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2000/4/1 クソッ邪魔だこのビニールレザーめ!

さて、いい加減時間も無いし、そろそろ色塗り以外の作業でもしようかねえ、と思っていたところに頼もしい助っ人が現れた。横浜オフの常連で、しかも最近JR130 XEを買って(買い足して)しまったS氏である。俺の130の惨状を知っていつつも同じ道を行ってしまうS氏の無謀さには敬意を表さずにはいられない。この日、ステンレスのボルトとドリルの刃、ついでにティッシュペーパーを買いにホームセンターに赴いていた俺のところに、そのS氏から電話が入る。たまたま近くまで来てしまったので、わざわざ我が家まで俺の130が如何にボロいかを確認しに来たいと言うではないか。何せこの日はエイプリルフールであり、何処までホントかどうか判ったものではないが、実際に来てしまったらこっちのものである。ついでに半ば強引に作業を手伝って頂くこととする。

じゃあ何をやりますかねえ。錆取りやってもいいけど、こんなのわざわざ二人がかりでやってもしょうがないし、やっぱり一人じゃメンドクサイことをやるしか無いでしょ。というわけで、この日はダッシュボードの入れ替えをすることに決定。

俺の130 XEのダッシュボードは、他の130の例に漏れずベロンベロンになってしまったので、後期型の硬いやつにビニールレザーを巻いて誤魔化そうとしたのは既報の通りであるが、そこまではいいとして、いざ取り付けるとなると一人じゃメンドクサくてやってられないのだ。部屋からあれやこれや持ってくるのもメンドクサイし、外すのもメンドクサイし、デジパネも外さなきゃいけないし、デジパネ外すならついでにサテライトも交換しなきゃいけないし、ダッシュボードは結構重いから一人じゃ大変だし、要するに一人じゃこんなのやりたくないのだ。というわけで、デジパネ外しに取りかかる。

こんなのは何度もやっているので大したことはない。S氏はやったことが無いそうなので、デモンストレーションのように「最初はこのフードを外して、次に上からみえるボルト2本と、下にあるボルト2本を外して云々」と偉そうに講釈をタレながら外す。いつもながら下の左側のボルトは外しにくい。取り付けた奴は一体どうやってこんなのを流れ作業の中でやっていたのだろうか。こういう面倒な場所の一つ一つが組み立て時間の増加に繋がり、その作業工数が車両販売価格の高さに繋がり、ひいては販売不振に繋がるのだ、これだからいすゞは○○△△なのだ、なんてブツクサ言いながらボルトを外し、デジパネを引っこ抜きつつコネクターを外す。あとは取り外すだけ。

さて、次は壊れた左側サテライト(壊れたのはリヤワイパースイッチだけなんだけど、サテライトごとスペアに換えたほうが話が早いのは言うまでもない)を交換しなくちゃいけない。でも、サテライトを取り付けているボルトがどういうわけか大概にして恐ろしく硬く締まっているのを知っているので、何となく気が進まない。とりあえず交換するサテライトが無いと話にならないので、S氏を伴って自分の部屋に戻り、以前に和歌山のS氏から譲っていただいたデジパネ&サテライト一式と、ダッシュボードを持ってくる。ついでに、ニッポン放送で大洋対阪神戦を聞くためにラジカセを持ってくる。あーあ、準備は整ってしまった。しょうがない、じゃあ外しますかね。傷がつかないようにフロアマットやらキャンプ用マットやらをひいて、その上に今外したばかりのデジパネを置き、そこからサテライトを外す。コイツはどうやら以前に外した経歴があったようで、意外とアッサリ外れる。ネジ山が多少ナメていたのでビクビクしながら外したけど、心配無用だったようだ。続いて和歌山帰りのデジパネから外す。こちらは一度も外していないようで、例によって恐ろしく硬い。うりゃ、とか、ぬぅ〜、とか言いながら慎重に外す。S氏は俺のその姿が極めて怪しかったからなのか、決して自分ではやろうとはしない。そして案の定1本ナメる。

ぬぅ、遂にやってしまったか。ある程度予想していたので特に驚きもしない。驚かないだけで、特に解決策があるわけでは無いところが困った点ではあるが、ここはインパクトでひっぱたくくらいしか手が無いのも事実。早速ストレート製インパクトを持ってくる。問題は、デジパネ自体が精密部品であり、その周りをひっぱたくというのはいかがなものか、という点ではあるが、外れないことにはどうにもならんのでそんなことは気にしない。多少弱めに叩いてみてもダメなので、結局普段通りガンガン叩く。するとようやく動いたようだ。何故こんなどうでもいい所ばっかり硬く締まっているのか理解に苦しむ。そしてサテライトを入れ替えたところで、ようやくデジパネ関連作業は終了。

続いてダッシュボード外しに取りかかる。これまたS氏はやったことが無いそうなので、俺は右、S氏は左に位置して、まずはダッシュボードの上のパネル外しに取りかかる。コイツがまた異常なまでに外れにくい。このプラスチックの幅と、Aピラー内側の間隔を比べると物理的にそのままでは外れないのは明らかなので、プラスチックの弾性だけを頼りに、割れないように祈りつつも強引に捩りながら外す。いつもながらいすゞの設計は極めて理解しがたい。こんな陽に当たって劣化しやすそうな場所に、何故こんなプラスチック部品をこういう取付け方をするような設計をするのか。今はいいけど、10年後にまた取り外そうとしたら今度こそバキッといくぞ。S氏がそこに居るにも関わらずどうでもいい批判を繰り広げる俺。こんなのばっかり聞かされたらS氏が折角買った130を手放したりしかねないのでこのへんで下らない批判は止めておいて、淡々と流れている野球のラジオに耳を移す。どうやら今日の阪神の先発は湯舟のようだ。あ〜あ、ダメだこりゃ、負け負け。大洋が湯舟なんか打てるわけが無い。結局また愚痴モードに戻る。

このパネルを外せばあとは簡単だ。その下と、この裏にネジがある筈だから、とか言いながら左右分担しながらネジを外す。元々センターコンソールだとか、ステアリングの下のパネルだとかが外れているからすぐに終わる。全部のネジを外したところでダッシュボードのガラス側を持ち上げて、えいっ、とばかりにダッシュボードを引っこ抜く。ふう、二人居て助かった。一人だとどうしたって左右どちらかのシートに座ってやる羽目になって、そうすると体勢が悪いせいで妙に重く感じるので、意外とこれが面倒なのだ。何となく新旧ダッシュボードを並べてみる。う〜ん、ビニールレザーの色が元のチョコレートカラーとは全然違うのは判りきっていたんだけど、これだけ違うと果たしてこの車に合うのかどうか、やけに不安になってくる。まあいいや、捲れているよりマシだ。さて、取り付けますか、ということになったが、ちょっと気になる点があるので一服しながら確認する。とりあえずグローブボックス用のランプのコネクター形状を確認すると...あ〜あ、やっぱり違うじゃん。何でこういちいち違うかねえ。こんなのいちいち設計変更しなくたっていいのに。とりあえずコイツはユニットごと古いダッシュボードと入れ替えられるのでそれでOK。あとはオートエアコンのセンサーだとかを確認する。はて、コイツらは妙にケーブルが短いけど、こんなのどうやってダッシュボードを取り付ける前に繋ぐんだろう。手が入らないんじゃないのか? まあいいや、やってみりゃ判るだろ。

準備が完了したビニールレザー張りダッシュボードを車内に持ち込む。先程と同じように俺が右、S氏が左に位置して、元あった場所に押し込んでみる...が、入らない。こんなのボルトオンだと思っていたのに、全然奥まで入っていかない。しかし、少なくとも前期型の車に後期型ダッシュボードを付けた車は実在しているので、これを前期、後期の違いと決めつけるのは早計だ。むしろ貼り付けたビニールレザーの厚みが邪魔をして入らないと考えるのが自然だろう。でも、自然だろうが不自然だろうがそんなものはどうでも良くて、とにかくここはダッシュボードが嵌まってくれればそれで良いのだ。とにかくダッシュボード上側の鉄板の穴が、ボデー側から上に向かって出ているボルトに入ってくれないとどうにもならないので、そのへんを注意しながらやってみても、右が入れば左がダメ、その逆も然り、といった感じで、どうも上手くいかない。しかも、短くて付けようが無いのではないか、と思われたオートエアコンだの何だのの配線は案の定付けようが無い。とりあえず一服しますか、っていうことにして、俺はしばしダッシュボードを忘れてラジオの野球に聞き入る。大洋対阪神の試合らしく、どちらも点が入らない拙攻合戦をやっているようで、こっちもダッシュボードが入らなくてイライラしているのに輪をかけてくれる。S氏が一人であれやこれやとやっているというのに、俺はときたら駒田コノヤローなんてモンクを言っているだけで、作業は全く進まない。しかし、俺はモンクを言っている間に良いアイデアを思いついて、オートエアコン等の配線はグローブボックスを丸ごと外せば良いのではないか、と気付き、それをS氏に指摘すると案の定その通りで、こちらはアッサリ取付け完了。駒田にモンクを言っていたのは無駄では無かったようだ。しかし肝心のダッシュボードは相変わらずブラブラしたままだ。取りあえず左右を入れ替わって、俺が左、S氏が右に位置して作業を再開することにする。しかし、だからって何が変わるわけでもなく、相変わらずダッシュボードは奥まで行ってくれない。フロントウインドウ側から位置を確認したり、一度諦めて古いやつを試し付けしてみたりしながらポジショニングを再確認する。う〜ん、古いやつは簡単に入るんだよなあ。その取付け位置をチェックして、もう一度ビニールレザー張りの方をやってみる。そして、ここに違いない、という高さまで持ち上げたところで、エイッ、と押し込む。すると、意外や意外、簡単に嵌まってくれたではないか。オイオイ、これまで散々苦労したのは何だったんだよ。そしてダッシュボードが付いたところで、その上のパネルをまたもや捩りながら嵌める。これまた一人じゃやってられないのは言うまでもない。

さて、今度はデジパネだ。何せダッシュボードであれだけ苦労したのだ。今度もビニールレザーが邪魔してくれるのは間違いない。そして、案の定苦労する。コネクターを繋ぐまでは良いとして、何度やっても上側がネジ穴がある部分に合ってくれないのだ。合ってくれないというより、ビニールレザーが邪魔くさくて良く見えないのだ。そもそも下側が嵌まっていないんだから問題外だ。オイオイ、何でこんなに噛み合わせが悪いんだ? それじゃ大洋の打線と一緒だろうが。何しろ全然奥まで入らない。これは何か間違っているに違いない。そこで一度デジパネをずらしてみると、案の定コネクターとケーブルが邪魔していることが判明する。そこで、コネクター類をダッシュボードとの隙間に押し込むようにしながら再度デジパネを押し込んでみる。今度はさっきよりはマシなようだ。少なくとも下側のナットは嵌まる。そこで、S氏にデジパネを押さえてもらって、俺は上側のボルト締めに集中する。そして、ラジオから大洋リードの報が入ったと同時に、ボルトが嵌まった手応えがドライバー越しに伝わる。思わずガッツポーズをする俺と呆れるS氏。二重の喜びに、その握る拳にも力が入ろうというものだ。気付けば辺りは急激に夜モードに移っていて、かなり暗くなってきている。ヤバイ、さっさと終わらせないと片付けが面倒だぞ。

さて、デジパネも付いたことだし、バッテリー繋いで動作確認でもしますかねえ。まさに運命の瞬間である。ボンネットを開けて、ターミナルを繋ぐ。そしてキーを差し込んで運転席に座る。この間繋ぎ直した時は動いたのだ。動かないはずが無い。そう信じながらキーを捻る。すると、おぉ! ちゃんと動いているではないか。しかもエンジンもかかりますよハッハッハッ。え? エンジンかからないんじゃなかったのかって? そんなの過去の話ですよハッハッハッ。いや〜終わった終わった。何でこんな大したことない作業に半日もかかるかねえ。全てはビニールレザーがイカンのだ、と自分の経験不足を棚にあげてビニールレザーのせいにする。大洋の連勝とも相まって非常に気分がよろしい。しかし、実はスピードメーターが機能していなかったことに、この時は全く気付いていなかったのは言うまでもない。


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