ピアッツァ 燃料ポンプ交換

素人なりにやれることをやってみたものの一向に改善しないエンジンの鼓動感。PIAZZA Meetingの帰り道では、長距離乗ったからか、標高が高いところに行ったからか、原因は不明だがとにかく鼓動感は一層強まった感があった。やれることも少なくなってきたので、あまり関係ないだろうと思いつつ燃料ポンプを交換することにした。

現在装着されている燃料ポンプをいつ交換したのかは不明だが、たぶん新車時からそのまんまだろう。燃料ポンプの故障というのは比較的ポピュラーなもので、35年以上経ったクルマの燃料ポンプを交換すること自体は、予防措置としては悪くない。仮に鼓動感が解決しなくてもクルマとしての信頼性は上がる。

互換品ポンプ発注

そこでモノタロウで検索してみたところ、一応JR130 アウトタンク車用の純正品燃料ポンプはまだ注文可能なようだ(すぐに出るとは限らない)。但しとんでもない値段だ。

燃料ポンプなんてスペックが同じであれば何でもいいというのはバイクで体験済みなので、全く臆することなく互換品を探る。RockAutoのサイトで出てきたものの中から、価格が中庸な AUTOBEST F4323 を選択して発注した。安すぎるのも怖いし、高いのは気が引ける。送料を含めても1/10の価格だ。

それと同時に、燃料タンクから燃料ポンプへの汎用ホース(内径10mm)を注文した。こちらはモノタロウである。

2週間弱でDHL(日本国内は佐川)の手によりRockAutoから燃料ポンプが届いた。

早速開封して内容物を確認する。一応RockAutoの製品紹介画像にあるものは揃っているようだ。

ホース問題発覚

そして何となくとっくに届いていた燃料ホースをポンプの吸入側に差し込んでみたが…入らない。惜しくも入らないとかいうレベルではなく、全く入らない。以前どこかで10mmという話を聞いた気がしたので疑うこともなく10mm(正確には9.5mm)のホースを買ってしまったのだが、何かがズレているようだ。ノギスで測ってみると、吸入側アタッチメントの外径は12mmちょっと。合うはずがない。届いたポンプ(のアタッチメント)がおかしいのか、聞いた話がおかしいのか。

やはり現物の実測は不可欠だ。燃料ポンプ交換用…というわけではないが、新たに購入した3トン用のジャッキとウマで持ち上げて潜り込んでノギスで計測する。

計測結果は以下の通りである。本来は燃料ポンプ側も少しホースをずらしてみれば良かったのだが、予備ホースを持っていなかったのでやらなかった。

燃料タンク側のパイプ外径 10.6mm(錆があるため実際にはもう少し細いはず)
タンク側 ホース外径 16.8mm
中間部 ホース外径 16.2mm
ポンプ側 ホース外径 18.8mm

諸々逆算すると以下のように想定できる。
・ゴム厚は5.6mmと想定できる
・燃料タンク側のホース内径は10mm弱
・燃料ポンプ吸入側のパイプ径は13mm程度

この結果から、このホースは燃料タンク側とポンプ側では内径・外径ともに異なっているため、単なるガソリン送出に加え径変換機能を伴ったホースだと判断できる。

何ともやっかいなホースだ。そして、こんな妙ちくりんなホースが例によって既に製造廃止になってしまっている。燃料ポンプを交換するなら同時にホースも替えたいのだが、逆に極力避けて通りたい部品になってしまった。

とはいえポンプを抜き取る際に不可抗力で壊してしまう(亀裂が入ってしまう)可能性もそれなりにある。何の備えもなく交換に突入するのは怖いものがある。しかし径変換に加えてS字を描く妙な形状の二重苦なホースであり、代替品の準備が一筋縄ではいかない。手元にある内径10mmのホースを捻じ曲げてみても、ちょっとどころかかなり無理がある。滅茶苦茶柔らかいホースを使うか、何らかの特殊形状ホースまたはエルボ等を使わざるを得ないと考えられる。

とりあえず紙の上で妄想してみたが、あまり素晴らしい案はない。

最終的に、以下のように4本継ぎ(エルボ2つ、径変換1つ)で構成することにした。

正直言ってこんなの全く気が進まないのだが、最終手段としてこれを用意しておかないと何かがあったときの代替手段がないので作業する気になれない。内径12mmのホースと、各種ホースコネクタ類を発注して手元に揃えた。使うかどうかわからないものに2000円ぐらい投じてしまったが、純正品が無い以上は致し方ない。

IMPULSE用純正燃料ポンプ発見

ホースの代替案を検討しつつ、全く別の目的でRockAutoで部品を探していたところ、やけに安い燃料ポンプを見つけてしまった。あまりにも安すぎるので前回捜索時は視界に入っていなかったのだが、画像を見ると他の互換品とは異なり、どう見ても純正品そのものである。以前の発注時とは異なり、何度も純正ポンプ(と、その周辺のパイプなど)とにらめっこしているので間違いない。

既に互換品は手元にあるので、買わなければならない必然性は全く無いのだが、値段が安いこと、純正品(にしか見えない)であることに釣られてしまい、若干悩んだ末に結局注文してしまった。最初からコレに気付いておけば…なんていうのは結果論である。

そして約2週間後に届いた燃料ポンプは、CARTERというメーカーの箱に入っていたものの「MADE IN JAPAN」の印刷があり、そして出てきたものは紛れもなくJECS製の純正燃料ポンプであった。銘板に記載されている品番はピアッツァ用のそれではないが、どう見てもいすゞの品番体系に基づくものである。どうやらIMPULSE用の純正品番で、G200Z(SOHC)、4ZC1共通のようだ。いすゞ純正部品をCARTER社がそのまんま売っていたと考えるのが妥当だろう。

わざわざ国内外で同じエンジンの燃料ポンプ仕様を変えることは考えにくい。配線等は違うかも知れないがコア部分は9割9分使えるだろう。但しどう見ても古いデッドストックなので若干の不安は残る。しかし非純正互換品にもそれはそれで別の不安がある。純正品にあるフューエルダンパーらしきものは無いし、配線加工もより面倒だ。色々天秤にかけた結果、IMPULSE用の938円のポンプを使うことにした。

事前動作確認

装着前に、この燃料ポンプがそもそも動くかを確認したほうが無難だ。そこで現行燃料ポンプのコネクタと繋ぎ変えるべくリヤシートを外してみたのだが、どこにもコネクタが見当たらない。どうやらコネクタは内張りの奥にあるようだ。どうしてアクセスしやすいシート下にコネクタを持ってこないのだろうか。

仕方がないのでシートの背もたれやら内張りやらを外してようやくコネクタとご対面できたが、残念ながらIMPULSE用ポンプとはコネクタ形状が違っていて試せなかった。ちなみにIMPULSE用ポンプの配線は短く、そのままでは届かない。途中で設計変更されてコネクタ位置が内張り裏からシート下に移動したのかもしれない(その方が自然だ)。

どっちにしても単純作業ではない。作業中にあれこれプラ部品を割っちまうし、踏んだり蹴ったり感が漂う。こういう時は作業を続けない方が良い。

翌日あらためて出直して、適当に配線を加工してワニ口クリップで繋げてみたところ、少なくともポンプはウィンウィンと動いた。動きっぷりが正しいのかどうかは判断できない。

ポンプが使えそうなので、翌朝に早起きして交換作業を実施することにした。事前準備として、交換用の配線を作ったり、必要なホースやクリップ、油脂類等を用意して早めに床につく。

ようやくポンプ交換

構想開始から2ヶ月近く経過し、ようやく燃料ポンプ交換の実作業に入る。

事前に何度も床下に潜って確認等をしているのでほとんど不明点はなく、事前の手順シミュレーションは万全である。なお、圧送側のホースは新品(汎用品)に交換するが、タンク側の径変換ホースは現状のまま再利用する想定である。

作業は以下の手順で進める。

  • 燃料ポンプのコネクタを抜いてセルを回して残燃料を抜く
  • バッテリーのカットオフスイッチを切る
  • 給油口を開けて圧を抜く
  • ポンプの配線はボデーの穴から外にダランと垂らしておく
  • ジャッキアップしてリアアクスルをウマに乗せる
  • 下に潜って燃料ポンプのカバーを外す(M6ボルト4箇所)
  • 燃料ポンプのステーを外す(M6ボルト2箇所)
  • この時点でポンプが宙ぶらりんになる。ホースに亀裂が入らないかとヒヤヒヤする
  • エンジン側のホースを抜く(適当なモノで栓をする。今回は古い8mmホースとボルトを利用)
  • タンク側のホースを抜く(適当なモノで栓をする。今回は道具箱の片隅にあった水温センサー?を利用)
  • ポンプを外して外に出る

  • ステーを固定している2つのプラスネジを外す(錆びていて苦労する)
  • 新しい燃料ポンプにステーを装着(ネジは手持ちのもう少しキレイなものを利用)
  • 汎用燃料ホースを切ってクリップとともに装着

  • 再び下に潜ってホースとポンプを接続、クリップを装着
  • ポンプのカバーを固定(M6ボルトは新品を利用)
  • 配線を車体の穴から室内に通して外に出る

ここまでが取付作業そのもの。引き続き配線関連の作業に入る。

  • 室内から配線を引っ張って、グロメットと穴の接合部をあわせる(これが妙に難しかった)
  • 古いタンクのコネクタを再利用すべく、配線を途中でぶった切る
  • 結線コネクタを使ってぶった切った配線と新燃料ホースを繋げる(本来は圧着端子なり半田なりを使うべきだとは思うが)

ようやく物理的にも電気的にも繋がったので、カットオフを戻してセルを回してみたが…かからない。原因は結線コネクタを繋げる際に変なことになっていてマイナス側が接続されていなかったというショボいミス。これを直したところ無事にエンジンはかかった。

燃料ポンプ交換を思い立ってから約2ヶ月。ようやく交換が終了した。バイクの燃料ポンプ交換に比べてなんと面倒くさいことか(作業自体の労力はそんなに違わないのだが)。内張、シート等を元に戻し、ジャッキアップ状態から通常状態に戻してようやく作業完了となる。

インプレッション

期待していなかった…のは事実だが、これだけの期間と金(最終的に使ったのは938円+送料、結局使わなかった互換品やら何やらを合わせても1万円以下なので、絶対額としては大したものではない)をかけたので、無駄に期待感が高まってしまったのは事実である。特に、結果的に使わなかった径変換ホースに関しては様々な妄想、部品捜索等、毎晩かなりの時間を費やした。純正品が出てさえいれば全くもって不要だった時間だが、色々と知識がついたので単純に無駄と片付ける必要もない。

そんな状況で試運転をしてみたのだが、「期待していなかった」通りで、鼓動感自体は残ったままだった。

交換当日はほんの試運転程度しかできなかったので後日あらためて1時間程度運転してみた。鼓動感の出方には変化があり、以前に比べて発生する回転域が増えてしまった感がある。また、鼓動感自体も若干増している気がする。反面、鼓動感を無視したエンジンの調子自体はますます良好になり、単純にクルマが速くなった。加速感が以前にも増して良くなっている。

というわけで、鼓動感の解決には寄与しなかったが、ポンプ交換自体には意味があった(以前の35年モノのポンプが劣化していたのか、IMPULSE用ポンプの仕様が実は違うのかは不明だが、おそらく前者だろう)と言える。

こうなると、ますます鼓動感をどうにかしたくなる。ある意味、悪循環ではある。

ポカ数々

  • 燃料ポンプのカバーは4本のM6ボルトでボデーに固定されているのだが、うち1本の錆が酷く、外すことができず折れてしまった。面倒なので、折れたボルトのすぐそばの鉄板にドリルで穴を開けてタッピングビスで留めてしまった。少なくとも手で揺する限り(そんな判定基準???)問題は無さそうだ
  • 燃料ポンプ圧送側のホースを汎用品に入れ替えたのだが、後で気付いたのだがこのホースの耐圧は0.2MPaで、インジェクション車用としては少々不適切なものだった。とはいえJR130ピアッツァの燃圧は通常時2kgf/cm2、高負荷時でも2.5kgf/cm2なので、多少の安全マージンがあると考えれば短期的にはおそらく問題なかろう(楽観的な願望なのはその通り。後日適切なものに交換予定)

他にも、全く関係ない方向で勝手に想像して色々調べた結果、全く意味がない妄想だったことは数知れず。まあネジやらホースやらの規格だとか数字の意味だとか、そもそも燃料系の仕組みのことやら、色々勉強になったのでそれなりに楽しかった。

「ピアッツァ 燃料ポンプ交換」への1件のフィードバック

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