テントの外を人が歩き回る音で目が覚めた。
昨日、キャンプ場に着くのが遅めだったため、静かそうな場所が空いておらず、人通りの多い場所にせざるを得なかったのが原因だ。時間は5:55。まあ早起きは悪いことじゃない。
身体の感じからして、それなりによく寝られたようだ。暫く寝転がって天気予報を確認したりしてから片付けに入る。まずはテント内でエアマットの空気を抜きつつ寝袋を片付け、その後テント等の大物を片付ける。何だかんだで30分以上かかる。それから、前日買っておいたおにぎりを食べつつルートを考える。どうやら夜から雨っぽいので、どこかに宿を取らないといけなさそうだ。ただ、東方面に行くことには変わりはない。
出発は結局7:50だった。そのまま海沿いに行ってもよかったのだが、昨日は暗くて十勝平野の農業地帯風景を見られなかったので、一旦更別あたりまで戻る。広大な農業風景を眺めてから、海の方に向かう。
また忠類に戻り、そこから晩成温泉方面に走る。この辺りは一応農地もあるのだが、それ以上に単なる森が多い。何らかの理由で開拓されていないのだろう。道東のこのあたりは、道北の宗谷あたりと並んでひなびたエリアのようだ。それでも道路はきちんとしており、ツーリングルートをとしては文句なし。
ナウマン国道ことR336を走り、途中で曲がって晩成温泉に向かう。実は前日は本来ならここまで来たかったのだが、さすがに無理があった。ここの温泉はなかなか良いらしい。ただ、まだ温泉はあいていない。目的地はその先にあるホロカヤントーという沼。晩成温泉から1km弱のところなのだが、管理小屋らしきものがかれこれ10年以上放置されている様相で、とにかく物悲しい雰囲気だ。ホロカヤントー自体も、正直言って見てるだけだと単なる沼でしかないので、特筆すべきものは何もない。それこそがこの景色の味なのだが。
生花苗沼を経てナウマン国道に戻り、その後道道に入って湧洞沼に向かう。ここは道自体は行き止まりで、一体なんのためにあるのか判らないような道だが、その脇にある展望台からの景色が素晴らしいらしい。去年も行こうとしたのだが、雨のために予定が狂って行けなかった。その場所に今回ついにたどり着けたのだが、道自体は正直たいしたことない。やはりここのハイライトは展望台からの景色だ。早速登ってみると、素晴らしい景色が待っていた…のだが、ちょっと期待感を寝かせ過ぎたのか、感動するほどのものではなかった。
再びナウマン国道に戻り、釧路方面に向けてひた走る。このナウマン国道は実に素晴らしい道で、どうしてツーリングマップルがピンク色にしないのかわからない。その後、ナウマン国道に別れを告げ、昆布刈石展望台に向かう。途中からダートになるのだが、このダートは、海岸沿いの崖の上、おそらく標高50m以上あるところを走る、景観抜群の道である。しかも道幅が広くて走りやすい。ほどよいアップダウンが続く道を楽しく走っていると、昆布刈石展望台に着く。展望台とは言っても、単にそう名乗っているだけの場所で、いわゆる展望台にありそうな駐車場や各種案内板は一切ない。その代わり、そんな細かいことはどうでもよくなるような素晴らしい景観がそこにある。自分の中の「展望台」観をひっくり返されたような気分だ。
ここを過ぎてダート、道道を暫く走ると、国道38号に合流する。この道は悪くないのだが、トラックも多く、それほど快適ではない。途中の道の駅で、昼飯を食う予定にしている釧路のレストラン「泉屋」へのルートを検討する。考えるのが面倒なのでnavicoに任せることにする。
navicoの案内により、無事に泉屋に到着できた。途中いくつか「なんで??」と思うような道もあったが、まあ着けたから良しとしよう。頼むのは、釧路市民のソウルフードであるらしいスパカツと決まっているのだが、一応メニューを眺める。魅力的なメニューが多くて目移りするが、初志貫徹してスパカツを頼む。
スパカツはさほど待たずに出て来た。何故か熱い鉄板の上にスパゲティが乗り、そこに豚カツ、さらにその上にミートソースをかけたシロモノだ。味自体は予想の範囲内なのだが、鉄板のおかげで冷めなくて美味い。
さて、いよいよ午後の予定を考えねばなるまい。とはいえ、これは宿の場所によって決まってしまう割合が多くなる。楽天トラベルとじゃらんで宿を探してみると、摩周の温泉宿が3500円で良さそうだったので、ここにしてしまった。
あとはルート選定なのだが、既に午後1時を回っているため、あまり遠いところには行けないので、弟子屈周辺でツーリングマップルに載っているものを探す。迷った挙句、釧路湿原の展望台、多和平、あとは時間次第で裏摩周展望台、神の子池等に行くことにする。
まずは釧路市街地からR391に入って釧路湿原を目指す。普通の道で行くなら行く価値がない(以前行った)ので、展望台の反対側のダート、コッタロ展望台に向かう直線ダート等を走る。
その後は暫くR391を走り、途中で多和平方面に右折する。このR391もまたかなり良い道だった。看板の指示に従って進むと、多和平の駐車場に着く。360度のパノラマとはまさにこのことで、どこをどう見ても絶景だ。似たような場所はいくつかあるが、ここまでグルっと一周絶景なのはそうそうない。ここにはキャンプ場もあり、晴れていれば星がキレイらしいのだが、標高のせいで気温が低い。もし泊まるなら気温に注意が必要だ。ちょっと今日の気温だと夜になったらきつそうだ。
多和平を後にし、今度は裏摩周展望台を目指す。この道道150号もまた良い道だ。今日走った道は軒並み良い道なのだが、揃いも揃ってツーリングマップル推奨ルートではない。まあ、北海道だと推奨ルートもきりがないのかもしれない。
裏摩周展望台に到着。かなり寒い。展望台に登って見たが、確かに摩周湖の湖面は見えるが、あまりよく見えない。やっぱり裏ではなく表の展望台の方がよく見える。
続いて神の子池に向かう。最後に2kmのダートがある。まあ確かにオンロードでも行けそうだが、あまり気は進まない。セローだったら全く問題ない。そして肝心の神の子池は、見たことも無いような澄んだ青だった。以前行った青森県の十二湖にも青池というのがあるが、それとは神々しさのレベルが違う。
あとは来た道を戻って宿に向かうだけなのだが、身体が冷えたので、途中にある養老牛温泉の無料温泉「からまつの湯」に入ることにする。最後は若干道に迷ったが無事に到着。ここは混浴のはずなのだが、入っているのは当然ながらオッサンと爺さんだけ。川沿いの露天風呂は気持ちが良い。湯も少しヌルヌル気味でなかなかのものだ。
身体も温まったので、今度こそ宿に向かう。しかし、5kmほど走ったところで雨が降ってきてしまった。よりによって最後の最後に降るとは。それほど大した雨ではないのだが、路面からの跳ね返りでズボンが裾から濡れてきて不快だ。
ようやく宿に着き、セローを駐車場にいれたところで、宿のオジサンが現れる。何という素早さだ。雨なので荷物をまとめるのが面倒だ。やっとまとめて玄関に入ると、オジサンが待ち構えていた。晩飯はどうした、なんていう話になり、居酒屋だったらあそこかあそこ、といった感じで教えてくれる。
一旦部屋に入って荷物を起き、濡れた服を干して部屋着に着替え、居酒屋に向かう。オジサンに紹介された串焼き屋は混んでいた。とりあえず生ビールを頼む。一日走った後のビールは実に美味い。そして豚串、鳥串、枝豆を頼む。出て来た串焼きはいずれもデカくて美味い。しかも帰りがけに何故かトウモロコシをくれた。いい店だ。
宿に戻って風呂に入る。養老牛温泉と似た感じだが、こちらの方が断然ヌルヌルしていていい湯だ。下呂温泉、の近くの馬瀬温泉に似ている。川湯温泉と近いのにどうしてこんなに泉質が違うのだろうか。
こうして長かった1日は終わる。
明日の予定は、明日朝5時発表の天気予報次第。
Sotaさんの旅日記、いつも楽しく拝読しています。ツイートも仕事中にコッソリチェックしたりして。事故にはお気をつけて。目一杯羽伸ばしを満喫してください。読んでるだけでこちらも羽が伸びますんで。そういう意味でも楽しみにしてます。
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