Nikon Z5もだいぶ使い慣れてきた。手持ちのZマウントレンズラインナップは、便利ズーム(高倍率の24-200、広角特化型の24-50)、標準ズーム(これはTAMRONだけど)と、ズームレンズはそれなりに満たされているけど、単焦点はサードパーティばっかりだな〜と何となく思っていたところに、キャッシュバックキャンペーンがやってきた。
なんとなく対象レンズ群を見ていたら、その中にf/1.8単焦点のSレンズシリーズが含まれていた。しかも15,000円キャッシュバックという太っ腹。自分がNikon機を使い始めたのはつい数ヶ月前からなので知る由もないが、これらがキャッシュバック対象になるのは初めてのことらしい。
この中で目を引くのは標準単焦点の50mm。この50mmは非常に評価が高いし、個人的にも利用頻度が高い焦点距離だ。この中で市場価格が最も安いという部分は否定しない。
50mmはMEIKEのf1.8を持っている。これは1.6万円の高コスパレンズで、値段の割には十分よく写る。
特に不満もなかったけど、他のレンズと入れ替えた際にこのレンズだけなんだか黄色っぽい色だな〜という感覚はあった。
色はどうにでも調整できるのであまり気にしておらず、どっちかというと標準単焦点がサードパーティ製品だという事実の方が引っかかっていた(標準ズームがTAMRONであることは全然気にしていないのに)。
そこにやってきたこのキャンペーン。いつかそのうち買い替えるんだろうなあ、と思っていたので、完全に背中を押されてしまった。
唯一気になっているのは、Nikonにはこのf/1.8 Sのほかに、Sラインではないf/1.4もあり、それはそれで面白そうだという点(f/1.2 Sもあるけど、デカ重で高価格なので完全に視野外)。キャンペーンを考慮しない市場価格は大差なく、f/1.8は開放から解像する優等生、f/1.4はそれに比べるとオールドレンズっぽいという評判で、どちらかというとf/1.4の方が気になっていた。
しかし、PENTAX-D FA★50mmF1.4においてF1.4をクルマやバイクの撮影で有効に使えているかというとそんなことはなくて、大抵F2以上しか使っていないので、評判がいいf/1.8のSラインの方が良いのかなあ(キャンペーン価格的にも)、と思い直し、結局通販サイトのポイント還元が大きいタイミングで注文してしまった。
そもそも、撒き餌レンズの40mm f/2を持っているので、50mm f/1.8は無くてもいいんじゃね感も若干あるけど、40mmと50mm、f/2とf/1.8は数値以上に違いがあるのはわかっているので、あまり気にしないでおく。
試写 1
早速試し撮りに行く。マジックアワーの時間帯にいつもの場所に持って行った。
単純に富士山を撮ろうとすると50mmだと漫然とした構図になってしまうところだけど、ちょうど月が見え始めていた時間帯で、縦構図にすると良い感じになった。開放のf1.8だけど、評判通り開放からきっちり写る。ISOを1600に留められたのでノイズも少ない。
これもf1.8。Vespaのメッキ部品がいい感じで写る。ボケた富士山のシルエットも良い。端の方の玉ボケがレモンになってしまうのは仕方ないか。
試写 2
紫陽花を背景にして雑に撮ってみた。
これも開放だけど、やっぱりきっちり写る。
こちらもあえて開放。この手の構図で開放にする意味はあんまり無いので試しにやってみただけ。
これはf2.5。ボケは綺麗だけど紫陽花の輪郭はちょっとビミョー。
試写 3
満を持して(?)ピアッツァを撮りに行く。あえて開放で。露出を下げ目にした方が良い雰囲気になる。いいじゃんこれ。同じ場所から40mm f/2で撮っても、たぶんこんな感じにはならない気がする。
カメラを目一杯持ち上げた高い位置から、タッチ液晶でエンブレムあたりにピントを合わせて撮った。このあたりはPENTAX一眼レフに対する明らかな優位性で、買った意味を感じさせるところだ。K-1 MarkII + DFA★50mmF1.4だと失敗を量産する羽目になってしまう(なにしろ中央あたりを外れるとピント精度が大きく低下するので)。
後方からもあえて開放で。こっちはあんまり特徴のない写真になってしまった。
同じく開放。SEステッカーにピントを合わせたつもりだったけど微妙にズレていた(縮小画像だとよくわからないけど)。
後日談と感想
ちょっと試写しただけなので、まだ何とも言えないところは多いけど、高評価の一端は感じることができた。ハッとする写りをすることがある、と言われているけど、ピアッツァをフロント側から撮ったものは確かにそのような感覚があった。
役目を終えたMEIKE 50mm f1.8はヤフオクに出品し、送料込み1.8万円で落札された。手数料等を考慮すると、買い値マイナス1000円弱で手放す結果になった。悪くない取引だ。開放からソツがない写りをするレンズで、特性的にはZ 50mm f/1.8と似ていて、わざわざ持ち続けておく意味はあまり無かったので、手放すのが正解だっただろう。
上に挙げた写真が、その手放したMEIKEのレンズで撮った写真より明らかに優れているのか、というと、おそらく縮小画像レベルだと区別がつかないだろう。
じゃあ買った意味がないじゃん、なんていうことはなくて、超定番レンズを手に入れた満足感・高揚感とか、もはやレンズのせいにできないという変な緊張感だとか、そういった感覚的な部分を刺激されて写欲が高まることも含めたものが、このレンズの価値なんだろう。
ますますPENTAX機の出番が減ってしまいそうなのが唯一気がかりな点だ。