ここ2年ほど夏の家族旅行は沖縄に行っていたが、とにかく暑いので大人が音を上げ、2024年時点で「来年の夏は沖縄には行かない宣言」がなされていた。じゃあどこ?ということになり、四国・九州も一応候補には上がったものの、とにかくスイーツを欲する小学生にはビミョーだと判断し、2025年は北海道に行くことになった。というわけで、2022年以来の北海道になる。
旅程概要
本業の都合で長期休暇は盆休みにしか取れないが、盆休みは別件が入っており長期旅行には行けない。そのため7月の三連休に無理矢理絡めて、金曜午後半休+土日月三連休+火曜日有休、という4泊5日(初日はほぼ移動だけ)の妥協案とした。三連休に素直に飛行機の予約をすると凄い金額になってしまうけど、前後1日ずつずらすと案外普通、という金銭的な事情もある。
一応マイレージプラスの特典航空券を調べてみたものの、勿論空きなし。素直にANAの早割で予約した。
しかし、問題は宿泊先だ。連休ということもあるのかもしれないけど、とにかく全体的に3年前より高い。前回3人で8千円ぐらいだった旭川の高砂温泉なんて1名で9千円を越えている。3人素泊まりで1.5万〜2万ならマシ、という状況だ。
それに加え、前回泊まった赤平市のエルム高原のコテージにまた泊まりたいという人がいて、そのコテージが旅程最後の7/21-22しか空いていない、という制約もあってさらに難易度が上がる。
最終的には以下のようになった。
7/18(金)北広島 エスコンフィールドHOKKAIDOホテル 素泊まり
7/19(土)上川町 層雲峡観光ホテル 2食付き
7/20(日)士幌町 士幌高原ヌプカの里 コテージ 素泊まり
7/21(月)赤平市 エルム高原 コテージ 素泊まり
これがバイクのツーリングだったら、期間の割にはこじんまりとした計画だな、という感じだけど、今回はそうではなく家族旅行であってドライブツアーではない。移動時間の占める割合が大きすぎて旅行プランとしては正直言って失格に近いと思うけど、何しろ宿が全然ない(あってもコストパフォーマンス的に許容できない)ので仕方がない。時期に応じて価格が変わらないコテージ泊が増える遠因になった。
Day 1 2025/07/18(金)
子供は小学校の最終日。自分は午後半休を取って午前中で仕事はおしまい。昼飯にレトルトカレーを食べて最後の荷物の確認などを済ませてGoでタクシーを呼んだら予想外に早く来た。大慌てで家を出る羽目になった。逆に、予定していた列車の1本前に乗れた。
羽田空港はさほど混んでおらず荷物の預け入れはすぐに終わる。2時間近い空き時間があったので屋上で写真を撮ったりして時間を潰す。そういう時に限って機材の到着が遅れて出航も遅れる。
そうこうするうちに時間になり、QRコードでゲートを通って乗り込む。以前は紙の乗車証のようなものを渡されたけど、あれは廃止されたようで完全ペーパーレスになった。往路は中央列なので外は全く見えない。備え付けの映像機器でTOP GEAR Australia版を見ているうちに着いた。
空港ロビーのレンタカーコーナーに向かうと、ブースはあるが誰もおらず専用電話だけ置いてある。以前は人が居たような気がするけど、こんなところまで削減か。格安価格帯のタイムズに限らず、大手のトヨタレンタカーでも同じだ。電話して10分程度でバスが来て、それに乗り込みタイムズカー千歳空港店へ移動。バスを降りて建物に入って早々に名前を呼ばれる。電話からここまで非常にスムーズで、ある意味効率的だ。例によって標準プラン・追加補償なしで済ませる。手続きは簡単に終わり、クルマのところへ移動。今回も前回と同じくMazda3だ。勝手はわかっているので変な苦労はしないだろう。
荷物を乗せて北広島のホテルに向かう。40分程度で着くようだ。出発早々はまだギリ明るかったが、すぐに日が暮れてしまった。そして雨も降り始めてしまった。途中の恵庭でセイコーマートに寄って翌日の朝飯を買っておく。久しぶりにソフトカツゲンと大きいおにぎりを買う。
セイコーマートから北広島駅前のホテルまでは10分程度だが、ホテルがある施設の駐車場が困ったことに満車だった。それ以外に提携駐車場は無いので勝手にどこかに停めろ、ということだったので、向かいにあるコインパーキングに停めた。結果的にこっちの方が100円安く済んだ。
じゃあ早速チェックイン…とはいかず、移動中に予約してあった居酒屋に先に行く。たまたまだけど、駐車場の目の前だった。ホテルはオンラインでチェックイン済みで、支払いもオンライン決済済み(それしか選べない)なので、後回しで問題ない。
飲み物、食い物ともに全体的に安く、味もなかなか良い。店主は神奈川県出身とのことで意外なところで話が合う。今後の旅程の中で三国峠を通る予定だと言うと、いやーあそこは良い、と話を合わせてくれたりする。奥様やバイトのにいちゃんも愛想が良く、しまいにゃ子供にアイスを出してくれたりして、テキトーに選んだ割には素晴らしい居酒屋に遭遇してしまった。再訪したいところだけど、わざわざ北広島に来る機会が再びあるかというと微妙…
満足して晩飯を終え、荷物を持ってホテルに向かう。1階から3階までは商業施設なのでエレベーターで4階のフロントに向かうが、その前にさまざまな変なものに出迎えられる。
チェックイン自体は済んでいるので、部屋番号を聞いて鍵をもらうだけなんだけど、鍵は個人持ちのSuica(iPhoneのモバイルSuica含む)に登録するスタイルだった。勿論Suicaを持っていなければカードキーが提供されるけどSuica推奨とのことなのでそうする。手続きを済ませて部屋に向かう。新築間もないので綺麗だ。
屋上から夜景を見られるらしいけど、雨だし時間も遅いのでパス。さっさとシャワーを浴びて早めに寝た。
Day 2 2025/07/19(土)
残念ながら雨予報の1日。とりあえず朝飯。前日買っておいたおにぎりを、北海道の流儀に沿って電子レンジで温めてから食う。
天候も勘案し、まずは屋内メインの施設「白い恋人パーク」に行くことにした。その後のことは終わってから考えるけど、何しろかなり遠い層雲峡が今日の宿泊地なので、それを見越して計画をせざるを得ない。
北広島から白い恋人パークまでは高速を使えば40分程度。せっかく近くにいるのでエスコンフィールドの周りを流してみる。何かの大会があるようで人が多い。野球場としては異質な切妻屋根の建造物は、近づいてみるとかなりデカい。駐車場は無料っぽかったので中に入ってみたかったけど、白い恋人パークのオープン直後に入りたい(駐車場難民になりたくない)ので諦めて先に進む。
しばらく進んだところで高速に乗る。札幌近辺は都会なので北海道らしさはあまり無い。ほどなくして白い恋人パークに着く。早すぎたようで駐車場がオープンしていないので適当にプラプラして時間を潰す。10時ちょっと前に行ったら開いていたので中に入る。
予想できたことではあるけど、明らかに女子供向けの施設であり、オッサンにはまったくピンとこない場所だ。とはいえ今回は家族旅行であってソロツーリングではないのでこういった時間は必要だ。そんな中でも工場の生産ライン見学や石屋製菓の歴史なんかの展示はまあまあ面白いので、そのあたりに楽しみを見つける。
物販コーナーやら入居しているパン屋で買い物をしたり、外の庭園みたいなところで遊んだりしていたので、結構な時間になってしまった。なんだかんだで3時間ぐらいここで過ごしてしまった。次の予定もなかったので問題ない。
時間が押した上に宿泊先も遠いので、もはやどこかに行って何かをする、という感じではない。そして、あまり腹も減っておらず昼飯欲がない。そのため、ここから一番近い道の駅に寄って軽食をとった上で、そのまま層雲峡に向かうことにした。最も近い道の駅は当別だけど、そこまでかなり遠くて30kmぐらいある。ドライブにはちょうど良い。
白い恋人パークを出て海の方に向かい、R337に入る。北海道らしい、周りに何もない、空がやたらと広い直線道路が続く。このあたりは、2006年に初めて北海道に上陸した際に、小樽港から稚内に向けて走った道のはずだ。その後も何度か小樽港に上陸したものの、天候の都合で高速道路で道東方面に向かってばっかりだったので、ここを走るのは初上陸以来になる。20年ぶりか。そう考えると感慨深い。
そんな道を50分ほど走って当別の道の駅に着く。産直コーナー棟と、物販コーナー&フードコート棟がある、比較的今時の道の駅だ。
産直コーナーで湯でとうきびを1本買って山分けにする。その程度しか腹が減っていない。
その後は当別市街地でスーパーアークス、サツドラに寄ってちょっとした買い物をして、江別東ICから高速に乗る。相変わらず雨は降ったり止んだり。眠いので砂川SA、比布大雪PAで止まる。
比布JCTから旭川紋別自動車道に入り、上川層雲峡ICで降り、あとはR39で層雲峡温泉郷にある層雲峡観光ホテルに向かう。さほど時間がかからず到着した。Webサイトで概ね把握していたが、それなりに古くからあり、建て増しを繰り返した古典的な観光ホテルのようだ。正面玄関前の駐車場は既にいっぱいで、道から崖下に降った駐車場に案内され、1階の裏口のようなところから建物に入り、5階のフロント(正面玄関は5階にあるということか)に行って手続きをする。
まったく予備知識が無かったが、ここの温泉の売りは湯浴み着を着て入る広い混浴露天風呂だそうだ。晩飯バイキングは19:30を指定されたため、風呂に入る時間は十分にあるので、浴衣に着替えて温泉に向かう。
いざ入ってみると、上から見ていたより随分広く感じる。そして、どういうわけか他の客がほとんどいない。いくらでも泳げる。源泉掛け流しの湯は勿論良い。なんだこれ、全然期待していなかったけどサイコーじゃないか。
風呂から出て晩飯バイキングに向かう。ラインナップは比較的普通なものに加えて、旭川ラーメン、ラーメンサラダ、スープカレー、ざんぎ等の北海道名物、その場で焼いてくれる和牛ステーキ等、なかなかバラエティに富んでいる。こちらも値段的に期待していなかったので嬉しい誤算だ。
部屋に戻り、先ほどの露天風呂とは別の内湯に入り、風呂上がりにスーパーアークスで買ってきた国稀(日本酒)を飲み、前日と同じくさっさと寝た。
Day3 2025/07/20(日)
旅行3日目にして早くも折り返し。わかっちゃいたけど4泊5日は短いな。
そこそこ早起きして朝風呂に行く。まだ6時半だというのにそこそこ混んでいる。混浴ではない露天風呂に行ってみたらパッとしなかったので、前日と同じく湯浴み着を履いて混浴露天風呂に向かった。雨が降っているせいか誰もいない。隅の方に屋根があるのでその下でダラーっとする。
しばし単独浴を楽しんでから部屋に戻り、朝飯バイキングに向かう。朝飯なので種類は若干減っているが、それでも和洋さまざまなものがある。
部屋に戻り、出発の支度をしてフロントに向かう。晩飯に追加したビール代を含めても3人で2.2万円。内容からすると破格だ。また来たいところだけど、いつになることやら。
雨の中を荷物を積み込んで出発する。今日の最終的な行き先は士幌町の隅っこの方にある士幌高原ヌプカの里にあるコテージ。途中の寄り道は三国峠、ナイタイ牧場、までは決まっているけどあとはノープランだ。
ホテルを出てちょっと走ったところに有名な滝があるので寄る。雨のせいか水量が多い。
さらに進んで大函という景勝地に寄る。
さらに南下して大雪ダムのところでR273に入り、トンネルを抜けるとそこが三国峠だ。
2006年の北海道初上陸の時に帯広側からここに来て、素晴らしい道だったので是非また走りたいと思っていたものの、辺鄙すぎてなかなか再訪できなかったこの場所に、20年越しでようやく再訪することができた。
あの橋は松見大橋という橋で、それをまた別の緑深橋という橋から見ると、ガイドブック等によく載っている「あの」写真が撮れるはずだ。早速クルマを走らせて緑深橋に向かう。手前のちょっとした空間が臨時駐車場という扱いになっている。橋の上に路駐する人が後をたたないので作ったみたいだ。駐車場なので遠慮せず停め、道っぱた(ポールが立っていて歩道扱いになっている)を歩いて緑深橋に向かうと…おぉ、これが見たかったやつだ。
「道」にいちいち興奮しているのは家族で自分一人だけというのがいつものパターンだけど、ここまでわかりやすくスゴいとさすがに心惹かれるようだ。遥か遠くまで続く樹海の中を突っ切る長大な橋の姿に何も感じない奴はそうそう居ないだろう。2006年は下から上がってきて橋を渡り、この姿を眺めることなく先ほどの三国峠まで行ってしまったので、今回ようやく上から姿を見ることができて感無量だ。
ここから先も素晴らしい道が続く。
バイクでソロで来ていたら写真撮ってばかりで全然先に進まなさそうな素晴らしい道だ。どんな動物が出てきても不思議じゃないような山の中だけど、両脇がそれなりに広いのですこしだけ安心感がある。
そんな道を走っていると三股山荘に着く。以前寄った時に相手をしてくれたおばちゃんは引退して、別の方(どこかで娘さんだという記事を見たけど定かじゃない)が引き継いだようで、今は予約制に変わっているため行ってもしょうがないのだけど、さっさと通り過ぎるのも名残惜しいのでゆっくり前を通過する。
そこから数分走ると、国鉄士幌線的には十勝三股の次の駅にあたる幌加駅跡がある。十勝三股は20年前の時点で既に線路もホームも無かったけど、こちらは未だに残っている。というより、観光資源として積極的に残す方向に方針転換したように見える。
ここからさらに南下すると、こんどは「タウシュベツ川橋梁展望台」なんていうものが現れる。そもそもタウシュベツ川橋梁自体が知る人ぞ知る存在で、あんなダム湖に沈んだ旧線のアーチ橋をわざわざ見に行く奴なんて相当の物好きだけだろう…なんていうのはもはや昔の話らしく、あとでわかることだけど上士幌の道の駅なんかに行くと完全に観光資源化していて、どの町案内を見てもタウシュベツ川橋梁、下手すりゃTシャツやトートバッグまでタウシュベツ川橋梁だ。いつからこんな人気モノになってしまったのか。
そのタウシュベツ川橋梁展望台はR237道沿いの狭い駐車帯から180mほど森の中を歩いたところにある。10〜15台程度は停まれるであろう駐車帯は満車状態だ。展望台に向かうまでの道でも多くの人とすれ違う。いったいこの中の何人が士幌線の歴史を知っているというのか。まあコレを機に興味を持ってもらえれば別にいいんだけど、ほとんどの人は橋を見たところで「なんじゃこりゃ?」となってポカーンとしてしまい、数分後には橋の名前も言えなくなり、橋自体も記憶の彼方に去ってしまっているに違いない。
こういうのは新線付け替えで沈んだとか、せっかく作った新線も人が減りすぎてバス代行になったとか、1年の半分ぐらいは水底に沈んでいて年々朽ちているとか、そういう物語とセットになって初めて意味があるものなので、あんまり橋自体をアピールしまくるのも逆効果なんじゃないかと余計な心配をしてしまう。
この手の士幌線アピールは、他のアーチ橋に対してもしばらく続く。これだったら羽幌線や白糠線の方が遺構的にはもっと良いものがある気がする。
平地まで降りてくるとその手のものはなくなり、単なる十勝の牧場地帯になる。国道を逸れて、丘の上の方にあるにあるナイタイ高原牧場へ向かう。田舎道をしばらく走り、牛舎がある交差点を左折してからがこの道のハイライトだ。たぶん2010年以来だと思うけど、やっぱりこの道は良い。
道の終点にはレストハウスがある。以前はいかにも北海道っぽい、だだっ広い空間の建物だったけど、今やナイタイテラスというお洒落空間に建て替えられている。北海道にこういう都会っぽさはこれっぽっちも求めていないんだけどねえ。
中に入ると、食い物売り場がすごく混んでいて行列ができている。ここまできてソフトクリームを食わずに帰るわけにいかないので仕方なく並ぶ。
以前はもうちょっと素朴なメニューだった気がするけど、こんな建物にしたらこうなってしまうのは仕方ないだろう。それよりこの行列の進みが異様に遅いことが気になる。どうしようもないので並んでいると少しずつ進む。ようやく先頭の方に来て遅い理由がわかる。「ナントカバーガーとソフトクリーム、ソフトクリームは食後」みたいな頼み方をする人が多いからだ。空いていたら「2回並べばいいじゃねえか」で済むけど、これだけ並ばされると1回で済ませたいのはわかる。でも頼み方がメンドクサすぎていちいち時間がかかる。構造的欠陥だろうこれ。
そんなわけで20分ぐらい待ってようやく順番がくる。うちはソフトクリームだけなのですぐ終わる。そう、食事とソフトクリームを分ければいいだけの話なんだよ。とはいえ物理的に今更無理なんだろうけど。
外は基本的には単なる芝生の原っぱだけど、これまた今時のわざとらしいモニュメントがある。そこで写真を撮る人が絶えない。人のことは言えないけど。
ここを公園代わりにして遊んでしまった人がいたので、予想外に長時間滞在してしまった。コテージには15:00〜17:00の間にチェックインする必要があるので、あまり士幌町から離れるわけにもいかず、やれることが限られる。とりあえず一旦上士幌の道の駅に行き、それからコテージに行ってチェックインして、その後買い出し、という計画にした。
上士幌の道の駅までは15分ほど。着いてみると、やけに近代的な道の駅だった。以前来た時はこんなのじゃなかった気がするんだけど記憶が曖昧だ。
ここで晩飯用に士幌牛の串焼き(冷凍)、地場クラフトビールなど、晩飯用食材を買い込み、一旦コテージに向かう。上士幌の道の駅から、士幌町のコテージだから、すぐ着くだろうと思いがちだが、全くそんなことはなく、22kmも離れており、25分かかる。かなり町外れにあり、何もない場所をしばらく走り、そこから一気に高度を上げていき「ヌプカの里」の管理棟に着く。用紙に記入し、説明を受け、PayPayで宿泊費12,500円を支払う。もらった地図に従ってコテージに向かう。
玄関を入ってすぐの1階が3人用寝室、中2階がDK、2階も3人用寝室、といった間取り。部屋数は多いけど1部屋があまり広くない。DKは普通のテーブル+椅子ではなくローテーブルだけで座椅子もないのが痛い。調理器具や食器類は普通に揃っている。
とりあえずチェックインは済ませたので、時間的な制約は無くなった。士幌町の中心部に買い出しに向かう。中心部とはいっても、道の駅とスーパー1軒ぐらいしか行き先がない。
まずは道の駅へ行く(17:00で閉まるのでこっちを先にする)。
続いてはスーパーに向かう。ここでは野菜の惣菜、翌日の朝飯などを買う。
惣菜は買えたけど、晩飯用のおにぎりが何故か壊滅状態だったのでセイコーマートに行ったらまさかの在庫ゼロ。仕方ないのでセブンイレブンに行ったら普通に買えた。
またしても20分ほどかけてコテージに戻る。まだ真っ暗ではないのでちょっとばかし目の前の遊具で遊んでから晩飯にする。
コテージ飯に備えてキャンプ用の塩胡椒小瓶を持ってきておいてよかった。こんなところで役に立った。
このあたりは星空がキレイだとのことなので外に出てみる。昼間よりは雲が減って晴れ間の占める面積が広がっている。コテージの目の前はライトで明るいので遊具の方に移動すると、雲がないところではかなりたくさんの星が見える。うっすらとした雲はあると思われるので、快晴だともっと見えるんだろうけど、これでも十分にたくさん見える。三脚を持ってこなかったことを後悔するけど、仮に曇っていたら無駄に重い荷物になっていたことを考えると致し方ない。
いいものを見た。酒がうまい。
テキトーに飲んで、テキトーに寝た…と言いたいところだけど、エアコンがなく、気温が高めなので暑い。窓を開けて網戸にしようにも、ちょっと隙を見せると大量の虫が入ってくるので大変だ。とても布団や毛布など使える状況ではなく、バスタオルを掛けて寝た。夜が深まるとさすがに涼しくなって窓を閉めた。
Day 4 2025/07/21(月)
丸々1日北海道で過ごせる最後の日がやってきた。何度か温度調整で起きたけど基本的には爽快な目覚めだ。
晴れた高原の朝は実に爽やかで過ごしやすい。
思わずダラダラしてしまいそうな爽やかさだけど、今日はこれから2時間近くかけて富良野方面に移動しないといけない。目的は富良野のメロンとソフトクリームぐらいで、最終的には1時間弱かけて赤平市のコテージに行くけど、それ以外の予定は未定。
9時前出発なら管理棟には行かず、部屋に鍵を置いておけばよい、とのことだったので、指示通りにしてコテージを出る。昨日何度も走った坂道を降り、士幌町から西の鹿追町、新得町を経て狩勝峠を登る。
3年前はここを富良野から帯広に向けて走ったけど、その時はひどい霧で何も見えなかった。今回は晴れているので爽快なドライブが楽しめる。頂上の狩勝峠ももちろん晴れている。ただし風が強い。
狩勝峠から南富良野町に入る。国道を走っているうちに、最近正式に廃止になった落合駅に立ち寄る。
幾寅駅みたいに観光施設化する気もなさそうだし、どうすんだろうこれ。周辺に住んでいる人も少ないから、何かに転用する意味も無いだろうし。
ここからちょっと行くと南富良野の道の駅に出る。ここにはモンベルが入っているが、ここのご当地Tシャツはイマイチ趣味に合わないのでスルー。物産館はちょっとリニューアルしたようだけど、売っているものは大きく変わってはいない。モンベルの裏には子供用の遊具ができていた。
この場所は「なんぷアドベンチャーパーク」と呼ぶらしい。ここに限らず、道の駅のあちこちで「なんぷ」というキーワードが出てくる。南富良野のことを「なんぷ」と呼ぶことにしたらしい。いつからそんな名前ができたんだろう。3年前に来た時はそんなのなかった気がするんだけど。
ここまで来ると富良野は近い…と言いたくなるけど、まだ50km近くある。全然近くない。そのまま行くのは脳がないので、途中でR38を逸れて道道253に入り、そこから麓郷展望台を目指すことにした。
若干交通量が増えて退屈感が出てきたR38から道道253に入り、しばらくするとひまわり畑が見えた。ひまわりを撮影できる場所を探しているうちに、ひまわり畑とは無関係に、いい感じの撮影スポットを見つけた。
肝心のひまわり畑は近寄れる道を見つけることができず、望遠レンズで切り取るのが精一杯だった。
道道253はその後もいい感じの道が続く。麓郷エリアが近づくにつれて小洒落た店と旅人が増える。北の国からの影響なのかはよくわからないが、あのドラマは全く見たことがないのでそこはどうでもよい。アンパンマンのジャム屋を過ぎてさらに登ると麓郷展望台に出る。景色に加え、すぐそばに花畑と麦畑があるのが良い。
そもそも7月下旬に北海道に来ること自体が初めてで、当然ラベンダー畑を見るのも初めてなので、単純にスゲーとなる。それと展望台からの景色が同時に楽しめるのだから言うことなしだ。北海道には展望台はたくさんあるけど、そこそこ上位にランキングできるだろう。
個人的な富良野エリアでの用事はこれでおしまい。お土産購入と昼飯を兼ねて、一旦富良野駅そばのフラノマルシェに行くことにする。麓郷からは近そうで遠くて30分ぐらいかかる。このエリアは地図で見ると遠くなさそうなのに、実際に走ると案外遠くて時間が経つのが早い。
フラノマルシェはそこそこ混んでいたが、少し待ったら駐車場に停められた。朝飯が控えめだったので腹が減ってきた。4日目にしてはじめて昼飯を食う。
食いながらこの後の予定を考える。コテージまでは1時間弱かかり、コテージに17:30頃に着こうとしたら16:30頃にこのエリアを出ることになる。時間的余裕は4時間弱。あとやりたいこととしてはメロン屋とジェットコースターの路。あとはせっかく7月末にきたのでラベンダー園か。
これらをどう回るか考えた結果、先にジェットコースターの路に行き、その帰りにファーム富田と、その隣にあるメロン屋に行く、という計画にした。
そんなわけでジェットコースターの路を目指す。これもまた近そうで遠い。何度かきているので、なんとなく記憶にある道を30分ほど走ってジェットコースターの路の端っこに着く…つもりだったが、端ではなく谷底に着いていた。しょうがないので南側の端っこに一旦登る。
頂上部に近づくと、なんだか道路のど真ん中で写真を撮っている人がやけに多い。なんだこれと思ったら、そのあたりに駐車帯が作られていて何台か停まっていた。こりゃ写真を撮るなと言う方が無理があるな。
その駐車帯は反対車線(南方向)にあるので、北方向に走っていると停めづらい。そのままスルーして終点まで行き、そこで転回して再び走り始め、その駐車帯に停める。
続いて目指すのは中富良野にあるとみたメロンハウス(ファーム富田の隣)。その途中にあるパノラマロード江花を通る。
普通に北側から走っていくと、反対側の車線がずいぶん並んでいる。駐車場入り口(右側にある)から入ろうとすると、右折できないように直進限定の看板が出ている。しょうがないのでスルーし、適当なところでUターンして反対車線に並ぶ。クルマは多いけどダラダラ進んでいて完全停止はしないので入れるだろうと踏んだら、本当にちょっと待ったら入れた。
停めたのはファーム富田の駐車場なので、ラベンダー園を通ってメロン屋に向かう…が、車から出た瞬間にラベンダーの香りが漂っている。そしてすごい広さのラベンダー畑が広がる。これが日本中の年寄りが退去して押し寄せる富良野のラベンダー園か。さすがにさっきの麓郷展望台とは規模が桁違いだ。
人だらけのラベンダー円を抜けてメロン屋に向かうと、こちらはさほど混んでいない。数人の列に並んで目当てのものを買う。
こちらは以前も食ったことがあるのでさほど感動はない。それなりの値段はかかるけど「メロンを半分に切ったやつにソフトクリームを入れる」なんていう数千円かかるようなやつを要求されないだけマシだと思うしかない。
目的を果たしたので、あとは出発予定時刻の4時半までファーム富田を散策する。何度か来たことはあるけど、そもそもラベンダーの時期でもなかったので、実質初訪問に近い。全然知らなかったけど、駐車場の前のラベンダー園が全てなのではなく、奥の方に全然違う花畑があるようだ。
あちこち回っているうちに時間になる。美瑛の方にも花がキレイな場所は色々ありそうだけど、意地でも行きたいほどじゃないので今回は諦める。
というわけでコテージに向かう。中富良野から道道でR38に出て、あとは芦別、赤平と旧炭鉱街を淡々と走る。平均的な北海道の山の中の景色がずっと続くだけなので眠くなってくるが、どうにかこうにかコテージがあるエルム高原に着く。
日帰り温泉施設の駐車場に停め、温泉のフロントで宿泊手続きをする。前日の士幌町のコテージと同じく12500円だけど、ゴミの処分を頼むと+400円かかる。温泉の割引のようなものはない(残念)。
鍵をもらってコテージに向かう。ほんの50mほど走ったところにある。三連休最後の月曜日に泊まる客は他にいないようで、6件あるうちの一番手前を割り当てられた。前回はその隣だった。
いや〜懐かしいな。隣の建物だけど中はほとんど一緒。そういやこんな感じだったな。昨日のエルム高原のコテージより倍ぐらい広く感じる。
晩飯はここから20分ぐらい離れた滝川市にある松尾ジンギスカン本店に行くことになっている。18:30に席予約をしてあるのでそろそろ出なければならない。あとでやるのがめんどくさいこと(布団を出すとか、トランクの整理とか)を軽くやってから出かける。
15分ほど走ると滝川の市街地に出る。前回寄ったイオンや本屋を横目に見ながら松尾ジンギスカン本店に向かう。中心部からちょっと離れて、住宅街になる手前ぐらいのビミョーなところに松尾ジンギスカン本店はあった。
予約席に案内されると、松尾ジンギスカン謹製のジンギスカン鍋に出迎えられる。
せっかく本店に来たのでケチくさいことは言わずに特上ラム2人前と、ラムステーキを頼む。たぶん皆頼むからだろうけど、すぐに出てくる。やり方がわからないので素直に店の人に聞いて、タレを周りに流して野菜を入れ、上の方で肉を焼く。
肉はすぐに焼き上がる。早速食う。うまいけど、たまに近くのスーパーで松尾ジンギスカンの冷凍のやつを買って食っているので、味的な感動みたいなものはない。しかしそれはどうでもいい話で、本店で食うことに価値があるのだ。
そしてラムステーキがやってくる。
かぶりついて噛みちぎる系の食感を予想していたが、かなり柔らかくてサクッと食えてうまい。これはさすがに店に来ないと食えない。
それはいいんだけど、指示通りにやっているにもかかわらず、鍋の周りに入れたタレがあっという間に沸騰して日上がってしまい、ドロドロに濃縮されたしょっぱい野菜になってしまっている。結果的に鍋も焦げ焦げのカピカピになってしまった。
帰り際に他の席の鍋を覗き見すると、どこもこんなに鍋が焦げていない。火をつけたオバチャンが火加減を間違えたんだろうということにしておく。
松尾ジンギスカンのあとは、近くにあるコープさっぽろとセイコーマートで朝飯の買い物、土産物を買う。コープさっぽろは、他のスーパーに比べてラーメンサラダのタレ等が安いので思わず色々買ってしまった。
また20分弱かけてコテージに戻る。諸々の片付けなどを終え、歩いて温泉に向かう。温泉がすぐそばにあるというのもこのコテージの良いところだ。月曜日の夜なので客は地元民のみ。のんびりした時間が流れている。ゆっくりしたあとはコテージに戻り、買ってきたビールと国稀を飲んで、昨日の倍ぐらい広いロフトで寝た。エアコンがなくて窓を開け閉めして気温調整せざるを得ないのは、残念ながら昨日と同じだった。
Day 5 2025/07/22(火)
とうとう北海道を去る日が来てしまった。初日移動日の4泊5日というのはやっぱり短いな。微妙に物足りない。しょうがないけど。
とりあえず朝飯だ。コテージ2階のベランダで買っておいた菓子パンなどを食う。
今日は帰る日なのであまり大したことをする気はない。たまたま近いところにいるので北竜町のひまわりを見に行き、空港まで行く道の途中の北海道こどもの国に寄り、新千歳空港に少しだけ早めに行って土産物を買う、という程度だ。時間があったら美唄にあるアルテピアッツァにも行ってみたかったけど残念ながら休館日だったので断念。
温泉の裏口(従業員出入口)でコテージの鍵を返して出発する。国道と道道を駆使して北竜町に向かう。35分ほどで到着。行く前からネットの情報でわかっちゃいたけど、満開のひまわり、ではなく、さとうきび畑のような棒ばっかりの緑の畑に迎えられる。
諦めずに奥に進むと、ひまわりが満開になった一角がある。全体からすると1/10ぐらいなんだろうけど、これだけで十分すごいものに思える。さっきの一面の緑が満開になったら、さらにすごいんだろうな。
それなりに満足してひまわりの里を去る。北竜町から砂川市にある北海道こどもの国に向かう途中で、昨日も行った滝川市を通る。そこで昼飯時を迎えたので、回転寿司で昼飯にする。
北海道の回転寿司らしく、ネタが大きめで腹一杯になる。それなりの満足感は得られた。
腹を満たしたところで北海道こどもの国に行く。これが今回最後のイベントだ。
これ以降は出航時間から逆算して計画を立てざるを得ない。まだ遊びたいという人を無理矢理引き剥がして車のところに戻る。途中で最後のセイコーマートに寄ってとうきびソフトを食べたりしながら新千歳空港に向かう。ちょっとだけ高速に乗り、岩見沢からは下道。変化に乏しい道なので眠くなる。
レンタカー屋の近くのGSで満タンにしてからレンタカー屋に向かう。場内に入ると、返却所には他車はなく、スタッフの方が4名いて、皆さんに誘導されながら停める。なんだか妙にこっぱずかしい。特に何らかの追加請求のようなものはなく、普通に返却完了。ちょっと待ってから空港行きバスに乗り、ほどなくして新千歳空港に着く。
チェックインはネットで済ませてあるので、20kgを超えない範囲で荷物を調整してから荷物を預ける。そこそこ時間はあるので、せっかくなのでたくさんあるラーメン屋でラーメンでも…と言いたいところだけど全く賛同を得られなさそうなのでやめておく。機内で晩飯にするため、比較的リーズナブルだったザンギ弁当を買う(690円)。
時間になったので保安検査場を抜けて中で待つ。行きと同じく10分遅れる。
平日だけど飛行機はそこそこ混んでいた。帰路は窓際席を確保していたけど、東側になるA席を選んだのは失敗だった。西側の席を確保すべきだった。理由は、西側の方が明らかに夕焼けがよく見えるため。A席からだと自分(飛行機)の影になってしまってなんだかよくわらない。
安定飛行に入ったところで買ってきた弁当を食い、配られたアイスコーヒーを飲む。ニュースなどを見ているうちに羽田に着く。あっという間だ。
荷物を受け取り、京急の直通急行に乗って逗子・葉山まで行き、駅にある直通電話でタクシーを呼んで帰宅。去年は1700円だったタクシーは何と2100円。値上がり過ぎだろ。帰宅は何だかんだで22時過ぎになってしまった。
総括
わかっちゃいたけど4泊5日というのは北海道旅行としては短い。例によって特段のイベントがない、移動が多いツーリングのような旅行になってしまったが、元々うちの旅行はその傾向が強かった上に、宿の場所が分散してしまったことが大きい。北海道で何をしたのか、と漠然と気かれたらどう答えるかというと微妙だ。それなりに観光名所には行ったんだけど、旭山動物園みたいな超有名どころじゃないからだろうか。
個人的には、三国峠、士幌線の遺構、ナイタイ高原、麓郷展望台といったビュースポットやドライブルートに行けたので、そこそこ満足度が高かった。
前回行きそびれた十勝の「インデアン」に、行こうと思えば行けたんだけど、困ったことに腹が減っておらず行きそびれた。インデアンは再度の宿題となってしまった。4泊5日のうち、まともに昼飯を食ったのは最後の2日だけ。それ以外はあまり腹が減らず、とうもろこしやソフトクリームで十分だった。朝食が多すぎたりして食が乱れるのでこうなることが多い。
散々言われているように観光地には外国人が多かった。ただ、傍若無人な人が多いかというとそんなことはなく、特に不快感を感じるようなことはなかった。比較的マイナーな場所に行くと、さすがに遭遇する機会は減った。
上士幌町がやたらと士幌線の遺構を観光資源化していたり、富良野近辺でも今までは停められなかった場所に駐車帯ができていたり、どうにかして観光客を呼ぼうとしている感が以前より強まっていた。道の駅の近代化も随分進んでいた。3年ぶりに来るとだいぶ変わっている。この傾向はこれからも強まってしまう気はするけど、知る人ぞ知るものだったモノはそっとしておいてほしいなあというのが正直な気持ちだ。
千歳空港から数泊で行ける範囲だとどうしてもこうなる。今後は道北、道東、十勝の僻地に行きたい感が強まる結果となった。