左ドア(ドアミラー付け根部)錆取り

このピアッツァはエアコン、というかクーラーが効かない。暑いときは窓を全開にして、マフラーの爆音を聞きながら走る。それが旧車の流儀というものである。冷えた室内で優雅に音楽を愉しみながら走る、なんていうのは古いクルマに乗る者の考え方としては、お門違いもいいところである(わけがないのだが、そうでも思わないと暑くてやってられない)。

きっかけ

というわけで灼熱の中を当然のように窓全開で走り、コンビニに着いた際に閉めようとしたところ、途中で引っかかって閉まらない状態になってしまった。

元々左側の窓ガラスは建付けが悪く、ミシミシ言いながら10秒ぐらいかかってようやく閉まっていたのだが、今回はあるところで全く動かなくなってしまった。仕方ないので手で引っ張り上げようとしたところ、モールと干渉してしまっていた。なぜ干渉するかと言うと、モール自体が全く固定されておらず、宙に浮いた状態になっていたからだ。

この錆は随分前から顕在化しており、わかっていて放置していたのだが、遂に機構的に問題が出るようになってしまった。猛暑時の窓全開が不可欠なこのピアッツァにおいて、気軽に全開にできないのはまさに死活問題である。高速道路走行中に思わず全開にしてしまい、突然豪雨が来たりしたら目も当てられない。昨今の不安定な天候状況では十分に有り得る話だ。

そんなわけで、否応なしに錆取りをする羽目になってしまった。

とりあえず外してみる

錆取りのためにはミラーを外さなければならないが、そのためにはドアの内張りとモールを外さなければならない。内張りはまあいいとして、モールは極めて折れやすいので要注意だ…ということは判っていたのだが、このモールを装着したのはもう20年近く前の話で、それ以降そのままだったのだから簡単には外れない。案の定折れた。わかりきっていたことなので全然悔しくない。

続いてORIENT SPEEDのドアミラー、ではなくWINDOW MIRRORを外す。純正はネジ3本なのにコイツは2本だ。極めて不安だったが10年以上何の問題もなく使えている。

WINDOW MIRRORの証。

そのWINDOW MIRROR(しつこい)を外したところで状況を確認する。とりあえずモールを持ち上げてみると、留め具のようなものがあるが激しく錆だらけだ。

この錆をマイナスドライバー等を用いてガリガリ取り除いていると、留め具自体が外れてしまった。よくある話である。

この状況から察すると、おそらくドアの上端部から下方に伸びていた鉄板にこの留め具が噛んでいて、それによってモールが固定されていたのだが、その鉄板が錆びて崩落してしまい、何も支えるものが無くなってモールがプラプラしていると考えられる。

となると、真っ当にやるならドアの鉄板を元通りに復元することになるのだが、そんなことは素人には無理な話。とりあえず今できることは目の前にある錆を取るぐらいで、モールをどうやって固定するかはその次の話だ。ま、どうせ間に何らかのスペーサー的な物体を挟んだ上でテープで固定するぐらいしかできないだろう。

とりあえず削ってみる

というわけで早速削る。愛用の安物電動ドリルに錆取りアタッチメントを装着して削りまくる。

どこまで深く削るかは議論があるところで、何十年ももたせようとするならもっと広く深く削るか、もしくはドアごと換えたほうが良いと思うが、ボデー以外のところで今後何年持ちこたえるかわからないクルマにそこまでの耐久性考慮は不要だというのが持論なので、ある程度のところでやめる。

それでも一部の鉄板は無くなってしまった。凹みならパテだが、存在しないものにパテは使えない。そこで裏側からアルミテープを貼り、仮の裏板を当てた状態として、そこにグラスファイバーを当ててPOR15を塗る作戦に出る。これは過去何度かやったことがあり、それなりに信頼できる方法だ。

手持ちのPOR15は、それ自体が錆びていた。蓋が開かないのではないかと不安になったが辛うじて空いた。しかし開ける前に思わず缶を振ってしまったのは失敗だった。蓋にPOR15がこびりついてしまい、開ける時にタレてしまった。

蓋が開いたのでPOR15を筆で塗る。昔はその筆さえもケチって鉄ベラで塗ったものだが、このような外から見える外装をやる場合はそこまでケチらない方が良い。変なところにタレて付着してしまうとたちが悪い。

塗り終わったら、薄め液できちんと缶の蓋と縁を拭いてから蓋を閉める。これを怠ると二度と蓋が開かなくなる。POR15の薄め液は、筆を掃除するためではなく、次に再びPOR15を使えるようにするために存在するのだ。筆は今や100均で1本20円程度で手に入るので、惜しみなく使い捨てにしたほうが良い。

POR15を削る&塗る

POR15は非常に乾きが早いので、昼に塗ったのであれば夕方には問題なく削れる。荒目のペーパーで大雑把に削る。

しかし、少々削りすぎてしまったようでPOR15を塗布した鉄板部の地が出てしまった。またPOR15を塗るのも面倒なので、酸化防止も兼ねてサフェーサーを塗ることにした。

しかしさすがにまだ早すぎたようで、酷い凸凹っぷりだ。

ここまでは数時間で終わる作業なのだが、ここからはパテ塗り&パテ削り作業となる。パテ硬化待ちの関係で、1回の作業はせいぜい15分程度だが、それを数日かけて実施することになる。

パテ盛りと研磨の日々

ここから先は以下の流れで作業を進める。

パテ盛り
パテ削り
サフェーサー塗り
サフェーサー研磨
《判定》気に入らなければパテ盛りに戻る、気に入れば(妥協できる程度まできたら)塗装に移る

やっているうちにじわじわとまともな状態に近づいてくる。面白いといえば面白いのだが、何度もやっているうちに飽きてくるので、大抵「満足の出来」になる前に「もういいや」という妥協点で作業は終わる。

最初はこのぐらい派手にグラスファイバーが残っている。

そこに最初のパテ塗りをする。

乾燥後、パテを削って、サフェーサーを塗り、削る。

この流れを何度か繰り返すうちに、じわじわとマシな状態になる。

満足することなどありえないので「もういいや」となったら塗装に入る。

塗装もまた繰り返す

とはいえ、大抵1回目の塗装は気に入らない。
今回も勿論気に入らなかった。光沢がないサフェーサーだとイマイチわからないところが見えてくる。

今度は次のループに入る。

サフェーサー塗り
サフェーサー研磨
再スプレー塗装
塗装部研磨(2000番。激しく気に入らない場合は1200番)
《判定》気に入らなければサフェーサー塗りに戻る、気に入れば(妥協できる程度まできたら)コンパウンドで研磨

これも大概にして数回繰り返すことになる。
平滑面ではない場合は塗膜が薄いと2000番でも簡単に下地が出てしまうので要注意となる。

2020年の6月、7月は異様に雨が多く、作業は遅々として進まず、パテ塗りと塗装で4週間ほど要した。
ようやく妥協できるところまで来たので、マスキングを剥がして作業終了となる。

外した部品を戻す

この作業を始めるきっかけとなったモールの固定をまず最初に考えなければならない。とりあえずそのままアルミテープを貼って固定(と言えるほど固定ではないが)してみたところ、本来あるべき場所から1mm程度ズレているものの、少なくとも窓の上げ下げには支障がないことがわかった。こんなところの仕上がりに全くこだわりがないので、無論コレで終了である。ありがとうアルミテープ。

続いてミラーを固定する。仕上がりはまあまあに見える。夜だからかもしれないが。

しかしよく見てみると、せっかく修復した箇所が割れているではないか。ミラー固定に伴って何らかの圧がかかって割れたと思われる。これは残念だ。

とはいえ、ここまできて再度やる気力があるわけがなく、当然のように放置を選択する。気が向いたらクリアテープでも貼るかもしれないが、多分やらないだろう。

そして割れた内側のモール、ドア内張りと装着していくのだが、その過程でツイーターが手から滑り落ちてしまい、そのはずみで断線してしまった。そもそも経年変化でベースと本体が分離していたのが問題なのだが。

夜更けにクルマと壁の隙間で半田ゴテ作業をする羽目になった。

半田付けを終え、ツイーターから音が出ることを確認した上で内張りや各種内装部品を装着し、ようやく作業終了となった。ついでに見た目がよろしくないプラ部品にアーマオールを塗ったり、破損していたサテライトスイッチのボタンを騙し騙し装着したり、あまり関係ないこともやっておしまい。これらの作業も相まって、気持ちよく走れそうだ。おっとその前にバッテリーを充電しておかないと…

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