2021年9月に「PENTAX K-1(今更)」というエントリを書いた。
その約2年後、後継機で同じようなエントリを書くことになった。
経緯
中古のK-1を購入以降、クルマとバイクの写真はK-1(補助的にGRIII)で撮っている。カタログスペック的には時代遅れなK-1だが、何しろ撮影対象が停まっているクルマとバイクなので、撮影体験の観点では何ら不満がない。得られる画質も満足がいくものだ。WiFi転送速度だとかRAW現像時の処理時間だとかの不満はあるが、撮影そのものと画質に比べれば小さい話だ。
そのK-1、購入したマップカメラからは定期的に買取価格が送られてくるのだが、近年じわじわと価格が上がっており、遂に(下取りなら)買い取り時の価格である108,000円ほぼそのまんまになってしまった。さらに下取り価格アップセール、3%マシ券などを併せて使えば買い値より高くなってしまう。
とはいえ、他社フルサイズミラーレスに現時点で投資する気はないので、買い替える先はK-1 Mark IIしかない。前述のように現状に不満が無いのでK-1 Mark IIでも満足はできるだろうが、果たしてその価値があるのか。性能面で見ればほぼ無い。価値があるとしたら、5〜7年前の中古個体から新品に替えることによる延命だけだ。
K-1購入以前、KPでも似たようなことをした。このときも個体寿命延長だけを目的として同じKPに買い替えた。
そのK-1 Mark IIは、マップカメラの箱スレ新品価格で179,800円。差し引きで7万円弱の出費だ。それが妥当かというと正直言って微妙なんだが、昨今のPENTAXの動向的にK-1 Mark IIがいつディスコンになってもおかしくない状況なら、普通に買えるうちに買っておいた方が良い気もする。K-1 Mark IIの価格はここ数年あまり変わっておらず、おそらく今が底値だ。いつかはK-1 Mark IIを確保するなら、K-1の下取り価格が上がっているこのタイミングは悪くないんじゃないか。
とかなんとか自分を納得させるための言い訳を色々巡らせた上で、箱スレ新品と下取りを申し込んだ。客観的に見れば、今更わざわざ買うような機種ではないことは重々承知しているが、自分的には妥当な選択なのだ。
新品の操作感
注文したK-1 Mark IIは翌日には届いた。「II」がついた以外はほぼK-1と同じなので全く新鮮味がないが、中古ならではのテカリや変な匂いが無いので気分は良い。
各種ダイヤルやボタンの操作感はカチッとしていて、新品らしさを感じられる。また、K-1独特の変態液晶の動きも新品であるが故にまだ渋い。何度もグネグネさせているうちに馴染むだろう。各種ボタン類などの設定が初期設定なので、慣れたK-1のものに設定し直す手間は発生する。これは宿命だ。
ちなみに、このK-1 Mark IIは、K-1(フィリピン製)とは違いベトナム製だった。PENTAXがフィリピンのボディ工場を閉じてベトナムのレンズ工場にボディ製造も移管したというのは今年どこかのツイートで見たが、俺のところに届いたK-1 Mark IIはそれ以降の製造ということだ。てっきり長期在庫品が来ると思っていたのでちょっとした驚きだ。
熟練したフィリピン工場製造品ではなく、移管されたばかりのベトナム工場で組み立てたという点で、若干の不安は残る。まあ今更どうしようもないのだが。
K-1と比べると、スイッチON時のダストリムーバルのジーッという音が若干大きい気がする。シャッターの「シャコッ」という音も微妙に違う。こういうのは個体差なので気にしてもしょうがない。
こうしてK-1をMark II化して延命したので、よほどのことがない限り数年はこのまんま使い続けるだろう。
ついでに
ボディだけだと代わり映えしないので、買った感を醸し出すべく、同時に中古レンズを買った。とっくにディスコンになったTAMRONのA09だ。
純正D FAレンズも考えたが、24-70はデカ重で値段も高いし、28-105は暗いのと、おそらく写りの傾向がシャープすぎてあんまり好みではなさそうなので、あえて古臭いA09を買ってみた(安いし)。被写体が古いので、あまりカリカリでない古いレンズの方が良い気がしているというのもある。
TAMRONはAPS-C用のA16を持っていたが、ヤフオクで買ったその個体は、望遠側のピントがろくに合わないダメ個体だったので結局手放した。A09もダメ個体が多いらしいので、マップカメラの良品が珍しく現れた(いつも並品しかない)のでそれを購入した次第。良品だからといってピント絡みが正常だという保証は何もないが、マシであることを期待した。
ざっと試写したところ、AFのピント合わせには目立った問題はなく、写りも概ね期待通りだったので、悪い買い物ではなかった気がしている。気合を入れずにそのへんに出かけるときに主に利用するつもりだが、結局また単焦点に戻るかもしれない。その時はその時だ。