ピアッツァ バッテリー交換/カットオフスイッチ除去

燃料ポンプ交換の下準備としてバッテリー(Panasonic caos 60B19L。2019年10月に交換)を充電した…つもりだったのだが、いざ翌朝エンジンをかけようとセルを回すと「カカカカカッ」とキツツキの如く空転するばかりでエンジンを始動できなかった。

朝早くて気温が低いからだろうか。それとも早くも寿命が来たのだろうか(まだ換えてから1年2ヶ月しか経っていないのに)。無理矢理理由を挙げれば幾つか出てくるが、この日はとにかく燃料ポンプ交換が目的で、とにかくエンジンが始動さえすればあとはどうでもいい。ジャンプスターターを繋いで始動して、その場は事なきを得る。燃料ポンプ交換作業中は、充電器に繋いで充電しておく。

そして2時間程度経過し、燃料ポンプ交換がざっと終わったところで始動しようとしたのだが、やはり駄目。ジャンプスターターを繋げたことでセルは回ったが、燃料ポンプの配線接続をミスっていたこともあって全然エンジンがかからない。何度か繰り返しているうちに、キーをオンにしてもメーターパネルが光らなくなった。ったく、こっちは燃料ポンプ周りに専念したいのに、こういうときに限って面倒くさいことになりやがって。

カットオフスイッチが少々怪しげなので、ネジを外してゴミを掃除してみたり、コンタクトスプレーを吹いたりしているうちに復旧し、燃料ポンプ配線の作業ミスも見つけたことで無事にエンジンは始動した。燃料ポンプ交換は成功したようだ。一旦エンジンを止め、諸々の後片付けを終えて再度エンジンを始動し、最低限の試運転に出かけた。試運転から戻ってエンジンを切る。そして再度かけようとすると、やはりセルはキツツキだった。

ちょっと前にVespa LXのバッテリーを寿命により交換したことも心理的に影響したと思われるのだが、今のバッテリーが寿命であると決めつけて、何も疑うことなく新しいバッテリーを注文した。この時点でもう少し追求すればよかったのだが。


もはやJR130ピアッツァ用のバッテリーは何個目になるかわからない。間違いなく10個は超え、20個に迫っているだろう。今回注文したものはATLAS BX 60B24L。6500円。おそらく今まで最も多く注文したバッテリーだ。可もなく不可もなく、きっちり役目を果たして2年ぐらいで生命を終える、ごく普通なバッテリーである。

それに比べて、今ついているcaosは何だったんだ。60B19Lとかいう、小さい割には60を名乗っている不思議なバッテリーで、Panasonicなのにかなり格安で4500円で買えたのだが、性能はイマイチだった。ピアッツァのメーターのうち、数少ない信頼できるモノである電圧計の目盛りは、しょっちゅう12Vを下回っていた。充電直後でさえそうだった。そして寿命もたったの1年2ヶ月。何とも冴えないバッテリーだった。

Panasonic caosを外し、届いたATLAS BXを装着してセルを回す。当然ながらセルは元気よく回る…ことを確信していたのだが、またしてもキツツキが現れた。

ここまできてようやく気付いた。キツツキの原因はバッテリーでは無かったのだ。

このピアッツァのバッテリーマイナス端子周りには余計なものが3つついている。錆止め機器ラストバスターへの電源供給端子、アーシング端子、そして暗電流対策のカットオフスイッチである。それらを全て外して、車体へのハーネスだけをバッテリーに繋いでイグニッションキーを回したところ、過去体験したことがないような物凄い勢いでセルが回り、史上最短のクランキングタイムでエンジンが始動した。

これでバッテリーは原因ではなかったことは確定した。色々と取っ替え引っ替えしてみた結果、カットオフスイッチの接触不良が不調の原因だったと断定した。この話はネット上で過去何度も見聞きしていたのだが、いざ現物を目の前にすると忘却の彼方であった。やはり実体験の強烈な印象がないと心に残らない。実体験に勝るものはない。

そんなわけでカットオフスイッチを一旦は除去したのだが、懲りずに同じものを注文した。暗電流があり、特に夏場は稼働率が極端に落ちる以上、コイツは不可欠なのだ。今後はコレは消耗品と見做して定期的に交換するか、不調の際は真っ先に疑うことにする。

そしてcaosの名誉挽回のためにバッテリーを載せ替えて試したところ、案の定一発始動であった。caosは何も悪くなかったのだ。すまなかったcaos。

いかんせんバッテリーというか暗電流の弱点があるピアッツァだけに、信頼できる予備バッテリーを持っておくことは悪いことではない。それどころかむしろ望ましい姿である。そのように自分を納得させて6500円の支払いが無駄ではなかったと思い込むことにする。