リヤ内装ビニールレザー化

25年前にいただいたXESの本革内装。シートとドア付近の内張りはなんとか生き永らえているが、リヤ内装のスピーカー付近が酷いことになってしまっている。

革の縮みに縫った糸が負けてしまい、縮むがままになっている。そうなるぐらいなので、表皮自体の劣化も酷く、色が抜けてしまってみっともない色合いになっている。比較的陽当たりが良い場所にカバーもかけずに放置していたので仕方がない。自分が悪い。

革が縮んでしまっているので、どうにかこうにか伸ばして縫い直すか、全然違うもので貼り直すかの二択になる。どっちにしても面倒だ。そのため長年放置していたが、他の部分がそこそこまともになってきたので、ここが目立つようになってしまったので、滅茶苦茶重い腰を上げて手をつけることにした。

ビニールレザー選び

この革を伸ばすのは可能とは思えないので、自分にできそうなのはビニールレザー化ぐらいだ。金を積んでプロに本革仕上げを頼む手もあるが自分らしくない。とりあえずビニールレザー取扱業者がサイトに提示している色見本から4種類選んでサンプルを注文する(サンプルは無料)。

届いたものは全般的に薄めの色で、今ひとつ合わなかった。もっと燻んだ色が良い。どうやら色見本より現物は薄めになるようだ。

仕方ないのでもう少し濃い目のサンプルを5枚入手した。今度は逆に濃すぎるものが多く、この中で最も薄いものが、前回の4枚も含めて最も現状ほ本革色に近い。

陽当たりが良い場所だと濃い目に見えてしまう。もう少しだけ薄めで、赤味が少なくいヤツがいいのだが…そんなものはない。

そんなわけで、このシンコール オールマイティの8662を選択した。

右側(1回目)

この8662を注文したのは2023年3月上旬のこと。すぐに届いたのだが、年度末で色々忙しく時間がない。4月になると色々とやることが増える。5月になると暑くなり室内作業をやる気がなくなる。こうして長い放置期間を経て、2023年11月になってからようやく着手した。サイドシルあたりの錆取りがきっかけになった(内側からグラスファイバーなり鉄板なりをあてがう可能性があったため、内装を外したかった)。

まずは内装を外す。なんというか、みすぼらしい感じがする。

今回作業するスピーカー周辺部分と内張り部分は、ネジ1本と5箇所のリベットで留められている。以前の内張りへのビニールレザー貼り付け作業はそのままやったが、今回のスピーカー周辺部をやるためには、ここを分離せざるを得ない。容赦無くドリルでリベットを破壊する。

ここまではいいのだが、次が問題だ。本革はベースに対して針金の輪っかのようなもので留められている。これが20個あり、ペンチで掴んでグニグニしながら外すしかない。これが実に面倒臭い。

ようやく外し終えて、ベースの金属&ウレタンとご対面だ。

買ってあったビニールレザーと、剥がしたばかりの40年モノの本革を比べる。本革は褪色していることを考慮すると、当たらずとも遠からずといったところか。

ビニールレザーを切り出すための型紙を作る。今回は剥がした現物があるので比較的楽だ。通販の梱包材で入っていた巨大な紙がこんなところで役に立った。

その型紙をビニールレザーにあてがって線を引き、ハサミで切る。

切り出したビニールレザーをベースにあてがってみる。いけそうな気がする。

早速マチ針で2枚のビニールレザーを留めて縫い始める。

センターコンソールの経験があるので直線部はさほど苦労することなく進むが、90度のR部分を過ぎたところで見てみると、仕上がり具合が微妙だ。上側(内側)がカクッとしてしまって格好悪い。

どうやらここは内輪差のようなものを考慮しないと行けないようだ。Rの内側は詰め気味に、外側は伸ばし気味にして縫わないと、こうやって内側のビニールレザーが余ってしまってカクッとした部分ができてしまうのではなかろうか。

そのあたりを意識してやり直してみた。

少なくとも前回のカクッよりは良くなった。これでヨシとする。

そのまま端まで縫い終えて、できたものをベースに被せてみる。ベースの形状がモコモコしているため、どうしてもシワシワになる。本革は伸ばしが効くのに対し、ビニールレザーはそれができない。これは諦めるしかないところだ。

出来上がったビニールレザーをベースに留める。以前はタッカーと両面テープを使ったが、今回はスプレーのりを使ってみる。

内装だったか何だったか忘れたが、以前使ったことがあり、その時の印象はあまり良くなかった。そのため半信半疑で使ってみたが、今回はそこそこうまくいった。

端部は本革の時と同じくタッカーではなくリングを使う。但しリングは面倒なのでタイラップで代用する。

これで本革からビニールレザーへの張り替えは終了。外した内張りとリベット留めで合体させる。

こうして内装自体の作業は終わったのだが、出来たものを見るとビミョーだ。新しい方はいいとして、25年前に貼った肘掛け部の古いビニールレザーとの色合いが違い過ぎることが気になってくる。この狭い範囲に3色あるのは気持ち悪い。

とはいえ、ここも替えてしまうと、今度は前半分との色違いっぷりが気になる可能性がある。今回のところは一旦このまま進める。

とりあえずリヤスピーカー部のカバーを着ける。リヤスピーカーなんて10年以上前から使っておらず、スピーカー自体も外してしまってあるのだが、ここに何もないのもそれはそれで格好悪い(無意味な平らな空間ができてしまって違和感がある)。そのため、無用の長物ではあるが装着する。

そしてボデーに内装を装着し、トランク内装やシート座面も元通りに戻す。

色合いが違っていて赤味が目立ってしまうが、これはどうしようもない。
肘掛け部の色合いの違いも気になるが、これはどうにかしようがある。

とりあえず、右リヤ内装はこれで一旦お終いにする。

左側

数日後、左側に着手する。

やることは基本的に同じ。内装を外して、リベットを破壊して分離する。

型紙は右側の時のものを裏返して使えるので準備不要。一応剥がした本革をあてがってみてみて同サイズであることを確認してからビニールレザーを切り出す。

そのまま裁縫作業を始める。右側の経験があるので苦労することなく終わる。

分離した内張りと並べる。やっぱり色が違いすぎる。このまま組む気になれない。

意を決して古いビニールレザーを剥がす。すると薄いスポンジが顔を出す。触った時の質感向上のためにこんなことをしたのだが、こと接着という観点ではデメリットばかりなので、コレは剥がしてしまうことにする。

しかしこれが一筋縄ではいかない。内装へのスポンジ貼り付けは両面テープを使ったのだが、これがなかなか剥がれない。爪・ヘラ・パーツクリーナーを駆使して剥がすが、やたらと時間がかかってしまう。どうせまた上からビニールレザーを貼るので、残ったカスで凸凹ができなそうになったらやめる。

こちらも現物をベースにして型紙を作り、それを使ってビニールレザーを切り出す。

切り出した2枚のビニールレザーを裁縫で繋ぐ。2箇所の小さいR以外はほぼ直線なのでさほど難しくない。

そして同じくスプレーのりで貼っていくが、こちらは下部の凸凹が大き過ぎ、さすがにシワ無しで貼るのは不可能だ。貼る・納得いかず剥がす・スプレーのりを吹く・貼り直す、の流れを何度も繰り返したがこれが限界だ。

できたところでリベットで繋ぐ。

うむ。こちらの方が明らかに良い。

早速車体に取り付ける。リヤは良いが、今度はフロントとの色が違い過ぎることが気になってくる。とはいえ、前後で完全に分離しているので、リヤ内装の中での色違いほどは気にならない。

右と比べる。どうみても左の方が良い。

明るくなってから見直してみたが、同じ感想だ。

右側(2回目)

こうなるともう我慢ならなくなってしまう。在宅勤務の昼休みにさっさと右リヤ内装を外し、先日打ったばっかりのリベットを破壊する。

左と同様にスポンジ剥がし、ビニールレザー切り出し、裁縫と進める。色々と勘所がわかっているので、左よりもさらに早く進む。

スプレーのりの貼り付け作業も、諦めどころが判っているのでテキトーなところでやめにして、そそくさとリベットを打ち、車体に取り付けた。

なんと2日(昼休みと夜)で終わってしまった。慣れとは恐ろしいものだ。

こうしてリヤ内装(内張り)の修理は一通り終わった。スプレーのりが剥がれかけているとか、縫い目が見えてしまっているとか、ダメなところも幾つかあるが、どうせ自分は後席に座ることはないし、パッと見た感じキレイそうに見えるようになったので、これで十分だ。

この勢いでダッシュボードまで同じ色にしたくなってしまう気持ちも無くはないが、今のベージュ色もそこそこ気に入っている。それにダッシュボードを外すのはメンドクサい。センターコンソールもやってから半年ぐらいしか経っていない。こうしてやらない理由を並べている時は、結局やってしまうことが多いが、今回はどうか。