M1 MacBook Air(今さら)

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零細アプリ開発者にとっては極めて苦痛なイベント(無駄に新機能が増えたり、ディスコンになったりして、不毛な対応を強いられる)であるWWDCが2022年も行われ、そこでM2 MacBook Air / Pro 13inch が発表された。

性能向上やカラバリ追加をポジティブに伝える報道が多いが、率直に言って為替相場を反映した新価格のネガティブな印象のほうが強かった。M1と劇的に変わらない性能、自分の使い方(9割方は外付けディスプレイに接続したクラムシェルモードでしか使わない)では特にメリットがない13.6インチディスプレイ、特に興味がないカラバリ等、あまりコレを買いたいというイメージは沸かなかった。M2 Pro 13inchは問題外(こんなの誰が買うの???)。

それはそれとして、アプリ開発機としてこのまま最後のIntel MacBook Pro 2020を使い続けることによるメリット・デメリットを考えたほうが良い気がしてきた。

M1の予想以上の高評価によりIntel MBPの市場評価はかなり下がったが、今後も下がる一方だろう。2020年時点での自分の予想と判断は誤っていたと言わざるを得ない。そして、自分がM2にあまり価値を感じていない。モノ自体は良いと思うが、価格に見合ったものではない気がしている。しかし、M1/M2じゃないとナントカが動かないとか、Intel冷遇みたいなことがそのうちきっと起こるし、動作速度の差も開く一方だろう。

そんなわけで、諸々勘案した結果、大慌てでM1 MacBook Airに乗り換えることにした。いま使っているIntel MBPはメモリ16GB, SSD 512GB。メモリについてはM1では8GBで十分という噂があるので、メモリ8GB/SSD 512GBの旧モデルを探し、ヨドバシに残っていた在庫を購入した。

ヨドバシなので翌日には届く。半ば義務感で買っているので、開封していても気分が高揚しない。

少しだけ軽くなったが、面積はほぼ同じで、ポート数は半減。こういうところも高揚感が出ない原因だ。

まあ買ってしまったのでとりあえず起動する。このへんは前とちょっと変わっただろうか。正直あんまり覚えていないが…

軽く動作確認した後にTimeMachineから復元して、環境移行はアッサリ終了。使用感は何も変わらない。マシンを変えた実感が極めて薄い。Macの入れ替えはもう何年も前からこんな感じで、ほとんど感動や驚きがない。基本的には良いことなのだが、昔のようにもうちょっと苦労する一大イベントである方が楽しいということは否定できない。

開発での使用感としては、ビルド速度は明らかに早くなり、快適になった。ファンレスなので静かなのも良い。このあたりはさすがM1チップだ。

なお、CPUが変わったせいで、結構つまらないことで苦労した。

  • XcodeのiOS Simulator用ビルドターゲットを変えないとビルドに失敗する
  • Intelビルドをしてしまって、Intelエミュレーション(Rosetta利用)状態でシミュレータが動作し、異常に遅い状態でアプリが動作して意味不明な遅延が発生して誤動作する、という現象が発生した(それがIntel用ビルドのせいだったことに気づくまで3日ぐらいかかった)
  • Google Map SDK for iOSをcocoapodsで導入できず、手作業で入れなければならない
  • いくつかのサードパーティ製Macアプリが動かなかった(OSバージョンのせいかもしれない)

これらの対応のため、各アプリのXcodeプロジェクトの設定修正が必要だった。落ち着くまで一週間ほどかかったが、落ち着いてしまえば概ねこれまで通り使えるようになった。ようやくIntel MacBook Proを売りに出せる状態になった。こいつは不遇なヤツだった。

しかし、Xcodeを使っていると、かなりの頻度でOSが「メモリ不足」を表示する。Intelでは見たことがない現象だ。誰だ、M1ならメモリ8GBで十分とか言ったのは。

そんなわけで、買って早々だが、16GB/512GBの整備品が出てくるのを毎晩のようにリロードして待っている。シルバーやゴールドはたまに出てくるがスペースグレイが出てこない。はやく出てこい。