北海道2010 Day2 これが北海道の林道か

船内放送によって3時半に叩き起こされた。船は既に小樽沖にいるとのことなのでiPhoneを起動して天気予報確認を試みるも、やはり圏外。使えねえ。

色々と準備をしているうちに下船時間が近づいてくる。ドライバーに対して甲板に降りるようにアナウンスがあったので行ってみると、ライダーはまだだそうだ。その後30分ぐらい待たされてようやくライダーの番になる。車よりよっぽど準備が多いのだからもっと早く降ろして欲しい。こうして、4時半到着にもかかわらず下船は5時半近くなる。待ち時間の間に天気予報を確認し、今日のところは道東を目指すことに決める。

せっかく小樽に来たので、とりあえず小樽の運河を見る。そしてnavicoを頼りに北海道名物セイコーマートを目指すが、ことごとく閉まっている。大抵のセイコーマートは24時間営業ではないことを忘れていた。仕方なくサンクスに入ってカツゲンを買う。飲みやすい200mlが置いていないので仕方なく500mlを買うが、多すぎて飲むのに難儀する。

さて、東に行くか。途中の大都市札幌はできるだけ速やかに通り抜けたいので高速を使う。道東道の夕張までを淡々と走る。小樽から札幌近郊は北海道という雰囲気は乏しいが、千歳に近づくにつれてどんどん北海道っぽくなる。道東道に入るとそれが顕著になり、高速に乗っている意味が感じられなくなる。

道東道は全通していないので夕張で一旦終了。何となく新夕張駅に寄ったりしながらそのまま樹海ロードを進む。占冠から道東道に乗ってもいいのだが、面白みがないし、天気もいいので、そのまま日勝峠に行く。すいていて気持ちが良い。日勝トンネルを過ぎると、以前は霧で全く見えなかった十勝平野がよく見える。

そのまま十勝清水の市街まで降りる。この時点ではまだ10時半。まだ昼飯には早いが、林道から降りてくると昼飯どころかおやつの時間だ。どうしようもないので適当にパンを買っておくことにする。

さてここからが今日のメインイベントである林道だ。この少し北にあるパンケニコロベツ林道というのを登る。これだけで約30kmのダートらしい。非常に小さい看板を見つけ、指示通りに曲がる。そして林道が始まる。

この林道は基本的には川に沿って登っていく道なので、それほど勾配は急ではない。道幅は車とバイクでもすれ違うのに苦労するぐらいしかなく、路面は基本的に砂利。前日までの雨のせいでたまに水たまりがあるが、クレバス状になっている等、転倒の危機(笑)に繋がるようなものは少ない。それでもたまに現れる深い砂利や溝に、まさに足をすくわれそうになる。とはいえ、林道のベテランからすれば楽勝な部類に入るに違いない。

平均時速はせいぜい30km/hぐらいだろうか。つまり1時間ぐらいかかってようやくパンケニコロベツ林道は終わり、続いてシートカチ林道に入る。これは20kmぐらいあるらしい。このぐらいまで来ると十勝山系の山々が目の前に見える。所々にまだ雪が残っている。ちょっと走ったところで分岐が現れる。これを曲がると、秘奥の滝というところに繋がるらしいので、思わず曲がってしまう。しかしこの道は先程のシートカチ林道とは違って少々険しく、さらなる速度低下を余儀なくされる。

そろそろ滝が現れてもいいのに、と思いつつ走っていると、思いがけず分岐が現れた。珍しく看板があり、俺が来た方向0.6kmのところに滝があるとのこと。走るのに集中しすぎて看板を見逃したらしい。仕方がないので戻る。すると滝の入り口に着くが、この看板じゃ気づくわけが無い。俺が来た方向からは全く見えないのだ。

看板に従って歩いて滝に向かう。ちょっとなめてかかっていたが、この道がかなり険しい。下りはまだいいが、上りは大変だ。大汗をかきながら滝に着いた。おお、これは確かにわざわざ看板を出すだけのことはある。かなり大きな滝だ。しかし、道は滝のかなり手前で終わっており、あまりよく見えない。仕方がないので戻るが、案の定上りは大変だ。さらに大汗をかく。

さらに先に進むと先程のシートカチ林道に戻る。その先にあるのはトムラウシ温泉と、ヌプントムラウシ温泉。このヌプントムラウシ温泉こそが今回こんな山奥に来た目的なのだが、何とヌプントムラウシ林道が崩落していて通れないらしい。何てこった。

わざわざ風呂上がりのためにノンアルコールビールを買っておいたのに。しょうがないので、一緒に買ったちくわパンを貪りながらノンアルコールビールを飲む。放置してもぬるくなるだけだから飲んでしまったほうがましだ。温泉は諦め、食うものを食ったら次の目的地である然別湖に向かう…と言いたいところだが、ガソリンがないのでその前に入れる。走行200kmで入れなきゃいけないのはなかなか慣れない。しかも今日は日曜日、空いていないスタンドが多い。わざわざ鹿追まで戻る羽目になった。

気を取り直して然別湖に向かう。途中の展望台から見える景色が素晴らしい。また、然別湖までのワインディングもいい感じだ。そして然別湖に着いてみると、温泉の一角は観光地然としていてイマイチだ。しかしそれ以外のところはほとんど手付かずの自然のまま。深緑の水が美しい。道は、湖岸は1.5車線の細い道だが、湖から離れるとまたセンターラインが復活し、楽しいワインディングになる。こういう時だけはKでくればよかったと思う。このワインディングは糠平まで続く。

ここまで来たら、十勝三股の三股山荘に行きたくなってしまうが、激しく時間をロスしそうなので諦めて山を降りる。上士幌まで降りたところで、せっかくなのでナイタイ高原牧場に向かう。この道は本当に素晴らしい。レストハウスまでの6kmがあっという間に終わってしまう。

ナイタイ高原牧場を後にして、そのまま南下する。途中で音更にある白樺並木に寄ったりしつつ、帯広市街地に出る。今日の寝床は帯広の南にある忠類の予定なのだが、既に腹が減っているので、良い店があったらこのへんで豚丼でも食おう。「いっぴん」という店が良さそうなので行ってみると、まだ6時前だというのに人がたくさん並んでいる。見た途端にウンザリしてスルーしてしまった。

もう晩飯も忠類でいいやという気分になり、そのまま芽室から高速に乗る。高速を使うほどの距離でもないが、まあタダだし、どうせそろそろ暗くなって景色も見えないので、それなら高速のほうが早くていい。とはいえ、この高速はまだまだ未完成で、中札内でおしまい。そこから先は国道を疾走して、帯広から50km離れた忠類に到着。

ここは道の駅に温泉、キャンプ場などが併設されている理想的な施設である。風情は全くないが、非常に便利だ。しかもこのキャンプ場は無料。設備はショボいが、寝るだけなのでこれで充分。

テントを建てて、エアマットなどの準備を済ませてから食事に向かう。近くの食堂で味噌野菜ラーメン(小)と豚丼(小)のセットを頼む。豚丼はそれなりに美味い。ラーメンは、麺はよくある札幌風、スープはなかなか美味いのだが、野菜の1/3ぐらいをタマネギが占めているのが問題だ。我慢してタマネギも半分ぐらい食べたが、残念ながら少し残してしまった。

そのまま道の駅併設の温泉に入る。ちょっとヌルヌルしたお湯が気持ち良いが、熱さに我慢しきれず早々に出てしまう。暫く休憩所でダラダラしてから、セイコーマートで酒と朝飯を買ってテントに戻った。

風呂から上がった9時過ぎは、関東よりちょっと気温が低い程度だったのだが、23時にもなるとさすがに涼しくなる。熱くもなく寒くもなく、気持ちよく寝られそうだ。

本日の走行距離(GPS):561km