2000/5/4 - 5/14 無駄骨は際限なく青天井
雨どいだの何だのと結局日が暮れるまで作業をして、ふと駐車場の隅を見てみると、あーそうそう、天井がありましたよ。こんなのすっかり忘れてたぞ。しかも相変わらず赤い粉だらけだ。こんなものの存在が大家の爺さんにバレるとヤバいので、隙を見計らってさっさと部屋に持っていく。廊下に赤い粉を落とそうものなら爺さんが血相を変えて怒り出す可能性もあるので、運搬行為は極秘裏且つ慎重に行わなければならない。首尾よく部屋に持ち込んで、部屋の床に置いてある邪魔なモノを整理して天井を床に横たえる。よっしゃ、何とか大家の目を誤魔化すことに成功したぞ。
いやしかしどうしますかねこのボロ天井。青天井ならまだしも、コイツは赤天井ときたもんだ。ボロくて触る気にもならんぞ。まあモンクばっかり言っていてもしょうがないので、まずは布をひっぺがすところから始める。剥がすといっても、既にくっついている場所の方が少ないくらい剥がれているんだからこんなのはあっという間に終わる。布の裏側もちょっとベタベタしているけど、布同士がくっつくほどではないので、そのへんに適当に丸めて放っておく。そんなことをしている間にも、赤い粉は床にパラパラと落ちていく。あーあ、こりゃ掃除が大変だぞ。
あとは天井にこびりついているスポンジの粉を剥がすだけだ。錆び削り兼塗装剥離用のヘラをもってきて、赤いスポンジを根こそぎ取る。あんまりガリガリやるとボードまで削ってしまいそうなので、それなりに微妙な力加減が要求される。大方剥ぎ取り終わってしまうと、さて残ったスポンジ屑はどうしようか、ということになる。試しに掃除機を持ち出して吸ってみると、掃除機の車輪のところにベタベタしたスポンジが挟まってしまって、まるで掃除機としては機能せずに惨敗してしまった。ったく、とことん鬱陶しいスポンジだ。しょうがないので手で適当に集めてゴミ箱に捨てる。集めているうちに手がベタベタしてきて、その手に勝手にスポンジ屑がくっついてくるのでこの方が速い。しかしそんなことをやっている間に我が家の床はベタベタになってしまった。ったく、とことんタチの悪いスポンジだ。そこまでしつこいくせに、何で相手が布になるとダメダメなんだよ。何つう情けない奴だ。
毒づいてばっかりいてもしょうがないので、内装を柔らかくする時に余分に買ってあったスポンジを持ち出して、上から重ねてみる。1m x 1mのスポンジだと若干縦方向が足りないみたいだから、足りない部分は余りのスポンジを適当に並べて誤魔化すことにする。問題はどうやってボードの形に合わせてスポンジを切るかだけど、わざわざ先に切るよりも、適当に貼るだけ貼って、形取りは後でやった方が効率が良さそうだ。
早速コニシボンド製のスプレー糊1,260円也をバーッとぶっかける。缶の説明によると、ゴム系接着剤と同様に数分待ってから押し付ける方が効果が高いらしいので一服して待つ。そしてスポンジを乗せて押し付ける。しかし、ボード自体がそんなに硬いものではないので、変な押し付け方をするとヘコみそうでちょっと怖いところがある。一応満遍なく押し付けたところで、適当に周囲をボードに合わせて整形する。そしてまたスポンジの上からスプレー糊を吹いて、今度はその上に茶色の布を押し付ける。本当はこの布も洗濯したりした方がいいんだろうけど、縮んだりするとみっともないのでそのまんま。はいこれでお終い。簡単簡単。
そしてその翌日、早速天井を130に装着。持ち上げても赤い粉が落ちてこないのは非常に気分が良い。しかし相変わらずこの作業は一人でやるとメンドクサイ。もうちょっと手が長いと楽なんだけど。天井を押さえつつ、前の日に捩じり曲げた鉄の支えを元に戻して、前後左右の内張り、グリップ、ミラー、室内灯なんかをくっつけて作業完了。おぉ、いいねぇ〜。普通に運転席に座っても全然髪の毛が触れないぞ。まあそんなの普通の車だったら当たり前なんだけどさ。
しかし、悲劇はほんの数時間後にやってくる。他の作業をした後、何となく一度天井を覗いてみると、何と、さっき付けたばっかりだっていうのにもう既に一部剥がれかかっているではないか。オーノー！ 何てこったい、やっぱり重力には敵わないのかチクショウ、やいコニシボンドめ、全然貼り付かねえじゃねえか、パワーが全然足りんぞお前のところの糊は。スプレー糊代の1,260円を返せコノヤロー！
かくして早速やり直しを迫られることとなったこの天井、結局何回やり直してもダメ。絨毯掃除用のローラーで押し付けたりしてもやっぱりダメ。スプレー糊を「標準」から「強力」にしても、それでもダメ。何度やってもどっかしら剥がれてダメ。あーあ、こりゃホントに無駄骨でした。結局XES天井を手に入れるしか無いってことなんですかねこれは。
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