K1100RS 岐阜ツーリング

前置き

10月第1週金曜日は弊社の創立記念日となっており、季節柄もあり、ツーリングに行くことが恒例行事となっている(とはいえ2015年以降行けていないが)。

今年もキャンプツーリングを計画していたのだが、困ったことに10月第1週金曜日はさえない天候であることが多く、過去何度か(というより、ほとんど)日程変更や雨中走行強行を余儀なくされている。今回も例に漏れず台風襲撃に遭い、金土のつもりだったのに土日への変更を余儀なくされた。もはや創立記念日など何の関係もない単なる週末ツーリングである。

金土と土日を比べると道やキャンプ場の空き具合が大きく異なるので、この変更は非常に不本意なのだが、雨中走行よりは多少の混雑の方がまだマシなのでそちらを選ばざるを得ない。

そして行き先もまた天候次第となる。この週末は台風の関係で東北・北陸方面は雨なので論外。台風一過につき気温が高いため、伊豆や伊勢などの南部も外れる。残る候補は信州または岐阜となり、今年の春に行けなかった岐阜を選択した。

ルート構想

残念ながら土日になってしまったのでメジャーなキャンプ場は避け、予約不要なキャンプ場を探す。幾つか候補がある中から、下呂市の中川原キャンプ場を選んだ。理由としては、徒歩圏内に温泉があることと、2日間のルートを検討するにおいて、中間点としてはまあまあ具合が良かったからである。

その上で、1日目は中央道で伊那に出て権兵衛峠を抜けて開田高原、御嶽山、鈴蘭高原を経てキャンプ場。2日目は馴染みのある馬瀬から金山湖、こもれびロード、せせらぎ街道を抜けて、荘川あたりから南下して適当なところで東海北陸自動車道を経て新東名で帰る、という計画を立てた。距離的には明らかに2日目の方が長くなるので、キャンプ場に早めに着いて早寝早起きする、という算段である。大抵この算段は外れるのだが。

下準備

超久しぶりだった前回のキャンプツーリングとは異なり、今回はそれほど間が空いていないので準備で迷うことはない。ただ、前回ダメ判定したColemanのテント(古くてシーリングが剥がれたりしている)を、FIELDOORのソロテントに買い替えた関係(防水バッグに横方向では入らないため)で、パッキングは少々変わる。寝袋や着替えは、新たにコンプレッションバッグを導入したのでそれに入れる。これらの結果として、パニアケースには前回よりは少しだけ余裕ができたが、もうちょっと大きい防水バッグにすればもっと余裕ができるので、次回以降は買い替えを考えたい。何しろ今使っているのは、元はと言えば波乗り用だし…

それ以外のキャンプ用品は前回とほぼ同じ。前回使わなかったものを色々切り捨てた関係で、荷物的にはさらに減った。パニアケースにおける土産物スペースやキャンプ時の晩飯買い出しスペースを確保するためには、荷物の総量を減らすことは重要である。

撮影用のカメラは前回はPENTAX KPにDA★55, FA31をメイン、GRをサブとしたが、今回はiPhone11 Pro Max購入直後だったので、GRは使わずにサブと広角はiPhoneとした。メインのレンズは、前回使ったDA★55はやたらとパープルフリンジが出まくり、絞ってもどうにもならなかったので、今回のレンズはFA43, FA31とした。FA43がパープルフリンジが出ないかというと正直大差無いのだが、どうせ出るなら体積が小さい方にするという変な理屈に依るものである。ウエストバッグもそれに合わせて小さめにした。そんなにパープルフリンジが嫌なら今時のズームレンズにすればいいのかもしれないが、やっぱりズームだと撮れる写真が味気ないので…

Day 1 出だしから躓く

6時に出発するつもりだったのだが、30分ほど出遅れてしまった。
土曜日の朝は間違いなく中央道小仏トンネルと圏央道が渋滞するため、この30分は命取りである。
あいにく腹の具合が悪く、圏央道厚木PAで籠もることになってしまったこともあり、Googleナビは真っ赤であった。

仕方なく相模原ICで降り、R413等を経て相模湖ICから中央道に乗る羽目になってしまった。
この時点で1時間のロス。30分の出遅れがトータル1時間半のロスを招く。だから土日は嫌だったのだが…

さらにトラブルは続く。走行中に右ウインカーだけ点滅速度が速いことに気付いた。
中古購入時(12年前)に球は全て入れ替えたのだが、そろそろ切れてもおかしくはない。
極力車線変更を避けて八ヶ岳PAに入って確認すると、前側が切れたようだ。

2010年のGo Go West時に出先でヘッドライトが球切れして以来、予備の球を持参することにしているので球切れ自体は別に支障はない。問題なのは、せっかく括り付けた荷物を降ろしてシートを外さないと予備球にもプラスドライバーにも辿り着けないという点だ。これはうんざりする。一泊二日なのでそこまで大荷物でもないのだが、うんざりすることには変わりはない。

ブツクサ言いながら荷物を降ろし、予備球と工具を取り出す。早速ウインカーのレンズを外して球を見てみたが、球切れしているようには見えない。それでも一応替えてみたが、症状は変わらない。やはり球切れではないようだ。

これは困った。たかがウインカーだが、これが使えないのは公道を走る上では致命的だ。ひたすら手信号でこの先数百キロを走る気にはならない。これはどうにか直したい。とりあえずコネクター周りを確認する。ウインカーのコネクターはミラーを外したところにあるので、手で無理矢理ミラーを外し、コネクターを抜き差しする。そして再テストすると、なんと直ってしまった。

このコネクターを挿したのは全塗装をした時なので7年ぐらい前の話になる。それから今まで何ともなかったのに、何故突然今日になってこんなことになるのか。先日のABSユニットといい、抜き差しで直る症状が続いていて気持ちが悪い。また別のところで起こらなければいいのだが。

さらに時間をロスしたので、またしてもルートの再考を迫られる。諏訪で降りて一般道で伊那まで向かうつもりだったのだが、もはやその余裕はない。とはいえ伊那周辺の農道を全く走らないのもつまらないので、伊北まで高速でその後は農道、という折衷案とした。とりあえずウインカーは直ったので気分は良い。ブツクサ言わずに荷物を括り付けて出発する。

Day 1 伊那からの快走路巡り

伊北ICで降りて給油し、農道を走る。このあたりの定番ルートであり、ここを通らない手はない。

途中で何度か止まって撮影しながら先に進み、退屈な権兵衛トンネルを抜けてR19に出る。道の駅「日義木曽駒高原」に停めて、木曽牛コロッケを買う。これと毎回持参するチョコチップスティックパン1本で昼飯代わりとする。BMWの説明書に従うわけではないが、食いすぎると眠くなるのでこのぐらいで丁度良い。

木曽福島の手前で超快走路R361に入り、開田高原を目指す。この道は何度走っても良い。そう思えるのはK1100RSだからだろう。セローだったら退屈かもしれないが、車両の特性に合わせた道選びは重要だ。トンネルを抜けて開田高原に入ったところで、適当な脇道に入ってウロウロする。

さらに進んで御嶽山のビューポイントに到着。残念ながら雲が多くて全容は見えない。

さらに続く快走路をひたすら疾走する。

そして長野県から岐阜県に入り、いつもは通らない御嶽山方面への岐阜県道463号に入る。初めて走るこの道もまたなかなかの快走路だが、景色に関しては残念ながら微妙だ。しかし、ひたすら御嶽山を登り続け、その微妙さから一転して開けたところに出るとスキー場の駐車場があり、丁度先程までかかっていた雲が取れたところだった。ここぞとばかりに写真を撮る。

この県道をそのまま進んでもキャンプ場には行けるのだが、ここから先は狭いクネクネ道であることが判っている。K1100RSで走っても楽しくないので、主義に反するが来た道を戻り、再度R361を走る。長野県側に比べると岐阜県側は快走路度合いが落ちるが、それでもまあまあな快走路であることには変わりはない。いつも立ち寄る高根の道の駅には寄らずに直進し、途中の交差点を左折して岐阜県道435号に入って鈴蘭高原を目指す。

途中から県道ではなく市道になるのだが、整備というか掃除状況があまり芳しく無く、落ち葉が多くて走りにくい。道自体の快走路具合も先程に比べると落ちる。ダメではないが素晴らしくもない道を淡々と走るうちに展望台に到達する。先程まで居た御嶽山が見えるが、またもや雲に隠れてしまっている。今回は遠景に関してはハズレだったようだ。

ここからひたすら下ると、目的地である中川原キャンプ場に到達する。途中までは相変わらず良くも悪くもない道だが、市道から県道441号に変わると多少状況は改善して走りやすくなる。そのまま淡々と走り続け、キャンプ場に到着した。時間は15:40。一応15:00到着を目指していたのだが、まあこれでも自分にしては遅れなかった部類だ。

中川原キャンプ場

坂を下り、砂利道を走って管理棟(というか小屋)の前でK1100RSを停める。管理人のオジサンに一泊したい旨を告げ、指示に従って用紙に記入する。料金は1800円。このあたりの相場的には若干高い部類に入るが、ゴミも捨てられるし、温泉も割引になるので良しとする。歩いてウロウロして場所を見定める。良さげな場所は既に埋まっているため、素晴らしくもないがまあ悪くもない(今回はこんな感じの事象が多い)場所を今回のキャンプ地とした。前は川で、対岸は先程まで走っていた県道と民家なので、しつこいようだが素晴らしくはない。

荷物を降ろして設営を開始する。初めて使うテントだが、自宅で一度試し張りをしているので特に問題はない。小さいので簡単に張れる。地面はかなり固く、極めてペグが入りづらい。大きめのハンマーを持っていて助かった。テントに続いてタープを張り、椅子やらテーブルやらを出して設営完了である。雨の可能性は無さそうなのにわざわタープを張るのは、ほぼ気分の問題である。所要時間は一時間弱と言ったところか。

設営が終わったところで食材の買い出しに向かう。ここから最も近いスーパーは飛騨小坂駅のそばにあるA-COOPだが、ここはおそらくショボい。ちょっと遠いところにあるバロー萩原店はショボくないことは判っているが、この店は20km以上先にあるのでかなり遠い。温泉の食堂で済ますという手もあるが、味気ないので却下。とりあえずA-COOPを目指して出発する。

予想通りショボいA-COOPに入り、惣菜を物色するが、既にあらかた売れてしまっていて、そそるものが全く無い状態であった。刺し身やコロッケは残っているのだが、岐阜っぽさがまるで感じられないものを食うのは主義に反する。仕方なく明宝ハムを買おうととしたところ、隣の棚を上から下まで占拠する「けいちゃん」が眼に入った。

全然知らなかったのだが、下呂市近辺エリアの地場料理のようだ。本来は野菜とセットで炒めて食うもののようだが、これだけで食っても別に問題はないだろう。これだけ推されまくっては食うしかない。種類が多くて選択に困るが、とりあえず一番最初に目に入ったものを買うことにした。

あとは米と野菜が欲しいところだが、困ったことに惣菜コーナーには相応しいものがない。仕方がないので、けいちゃんとビールだけ買って、近くにあるローソンに向かう。ここで真空パックの米と枝豆、つまみ用にソーセージを買う。

色々やっているうちに徐々に日が落ちてきた。寝床に戻らねばならない。淡々と県道を走ってキャンプ場に戻る。そしてそのまま調理に入りたいところだが、その前に近くの温泉「ひめしゃがの湯」に行く。歩いて行けない距離ではないが、微妙に遠いことは実は先ほど偵察済みだ。迷うこと無くK1100RSで向かう。

700円で入浴券を買い、受付で割引券を出して100円のリターンを得る。ロビーではラグビーの試合をやっている。そう言えば今日は日本対サモアの試合だったか。服を脱いで浴場に向かう。前回は入りそこねたので、久しぶりのツーリング温泉だ。ほぼ同じ姿勢で走り続けて硬直した身体にはやはり温泉が良い。身体がほぐれたところで温泉を出てテントに戻る。さて、ようやく晩飯だ。

K1100RSをテントの前に停め、荷物を仕舞い、服をキャンプモードに切り替える。そして椅子に座ってようやく「よなよなエール」を飲む。この一口のためにここまで走ってきたのだ。美味くないはずがない。

そして飯を食うべく、ガスコンロで水を温めて真空パックの米を温める。説明を読むと、何とボイル時間は30分と書いてある。予想を大幅に超える時間に唖然とする。どうしようもないのでビールと枝豆で居酒屋モードに突入する。空腹極まっているわけでもないので、これはこれで悪くはない。米ができるのを待ちつつ、ストーブに炭と薪を入れて着火剤を点火して焚き火を始める。

そんなことをしているうちにさすがに腹が減ってくるので、先に「けいちゃん」を食うことにした。鍋を焚き火に移し、ガスコンロに鍋の蓋を乗せてフライパン代わりにして油をひき、鶏肉を袋から出して乗せる。鶏肉故にそれなりにきちんと焼かなければならないので焦らず待つ。さすがにもう大丈夫だろうという状態になったので食う。美味い。実に美味い。何だこれは。

そうこうするうちに米も出来上がったので「けいちゃん丼」にして食う。この食い方もまた美味い。

けいちゃんですっかり満足してしまったのだが、他にも色々と買ってしまったので、半ば無理矢理食う。じわじわと下がる気温に、小さいストーブで対抗し、か細い火でソーセージとベーコンを焼いて食う。そして生酒を温めて呑む。DAZNでラグビーの日本対サモア(ダイジェスト)を観戦したり、地図を見たりしながらダラダラする。

ある意味最も至福な時間だが、5月に行った桧原湖のキャンプ場とは異なり、川の対岸の県道や民家の明かりのため星もさほど見えないし、残念ながら風情も2ランクダウンのため、前回のような「寝るのが勿体無い」ほどの至福感はない。そこまでの感覚はこれまでクッチャロ湖沼沢湖、そして桧原湖ぐらいでしか感じたことがなく、それと比べると今回はまあ極々普通の(むしろ普通よりは良い)キャンプ場なのだが、前回が良すぎただけに落差を感じてしまう。そんなわけで、それほど勿体ぶらずにさっさと寝ることにした。新しいテントは以前のコールマンよりは狭いが、大した荷物量でもないので特に問題にはならない。寝袋に入ったらあっという間に寝てしまった。

Day2 出走まで

それなりに酒も飲んだし、気温も丁度良いので爆睡…と言いたいところだったが、どういうわけかやたらと喉が渇いて何度か夜中に目が覚めてしまった。睡眠記録のアプリを見ると目覚めたのは3回だけなのだが、やけに多く感じられた。外の明るさと周辺のガサガサ音もあって6時過ぎに本当に起きる。朝飯はチョコチップスティックパンの残り、粉末コーンスープ、ドリップ珈琲の定番セットである。

味わうほどのものでもないのでさっさと食べ終える。食器洗いとトイレ等を済ませつつ周辺を散歩する。

そして片付けに入る。キャンプツーリングの一番めんどくさい時間だ。どうにも気が乗らずにダラダラ片付けをしていたせいで時間が押してしまった。8:40にようやく出発。起きてから2時間半も経っていた。早起きしてさっさと出かける目論見は案の定外れてしまった。

Day2 ひたすら快走路

とりあえず昨日も通った道で飛騨小坂に向かい、そこからR41を南下し、萩原あたりで県道に入り馬瀬に向かう。以前は毎年春に行っていたが今年は行けなかった場所に半年遅れで向かう。この道は素晴らしい快走路なのだが、いつもは集団で走っているので自分のペースもクソもなく走り抜けてしまうところを、今回はソロなので適当に寄り道しながら走る。

程なくして毎度おなじみのホテルの駐車場に到着。ここの温泉は実に良いので立ち寄りたいところだがそこは我慢。駐車場で写真だけ撮ってホテルを後にする。

この先は金山湖畔の岐阜県道86号を快走する。確か以前走った時は丁度桜の季節で、延々桜のトンネルだった記憶がある。若干路面は荒れ気味だがここもまた素晴らしい快走路だ。その後R256を西に向かい、和良集落で国道から外れて北に向かう。暫く走ると「こもれびロード」という道になる。自分以外誰も走っていない快走路であり、一体誰のためにあるのかさっぱりわからない道だ。やたらと郡上市が管理していることを主張しているが、郡上市はそんなに財源に余裕があるのだろうか。最後は先ほど走っていた県道86号の反対側に合流するが、この区間は快走度が落ちる。

そしてR472「せせらぎ街道」に入る。こちらはこもれびロードとは打って変わって超有名な快走路だが、晴天の日曜日にもかかわらず交通量が少なく非常に走りやすい。あまりにも快走路すぎて、そして写真を撮るような場所も見つけられなかったため、そのまま道の駅「パスカル清見」までひたすら走り続けてしまった。ここの道の駅で明宝ハムフランクフルトと飛騨牛コロッケを買う。これが今日の昼飯である。

いつからライダーの聖地になったのかは知らないが、良い道なのは確かだ。

さて、そろそろ帰路の選択を迫られる時間だ。高山方面から安房トンネルを抜けて中央道で帰る案と、荘川あたりから東海北陸自動車道、新東名で帰る案がある。来た道をそのまま帰る案もあるが、主義に反するので構想外とする。時間的には大差無いのだが、新東名案は道中ほとんど高速道路で、且つ100kmほど距離が長い。ある程度一般道で岐阜市方面まで近づけるならまだしも、時間的にそれは少々厳しい。ダラダラしていて出発が遅れたことが響いている。かと言って安房トンネルから松本までの狭い下り道もあまり気乗りしないのだが、延々高速道路走行のつまらなさを避けたいという思いが勝ったため、高山案とした。

とりあえず次の道の駅「ななもり清見」に向かう。相変わらず素晴らしい快走路だ。ここまであまりにも写真を撮らなすぎたので、何箇所か適当に停まる。

Day2 ひたすら帰る

程なくして道の駅に到着。幾つか土産物を購入し、目の前の高山西ICから自動車専用道路(無料区間)に入り、高山ICからは一般道で安房トンネルに向かう。途中の丹生川で岐阜県最後のスーパーに寄り、自分用の日本酒とおにぎりを買う。コロッケとソーセージではさすがに少なすぎたので少しだけ腹に追加する。ついでにガムも買う。ここも「けいちゃん」だらけだったが、冷凍食品は持って帰れないので諦める。こうして諸々の準備を済ませて再出発。次の停まる時はもう長野県だ。

ここからはR158をひたすら東に向かって走る。ここはいつもそうなのだが、他に道の選択肢がないこともあるのか、こんな山の中なのに交通量が多く、走っていてもあまり面白くない。事故らない程度に景色を見ながら淡々と走る。平湯トンネル、安房トンネルまではまだ良い。その先の下りは毎度のことながら苦痛極まりない。交通量は多いが、渋滞とまではなっていないのが救いだ。我慢して淡々と走っていたが、奈川渡ダムのところで力尽きて休憩する。

硬直した手足をほぐし、ガムを補給して再度下りに挑む。最初は先行車がいなかったが、すぐに追いついてしまい、それ以降はひたすら苦痛な時間だ。たまに先行車は居なくなるが、またすぐに追いつくことを繰り返しながら平地に到達した。腕にかかる荷重は減ったが、今度は交通量や道路のつまらなさといった別の苦痛が襲ってくる。気分転換に長野の地場スーパー「ツルヤ」に寄って買い物をする。

途中で給油し、塩尻北ICから長野道に乗り、あとはただひたすら走るだけ。しかしこの日は日曜日であり、中央道名物の小仏トンネル渋滞が待っている。そのことを考えてもしょうがないので、とりあえず境川PAまで走る。渋滞状況は予想通り。選択肢としては、そのまま突入、大月から河口湖、一宮御坂から河口湖、の3つである。左手が疲れていなければそのまま突入してゴニョゴニョする手もあるが、そこまでの集中力と握力をキープできる自信がない。大月経由と御坂みち経由では所要時間が数分しか違わないため、面白くて且つ安い御坂みちを選ぶ。選ぶとか書いたが、この2つで迷って大月経由を選んだことは過去数回しかない。自分的にはよほどの事情がない限り御坂みちが基本だ。

一宮御坂ICで降りて御坂みちを抜けて河口湖に出る。河口湖大橋を渡り、R138の立体をくぐったあたりで霧が濃くなる。これは霧であり、霧雨ではないと思い込みながらそのまま走り続け、東富士五湖道路に乗ってしまったのだが、残念ながらこれは霧雨だったようだ。淡々と降る霧雨の中、身体を伏せて走り続ける。既に疲れ切った身体にこの姿勢はキツいものがある。そのまま耐え続けて籠坂トンネルに突入。出たら止んでいることを期待したが、その期待は外れた。不服ではあるが須走の道の駅に入る。誰も居ない二輪駐車エリア(屋根あり)に停め、渋々ながらカッパの上着を着て、これまで使わなかったスリーシーズンの革グローブを出す。このグローブは久しぶりに使ったのだが、非常にゴワゴワしていて不快だ。

そのまま淡々とR138を走って御殿場ICを目指す。日曜日だけにサンデードライバーが多く、メリハリのない運転をする車が目立つ。疲れた身体にこれをやられると不快だ。その手の車をやり過ごして東名高速道路に乗る。こちらも勿論大和トンネル渋滞があり、どこで降りるか迷うところだが、今回は秦野中井ICで降りた。とっくに雨は止んでいるのでカッパを脱ぎ。ゴワゴワグローブを外してメッシュグローブに戻す。そのまま県道を南下し、西湘バイパスに入る。

あとはもうそのまま真っすぐ変えるだけ、と言いたいところだが、オドメーターがもうすぐ70,000kmというところまで来ていた。平塚のR134走行中に69,999kmになったので脇道に入り、70,000kmの瞬間を撮る。

今度こそ帰宅だ。ただ、先日の台風15号のため通行止めの箇所があるため、滑川〜逗子間のR134が混んでいる。ますます左手を疲れさせながらようやく帰宅した。総走行距離は864kmであった。

振り返り兼備忘録

  • アイドリングより少し上の回転域から、燃料ポンプからと思われる異音が発生している。回転数などに依存しない。何の音だかわからないので気分がよろしくない。とりあえず燃料フィルター替えるか…
  • フロントブレーキが鳴きはじめた。
  • フロントからゴーという音が聞こえる気がする。ホイールベアリングが寿命なのかもしれないが、どちらかというと単なるタイヤノイズを気にしすぎているだけだと思う。
  • 高速走行時の振動は減った気がする。やはり同調はとらないとダメだ。
  • (結果的に使っていないが)予備電球は持っておいて良かった。
  • 今回は直前にエンジンオイルとフィルター交換して上限まで入れたこともあり、オイルを補充しないまま走りきったが、一応確認したほうがよい。
  • iPhone11の回線を使ってiPhone6s(SIMなし)をナビ代わりにしたのだが、正直メンドクサかった。次もiPhone6sをナビ代わりにするなら0simを利用したい。
  • iPhone11 Pro Maxを記録写真撮影用に使ったが、普通に撮るとHDRが効きすぎて空と雲が変な色になることが多い。それに青や緑の発色も好みではない。比較対象が風景の発色に長けたPENTAX KPなので比べる相手が悪いのだが。
  • とは言え色調はある程度調整のしようがある。前回使ったGRと比べると、ツーリング中の写真としては明らかにGRの方が上なのだが、利便性や携帯性(どうせiPhoneは持っていくのだし)、キャンプ時の暗所撮影、超広角対応といったところでiPhoneが勝るため、トータルではiPhoneが上と言わざるを得ない。おそらく次回もサブカメラはiPhoneのままだろう。
  • 拙作ROADSTOCKが途中で落ちたらしく、一部のGPSログが欠落した。自分のせいなので怒りのぶつけ先がない。