ピアッツァ インジェクター コネクタ交換 Part 1

車検整備の際に「3番だけ掃除した」インジェクターのコネクタ。全部掃除したのではなく「3番だけ」である。何故3番だけだったのかを聞かなかったことが悔やまれるが、コネクタが壊れそうだからやりたくなかった感に溢れていたので、じゃあ新品のコネクタを買って取り替えればいいではないか、ということは引き取った時点で考えていた。

とりあえず新品のコネクタ部品を買うことにした。いすゞ純正部品としては存在しないが、このコネクタは専用品ではなく汎用品である。俗にBOSCH EV1コネクタとか言われているものなので、形状さえ合っていれば何でもいい。全然知らなかったが、昔ながらのピンで留める形式のもの(ピンが何処かに飛んでいってしまうリスクあり)は時代遅れで、プッシュ式というものが主流のようだ。ここで純正形状に拘るメリットは全く無いのでプッシュ式を選択する。

とはいえ、普通に検索してみても売っている店があまり見当たらない。皆無とは言わないが、たかがコネクタ1個で1000円とか妙に高い。ヤフオクに幾つか出ているがこれもちょっと高い。ROCKAUTO等の米国の部品屋でも売っているが、それよりもさらに値段が安いAliExpressの出店者から購入した。品質についてはあまり心配していない。今の時代、こういう汎用部品がMade in Chinaであることは当たり前なので、そこは気にしてもしょうがない。到着までに時間はかかるのが難点だが、そこまで急いでいないので別に構わない。

しかしウイルス騒動のせいもあったのかなかなか届かず、コネクタと配線カバーが揃ったのは注文してから45日後の話である。まあAliExpressなので、こんなものといえばこんなものではある。遅くなったことを嘆くより、正常な品物が無事に届いたことを喜ぶべきである。

とはいえハーネスをぶった切ってコネクタを付け替えるのは少々勇気がいる話であり、できればやりたくない。そのため、プラグコードやら何やら、それ以外のことで解決しないかと期待していたのだが、残念ながら不完全燃焼に終わった。遂にコネクタに手を出さざるを得ないようだ。せっかく買ったから、というほど高いものではないし、軽い気持ちでできる作業でもない。必要に迫られ、実施せざるを得なくなったのだ。

どこかでじっくり時間を取って作業するつもりだったのだが、45日間待ったモノが遂に届いたこと、プラグコード交換が予想通りとはいえ期待外れに終わったことから、交換したい欲を留めることができず、在宅勤務の昼休みに作業を始めてしまった。

時間が少ないので、最も手が入りやすい4番から始めることにする。

まずは現状の再確認である。巨匠の手により、劣化して破れたカバーにコーキングを盛りまくった状態になっている。

慎重にピンを外し、コネクタ自体もじわじわとゆっくり外す。ピンは緑錆が出ている。

購入したコネクタを仮装着してみる。問題なさそうに思える。

さて、ここまでは単なる確認。ここから先は破壊活動に入る。

まずは配線カバーの除去。完全に劣化してカピカピになっているので、手で毟り取るようにして外す。

続いてハーネスを覆っている被膜をニッパーで切って、中身の配線を露出させる。

最悪の場合、元に戻せる程度の長さを残し、ニッパーで配線をぶった切り、古いコネクタを取り去る。勇気ある切断だ。

ハーネス側の配線を加工して芯線を露出させる。

そして新しいコネクタから出ている配線と半田付けで結合する。今回は4番だけの作業なので、ハーネス全体を外したわけではないため、少々奥まった位置での半田付け作業となる。そのため非常にやりづらい。変なところに半田ゴテが接触してゴム配管を溶かしたりしたらとんでもないことになるので、極めて慎重な作業が必要だ。日和ってギボシ端子とかでお茶を濁したくなるところだったが、半ば意地で半田付けする。昼休みの残り時間はどんどん少なくなる。そのため作業中の画像も存在せず、次の画像はいきなり半田付け完了&絶縁テープ処理状態になる。

仮状態なのでテキトーな仕上げではあるが、とにかく4番のコネクタは交換した。工具類やゴミ等をどかして早速エンジンを始動する。全く問題なくエンジンがかかる。一安心。

エンジンが温まるのを待ってから試運転する。何か変わるかとドキドキしながら走らせてみたのだが、正直言って全然変わった気がしない。4つのコネクタのうち1つをやっただけで、逆にバランスが悪くなっている可能性もあるので、この時点での結果は何を言っても意味がない。

この時点で昼休み終了。時間切れである。慎重にやったとは言え、1時間弱かかって1本。単なる交換ではなく配線加工や半田付けといった作業を伴うので簡単には終わらない。このペースでは昼休みだけで終わらせようとすると3日、多少慣れて早まったとしても2日かかる。しかし残り3本もさっさと替えてしまいたい。悶々としながら午後の在宅勤務に戻った。