ジウジアーロ・ポスター

知らない間に腕時計の電池が切れていた。しかも2つ。そこで、電池交換をすべく辻堂元町にある柳川時計店に向かった。
この時計店、商品もほんの少ししか並んでないし、店構えもボロいし、なんとなく暗いし、まあとにかく入りにくそうな佇まいで、お爺ちゃんが一人で店の奥に座っているような店なのだが、ここには他の店には無いモノが1つあって、それを見たいがために、ここで電池交換をすることが多い。
そのモノというのは、Nikon GIUGIAROサングラスのポスターである。いかにも一昔、いや二昔前の雰囲気に溢れ、若干日焼け気味のポスター。漆喰の壁にかこまれた古臭い店内で、そのポスターだけが異彩を放っている。キャッチコピーからして凄い。
都市の自由を呼吸する横顔に ジュージアーロ
ああだこうだと考えた挙げ句、まるで心に残らないコピーになってしまったような意味不明さがたまらない。俺はこのキャッチコピーを既に5回以上は見ているはずなのだが、まるで覚えられない。今回も覚えられなかったのだが、時計が2つだったために時間的余裕があり、携帯のメールに打ち込む暇があったので、こうやって書くことが出来ただけの話である。
キャッチコピーも凄いが、モデルのラテン系外国人の格好がまた凄い。
まずは定番のオールバックである。そして、襟が立ったワイシャツに蝶ネクタイ。ここまではまあいいのだが、その上に着ているのは夜中にウォーキングしているオバチャンが着ていそうな上下揃いのナイロンジャケットで、しかもジャケットの裾をズボンに入れていて、わざわざその上からベルトを巻いている。しかもそのベルトは、20年くらい前に流行ったような白い布ベルト。
このモデルの格好ばかりが印象に残ってしまい、キャッチコピーはおろか、肝心のサングラスのことをまるで思い出せないという、実に素晴らしいポスターである。辛うじてジウジアーロデザインであることを思い出せる程度だ。ところで、あのダサいナイロンジャケットはジウジアーロデザインだったりしないだろうな。当然ベルトも違うだろうな。もしジウジアーロデザインだとしたら大いに幻滅するところだ。
やっぱりモデルの格好しか印象に残ってないのであった。
040822_2310~01.jpg電池交換した時計も当然GIUGIAROデザイン(右側だけ)