9月下旬といえば、暑さも去ってそろそろツーリングシーズン突入といった感がある時期なんだが、2024年の暑さは尋常ではなく、この時期になってもまだまだ暑い。一瞬だけ涼しくなったが、すぐにまた暑くなってしまった。それでも月日の文字列だけを見ていると勝手にツーリング欲が高まってしまう。そんなわけで、暑い予報の中、南伊豆方面に出発した。
暑いせいで微妙に気合いが抜けているのか、6時前には出るつもりだったのに、実際に出たのは6時25分。この25分の遅れが後で響く。
数日前の昼休みにガソリンを入れて、空気圧を調整しておいたので、いつもの柳島のGSはスルー。そして西湘バイパス到着は7時半。人はさほど多くない。そして、既に暑い。
そのまま直進して箱根新道を登る。なんとなく予想はできていたが2/3ぐらいまで登ったところで霧が出始め、箱根峠のパーキングはほぼ霧に包まれていた。
この状況で伊豆スカイライン方面に行っても無駄だ。そのまま三島方面に降り、伊豆縦貫道を通り、伊豆中央道の料金所を回避しながら大仁方面に南下する。修善寺を抜けて再び伊豆縦貫道の無料区間に戻り、長めのトンネルを抜けると、そこは豪雨の国だった。たまたまトンネルを出たところに道の駅伊豆月ヶ瀬があったので、ガラガラな二輪車駐輪場に停めて屋根の下に逃げ込む。
雨雲レーダーを見ると、ものすごくピンポイントで降っているようだ。朝ダラダラしていて25分遅れなければ回避できていたかもしれないと思うと腹立たしい。
30分近く待ち、雨もほぼ上がっただろうと思われたタイミングで出走したが、数分走ったところでまた怪しくなる。これまたいい感じの雨宿り場を見つけたので、そこにKを停め、道路の反対側にある屋根付きベンチに座り込んで雨雲レーダーと睨めっこする。
ここでも20分近くロス。もう次に雨が来たら潔くカッパのまま走ることを決め込んで前に進む。覚悟を決めたからか、今度は雨が降らない。寄るつもりだった天城越えの道の駅をスルーし、天城トンネル前の小さい駐車場でなんとなく止める。雨上がりのモミジ(まだ緑)が良い感じだ。
長い天城トンネルを越えたら、そこは…というのを懸念していたが、微妙にウェットではあるが雨は降っていなかった。そのままひたすら降り、ループ橋を抜け、駐車場に停める。駐車車両は少なめ。
その後もひたすら南下し、河津のGSでの給油を経てR135に出る。ここを通らずに伊豆縦貫道無料区間を通って下田に出る手もあるが、ここの走行感が好きなので、遠いとわかっていてもこちらを選んでしまう。
9月下旬だというのに、まだ海水浴客がいる白浜をスルーして外浦に出る。ここも海水浴客がいる。相模湾内の逗子・葉山とは違って水温は随分低い筈なんだが。よっぽど暑いんだな。
下田の市街地を抜けたところにあるフードストアあおきに寄って昼飯を買う。駅周辺にも沿道にも海鮮を中心に食堂はいくらでもあるが、食い過ぎると眠くなるし、時間もかかるので(途中だいぶロスしたので)、今日はスーパーの弁当と決め込んでいた。
一応品揃えを見て悩んではみるが、結局いつも買うのはコレだ。以前はスーパーの前にあるベンチで食ったが、今日はなんとなく別の場所で食いたくなり、弁当をパニアケースに放り込んで吉佐美方面に向かう。以前よく波乗りしに来た多々戸浜に行ってみる。バイクを停めても怒られなさそうな場所があったのでそこに停める。
海の雰囲気は以前とあまり変わらない。風が強くて波乗りに適したコンディションとは思えないが、それでも人が多いのは昔からだ。今日は海水浴の方が楽しいだろう。
持ってきたルートビアと、さっき買った弁当を出し、階段に座って昼飯にする。他人の目を気にせずに好き勝手に座って飲み食いする習性は、バイク乗りも波乗り者も似たようなものなので、周りの目を気にする必要はない。
ここから南伊豆方面に向かうが、なんとなく吉佐美大浜、田牛方面に向かう。田牛周辺は観光スポット化に勤しんでいるのか、龍宮窟周辺の駐車場が有料化されていた。当然スルーして適当に停める。
来た道を戻ろうとしたが「南伊豆方面」という看板が出ていたので、素直にそれに従う。少し進むと、良い雰囲気の建物があった。
東北や北海道の僻地を思わせるような場所を過ぎると、道はどんどん狭くなり、山深くなっていく。
何も考えずに進むと、見たことがある道に出た。本能に従って左折してまっすぐ進む(伊豆の道はだいたい頭に入っているので、ここまでナビは一切使っていない)。予想通り弓ヶ浜に出る。ここも海水浴客が居るが、さすがに遠いからか、白浜・外浦・多々戸よりは少ない。
ここから先はさらに人がいないエリアになる。R136から分岐する県道16号こそ南伊豆ツーリングの真骨頂。ここまでは前座だ。
他車が居なくなるようにタイミングを見計らいながら先に進む。適度にアップダウンしつつ海を眺めながら進むこの道はやはり良い。今年の4月に走った男鹿半島はさらに良いが、あれは別格だ。関東周辺のシーサイドロードではここがトップクラスだろう。
このすぐ先からは、シュノーケリングスポットとして有名なヒリゾ浜が見える。停車して眺めたい欲と走行欲のどちらを取るかが悩ましい。そういう時は、潔く何往復かして、停まったり走ったりするのが良い。勿体無い根性が消え去り、前をトロい車が走っていてもなんとも思わなくなる。
ヒリゾ浜周辺を過ぎると、海沿いを離れて内陸部分が増え、若干つまらなくなる。だからというわけではないが、子浦方面へ降り、さらにその先の落井海岸へ行ってみる。1車線の長い直線トンネルを抜けて辿り着けるこの場所は相当な僻地だ。
狭い直線トンネルを抜けた先にある落居集落と海岸。海は荒れまくっているのに、小さい港では子供がプカプカと泳いでいる。なんだここは。 pic.twitter.com/nNxR4WogoW
— m.sota (@msota_RS) September 21, 2024
この先も、たまーに海が見えるが基本的には山間部のアップダウン、という道が雲見集落まで続く。その途中にある棚田展望台に寄ってみる。
このあたりから雲見までの下りは道幅も広くて走りやすい。他車もいないので快走しているとあっという間に山下りは終わる。
ここから先はひたすら西伊豆の海岸沿いを北上する区間になる。ここも走りがいのある場所だが、若干交通量が増えてくるのが難点だ。
そして、いつもそうなのだが、このへんまで来ると帰りのことを気にせざるを得なくなり、常に時間を気にかけながら走ることになる。たまには雲見温泉あたりに泊まって午前中に西伊豆を走りたいとも思うが、普通に日帰りできてしまうので、今のところは実際にそのような行動に出る気になれない。そのうちやるかもしれないが。
そんなわけで淡々とR136を北上していく。途中、松崎のフードストアあおきで土産物の丹那牛乳ヨーグルトを買う(以前はそこかしこのマックスバリュで売っていたのに、最近扱わなくなってしまった)。さらにそのまま黄金崎まで北上すると、日没まであと1時間程度な雰囲気になっていた。
こうなると、もうどこで日没を迎えるか、ということだけがポイントになる。選択肢は2つか3つしかない。そのまま海沿いを北上するか、さっさと山を登って西伊豆スカイラインから見るか。
山のほうにある雲を見ると、とても西伊豆スカイラインから太陽が見える気がしない。とはいえ、海沿い北上は、ほんの3カ月前にやったばかりで面白みがない。そこで、ダメ元で西伊豆スカイラインを目指す。
土肥まで北上してそのままR136を東に向かい、船原トンネルを抜けて西伊豆スカイラインに向かう。土肥に向かう途中で太陽は雲の裏に隠れてしまい、峠を登っているうちにどんどん暗くなってしまった。この状況で西伊豆スカイラインに行くのは無駄骨感に溢れているが、誰も走っていない近道だと割り切って向かう。
しかし、高度を上げるにつれて霧がどんどん増えていく。いったん増えはじめた霧が、さらに高度を上げて晴れるということはほぼない。このへんに駐車場があったよな…というところまでとりあえず走る。視界がかなり悪いが辛うじて駐車場を認識できた。
西伊豆スカイラインはここからまだ10kmぐらい北上するが、こんな視界が悪い道を走ることは苦痛でしかない。諦めて来た道を戻ることにした。
R136に戻り、往路で雨宿りした道の駅をスルーし、伊豆縦貫道の無料区間を走り、修善寺で降りて一般道を走り、大仁からまた伊豆中央道に戻り、料金所手前で一般道に逃げ…と、往路とまったく同じ経路で帰る。往路・復路で極力違う道を走る主義なんだが、この霧だと道の選択肢がほとんどなくなってしまうのでどうしようもない。
三島あたりでR1に戻り、走っているうちに予想通り霧が濃くなる。これまた往路と同じく箱根峠のパーキングに停める。結局箱根は朝から晩まで霧だったのだろうか。
箱根新道の入り口さえわからないほど酷い霧だったが、高度を下げるうちに霧は晴れていく。西湘バイパスまで降りると気温が元に戻り、霧の中の涼しさが懐かしくなる。
ツーリングの締めにラーメンを食うべく山岡家平塚店に向かう。ここは混雑していることが多く、入れないことを懸念していたが、予想通り駐車場に入れずR129に待ち行列ができている始末。さっさと諦めて茅ヶ崎の小林屋に行って味噌ラーメンを食う。実はほんの数週間前に茅ヶ崎プールに行った際に同じ行動パターンをとっている。なんとかしてほしいものだ。
いつもの柳島のGSで給油し、さほど混んでいないR134を疾走して帰宅。西湘バイパス以外は全部一般道で400km越えなのでそれなりに疲れた。ほぼ勝手知ったる道しか走っておらず、あまり新鮮味等は無かったが、今回は高まったツーリング欲を満たすことが目的だったので、それはそれで良しとする。雨や霧に翻弄された部分はあったが、それもツーリングの醍醐味だということにしておく。
撮影について
前回に続いてPENTAX K-1 MarkII + smc FA77/1.8 LimitedとGRIIIの組み合わせ。一応43mmも持って行ったが、特にレンズ交換したいと思う機会はなかった。もうこの組み合わせで良いんじゃないかという気がしてきた。ズームレンズより軽いし、よく映るし。