K100RSを手放したわけ
2000年をちょっと過ぎた頃。
色々と個人的にやることがあったり、
ピアッツァの錆取りにかまけていたりして、
時間も金もあまり余裕がない日々が続いていた。
K100RSには、たまーに乗ってはいたけど、
明らかに走行距離が伸びなくなった。
なんだかやたらとエンジンの振動が増えてしまったのも、
あんまり乗らなくなった一因ではある。
原因はよくわからない。
当然の結果として、バッテリーが上がってしまった。
近く引っ越しを控えていたため、
さっさと動くようにしなければならなかった。
充電するべくバッテリーを外そうとしていると、雨が降ってきた。
かなり適当にコンピュータやら何やらの部品を外し、
破れていたカバーを適当に掛けた。
充電が終わったバッテリーを繋ぐと、エンジンがかからなかった。
かからなかった理由は、今となっては知る由もない。
コンピュータや端子が雨に濡れてしまったのかもしれない。
バイクなんて、壊れたら直せばいい。
しかし、どういうわけか、このときは直す気分が盛り上がらなかった。
自分のサイトの掲示板が盛り上がっていくのを横目に、
バイク屋ではなく、買取屋に電話をしていた。
K100RSは、3万円で引き取られていった。
積極的に手放したかったわけではない。
K100RSに大きな不満があったわけでもない。
3万円程度で喜ぶほど金に困っていたわけでもない。
それでも売ってしまったのは、どうしてなんだろう。
「手放したわけ」とかいうタイトルで書いているくせに、
結局「メンドクサかった」ぐらいしか出てこない。
何か1つでもタイミングが違っていたら、
今でも青/白のK100RS 2Vに乗っていたかもしれない。
買取屋のニイチャンを手伝って、
エンジンがかからないトラックに乗せようとしたとき、
踏み板から足を踏み外して向こう脛を痛打した。
せっかく手に入れたK100RSを、
極めてテキトーに手放した罰が当たったのかもしれない。
こんなどうしようもない理由で手放すと後悔しそうなものだけど、
なぜか、あんまりそういうこともなく、不思議と冷静だった。
それから2年近く、バイクがない時期が続いた。
時が経つうちに、少しずつ後悔するようになった。