K1100RSタイヤ交換 BT-023→T30

5月連休以降カバーをかぶったままだったK1100RSの車検が近づいてきた。

例年6月〜9月と真冬はろくすっぽ乗らないんだから車検期間もその分伸ばして呉れ、なんて悪態を吐きながらカバーを剥がして各部を確認してみると、車検で真っ先にチェックされるタイヤの溝が殆ど残っていないことに気付いた。というか車検用のチェックをして初めて気付くんじゃねえよ俺。

前にタイヤを替えてからまだ9000kmぐらいしか走っていないのに,
前後ともスリップサインが出ている。ロングライフを謳っているBT-023なのに全然大したことない。遠方ロングツーリングの割合が多く、延々高速数百キロみたいな走り方をしているせいもあって減り方が偏る面はあるかもしれないが、それにしても減りが早い。

仕方がないので次のタイヤを探す。車検が近いのでサッサと替えなければならない。BT-023は性能面ではあまり印象に残る点がなく、可もなく不可もなくだった。好印象だったPilot Road 2には既に新型の3が出ているが、それは少々高い。まだ並売している2ならそこそこ安い。そしてBT-023ならそれよりさらに安い。Pilot Road 2は約10000km持った。BT-023は9000km。差額はxxx円だから1000kmあたり幾らで・・・なんていう趣味性のかけらも無い計算の結果、再度BT-023にすることにした。今はあんまり資金に余裕が無いのだ。

問題は何処で交換するかだ。K1100RSのタイヤ交換を受け付けてくれる店は限られている。ディーラーは価格面と敷居の高さ故もっての外、NAPS等の用品店は基本的に対応できず、二輪タイヤ専門店だけが残る。最も近い横浜のMCタイヤランドに電話してみると、残念ながらBT-023は在庫が無かった。続いて世田谷のspeedstarに電話すると、BT-023の在庫は無いが、後継のT30ならあると言う。価格差は前後で1500円ぐらいとのこと。そのぐらいの差額で新型が買えるなら許容範囲だ。しかも差額を払ってもMCタイヤランドよりちょっと安い。今回は時間的余裕が無いのでそれで手を打つことにした。T30なんていうタイヤのことはよく知らないのだが、専門店が後継製品だというならそうなんだろう。その程度の認識で4万円も払う自分もどうかと思うが。

よくよく考えてみると、1500円余計に払うならPilot Road 2が買えたんじゃないかという気もするが、どうせこれも在庫が無いのだろうから気にしないことにする。

ここまではいい。問題は店に行くという行為だ。世田谷といえば東京だ。俺は東京の一般道は苦手なのだ。車も信号も多いし、車線もコロコロ変わってろくなことがない。しかし行かねばならない。嫌々ながらバイクの軽整備をする。とりあえずエンジンをかけようとすると、困ったことにかからない。サイドスタンドを上げても燃料ポンプが回らないのだからお話しにならない。はて、ポンプはちょっと前に替えたばっかりだし、何が悪いんだ?

ふと思い立って、サイドスタンドを手で握って何度か下ろしたり戻したりを繰り返すと、いきなり燃料ポンプがジーと音を立てて動き出し、無事にエンジンもかかった。おおかたサイドスタンドのスイッチが固着でもしていたのだろう。4ヶ月放置しただけでこうなってしまうとは。その後、あと50kmほどの命となったタイヤにフットポンプで空気を入れて準備完了。自分もプロテクター入りGパンとメッシュジャケットに着替えて準備万端。場所を覚えていないのでRAMマウントにiPhoneを固定して出発。

このところセローにしか乗っていなかったので、久しぶりに乗るオンロードバイクは新鮮だ。パワーも桁違いだし走りもいい。しかし渋滞路での扱い易さは遥かに劣り、高温多湿下での運転に至っては惨敗もいいところ。昼間は暑いので夕方になってから動き出したのだが、それでも暑い。R1は比較的空いていたのだが、原宿や戸塚警察のちょっと信号待ちしただけで簡単にファンが回る領域に行ってしまうのは勘弁してほしい。それでも横浜新道、第三京浜が空いていたため息を吹き返して元気に走っていたのだが、玉川ICで一般道に降りた途端に暑さ・人の多さ・信号の多さのトリプルコンボで不快感がMAXになる。ほんのちょっとしか走っていないのに左手の握力が限界になり、全てがメンドクサくなってきた頃にようやくspeedstarに到着する。

先客が数名居るようで、店の前にはバイクを置く余裕が無かった。仕方がないので道路の隅に停めてヘルメットを脱ぎ、暑さから解放されてホッとしていると店員のニイチャンに話しかけられる。T30の取り置きをお願いしていた者だと伝えると、ファミレスのような待機表に名前を記入される。混んでいるので1時間ほど待ってほしいとのこと。こればっかりはしょうがない。

店頭に並んでいるバイク雑誌、他人のバイクのタイヤ交換作業を見ながら時間をつぶしているうちに俺のK1100RSの番が来る。前回と同じく、前輪のシャフトを抜く際にジャッキアップをせず、一人がグラブバーを掴んで体重をかけて前輪を持ち上げ、その隙にシャフトを抜き、そのシャフトにウマをかける、という荒技で作業を進める。ここはいつもそういうやり方なのだろう。

バルブのゴムが劣化しているので替えた方がいいですよ、と言われたので素直に替える。30分ほどで作業終了。

フロント:14,500円
リヤ:21,600円
バルブ:500円 x 2
工賃:7,600円
値引き:-2,000円(現金払いをすると値引いてくれる)

合計:42,700円

タイヤ交換の備忘録を書くたびに同じことを書きたくなるのでまた書いてしまうが、バイクのタイヤは高い。1,000kmで4,000円、100kmで400円、10kmで40円。ガソリン代の高さばかりを気にしがちだが、リッター20km程度(つまり2013/9時点では10kmあたり80円ぐらい)のK1100RSの場合、ガソリン代の半分ぐらいのタイヤ代も走るたびに払っていることになる。とんでもないコストパフォーマンスの悪さだ。性能面の向上ばかり考えず、そこそこの性能でロングライフなタイヤも作ってほしい。それが出来ないなら単純に旧製品の並売を長期間続け、少しずつ値下げしてほしい。それだけで充分なんだけど。

新品は滑るので気をつけてくださいね、というおきまりの忠告を受けて帰路につく。既に7時を回っているので多少渋滞も解消されているが、ちょっと車線選択をミスると無駄な右折渋滞につきあわされるので油断できない。やはり都内は怖いところだ。第三京浜に入って多摩川を渡るとちょっと落ち着く。その後は大した渋滞も無く、無事に帰宅。

新しいT30の第一印象は、まあまあ軽快且つ素直に走る。ただ、交換直後の新品故に空気圧が適正で段減りしていないから、というだけの話かもしれない。タイヤの性格としてはスポーツツーリングタイヤとのことなので、せめて箱根ターンパイクか富士山スカイラインくらいは走ってみないと何も評価できなさそうだ。しかしそのためにはこの酷い残暑、というか湿度がどこかに行ってくれないことには・・・

交換時の走行距離:56845km