連日ピアッツァの微調整と試運転ばかりしている関係で、結果的にそれなりに調子よく走る状態となった。
そこで、前週に続いて有給休暇を消化し、久しぶりに長距離を走ることにした。
何しろピアッツァでは2017年12月以降神奈川県から出ていないのだ。久しぶりに外の空気を吸わせてやりたい。
しかし、困ったことに天気が微妙だ。
日帰りドライブといえば大抵は富士山近辺か伊豆半島と相場が決まっているのだが、どちらも雨予報であった。神奈川県内はほぼ曇り予報だが、それでは県外脱出という目的を達成できない。クルマなので雨でも構わないのだが、何しろこのクルマは雨漏りするし、エアコンも効かないのだ。できれば雨の中は走りたくない。
そのため、辛うじて雨予報ではない山梨(甲府盆地)か奥多摩、秩父あたりを目的地とする。大雑把なことだけ決めてさっさと寝る。そして珍しく6時台に起きた。起床後の天気予報は前日と大差なかった。計画再考は不要だ。
久しぶりの単独ロングドライブなので今ひとつ準備がはかどらない。何度も家とピアッツァを行ったり来たりして、7時過ぎにようやく出発する。気温がそこまで低くなかったので、暖気もそこそこに家を出た。排気音が大きいので暖気にも少々気を使う。
とりあえずR134を西に進み、柳島のGSで給油して空気圧を2.2に合わせる。ここで行き先とルートを再び考える。とにかく目的達成のためには神奈川県から出なければならない。目の前の新湘南バイパスに乗ってしまえば話は早いが、ピアッツァで高速道路を走っても別に面白くないし、元々一般道派なので、平塚からダラダラと北上して一旦宮ヶ瀬湖を目指すことにした。
ちょうど愛甲石田駅付近で一般人の通勤時間となり、日産のテクニカルセンターに向かう民族大移動に遭遇した。このご時世でも大勢の従業員がゾロゾロと出社するのはさすが日本の製造業である(何がさすがなのかは触れない)。
それを過ぎて清川村方面に進むと、さすがは平日というガラガラ状態となる。宮ヶ瀬湖に向かう登り坂でエンジンがどのような具合になるかが気になっていたのだが、少々速度が乗っていることもあって鼓動感はほとんど気にならない。サスペンション周りをリフレッシュしたことも走りの良さに寄与している。やはり入手以来最もまともな状態だと言えそうだ。
そしてたどり着いた宮ヶ瀬湖周辺もほとんど人がいない。桜は8分か9分咲きといったところ。まだ3月だというのに。誰も通らないので、全く気を使わずに撮影に興ずることができる。
いつも単車で溢れている駐車場もガラガラだ。やはり平日ドライブは良い。
そのままR413に出ようとしたのだが、Google Mapには通行止めマークが出ている。仕方なくR412方面から相模湖に向かう。途中のスーパーで菓子パンを買い、小腹がすいていたのでドーナツを1つ食べて再出発する。そのまま淡々と国道を走り、相模湖ICから中央自動車道に乗る。
横浜横須賀道路や第三京浜はたまに利用しているが、本格的な(?)高速道路を走るのは数年ぶりである。エアコンが常時ヒーターになってしまっているので窓を開けざるを得ないため五月蝿さが増す。起伏の多い中央道だからか、それなりに高回転を維持してしまうようで室内に熱がこもりやすい。その割には水温計はずっと一番下にへばりついたままだ。水温計がろくに機能していないのはわかっていながらも放置していたのだが、高速道路を走っていると少々気になってしまう。なんとなく談合坂、初狩と、停まれるタイミングで停まり、一応冷却水の残量を見てみるが、特に問題はない。この場でできることは何もないので放置する。本格的に腹が減ったので初狩で残りの菓子パンを食う。
勝沼ICで中央道を降り、快走農道であるフルーツラインに向かう。バイクでは何度か(SEROW, K1100RS)通っている快走路だが、ピアッツァで来るのはたぶん初めてだろう。勝手がわかっているので、お決まりの場所で停まって写真を撮る。晴れていれば南アルプスの山々が見えるのだが、雲が多くて何も見えないのが残念だ。
沿道の桜はちょうど見頃のようだ。交通量がほとんど無さそうな脇道などで思わず停まってしまい、即席撮影会状態になってしまう。
途中の道の駅から先はバイクでも通ったことがない初走行区間となる。最初のうちは道幅が狭く、農家や古い家の間を縫うように走る。快走路とは言い難い。
しかしこのような区間はそれほど長くなく、途中からは前半部と同じく素晴らしい快走路だ。交通量もこちらの方が少ない。
それなりに走りと撮影を堪能した。そろそろ帰らねばならない。さすがに今から奥多摩や秩父に行く時間はないので帰るしかない。天気予報によると富士五湖方面もなんとか持ちこたえている雰囲気なので、御坂みちを通って山中湖経由で帰ることにした。
一旦市街地に出てロードサイドのスーパーに寄って土産物を買い、御坂みちに出る。途中で菜の花や桃の花が咲くエリアに寄る。さすがに桃の花にはまだ早かったようだ。2週間後にまた来たいが、その時はもう激混みだろう。
御坂みちの長い長い坂道を淡々と登る。エンジンの鼓動感が出やすい斜度なのであまり快適ではないが仕方がない。ポポポポ言いながら登りきってトンネルを抜けて河口湖方面に降りる。河口湖大橋を渡ったところにあるオギノで吉田うどんを買い込み、あとは本当に帰るだけとなる。
多少急ぎたい状況ではあったが、東富士五湖道路は使わなくてもなんとかなりそうな雰囲気だったので、側道を使ったりしながら山中湖方面に向かう。そして残念ながら湖畔走行中に雨が降り始めてしまった。これで気温が高いと大変なことになるのだが(窓は閉めたいが、温風しか出ないデフロスターも使いたくない)、幸いなことに窓を閉めていても特に問題がない程度の気温だった。そのまま御殿場まで雨の中を走り、東名高速道路に乗る。
足柄からの長い下りをほぼ左側または中央車線を走って下りきり、その後も淡々と秦野中井ICまで走る。なんとなくブレーキの効きが悪い気もするのだが、下りだからなのかもしれない。これまた今すぐできることが何もないので、そのまま気をつけて走るしかない。二宮町をガンガン南下して西湘バイパスに入り、R134を東進して朝と同じく柳島のGSに寄る。今朝から走行した約250kmの区間燃費は8.5km/Lだった。普段は5だの6だのといったふざけた数値を出すピアッツァだが、やはりストップ&ゴーが無いと格段に燃費が上がるようだ。さらに東進し、18:00過ぎに帰宅した。
ROADSTOCKによると総走行距離は303.8km。最高速度は100km/h。自分は別に制限速度厳守論者ではない。水温の不安が心理的なブレーキになっているのかもしれない。
純正シートの出来の悪さに依る腰の疲れを除けば、クルマだけに肉体的な疲れは大したものではないが、精神的にはそれなりに疲れた。様々な異音やフィーリングの変化にいちいち気を使い、不安を覚えることが疲れに繋がるのだろう。水温計を直し、ブレーキを見直せば多少気分的にはマシになるとは思うが、仮にそれらが正常になったとしても、またすぐに別の何かが気になりはじめるに違いない。