てくる音も限りなくチープだ。最近のラジカセの方がよっぽどまともな音がするぞ。まあいいや、どうせ社外品買うし。

さて、問題はこれでエンジンがかかるかどうかだ。セレクターをPに戻す。セルを回す。が、セルはピクリとも動かない。そりゃそうだ、ATから出ているハーネスとは全く繋がっていないんだから動くわけが無い。でも、マルチドライブモニタから出ているハーネスにはこんなコネクターは無い。元々5MT車に付いていたハーネスだから合わなくても仕方がないな、と諦めようとすると、ハーネスの真ん中あたりにある四角形の出張りに気付く。そのあたりのビニールテープをめくると、予想通りコネクターが出てきた。ふむふむ、やはりハーネス自体はAT/MTで共通だな、なんて考えながら繋いでみる。再度キーを捻る。やっぱりダメ。

結局、メインハーネスとのコネクターのうち、形の合わない方と通じていると判断して、'81型のハーネスで動かそうとすることは潔く諦める。そもそも形が合わないんだから使おうとすること自体がおかしい。メインハーネスとのコネクターを外し、一度外した'83型のハーネスを再びメインハーネスに繋ぐ。そしてマルチドライブモニタに合う形の9Pコネクターを探す。良かった、あった。オーディオのコネクターなんかどうせ合わないからどうでもいい、これだけ残っていれば良いのだ。もう1本の電源と思われるコネクターもあった。そして、ゆっくりと、確実に2つのコネクターを差し込む。これでマルチドライブモニタが動けばOKだ。キーを回すと、くっきりと緑の数字が現れ、0:14と表示する。うん、大丈夫だ、問題なく動く。そしてAT周りとのコネクターも繋いで、セルを回す。回った。エンジンもかかった。うんうん、良かった、'83型のハーネスが使えるならそれにこしたことはない。試しにATセレクターをDに入れてみる。サイドブレーキを下ろす。ちょっとした衝撃とともに、JR130は前に進み出す。おお、素晴らしい、完璧だ!

まさか動くとは思わなかったマルチドライブモニタが動いた。うん、これでコイツもようやく真のJR130 XEになれたぞ。良かったなあ、オイ。満足感に浸る俺。俺だけじゃない、コイツも満足だろう。もう嬉しくて嬉しくて、誰かに言いふらしたくてしょうがない。その前に、ビニールテープでベトベトになった手を秘密基地のそばにある小川で洗う。水道が無いのがここの唯一の欠点だ。仮設トイレはあるのに水道は無い。普通逆じゃないのか? 仕方ないので体をかがめて小川に手を突っ込む。俺の手が水に入る前に、ポトッ、という妙な音がした。何故か小川を泳ぐ携帯電話が目に入る。そしてその携帯電話はゆっくりと下流に向かって泳ぎだした。あーあ、何てこったい。慌てて小川から拾い出す。やめときゃいいのに、思わずキーを押してしまうと、液晶に表示されていた文字がスッと消える。そして、言いふらしたい欲望も、文字とともに消えて行ってしまった。いいことばかりは続かないもんだね。

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