優勝なんて考えてはいけません (1998/7/23) |
世間はオールスターなんていう詰まらんもので盛り上がっているようだが、今年はどういうわけか横浜が優勝を狙えると言っても恥ずかしくない状態でペナントレース前半を終えたみたいなので、せっかくだから後半はいったいどうなるのか考えてみることにしよう。何しろ今年を逃すと次にいつこんなことを考えられる年が来るかわかったものではないからなあ。
とはいうものの、そこは大洋ファンの性で「さあ優勝に向かってまっしぐらだ〜!」なんていう報知を除くスポーツ新聞みたいな発想は全然出てこないわけで、どうしても「どうせ後半になったら落ちてくるんだろうなあ」と考えてしまうのだ。何と言ってもマジック1で6試合残して優勝できなかったことを筆頭に、もう何年もファンの期待を裏切り続けてきたチームだ。ここは「どうせ優勝なんて絶対に無理だ。無理に違いない! 無理なんだ〜〜!!!」と自分にマインドコントロールをかけておいたほうが精神衛生上良い。そうしておけば結局ズルズル落っこちて定位置に落ち着いたとしてもいつものことだと納得できるし、さらには毎年野球シーズンが終わるときに感じる空虚感、安堵感をいつものように感じることが出来るに違いない。
というわけで、後半戦に向けて予想されるマイナス要因を挙げてみると
- 後半戦の最初に甲子園での対阪神二連戦がある
- 8月は殆どが6連戦である。先発ローテーションはどうなるのか?
- レギュラーの疲労蓄積による不調も多いに考えられるが、控えがボロボロ
- どうも佐々木の調子が良くない
- 他の5球団のマークもきつくなるだろう
- 去年も結局駄目だった
- 所詮は大洋だ
最も大きい要因は「所詮は大洋」なのだが、まあそれは置いておくとしてまずは7/25,26の阪神戦だろう。ニュースステーションの久米宏はラッキーだなんてド阿呆なことを言っていたが、そんなわけはない。横浜は甲子園では弱いのだ。そこにメイだの川尻だのをぶつけられたらたまったものではない。もうやる前から勝てるような気がしないではないか。ここで二連敗したらもうヤバい。しかもその次はナゴヤドームで中日二連戦だ。この時点で2.5ゲーム差になっていたらもう勢いは完全に中日のものだ。さらにここで二連敗しようものならあっという間に0.5ゲーム差。何しろ諦めの良い大洋だ。ここでもう終わったと言っても過言ではない。
ここをクリアしても次週からは怒涛の4週連続の6連戦だ。権藤さんはベンチ入り投手を増やすことを明言しているが、一体誰を持ってくるのか。おそらく先発を一人増員して六人体制で先発ローテーションを組むことになろうが、権藤さんの言うところの「先発は試合を作れる投手」に見合う投手は一体誰なのか? 今までのことを考えれば阿波野、またはマホームズといったところが妥当であろう。筆者としてはマホームズの方がまだマシ(成績自体は戸叶より良かったし、阿波野を先発にすると左の中継ぎが居なくなる)だと思っているが、権藤さんの溺愛度からして阿波野の線も捨てがたい。何れにしても、戸叶を含めこれらの投手が先発した場合は乱打戦、または一方的な敗戦が多いに予想されるため、打線の状態が良くないとどうにもならない。
とは言うものの、打線は本来アテにするものではない。あの広島でさえ緒方と西山が居なくなった途端にボロボロになってしまったんだし、打率に対する得点の低さと残塁の多さでは球界1、2を争うマシン癌打線をアテにするようではもう終わりだ。しかも誰かがケガしたり不調に陥るともう駄目だ。前半戦22勝40敗で最下位を独走する横須賀ベイスターズが象徴するように、ろくな控えが居ないのだ。前半戦は多少の不調ではそうそう選手を入れ換えなかった権藤さんだが、終盤まで優勝争いに絡むようなことが仮に、もし、どういうわけかあったとしたらどうなるか判ったものではない。でも換える相手が居ないのではどうしようもない。
そして、運良く継投で試合終盤までリード出来たとしても、今年の佐々木では心配だ。誰がどう見ても去年までの安定感は無い。佐々木以外に抑えが出来る人間は居ないし、権藤さんの性格からしても佐々木を使い続けるだろうが、3回に1回はやられると見ておいた方が精神衛生上良い。
こうやってマイナス要因ばかり並べるとどう見ても横浜優勝の目は無い。しかし他球団もこのあたりの事情は似たようなものだったりするので結局大差無いのかもしれないが、他球団は大洋ではない。
さて、突然ながら今度はプラス要因を挙げてみると
- 今年は監督が大矢ではないので、妙な投手起用で潰れる可能性は去年より低い
- 湯舟、石井といった苦手の左腕投手が揃いも揃ってケガや不調で去年程ではない
- 永遠のライバル阪神が死のロード中で弱い
- いちばんしつこそうなヤクルトは優勝の範囲外
- 広島は小林幹が進藤にぶつけた一件で遠慮しているから多分大丈夫
- 戦力的には一番の巨人の監督はあの長嶋
- 中日は星野の起用過多で誰かが故障する筈
- 世間が「そろそろ横浜にも優勝させてやれ」とお慈悲の目で見ている
.....駄目だな、今年も。所詮他力本願なのだ。前半戦も半分は相手の自滅だし。
結局優勝なんて期待する方が間違っているのだ。優勝なんて無い。あるわけ無い。ありえないんだ!!!
というわけで、マインドコントロール完了。これで安心して後半戦を迎えられますな。 |
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