直す気分になった

台風が通過した翌日。普段どおりに目を覚まし、メールで午前半休の申請をして、さっさと二度寝した。申請なんて寝る前にやっておけばよかったのに、失敗した。

K1100RSが壊れるかどうかに関わらず、会社から自宅に帰ることを決めた時点で、翌朝は普通に出社する意思がなかった。仕事の谷間だし、午前半休しても何の問題も無い。

2時間半かけて帰宅した時点で午前1時半。それから倒れたK1100RSを起こしたり、飛んでいった物置の屋根やビーチサンダルを探したりした。その後、ネットに向かってブツブツ嘆いたり、自棄酒を飲んだりしているうちに朝の4時。

たかだかバイクが壊れただけでこれだけ凹み、どこにぶつけていいかわからない怒りや虚脱感に包まれるのだから、自然災害で家族や家を失った方々はどれほどの喪失感を覚えたのだろう。

二度寝から目覚めると、午後出社でさえでも遅刻しそうな時間だった。慌てて家を出る。K1100RSを包み込んでいたはずのボデーカバーは真ん中から真っ二つに破れており、本来あるはずのアッパーカウル上半分は無くなっている。メーターの向こう側の景色が丸見えの、見慣れない光景。こういうことがあるたびに、目が覚めたら何事も無かったように元通りになっているんじゃないか、なんていう子供じみた妄想をするが、残念ながらそれが実現したことはない。

IMGP4743 姿が変わるわけが無い

台風の影響が残っているのか、東海道線の列車ダイヤはまだまだ乱れていた。乗るつもりだった列車は運休になり、その代わり、こんな状況下にもかかわらず運転している快速アクティーが通過していく。さらに湘南新宿ラインの列車を見送り、その次の列車に乗った。ただでさえ遅れていたのに、駅に停まる度に時間調整をするため、どんどん遅れていく。

二度寝のおかげで全然眠くない。暇な車中で、なんとなく新品部品価格を調べる。今回の主な破損箇所はアッパーカウルだが、正確に言えば以下の3つになる。

  • アッパーカウルそのもの
  • スクリーン
  • スクリーン上端のフラップ

アッパーカウルが$650、スクリーンが$170、フラップが$80。これにアッパーカウルの塗装代がかかる。正直言って高い。ここまで金を出すなら乗換えを考えたくなってしまう。

オークションで中古を探してみたが、タイミングが悪いのか、それとも元々滅多に出てこないのか、アッパーカウルは無い。サイドカウル等の価格からの類推だが、2万~3万くらいだろうか。まあ出せない額ではないが、無いものは買えない。出てくるのを待っていても何も進展しない。

つまり、乗ろうと思うのなら、さっさと新品を買うか、壊れたカウルを直すしかない。前日までは、凹んでいて直す気にもならなかったのだが、特に何かを決意するまでもなく、ごく自然に気持ちが修理する方向に向かっていた。二度寝してから吹っ切れたのだろうか。

とりあえず修理方針を決め、必要な材料を揃えよう。

アッパーカウルは国産車のようなABS樹脂等ではなく、グラスファイバー製。そのため、補修はFRPとエポキシ系接着剤が良さそうだ。左側はキレイに割れた(ささくれているが)のであまり苦労はしなさそうだが、右側は複雑骨折の如く複数に割れてしまい、見つからなかった部品もある。そのため、穴埋め用のエポキシパテも必要になる。

IMGP4718 やっと集めてこんな感じ

スクリーンは普通のプラスチック(材質不明)。これは割れてしまっているのだが、幸いなことにキレイにスパッと割れているので、プラリペアに頼ってみることにした。

IMGP4717

フラップは、右端の固定部が折れ、左端は曲がってしまった。折れたところはプラリペアに頼る。曲がってしまった方は、熱しながら曲げ戻すぐらいしかないだろう。

それ以外に、アンダーカウルやサイドカウル、ミラーも傷だらけなのだが、これらは2年前にも同じように台風でコケているため、既に見慣れた光景になってしまった。これはタッチペンでお茶を濁すことにする。

IMGP4746

殆どの工具と素材は、手持ちの錆取り道具でまかなえる。持っていないプラリペアとエポキシパテを、ヨドバシカメラのプラモデル売り場で買って帰る。ポイントで買ったので1円もかからなかった。こういう出足をすると、最後まで全く金を使わないで直したい気がしてくるが、さすがにそうもいかないだろう。

こうして、久しぶりに実物大プラモデル的な作業が始まった。

「直す気分になった」への2件のフィードバック

  1. ご無沙汰しております。
    大変心痛の事と思います。
    ワタシも昔、Kを大破させましたのでお気持ちの少しはわかります。 でもまあ、金と時間はかかりますが直ると思いますので 諦めないで時間をかけて是非復活して下さい。

  2. どうもご無沙汰です。
    今年は走っているより直している時間ばっかりのような気がします (^^;;

    おかげさまで、もうそろそろ修理も一段落しそうです。問題は、いざ走ってみたら風圧でバキッていったりしないかどうかです。こればっかりは走ってみないとわからないですね。

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