BMW K100RS Over 100,000km Project
小林ゆきにモノ申す!

小林ゆき、と言っても誰だか判らないかもしれないが、バイク雑誌「Clubman」でNinjaについてのコラムを書いている人である。完全にNinjaに惚れ込んで、何があっても乗り続けるという姿勢は実に素晴らしいものであり、共感すべき点でもある。結果としてNinjaからK100RSに乗り換えた俺にとっては耳の痛い話でもある。

で、何故ここで小林氏が出てくるかというと、Ninja馬鹿(あえてこう書く)の氏がどういうわけかネコ・パブリッシングが出したBMWムック「BMW BIKES」にちょっとした話を書いているからである。ここで書かれた内容は、BMW乗りの間ではそれなりに反響を呼んだ(らしい)。俺としてもちょっと言いたいことがあるので、ここで書いてみたい。

話の内容は、大体こんな感じである。

限定解除し、日本一周の旅に出た氏は、R80に乗る人と出先で知りあった。その人のR80に乗せてもらうことになり、ビッグバイクの感覚に酔いしれると共に、BMW乗りに対しては良い印象を抱いていた。

しかし、最近はあまり良い印象は無い。高速道路等でのマナーは、BMW乗りが一番悪いのではないか。(この後、実際にBMW乗りとツーリングした時の話、即ち印象が悪い理由が続く)

ここまではどうでも良いです。氏がそのように感じたなら、それはそれで良い。人の感覚にケチをつけるつもりはありません。

ただ、あえて言わせてもらうならば、パーキングエリアで一番マナーが悪いのはNinjaその他のカワサキ大排気量車のヒト達だと思います(^^;;;

ちなみにワタクシのBMW乗りに対する印象は「パーキングエリアでヨタヨタしながら跨がるオッサンが乗っているバイク」です(笑)

で、問題はここからだ。

BMW乗りは社会的地位があり、収入的に余裕がある人が多い。そういう人たちが乗る理由としては、さまざまなストレス解消、というのが一番であろう。さらに”自分を誇示する”というプライドが入っているから質が悪い。

うーん...ちょっと疑問。

ストレス解消というのが一番であろう、って書いていますが、そもそもツーリングしている人ってみんなストレス解消の目的もあって走っているんじゃないかと思うんだけど。

それに、でかいバイクに乗っている人達って、別にBMW乗りに限らず、どこかに自分を誇示する意識がある人が多いような気がするんですけど。そうでなきゃ、もっと600ccのバイクが売れたって良いんじゃないかと思います。

何より、どこから「BMW乗りは社会的地位があり、収入的に余裕がある人が多い」という結論が出てきたのでしょうか。それが一番判りません。少なくとも、ワタクシは全然当てはまりませんが。

確かにBMWに乗っている人って、オッサンが多いです。でも、そういう人達を一括りに「社会的地位があり、収入的に余裕がある人」ってのはまずいんじゃないでしょうか。少なくともうちの親父にはそんなものは無いし、そういうただのサラリーマン親父がBMWに乗っていても全然おかしくは無いと思うのですよ。(そりゃそうだ。少なくとも俺よりは収入が多いだろうし)

BMWのバイクは確かに高いんだけど、Ninjaにアフターマーケットのマフラー、キャブ、ショック、ホイール、アップハン用トップブリッジ、マスターシリンダー、キャリパーを付けてちゃんとセッティングを出すよりは安いと思いますが。今の若い連中は平気でこのくらいのカスタムはやってます。BMWを買ってそのまま乗り続けるよりは、ずっと金がかかりますよ。どうせすぐ壊れてまた金かかるし。それなのに、BMWに乗る人=金持ち、ってのは何か違うと思います。

まあ、氏がそう思ったなら、それはそれで良しとしよう。こんなところにケチつけても仕方がない。

次に、BMW乗り(氏曰く、BMW乗りは大抵の場合上記のような立場の人だそうだ。その前提で、の話)に対して、こう書いている(お願いしている?)。

高速道路で飛ばしたいなら、最高速度を上げるように社会的地位を活かしてお上に進言して下さい。峠で飛ばしたいのなら、収入を活かしてサーキットを借り切って下さい。物足りないなら、レースに出て下さい。サーキットを作って下さい。
うむむ....そして最後にこう結んでいる。
...という風にすることが、交通文化やバイク文化を作っていくと思います。
そりゃまあ確かにそうです。エライ(とされている)人に今のクルマとバイクの歪んだ関係を正してもらい、さらにはモータースポーツを文化として成り立たせてもらうように推進してもらうというのは間違っていないと思います。国が推進すれば、それに反対するほどのエネルギーは日本人は持っていないから。

でもねえ、それなら「何でもかんでもカスタム」というバイク雑誌の風潮も何とかならんでしょうか。あれだけ五月蝿いバイクばっかり走ってりゃ、誰だってバイクなんか認めようと思わないですよ。特にNinjaを筆頭としたカワサキ系のカスタムなんて、ワタクシは恐ろしくて近づきたくもありません。あんだけでかい音で、怖い格好した連中が走っていたら、誰だってビビリます。もう暴走族と紙一重ですよ。しかもバイク自体が暴走族より数倍速いだけに質が悪い。前にNinjaに乗っていたワタクシでさえそうなんです。お上に直訴なんて手を使わないで、雑誌の立場で出来ることをもう少し考えて欲しいもんだと思います。

だって、バイクって所詮今の日本ではクルマに対してゴミ同然の扱いでしかないんだから。まずはそこから何とかしないと。今のバイク雑誌って、暴走族雑誌もエンスー雑誌も、結果として何も違わないと思います。「世間からバイクを疎外させるように仕向けている」という意味で。

結局、ワタクシが言いたいのはこういうことです。

雑誌の影響って結構でかいはずです。バイクを世間から隔離するような記事ばかり書いておいて、その一方でああしてくれ、こうしてくれと言うのは御門違いなんじゃないか、ということです。やることに一貫性を持って欲しいのです。


それにしても小林氏、流石です。殆どの記事が「BMW礼賛」に終始する中、あのような記事が書ける勇気は大変なものです。そしてそれをあえて載せたネコ・パブリッシングの意図は一体...でも、載せるだけではなくて、ちゃんとお上に進言して欲しいものです(笑)

で、ワタクシとしては何を進言して欲しいかというと、とりあえず東京湾アクアラインで二人乗りできるようにして欲しいです (^^;;;

しかし、この記事読んで本気で怒った人って本当にいるのかなあ....怒った人は、小林氏の印象そのままのBMW乗りだった、ってことですね。


追記(1998/4/12)
何と「BMW BIKES 2」が出てしまいました。そして小林氏はまたもコラムを書いていたのですが、記事の反応はやっぱり大きかったらしい。で、それに委縮してしまったのかどうかは知らないけど、今回のコラムは全然面白くありませんでした。らしくないぞ〜。今後も是非痛烈に批評し続けて欲しいもんだと思います。


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