ヘッドユニット交換(carrozzeria DEH-5600)

  • days

自家用車エクストレイルの古いカーステレオ(HDD録音機能、アナログTV、ナビ搭載の、新車当時としては最先端のもの)は、冬になると延々ウィ〜〜〜〜という不快な音を立て続ける。数年間にわたって耐え続けていたのだが、いい加減我慢ならなくなったので置き換えることにした。

DEH-5600に決めるまで

そんなわけで代替品を探したのだが、2020年現在、いわゆる1DINのヘッドユニットは選択肢が非常に少ない。

個人的に好みであるALPINEは既にカーオーディオ(ヘッドユニット)は作っておらず、ADDZESTというかクラリオンも撤退。残るはcarrozzeriaとKENWOODだけで、どちらも1DINは安物しか新製品を出していないという状況であった。もはやスマートフォンからBluetooth経由(AUXでさえ古い)で音楽再生するのが当然の時代故、PC等と同じく汎用的な部品を組み合わせればそれっぽいものが作れるようになってしまい、日本メーカーが存在感を示すのは極めて難しいようだ。Amazonで検索しても格安中華品ばかりわんさか出てくる。

自分専用車だったら、怪しい格安中華品だったり、逆に少々お高い2DINのCarPlay対応ヘッドユニットを選んだりしてもいいのだが、自家用車でそういうマニアックな選択はできない。自ずと選択肢は狭まり、carrozzeriaとKENWOODの二択となる。

そのうちデジタル表示部が安っぽい7セグしかないKENWOODは落とし、carrozzeriaの中から最も用途に近いDEH-5600を候補とした。CDプレーヤーなんて不要なのだが、CDレスのMVH-5600はパネル下部のボタンのデザインが好みではなかったのと、値段がほぼ同じという2つの理由による。

DEH-5600を注文しようとしたところ、どうやら現在品不足のようで、どこも在庫がない。だからと言って、使わない機能が増えて3000円も高い6600シリーズを買うのは納期以外に全くメリットがない。方向性が決まらないまま数日経過し、たまたま何の関係もないサイト閲覧中に出てきたDEH-5600の広告をクリックしたところ、突然ノジマに在庫が復活していた。大洋のスポンサーで且つ最安値のノジマなら何の問題もない。早速注文したところ、品物はすぐに届いた。

新品ヘッドユニットを買うのは、1996年にALPINEのTDA-7552Jを買った時以来、25年ぶり、人生で二度目のことである。それ以降は中古品しか買ったことがない(ちなみに中古品は10台以上買っている)。というわけで新品に対する拘りは全く無いのだが、何しろ(今売っているものは)元々それほど高価ではないモノばかりなので、ヤフオクで中古品を落札しても送料等を含めるとそれほど差がない。それなら新品の方が良い。

取り付け

ネットでオーディオパネルの外し方を調べる。割れ目に内装剥がしを差し込んでこじるだけのようだ。簡単極まりない。

早速実際にやってみる。寒いせいか上部が若干硬かったが、特に割れたりすることもなく外れた。パネルを外した後に、各種スイッチのコネクターを抜くほうがよほど面倒だった(固くて抜けない)。

続いて2DINユニットを固定しているネジ4本を外して抜き出してみると、勝手に「社外品だから変換ハーネスを使って装着されているはずだ」と思い込んでいた予想に反し、ハーネスが加工されて取り付けられていた。おそらく元々装着されていた純正ハーネスと、この2DINユニットに付属していたハーネスそれぞれをぶった切って半田で接続したと思われる。仕上がりが綺麗なのでプロまたは慣れた人の作業だろう。

こうなると、同様の加工をするか、新たに変換ハーネスを別途購入するかの二択になるが、あまり面倒なことはしたくなかったので素直に変換ハーネスを購入する。面倒くさい作業はピアッツァだけで十分だ。しかもヨドバシのポイントを使ったので無料みたいなもので、翌日には到着した。

DEH-5600に付属しているハーネスと変換ハーネスを繋ぎ、再度装着に挑む。ヘッドユニット自体の取り付けは簡単に終わり、ラジオ等の再生も全く問題無かった。しかし、余った1DINスペースに、たまたま持っていたボックスをはめ込む作業に苦労した。まず手持ちのボックスの幅が妙に広くて合わない。それはノコギリで切断して対処したが、今度は穴の位置が全く合わず固定できない。うーん、これはなにかの純正車両専用品だったのだろうか。どうしようもないのでビニールテープで適当に固定して今日のところは終わりにする。このボックスはおそらく積極的には使わないので、多分暫くはこのままだろう。

DEH-5600の利用感

とりあえずFMラジオを聞いてみたが、ヘッドユニットを替えただけなのに単純に音が良い。元々のユニットも高価格帯のものだったはずだが、20年近く経ってアンプ部も進化しているのだろう。これは予想外だったが嬉しい誤算だ。

操作性は、SRCボタンや1〜6の戦局ボタンが独立したボタンではなくパネルスイッチになっていて押しづらい。特にSRCは場所も良くない。MVH-5600は独立ボタンっぽく見えるので、これは失敗したかと後悔している。ボリュームノブの操作感や質感も安っぽい。まあ実際に安いんだから仕方ないのだが。

Bluetoothの接続は全く問題ない。一旦アプリと連携してしまえば、時計の時刻合わせまで勝手にやってくれるし、イルミネーション色のカスタマイズやラジオの選局のようなスマートフォン側には全く関係ないことまでアプリ側から制御できたり、連携自体はよくできている。

Bluetooth経由で音楽を再生すると、Apple純正のミュージックアプリ、SpotifyともにDEH-5600側からも曲送り等を制御できる。運転中はiPhoneの画面を触りたくないのでこれは便利だ。音質的には、スカスカだとかこもっているだとかいったありがちな問題はなく、普通に再生できている。アーティスト名と曲名がフロントパネルに出てくるのはまあ良いとして(自分はほぼ洋楽なのであまり関係ないが)日本語表示が出来ないのは少々残念ではある。これは完全にコストダウンの影響だろう。

なお、一度ペアリングしてしまうと電話も勝手にDEH-5600経由になってしまい、これについては困っている。こんなことになるとは予想していなかったのでマイクなんて装着していなかったので全く会話できない。また、複数人がペアリングした場合はどうしても片方がBluetoothをオフにする等のアナログな対応を強いられる。これは仕方あるまい。

総じて、大満足とまでは言わないが、価格以上の満足感は得られている。10年前だったら3万円〜5万円クラスでないとこれだけの機能は無かったと思うが、それが11880円で得られるのだから驚きだ。カーオーディオ業界的には完全に冬の時代だとは思うが、パイオニアには今後もヘッドユニットの製造を続けていってほしいものである。