カラスの鳴き声に叩き起こされた。
時計をみたらまだ4時台。二度寝して6時過ぎに起きる。それでも、キャンプ場を散歩したり、ダラダラ片付けたりしていたら、出発が8時前になってしまった。やっぱりキャンプは時間効率がよろしくない。まあ、それにかえられないものがあるからキャンプをしているのだが。
今日は、まずはここからそう遠くない川北温泉に向かう。R244の呆れるほど真っ直ぐな道を斜里方面に走り、途中で曲がって林道を5キロほど進んだところにある。林道とはいっても観光地化されているため、ブルドーザーが整備に入っている。それでも道は穴が多く、水たまりになっている。また、ところどころぬかるんでいて滑る。さすがにオンロードではこない方がよい類の道だ。
温泉に着くと、先客が一人いた。
このオジサンは、地元民ではない道民の方のようだ。今日は車で来ているが、以前釧路からボアアップしたモンキーで来たらしい。そりゃ大変だ。
源泉は昨日の相泊温泉と同じく熱いが、ここは水をいれても怒られないので気持ち良い。オジサンに進められるがままに飲泉してみる。ほんのりとした塩味で美味い。
満足して川北温泉を去る。R244を挟んで反対側にある薫別温泉も気になったが、続けて入る気にならないのでやめて、そのまま開陽台に向かう。
ひたすら真っ直ぐな道道を進み、開陽台に向かう「これぞ北海道」な道、北十九号を走る。アップダウンの具合が実に良く、走っていて気持ち良い。楽しい道はあっという間に終わり、開陽台の入り口になる。そこから開陽台に向かい、駐車場に泊まる。ライダーの聖地とも言われる場所なのだが、真っ昼間でもバイクは10台に満たない。やっぱり今年もバイクは少ない。
多和平に行った時は、開陽台よりいいんじゃないかと思ったが、やっぱり開陽台には開陽台の良さがある。展望台にいる人は、ほぼ例外なくデジカメをムービーモードにしてグルグル回っているのが笑える。俺も負けずにグルグル回り、下にある売店で牛乳を飲む。やっぱり風呂上がりは牛乳だ。
続いては弟子屈方面に向かうのだが、もっとも効率の良い道は、先日の養老牛温泉訪問時に往復してしまったので、それは避けて国道経由にする。ミルクロードで一旦西春別に出て、パイロット国道で弟子屈に向かう。
弟子屈に着くと丁度昼飯時だったので、弟子屈の交差点近くにある「弟子屈ラーメン」に入る。最近人気があるらしい。そこで魚介しぼり醤油ラーメンを食べる。麺は札幌系味噌ラーメンの麺そのもので、スープの魚介はそれほどはっきり感じられなかった。まあ悪くはないが、素晴らしいというほどでもない。食い終わった後、店内ののれんを見ていると、東京大森店があることを知ってしまった。なんだか残念だ。
ラーメン屋のすぐそばにあるホクレンで給油し、緑色のフラッグを入手した。今までたまたま給油タイミングだったスタンドで軒並み完売していたので、別に欲しかったわけじゃなかったのに、完売の看板を見ているうちに欲しくなってしまい、結局買ってしまった。
続いては津別峠に向かう。2回も弟子屈を通ってしまったのは、ここに行くには弟子屈を通らざるを得ないからだ。どこかで美幌峠より津別峠の方が全然いいという書き込みを見たので行ってみたのだが、確かにこっちの方が全然いい。美幌峠よりも標高が400m高いというせいもあるだろうし、観光客が非常に少ないからというのもあるかもしれない。
元々の予定では、津別峠からまた屈斜路湖まで降りて美幌峠にも行くつもりだったのだが、なんだかこれで充分な気がするのと、展望台の館内展示で秘境湖のチミケップ湖まで60分という表示を見てしまったこと、美幌峠は去年2回も通ってしまったということもあり、美幌峠はやめて、そのまま津別峠の向こう側に行ってチミケップ湖に行くことにした。チミケップ湖までの道がダートであるというのも興味を惹いたところだったりする。
津別峠から津別市街地までは極めて快適。国道を阿寒方面に向かい、途中で曲がってチミケップ湖に向かう。途中までは快適な舗装路なのだが、これがいきなり終わってダートになる。油断してかっ飛ばしていたら、何の前触れもなくいきなりダートになるので焦る。しかもダートになってすぐに右折なのだ。あと1秒油断し続けていたらコケるか、森に突っ込んでいたかもしれない。
危なっかしかったのは最初だけで、あとは大したことない普通のダート。5kmほど走ると湖畔に着く。何十年も前から時間が止まったままのような湖だ。観光船の類は一切存在しないし、チミケップホテルとキャンプ場を除けば、売店や休憩所はおろか駐車場さえない。湖までのアプローチも、湖岸道路も全てダート。こういうところこそ、非道民が北海道に勝手に抱いているイメージそのまんまの場所なのではないだろうか。
別のダートを通って道道に出て、美幌を経由して女満別の道の駅に行く。時間は既に4時近く、そろそろ今日の身の振り方を確定させなければならない。呼人浦あたりでキャンプでも良かったのだが、明日もキャンプの予定なので、今日もキャンプをするとキャンプを三連荘になってしまう。これはしんどいので、今日はやっぱりビジネスホテルがいい。
楽天トラベルとじゃらんを見て、北見方面に宿を取ることにした。紋別あたりでも良かったのだが、選択肢が少なすぎる上に高い。そこで、北見の「にしの家」を予約しようとしていると、エラーが出て途中で終わってしまう。何回やってもコケる。誰だ、こんなクソシステムを作ったのは。俺がよく知っている会社が作ったらしいのだが、クッキーの扱いぐらいちゃんとやってくれ。おかげで予約だけで無駄に20分も食ってしまった。
そのまま北見に行っても面白くも何ともないので、このエリアでまだ行っていないポイントである能取岬に向かう。その途中でメルヘンの丘という美瑛っぽいスポットが現れる。とりあえず写真を撮ったりするが、周囲が普通の家なのが興醒めだ。続いて朝日ヶ丘展望台というところに行ってみるが、これも展望台の目の前が鉄塔だったりしてイマイチ。これじゃいつまでたっても美瑛は超えられないぞ。結果的にはまたしても20分無駄にしたが、これは行ってみないとわからないことだからしょうがない。
気を取り直して能取岬に向かう。途中で石北本線のキハ40二連と並走するという貴重な体験をする。キハ40の意外な速さに驚く。呼人から網走の手前までは、国道と線路はほぼ平行に走っているため、かなり長い間並走を楽しめた。
網走駅前から能取岬方面に向かう。能取岬は、下北半島の尻屋崎を思わせるような何もないところだった。これはこれで良い。そして、続いてはサロマ湖の夕陽でもみようかと思いつつ能取岬から国道方面に向かうと、途中でスコールのような夕立がきた。慌てて木陰に隠れてカッパを着込む。ここでもまた無駄な時間を食ってしまった。色々積み重なると1時間近く無駄にしている。もったいない。
せっかくカッパを着たのだが、夕立は2kmも走らないうちに通り過ぎてしまった。せっかくカッパを着たし、脱ぐのが面倒なので放置していたのだが、ずーっとウェット路面が続いているので、脱ぐに脱げない。しかもこのウェット路面、かなりのウェット具合で、たまにとんでもない水たまりが現れる。
こりゃ相当酷い夕立ちだったんだろう。そんな状況で夕焼けなんか見えるのかどうかは判らないが、それは行ってみればわかる。
しかし、ちょっと時間が遅すぎたのと、網走からサロマ湖はかなり遠いこともあって、なかなか到着できない。既に陽は完全に落ちてしまった。クソっ、あれがなければ、これがなければ、なんて考えつつ走っているうちに、サロマ湖畔のキムアネップ岬入り口に着く。焦りまくって岬の方まで行くと、辛うじてまだ夕焼けは見られた。多くの人が絶賛するだけある、素晴らしい夕焼けだ。
さて、あとは北見に向かうだけだ。こういう時は面倒なのでnavicoに任せる。ルート選択には若干腑に落ちない点もあったが、リルートでGPSがおかしくなるのも嫌なのでそのままにする。路面は途中からドライになり、パーキングでズボンだけ脱ぐ。
北見の市街地に入ったぐらいのところで「あっぱれ亭」というラーメン屋を発見。食べログで見て見ても悪くなさそうなので入ってしまった。「白みそ」を頼んだのだが、ラーメンとしては普通な感じ。
あとはセイコーマートで酒を買って、ホテルに行くだけ…といいたいところだが、今日は洗濯をしなければならない。
Googleで探したコインランドリーに入り、洗濯機を回す。約34分かかるらしいのでかなり暇だ。しかしこの店は21:30閉店。このペースだと、脱水完了と予定時間がほぼ同じだ。本来は乾燥機にかけたいところだが、さすがに閉店直前は無理だろう…と思ったら、店のオバちゃんは乾燥機の利用を許可してくれた。ありがたい。
そして、22:00を過ぎてやっと宿に到着しないした。あー、なんだかんだで一番疲れた日のような気がする。
今日の走行距離:約410km