南足柄・丹沢湖ツーリング

2025年の冬は例年に比べると寒くない気がするが、たまたまKに乗ろうとする日(ソロ活動できる日)に限って何故か寒い。

LXで三浦半島をウロウロした日も元々はKで出かけるつもりだったのに、寒くて尻込みしてLXになってしまった。そして、この日もやっぱり寒い予報だった。つい先日まで連日快晴で3月並みの気温とか言っていたのに。

とはいえ、2025年になってKに乗ったのは2回。どちらも昼休みに無理矢理走っただけ。

こんな状況なので、基本的に走り成分が足りていない。日和ってLXにしてしまった先日とは違い、寒さ云々より走行欲が上回ったのでKで出かけることにした。念のためバッテリーの充電だけしておく。

とはいえ、天気予報によると箱根峠は正午頃でも1度とか2度なんていう気温なので、標高が高いところには行きたくない。その時点で行き先としてはナントカスカイライン系が外れる。諸事情により早朝出発できないので、伊豆海岸線一周なんていうのもナシ。房総半島なら行けるが、どうせ行くならもっと時間をとれる時に行きたい。

そんなわけで、短距離・標高が高くない・走行欲は満たせる、なんていう条件を満たせそうなエリアとして、小田原南足柄広域農道と丹沢湖方面を選択した。

朝からやることがあったのでそれを終わらせ、身支度をする。セリアで買っておいたインナーグローブを今回初めて使う。それに加えて、電熱ベストや厚手のタイツといった恒例の冬装備を着込む。

ちょっと前に買った空気入れで前後タイヤの空気圧を調整し、最近にしてはかなり遅めの9:30過ぎに出発した。気温のせいか道は空いている。ガソリンはそこそこあるので、いつもの柳島のGSもスルー…したが、珍しく空いていたので入れておけばよかった。そのまま西湘バイパスに乗る。それなりに防寒対策をしてあるので、高速走行でも寒さはあまり気にならない。100円のインナーグローブもそこそこ効果があるようだ。特に用事もないが、なんとなく西湘PAに寄る。

どんよりとした寒い天気

小田原南足柄広域農道への道を正確に覚えていないので、一応iPhone6sのナビを設定してホルダーに装着した上で出発する。西湘バイパスを箱根口で降り、少し戻って小田急線の踏切を渡って急坂を登る…まではよかったのだが、その後「わんぱくランド」のあたりで道を間違えてしまった。

iPhone6sの反応が鈍くて、移動についてこない上にリルートも時間がかかるという問題もあるが、そもそも道を覚えていない自分が悪い。とはいえiPhone6sで使うGoogleMapのレスポンスの悪さはもうCPUの限界と言わざるを得ず、そろそろSE2なり何なりの中古品に買い換えざるを得ないだろう。

調子に乗って走っていたら道を間違えた

無駄に山を降りたり登ったりして、ようやく小田原南足柄広域農道に入る。早速快走路が始まる。途中フラワーガーデンの手前あたりで一時的に市街地になるが、そこ以外は信号も滅多に現れず、交通量が少ない気持ち良い道が続く。景観が良い場所が少ないことと、北上する車線側の路肩が側溝ばかりで停車しづらい点が問題といえば問題だが、その程度なら些細なものだ。

この道はそれなりに脇道が多く、セローやLXだったら脇道侵入大会を始めてしまうところだが、Kだと行き詰まった時の方向転換のことを考えると入る気になれず全てスルー。途中遅めの軽トラの後ろにつけてしまったが、撮影停車することで回避。それ以外は遮られることもなく快走を終えた。

軽トラをやり過ごすために停めたが、撮影スポットとしてもなかなか良かった

この橋のそばの交差点で農道を逸れる

小田原南足柄農道自体はもう少し先に続くが、丹沢湖とは違う方向に行ってしまうので、県道78号のところで別れを告げ、別の道を北上して酒水の滝を過ぎてR246に出る。そのまままっすぐ進んだ方が早いが、反面面白くも何ともないので、R246の旧道と県道727号を走る。こちらの方が味わいがある。

東名高速道路を望む

新東名の工事もだいぶ進んできた。橋が繋がりそうだ

河内川沿いに谷間を進む県道76号で丹沢湖に向かう。遅い車に追いついてしまったが、玄倉方面に向かう分岐で抜く。その後は全く他車に遭うことなく丹沢湖畔に出る。冬らしい殺伐とした雰囲気が漂う。

良い雰囲気だ 1

良い雰囲気だ 2

良い雰囲気だ 3

良い雰囲気だ 4

去年ピアッツァで来た時は丹沢湖マラソンにバッティングしてしまい、人も多いし撮影スポットは塞がれているし、さらには通行規制時間にまで追われて酷い目に遭ったが、今回は真逆の良い雰囲気だ。

午前中は雲が多くて寒かったが、いつの間にか太陽が優勢になり、着込み過ぎたせいで電熱ベストの熱さが気になるようになった。贅沢な悩みだ。

しかし、良い雰囲気だったのはここまで。再び走り出すと、目の前に突然ドン臭いキャラバンが現れてトロトロ走り続ける。うざい。そして丹沢湖にかかる橋の両側には大勢の釣り人が並んで竿を出している。景観もクソもあったもんじゃないが、まあ丹沢湖なんて景色を観にくる場所じゃないので文句を言ってもしょうがない。

その後は河内川沿いを行けるところまで北上することにした。その途中、いつも立ち寄る林道の橋で撮影する。

川の水量が少ない

夏に来ると水の色が青緑色に見えるのは、日光の位置等に関係するのだろう

県道に戻ってひたすら北上する。基本的にはセンターラインがあるが、たまに狭くなる箇所が現れる。日が当たらない場所には塩化カルシウムが撒いてあったりするので気を遣う。寄り道してみたい脇道が多数あるものの、全部諦めるのは小田原南足柄広域農道と同じだ。

結局何もできないまま丹沢のビジターセンターを過ぎ、キャンプ場エリアに入る。ここから先は基本的にいくつかのキャンプ場(私有地)をつなぐ道なので、本来はキャンプ場の利用者以外は入れない場所になるが、シーズンオフなのでご勘弁いただきたい。キャンプシーズンはそれなりに人で溢れている場所も、2月頭だとガラガラだ。

大した景色じゃないけど冬場しか撮れないと思うと急に貴重に思えてくる

そもそも出発が遅かったせいもあるが、撮影でちょろちょろ停まりすぎたので、この時点で既に13:00を過ぎている。どっかで2025年の初ラーメンを食いたいところだったが、この調子だと店に着いた頃にはどこも休憩時間になってしまっている。

しょうがないので近場で昼飯にすることにして、Google Mapで検索したところ最も高評価だった、三保ダム集落にある「喫茶 憩」に行くことにした。

というわけで来た道を戻る。撮影好適地を探しながら走るが、何も見つからないまま三保ダムに着いてしまう。「喫茶 憩」の駐車場が砂利だったので一瞬躊躇したが、意を決して入る。

身支度を整えて店に入る…のだが、ドアノブの使い方がよく分からずいきなり出鼻を挫かれる。なんとか開けて入る。外観から想像できる通りの昭和な雰囲気に溢れた店内だ。20名以上入れるキャパがあるが、先客は1名のみ。それなりにお年を召しているであろうおばちゃんに挨拶し、Kが見えるテーブル席に座る。

昔懐かしい感じが漂う

メニューを見ると、事実上選択肢は「スパゲッティー ミートソース」「スパゲッティー カレーソース」「ビーフカレー」「牛丼」のどれかに限られる。先客が食っていたビーフカレーが美味そうだったのでそれにする。

たぶん事前に仕込んでおいてササっと出せるモノ、という観点でこれらが残ったんだろうな

暖かい店内でのんびりカメラを弄っている間にビーフカレーが出てきた。

うぉ〜〜

このスタイル(カレールーがカレーポットに入って別皿)で出てくるだけでテンションが上がる。これ自体が絶滅危惧種なんじゃないだろうか。福神漬とラッキョウがこの食器で出てくるのも良い。食う前から期待感が高まる。

カメラやら何やらを片付けてビーフカレーをいただく。味自体は典型的なジャパニーズカレーであり、さほど特筆すべきものはないが、タマネギが煮え切らずに無駄に主張するような子供会のキャンプのカレーみたいなものではなく、ちゃんと色々な野菜が溶けた正しいカレーだ。そしてビーフカレーの名の通り、角切りの牛肉がたくさん入っている。辛さで言えば「辛口」にあたるだろう。そのカレールーが、たっぷりのご飯にかけきらないほど、カレーポットに満杯に入っている。もうそれだけで十分じゃないか。食っても食っても終わらない。それこそがカレーライスの原点じゃないか。

当たり前だが、カレールーもご飯も全部食った。これまでのツーリングの全てが吹っ飛ぶほど満足してしまった。これが600円。何でもかんでもコスパで評価するのは好きじゃないが、これは素晴らしい価格満足度比だと言わざるを得ない。

もっとたくさん払いたいぐらいだったが、それも変なので普通に600円を払って店を出る。出走の準備をして、微妙に緊張しながら砂利道を走って店を出る。丹沢湖畔を離れて下界に向けて降り、先日も寄った三保ダムが見えるダム公園の駐車場に行く。

曇っている方がバランスが良い写真が撮れる

さて、これからどうするか。

時間的にはそのまま帰ってもいい時間になっているが、正直言って少々走り足りない。裏道を走って御殿場方面に向かい、土産物を買うことで、走行欲と買い出しの両方を満たすことにした。

とりあえずR246に向かって県道を下る。道の駅山北に寄って土産物のミカンを買う。駐車可能台数が少ないし設備もショボいので、なんだこりゃ使えねえなと思っていた道の駅だが、昨今の巨大化・商業化した道の駅ばかり見ていると、むしろこのぐらいの素朴な方が好ましく見えてくるのが不思議なものだ。

さらに走ってR246に入り、御殿場方面に向かう。そのまま行っても面白くないので、いつも山中湖に向かう際に使う静岡県道山中湖小山線に入る。途中にある工業団地がいい感じなので立ち寄る。

いい感じだけど電線は邪魔

山中湖方面に向かう交差点を過ぎ、富士スピードウェイの門の前で曲がって南下する。

レース中継のアナウンスが流れまくっているが、周辺は民家も無いので苦情も入らないのだろう

そのまましばらく走るとR246に戻る。御殿場方面に向かい、R138に入ってマックスバリュ東田中店を目指す。ここには目的のものがあることがわかっている。

いつもは「特濃乳」なんだが、今回はコーヒーにした

買い物を終えると、時間は15:30になっていた。温泉にでも入りたいところだったが、時間的にその余裕はない。さっさと東名高速で帰ることになる。

御殿場IC手前のGSで給油し、御殿場ICから東名高速に乗り、秦野中井ICで降り、そのままひたすら南下して二宮ICから西湘バイパス、そのままR134を東進、という毎度お馴染みのコースで帰る。R134が空いていることを期待したが、それなりに混んでいた。左手が疲れたので途中で休む羽目になった(停めやすい広い路肩が極めて少ないのがR134の難点だ)。

ここ以外に停めやすい場所がない

帰宅後の晩飯は、無事の帰還を祝してビールと焼き鳥にした。自分で鶏肉をさばいて串に刺して焼いたのは言うまでもない。

距離的にはシケたもんだけど「喫茶 憩」のおかげで極めて満足度の高いツーリングとなった。

撮影について

PENTAX K-1 MarkIIを使うのはいつも通りだが、レンズは久しぶりにsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedを使った。最近はD FA 24-70/2.8ばっかりだったが、43mmでも全然困らないし、振り返ってみるとやっぱり味わい深い写真が撮れていた。曇っているときはあえてF1.9や2.2を多用してみたが、現代的なF2.8通しズームとは一味違う写真になる。晴れているとF2.8でもパープルフリンジが目立ってしまう場合があるのはご愛嬌。絞るか、RAW現像で誤魔化さざるを得ない。一応FA 77mmも持っていったが、わざわざそれを使う機会は現れなかった。

このところズームばっかり使っていたけど、一周回ってまた43mm単焦点に戻ってきてしまった。知らないところに行く時はズーム、行き慣れたところに行く時は単焦点、というのが妥当な使い分けなのかもしれない。

ただ、河内川に架かる林道の狭い橋の上だと、さすがに被写体との距離を保てないので43mmでは厳しく、首にかけたGRIIIに頼る場面があった。31mmを持っていけば良いとも言えるけど、さほど多くない機会のためにわざわざレンズを用意しておくより、首に提げたGRIIIを出す方が簡単なんだよね…カスタムイメージを「ポジフィルム調」にして彩度をあげておくと違和感がだいぶ減るし…

後日談

素晴らしい価格満足度比で感動レベルだった「喫茶 憩」について、帰宅後にちょっと調べてみたら、既に引退を決意されているようだ。なんでこんなに安いのかと不思議で仕方がなかったんだけど、既に利益度外視フェーズに入っているのかもしれない。

月並みだが、人間誰しも寄る年波には勝てない。もっと頑張って続けてほしいなどとは言えない。丹沢湖には何度も行っているが、喫茶 憩を知るのが遅過ぎた。いつまで続けられるのかはわからないが、なくなる前に再訪しておきたいところだ。

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