注文してから数日後、送料無料にするために頼んだ諸々の品物とともにホースが届いた。荷物を受け取りやすいのは在宅勤務の良いところだ。
袋から出し、手で潰したり曲げたりしてみたところ、思っていたよりフニャフニャだった。最近さんざん使っていた燃料ホースに比べるとかなり柔らかい。これなら少々狭いところでも簡単に入れられそうだ。
週末に作業するつもりだったのだが、天気予報によると雲行きがよろしくない。ピアッツァが動けなくても困るわけではないが、目の前に壊れたピアッツァと新品ホースがあるのに何もしないで放置しつづけることが急に我慢ならなくなってしまい、在宅勤務の昼休みに交換作業を始めてしまった。
本来なら作業前にドレーンから冷却水を抜くのが真っ当なんだが、交換するホースはそれなりに高い位置にあるし、どうせ水が漏れていてヒタヒタに入っていたわけでもないので、横着してそのままやってしまうことにした。一応ホースを抜いたときに水をキャッチできるようにペットボトルの用意はしておくが、多分狭くて入らないだろうし、そこまでたくさん出てこないだろう。
というわけで、穴が空いたホースから取り外し作業を始める。まずは手前のクリップをペンチで掴んで動かす。前日のうちにWD-40を吹いておいたおかげか、クリップを掴んで押し込んだだけでホースも一緒に動いたので、そのままクリップとホースを押し込んで丸ごと外した。思ったより苦労することなく簡単に外せた。そして勿論冷却水は出てきたが、やはり量が少ないのか、ダダ漏れ状態になることもなく漏水は止まった。
続いて反対側(奥側)を抜きにかかる。手前側は拍子抜けするほどの簡単さだったので、こちらもすぐに抜けることを期待していたのだが、残念ながら正反対。ホースは勿論のこと、クリップがまるで動いてくれない。思いっきり掴んでも、クリップの内径は、ホースがパイプ端の凸部で盛り上がっている箇所の直径とほぼ同等ぐらいにしかならず、なかなかそれを超えて先に行ってくれない。これを超えないとクリップがホースを掴みっぱなしで、いつまで経っても外れない。WD-40を吹いて滑りを良くしたり、バイスプライヤーやら何やら色々持ち出してやってみるが、なかなか凸部を超えない。超えそうになっても、滑りが良くなったのが逆に災いして、元の場所に戻ってきてしまう。
色々やっているうちに、ホースに対して直角にバイスプライヤーで掴んで平行に動かすより、ホースに平行に長めのペンチを入れてクリップを掴んで引っ張った方が力が入りやすいことがわかった。掴んだまま左右にグリグリしながら引っ張り、ようやく凸部を超えてクリップを抜くことができた。ネット上の記事を見ると、この手のバネ式クリップからネジ式のものに替えている人がそれなりに居るが、そうしたくなるのもわかる。
クリップが外れたので、続いてはホースを抜くのだが、これまたしぶとい。オイルシール用のピックツールで引っ張ってWD-40を吹き込んだり、適当な工具でこじったりして、どうにかこうにかホースを抜いた。
水漏れしたのはこのホースだけだが、その周辺にある同径のホースもやってしまうべきだろう。当然のようにすぐ下にあるホースも外しにかかる。
しかし今度は手前側の時点で既に抜きづらい。先ほどと同じく、クリップが全然凸部を超えてくれない。さんざんクリップをグニグニやったところでようやく気付いたのだが、わざわざ凸部を超えなくても、その反対側(パイプ側)に押し出してしまえばクリップは外れる。一体これまで何を苦労していたんだか。
しかし困ったことにクリップは反対方向にもなかなか動かない。作業が進まないことに痺れを切らし、ちょっと盛り上がっているホースの端部をカッターで切る手段に出た。どうせ捨てるホースなのだから端部が切れることなどどうでもよい。切断策は奏功し、ようやくクリップを反対側に出すことに成功。続いてホースも先程と同じようにグリグリ外す。
奥側も同じようなものだが、工具が入りづらい分だけやりにくい。同じように色々駆使してどうにかこうにか外す。
最後に残ったのはサーモスタットのハウジングからパイプにつながるバイパスのような短いホースだ。ラジエータから来ている太いパイプの裏側なので少々作業しづらい。
ここだけ何故かネジ式のクリップになっている。そのネジを外すと、明らかにダメダメなホースが現れた。
先程までと同じように外そうとしたのだが、このホースは劣化がひどく、カチカチに固まってしまっている。この硬さでは、引っ張った程度で凸部を超えることは難しそうだ。プライヤーで掴んで毟り取るようにグリグリするが、場所が狭くて作業しづらい。そのため、ラジエータから来ている太いホースを外して場所を確保し、強引にグリグリやって外す。
ここは他とは違ってパイプ部がかなり錆びている。錆取りしたい気持ちを抑えるのが大変だったが、中途半端に磨いて地金が出るぐらいならやらないほうが良い。目に見える錆の破片や粒だけブラシで掃いて終わりにした。
最後に残ったサーモスタットハウジング側もやはり外れにくいが、太いホースを取っ払ったため場所が広いことが救いだ。先程と同じくホースの端を切ったりしながら強引に外した。これでようやく3本のホースを外すことができた。
それなりにスペースがあるJR130 DOHCでこれだけ苦労した。タービンやら何やら色々増えたJR120は滅茶苦茶大変なんじゃなかろうか。やったことないから知らないが。
せっかく水を抜いた(わけではないが減らした)ので、さらにサーモスタットの交換もしてしまいたかったが、時間がないためそれは断念し、ホースの取付に移る。現物合わせでホースをハサミで切り、元あった場所に装着していく。微妙に径が違うからか、パイプが錆びて膨らんでいるからかはわからないが、スルッとは入らない。抜くときと同じくWD-40を吹いて滑りを良くしないとなかなか入らない。
バネ式クリップだけ新品を使い、ネジ式は元々のものを再利用する。後者はステンレス製なので、軽く拭いたら綺麗になったが、バネ式はかなり汚れているので再利用する気になれなかった。クリップが新品になることは「やった感」の増加に貢献する。気持ち良さというのは案外重要だ。
ラジエータへの太いホースやブローバイホースを元に戻し、ホース交換自体は完了。ラジエータにクーラントを入れ、エンジンをかけてしばらく放置してエア抜きする。その間に散らかった工具、外したホースなどを片付ける。アイドリングのままそこそこ放置してからあちこち観察してみたが、交換箇所や別の箇所からの水漏れは無さそうだ。
昼休みの時間をかなり超越してしまったので、ここで作業は一旦終了。夜になってあちこちに飛び散った水の跡を掃除して、全ての作業が完了となった。
予想より少々時間がかかったが、見える範囲での水回りホース交換は一応完了。ただ、今回の交換の影響でまた別のどこかのホースが壊れるんじゃないかという気がしてしかたがない。ラジエータやエアコン周りはこの手のいたちごっこが発生しやすいというのはよく聞く話だが、今まさにそれを実感している。
いっそのこと全部替えてしまいたいが、それには部品がないと話にならない。特にヒーター周りは特殊形状の専用品で、モノタロウではヒットしない。これもどうせ汎用品利用になってしまうのだろう。せいぜい気休めで内径が合う汎用ホースを積んでおくぐらいが関の山か。
そう言えばウチの2号車もエンジンが単車みたいな音がしててコンプレッションを測ったら、1番10.9Kg、2番10.6Kg、3番7.0Kg、4番11.3Kgだった事があります。
数年前に、オーバーホールしたヘッドに交換したら(=ヘッドガスケット交換)、「エンジン鼓動」がキレイに直りました。
ちなみにアメリカから取り寄せた社外ガスケットを実証実験と称してあえて使いました(純正の部品供給はまだあるけど)
決定的な不調ではなく普通に走れていたので、アレコレ改善策を考えていたものですが、結局はガスケットが抜けかかっていたんでしょうね。
ウチはクルマに乗る機会が少ないので、ガスケット交換に踏み切るまでは数年間騙し騙し乗ってました。
丁度その話を先日の横オフの際にsaikoroさんから聞いたところでした。
「決定的な不調ではなく普通に走れていた」というのがまさにその通りで、気分的によろしくないだけで走れないわけじゃないのが悩ましいというか、修理に出す踏ん切りがつかないのですよね。月に数回しか乗らないので余計に。
うちのG200Wは10年前にニッパオヤジがヘッドを外していて、その際にガスケットも交換しているはずなんですが、同時に交換したはずのヘッドカバーガスケットからオイルが漏れまくっていたりしてなんか怪しいです(笑)
あれから15,000kmぐらいしか走っていないんですけどねえ…
http://sabitori.com/?p=1455
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