そんなわけで、サイドスタンドを装着したLX125で三浦半島プチツーリングに出かけた。
この日は元々ソロ活動日になっていたものの、最高気温が10度を越えない寒天予報だったので、イマイチ出走意欲が湧いていなかった。それがサイドスタンド装着を終えた途端に俄然やる気が出るのだから不思議なものだ。
そんなわけで、ヒートテック・電熱ベスト・タイツ・使い捨て懐炉などの防寒系装備を用意して出発する。
半島巡りは時計回りが定番なので、まずはスタート地点の馬堀海岸ストレート(マボ直)を目指す。そこまでなんだかんだで30分以上かかってしまうが、原チャリは横浜横須賀道路を使えないので仕方ない(仮に使えても高いので乗らないだろう)。今日のマボ直は風が強い。家のあたりはそうでもなかったのに、さすが海沿いは一味違う。そして寒い。
早速サイドスタンドで停め、傾いた状態で真正面から写真を撮る。うん、やはり良い感じだ。
次に向かうのは走水の港。マボ直は原チャリだろうがトライクだろうが普通に停められるが、こちらは大型だと明らかに憚られる場所だ。漁師の軽トラは普通に入っているし、立ち入り禁止とも書かれていないので駄目じゃないんだろうけど、Kだとまるで入る気になれない…が、原チャリだと遠慮がなくなるのは不思議なものだ。
とりあえず橋の上に停めて写真を撮ってみる。
なんとなくステアリングを切った状態で撮ってしまったが、少なくともこの角度の場合は真正面を向けた方が良いみたいだ。
そもそも背景や太陽光線的に逆向きの方が良いので、ササっとUターンさせて反対向きにする。原チャリなのですぐにできるが、Kじゃ全くやる気になれない(そもそもここまで来ない)。
やっぱりステアリングは正面の方が良いな。そして、この車高の低さが良い。これぞサイドスタンド効果だ。勿論、太陽光線的にもこっちの向きが良い。
海底の色が入るように上から撮ってみて、少しだけ彩度を上げると、まるで沖縄の海のような青緑色になる。これが東京湾だと言っても俄かに信じがたいだろう。
海沿いはクソ寒いので長居せずに去る。その後も気づいた脇道にちょいちょい入る。たまにこんな場所に遭遇する。
自分が写り込んでしまうのはご愛嬌。避けようがない。
脇道のみならず、歩道にも停める。Kだと気づきもしない場所に気づくのは原チャリならではだ。
ほどなくして観音崎に着く。ずっと前からあったレストハウスみたいな建物が取り壊されていた。入ったことがないので中の記憶は無いが、当たり前にずっとあったものがきれいさっぱり無くなるのは何となく寂しいものだ。
こういうKでも寄れるところは基本的に素通りし、その後も変なところばかり走る。なんとなく団地の周回道路を走ってみたり、浦賀湾の変な道を走ったりする。「浦賀の渡し」が今も営業中だとは知らなかった。
浦賀湾の反対側のボードウォークみたいなところにも停めてみる。大した景色じゃないけど、原チャリじゃないと入る気にもならない場所に来れること自体が良い。
浦賀から久里浜の方に向かう。その途中で、いつも素通りしていた「燈明堂」という場所に行ってみる。全然知らなかったけど良い雰囲気だ。
そろそろ腹が減ってきた。久里浜港付近でラーメンを食うという手もあったが、何となく貧乏に徹したい気分だったのでスルーして野比海岸に進む。2021年2月に訪れた空き地は健在だった。
そのまま進むと、左側に気になる施設があったが、とりあえず一旦スルーして先に進む。少し内陸に入ったところにあるクリエイトで菓子パンとおにぎりを購入して、先ほど気になった場所に戻る。
いつの間にこんなのが出来たんだろう。近くには巨大なブランコもある。どれもナントカ映えを狙ったものだが、最近は全国どこに行ってもこんなのばっかり。そのうち飽きて手入れもされずみすぼらしくなってしまわないことを祈る。
これはまあどうでもよくて、その周辺にベンチがあるので、そこに座って買ってきた昼飯を食う。
飯を食っている間にも、チャリンコの人たち、子供連れ、ペット連れ、カップル、爺婆と、色々な人たちがそこで写真を撮っていく。案外受け入れられているみたいだ。
風は少し弱まっており、太陽も真上を少し過ぎたところで輝いているので、さほど寒くはない。これで分厚い雲に覆われていたら渋々ながらラーメン屋に入っていたことだろう。
ケチった昼飯で腹を埋めたところで先に進む。三浦海岸沿いは面白くないので淡々とスルー。金田漁港周辺に向かおうとする途中で、右前方にある急坂から子供が走って降りてくるのが見えた。何となく気になった(少なくとも何処かに通じていることはわかった)ので、その急坂を登る。かなり斜度が高くて狭い上に、左側にずっと側溝があるのでヒヤヒヤモノだ。前方からクルマが来たらと思うと気が気じゃない。そして道はY字路になる。迷ったら直進の法則に従いまっすぐ進むが、さらに斜度がきつくなった。LXはヒイコラ言いながら登りきる。こんなところに民家があるのだからすごい。そこをさらに進むと、突然視界がひらけ、台地に広がる大根畑が現れた。
駆け降りてきた子供がいなければ気づかなかったような脇道の先に、ものすごいところを見つけてしまった。これこそKでもピアッツァでも絶対に来ない場所だ。そもそも道幅的に軽トラかバイクじゃないと無理だ。
どう考えても農道なので、農家の方の邪魔をしないかとヒヤヒヤしたが、幸い誰もいない。そそくさと撮影を済ませて移動するが、そのまま先に進むべきか、来た道に戻るか迷う。またこの手の脇道には出会える気もするので、とりあえず一旦戻ることにした。
一旦県道に降りて金田漁港方面に進んだが、また気になる脇道が現れたので曲がってしまう。今度は脇道とは言ってもさっきよりはかなり普通な道だ。ある程度登り切ったところで、そこそこ良い景色の場所に出る。
悪くはないけど、さっき物凄い景色を見たので見劣りしてしまう。
もうちょっと進むと、どうやら尾根を超えてしまうみたいで、これ以上進んでもしょうがない気がしてきた。Uターンして戻る途中で、また別の脇道を見つけたので入ってみると、すぐに終点になってしまった(この先も急坂で降りれるが、戻ってこられないかもしれないのでやめた)。ここもまたすごい景色だ。
こういう誰も知らなそうな穴場的な場所を見つけられるのは原チャリの特権だ。まあ原チャリじゃなくても前に持ってたセロー225やSRX-4だったら普通に入れただろうけど、今はLXしか手元にないから原チャリ特権ということにしておく。こういうのは実に楽しい。Kで高速をバーンと一気に走って遠くまで行くのもそれはそれで楽しいけど、その先でチョロチョロと脇道に入れない(その気になれない)のは、大事な何かを逃しまくっている気がする。
そんなことを考えつつ来た道を戻って県道に降りる。そして今度こそ金田漁港に向かう…前に、毎度撮影している船着場前の歩道に停める。いつもだったら広い歩道に停めるだけなんだけど、今日はLXなのでコンクリが続いている最奥地まで入ってしまう。これもやっぱりKじゃ絶対にやらないことだ。
この写真がいい感じになるのも、やっぱりサイドスタンド効果だろう。センタースタンドだと途端に間抜けな絵面になっているに違いない(特に2枚目)。
そしてようやく金田漁港に着くが、ここはKでいくらでも入れるのでスルー。いい感じの坂道を登って大根畑エリアに入り、同じくいつも停めている場所はスルー。そしていつもスルーしている大浦海岸に行ってみたが、いい感じの停車場所がなく撤退。
松輪間口港もスルーし、剱崎方面に行ってみる。ずいぶん前に一度来たことがあり、面白い撮影スポットがあったが、そこにはクロスカブらしきバイクが止まっていたのでスルー。剱崎灯台の駐車場にもカワサキの250(なんだかよくわからん)が停まっていたのでスルー。停める場所に乏しく、坂道にセンタースタンドで停めて証拠写真だけ撮ってそそくさと去る。
その後も松輪港、宮川港などに寄ってみるが、あまりパッとしなかったり、有料Pだったりしたので何もせずに去る。この辺りの大根畑はKで何度も走っていて面白みがないのでスルー。スルーしまくっているうちに城ヶ島に着いてしまった。ここは特に穴場みたいなものはない。
城ヶ島大橋を渡って三崎に戻る。街並みだとか「うらり」だとかには興味がないのでスルーして、いつもの冷蔵倉庫エリアに行く。釣り人は少なめだ。この時期はあまり釣れないのだろうか。
ようやく三浦半島の南端に来たが、もう時計は15:30を回っている。さすがに帰ることを考えなきゃいけない。そんなわけでそそくさと出発したが、諸磯の撮影スポットはスルーしきれず寄ってしまう。
いつも行かない油壺方面だとか、小網代方面にも行ってみたが、あんまり良い場所には巡り会えなかった。
もう結構な時間になってしまった。当初は大矢部にある鈴木水産で刺身を買って帰るつもりだったが、そんな時間はなさそうなので引橋交差点の近くにある鈴木水産に行った。こちらの方がデカいので期待していたが、時間が遅いからか品揃えが悪い。仕方ないのですぐそばのベイシアで刺身を買う。そのまま三浦半島の西海岸を北上して帰る…途中に「黒崎の鼻」が見える海岸に寄る(名前はわからん)。
10年以上前にセロー225で来て以来だが、何も変わっていない気がする。途中から急に砂利道になるのもそのままだ。雲が多過ぎて暗いのが残念だ。
さすがにあとはもう帰るだけ。日中はさほど寒さを感じなかったが、日が暮れると特に指先が寒い。ハンドルカバーを持ってこなかったのは失敗だった。日中は撮影重視で外しておいて、行き帰りの無粋な移動時間ぐらいは装着しておけばよかった。
林交差点あたりで完全に日は暮れて、あとは暗い道を走るだけ。途中でクソ高いハイオクガソリンを入れて帰宅し、買ってきた刺身で手巻き寿司の晩飯にした。
ROADSTOCKによると所要時間は7時間半。たかだか100kmしか走っていないのにこれだけ時間がかかるのは、いかに低速でプラプラしていたかを証明するようなものだ。
サイドスタンドは、基本的に撮影するときだけ使い、店や公園駐輪場などで長時間停車する場合はセンタースタンドを使った。センタースタンドにしておいた方が他車と干渉する可能性が低いし、オートリターン故に他人が不用意にぶつかることにより動いてしまってスタンドが外れて倒れる悲劇(Suicide Stand:自殺スタンドとか呼ばれているらしい)も避けたいし、とにかく通常利用時にサイドスタンドを使う利点はない。リターンしないように改造する手段もあるが、当面この使い分けで凌ぐつもりだ。
撮影について
サイドスタンド装着の目的が撮影時の見栄えの良さだったので、それが期待通り満たされたことに大いに満足している。腰高感が大幅に解決できたのは大きい。停車時のステアリングの向きだとか、どの角度から撮るのが良いとか、そのあたりは回数を重ねればコツがわかってくるだろう。
撮影画像に関しては、LXのミッドナイトブルーと、PENTAXのホワイトバランスCTEは非常に相性が良いと感じている。実際の色がそのまま再現されるどころか、より深みを持って撮影される気がする。特に若干曇り気味の方がより深みが出る。PENTAXにやる気が感じられないのが困りものだが、静物を撮っている限りは何ら不満はないので、当面このまんまだろう。
後日談
不可抗力で寄ることになったベイシアで何となく買ってしまったラーメンが案外美味かった。佐野ラーメンと名乗らず「佐野風」にしているのは、隣県の群馬県を本拠地とするベイシアの意地みたいなものなんだろうか。
三浦のベイシアで買ってきた北関東風味なラーメンの昼飯。なかなかうまい。 pic.twitter.com/FkaDWu8ewb
— m.sota (@msota_RS) January 19, 2025
ピンバック: メンチカツ購入朝活 | sabitori.com
ピンバック: 南足柄・丹沢湖ツーリング | sabitori.com