右リヤホイールアーチ端部の錆取り

このピアッツァの錆の多さは今更言うまでもないが、今現在パッと見てわかるのは右リヤホイールアーチの端っこというか、サイドシル後端部のすぐ上あたりのコレ。

ここは2016年頃、ハッチゲート交換と同時にハトリックスに錆取りを依頼した場所だ。当時はサイドシル後端部にある水抜き穴みたいなところ(ゴムの蓋のようなもので塞いである)が錆で崩壊し、直径5cmぐらいの単なる大穴になっていた場所だ。とても手に負える気がしなかったし、色々と多忙で時間も無かったので直してもらった。

穴を塞いだ箇所自体は今でも問題ないが、その少し上にあるこの辺りがじわじわと錆が進み、デコボコしているのが目に見えてわかるようになり、遂には焦茶色の錆が顔を出すようになってしまった。こうなるともう駄目だ。やらざるを得ない。

これがどのぐらい深く侵攻しているかが問題なのだが、それは削ってみないことにはわからない。とりあえずサイドシルのカバーを外す。下端部のネジ、上端部のプラ製の留め具を外し、前後端部にあるナットを裏側から外す…のだが、前側のナットだけ外れない。ボルト頭部がサイドシルカバー内にあるのだが、これが回ってしまっていて緩まない。

細めのペンチで頭部を掴んだり、回らないようにマイナスドライバーを突っ込んだり、色々やってみたがうまくいかない。テキトーなことをするとボデーの見えるところに傷がついてしまうので始末が悪い。手を替え品を替え、色々やっているうちにどうにか外れたが、実は強引にカバー側を押し下げてしまって無理矢理外すのがおそらく最も簡単だった。

早速問題の場所を見てみると、錆はサイドシルカバーの上だけで、カバー内までは侵攻していなかった。一安心だ。

ついでに、2000年の建国記念日にグラインダーで削ってPOR15処置した箇所を確認する。

どうせ隠れて見えないからどうでもいいという自分らしい方針で終わらせたので、見た目はどうしようもなく酷いが、こと錆という観点では全く問題ない。見事に23年間耐えきった。スゲーぞ23年前の俺、じゃなくてPOR15。このFRPを剥がした奥の方でどうなっているのかはわからないが、剥がす機会など訪れないだろうからこれでいいのだ。

一安心したところで錆取りに入る。電動ドリルに錆取りアタッチメントを装着してガンガン削る。

結果的にそれなりの大きさの穴になったが、全部無くなるようなことはなく、少なくとも「穴」レベルに留まった。これなら鉄板を切った貼ったするような作業はしなくてもいいだろう。半田板金とかやらなきゃいけないのかとビクビクしていたが、そこまでではなさそうだ。

作業していて気になったのが、穴の裏側にある妙な物体だ。鉄板しかない筈の場所なのに手触りがブヨブヨしている。ハトリックスがノックスドールのオートプラストーンで仕上げたのかと思ったが、ちょっと違うようだ。無理矢理手で毟り取ってみると、薄くて少し硬めのスポンジ素材だった。鉄板を切って溶接する作業を避けて、これを貼ることで代替にしたようだ。

当時、支払いの際に料金を聞いてやたらと安くて驚いた記憶があるが、こういうところで下げていたのか。実際これで数年は維持できていたし、より重要なサイドシル側には問題ないので、コストパフォーマンスを考えれば十分だったと言える。

表側は終わったので、次に裏側の錆も取る。ジャッキで持ち上げてタイヤを外して作業場所を確保する。ヘッドライトの光を当てて裏から覗いてみると、まあそれなりに錆びている。

裏側はドリルが入りづらいが、できる範囲で削る。作業していてわかったが、ここはボデー外板、ボデー内装の鉄板、さらにフェンダーインナー鉄板の3枚の鉄板が合流する場所のようだ。

再度表側からも再度削り、これで一旦錆を取る作業は終わりにする。

削ったら速やかに処置しなければならない。方針としては裏側からPOR15+グラスファイバーを当て、表側はそれに対してパテ盛りすることにした。裏側はボデー外板とフェンダーインナーの2枚あるので、まずはボデー外板から始める。

その前に、外側からアルミテープを貼る。

これに対し、裏側からグラスファイバーを当ててPOR15を塗る。強度が必要なので、グラスファイバーは3枚重ねにする(グラスファイバーを当ててPOR15を塗る作業を3回繰り返す)。

ここまでで一旦ひと段落。乾燥待ちになる。暑かったのでルートビアで作業の疲れを癒す。

POR15が乾いたであろう頃に、アルミテープを剥がしてみる。

POR15が固着して剥がれないんじゃないかと危惧していたが、そんなことはなく普通に剥がれた。全部剥がしてみると、結果はまあ概ね予想通りで、少し隙間は出来ているが、まあ悪くないんじゃないかと言える程度に穴を塞げている。

早速こちら側からもPOR15を塗布する。

裏側は、今度はフェンダーインナーの穴を塞ぐようにグラスファイバーとPOR15で対処する。外板と同じくグラスファイバーを3枚重ねて強度を稼ぐ。

しばらく放置し、POR15が乾いた頃を見計らって作業再開。まず外側を地金が出ない程度に荒削りする(ちなみに裏側は当然何もしない。見えないから)。

この状態で、いつものホルツの厚付けパテを盛る。

ちなみにこれは買ったばかりの新品を盛った状態。その前に、過去に使った残り物の古いやつを盛ってみたが、まったくもってノリが悪くてすぐに剥がれてしまい、まるで使い物にならなかった。

実は駄目なのはパテではなく硬化剤なのでは、という説もある。正解は定かではない。

パテが乾いたところで削り作業に入る。目立つ場所でもないので作業が雑だ。

どうせこの先も予期しない何かが起こるので、あまりきっちりやらずに塗装に入る。とりあえずマスキングする。

そして毎度お馴染み塗料のオカジマでオーダーメイドしたスプレーで塗装する。

しかし、期待に反した結果になる。なんでこんなブツブツができるのか。まあ毎度この手の問題は起こるので予想の範囲内ではある。

仕方ないので凹み部分にパテを盛り、削って均した後にサフェーサーを吹く。

そしてあらためて調色済みスプレーを吹く。調色済みとはいっても微妙にズレているが、そこは触れてはいけない。

微妙に塗料が乗っていない部分もあるが、もう面倒なので、これでおしまいにする。サイドシルのカバーをつける前に、穴という穴からノックスドールを拭いておく。

コンパウンドでマスキングの境目あたりを擦って誤魔化す。

最後にサイドシルカバーを取り付けて完了となる。パッと見でよくわからない程度になったので良しとする。

パテや塗装の作業はほとんど夜間にやっていたので、昼間にいつもの山坂道を通ってどんな感じになったかを確認しに行く。

予想通り「遠くから見ればわからん」状態になった。これなら十分と言えよう。問題はいつまでこの状態を保てるかだが、それは時の流れに任せるしかない。

こうなると左側もやりたくなる。

なにげにこっちの方が問題箇所の範囲が広い。それなりに大きなパテ加工が必要になるかもしれない。やってみないとわからないが、いつやるかは不明。

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