ISUZU FESTIVAL 2024(と、その後)

毎年恒例のイベントの季節がやってきた。今年はステアリング不具合で参加が危ぶまれていたが何とか間に合った。それ以外はさほど問題ないので、往復することに関する不安はあまり無い。いいことだ。

2023年に続き土曜日に予定が入ってしまったので前夜祭には参加できない。当日早朝移動で現地入りし、終了後に後泊する、という2023年と同じ流れにした。

その2023年は、本来はキャンプするつもりだったものの日曜夜からの雨予報により浜名湖畔の安宿泊にしたが、2024年もまた天気予報の見通しは悪く、当日夜以降は雨の可能性が高まっていた。おそらく台風1号の影響だろう。よりによってどうして年に何度もないソロ活動の日にそうなるかねえ。

しかし予報的には2023年より少しだけマシで、雨が降り始めるのは月曜日の午前中になりそうだ。そのため、現地(豊田市足助)から、無理のない範囲で東に移動した長野県下條村のおおぐて湖キャンプ場を予約した。

そんな感じで天気だとかキャンプの準備のことばかり気にしていて、ピアッツァ自体の準備は特に何もしなかった。せいぜい、おふざけで作成したデジタルカタログを印刷してファイルに入れる程度(これもピアッツァ自体とは関係ない)。まあ何もしなくても済むのは良いことだ。

前々日までにキャンプの準備はほぼ済ませ、トランクから道具箱やら電工工具箱やらを出してキャンプ道具を突っ込んだ。バイクのソロキャンプと同等の装備なので体積が小さくて済む。そして前日に洗車と室内掃除をして、バッテリー充電、冷却液補充、給油、空気圧調整などの一般的な運行前整備をする。そして翌日の朝飯になる菓子パンやおにぎり、ガム、珈琲などを購入し、準備完了となる。

Day1 新東名爆走

2023年は5:00に出発し、4時間半を要して9:30に到着したが、ピアッツァエリアに停めることはできず、入り口付近の出遅れ車エリアに停める羽目になった(それでも開会時間より30分も早いんだけど)。

その反省を踏まえ、30分早く着くために、単純に30分早く出ることにした。その他、給油や空気圧調整を事前に済ませることで、無駄な時間消費を減らすようにした。

その計画遂行のため、前日はそこそこ早起きし、できる準備はほぼ済ませ、あとは冷蔵・冷凍関連物や、身に着ける財布や時計などだけを残した状態で23:00に床に入る。そして4:00に起き、ホットコーヒーの準備を済ませた上で残りの荷物を積み込み、菓子パンとコーヒーを胃に流し込み、予定通り4:30に出発した。

去年はこんな朝焼けではなかった

これもまたマジックアワーだな

昨年は朝5:00過ぎにもかかわらずR134の流れがイマイチで、朝っぱらからイライラさせられたが、今年はそんなことはなくスムーズに流れていた。たった30分違うだけでコレだけ違う…なのか、単に波がイマイチでサーファーがいないだけなのかはわからない。

早朝のR134を快走

いつもの柳島のGSをスルーし、新湘南バイパスもスルーして西進し、西湘バイパスを無料区間で降りて二宮から北上し、秦野中井ICから東名高速道路に入る。ここまでは順調だ。よく寝られたからか、睡魔に襲われることもない。ステアリング周りを修理したおかげで、大井松田から御殿場までのクネクネ区間も特に不安は感じずに走れる。行けるところまで行くつもりだったが、小腹が空いたので駿河湾沼津SAで小休止する。

建物に入ると無駄に時間を食うので入らない

買ってあった菓子パンとおにぎりを食い、さっさと行こうとしたところで声をかけられた。どうやらこの方も香嵐渓に向かうようだ。適当に話を終わらせて出走したい部分もあるが、喋っていると目が覚めるので、それはそれで悪くはない。時間的には10分ほどロスしたが、まあこれも不可抗力だと割り切る。

出走後、程なくして制限速度120km/h区間になる。JR130自体がそうなのかは知らないが、うちのJR130 XEは100km/hを超えたあたりから接地感が薄れてきて、さらにステアリングのブレも強まり、走っていて楽しいものではなくなってくる。

しかし今日は若干先を急いでいる。そのため極力制限速度で走るべく右足に力をいれる。ステアリング修理が関係しているかは定かではないが、昨年に比べると多少落ち着きが感じられる。ただ単に慣れただけかもしれない。

いすゞ的数字で巡航

制限速度以下なので何の問題もない速度だが、このピアッツァ的には爆走に近い速度だ。ステアリングはかなりブレブレで、手を離すのが憚られる。アライメントを調整した方が良いだろう。

長篠設楽原PAでトイレ休憩し、残りのおにぎりを頬張る。新東名のSA・PAはなんだか仰々しいものが多い。なんとなく名古屋テイストを感じる。

PAやSAは質実剛健でいいと思うんですけど

休みもほどほどにして出発。目的地の豊田松平ICまではさほど遠くない。去年は随分遠く感じたが、今年はそうでもない。慣れもあるだろうし、ちょっと前にK1100RSで600km以上走ったのに比べればシケたもんだというのもあるだろう。

去年は豊田松平ICのETC出口で引っかかったが、今年はアンテナを移設したおかげで問題なくクリア。そこから目的地の香嵐渓までは20分弱。直前で信号渋滞に引っかかったが、それ以外は順調に走って無事に到着した。到着時刻は8:40。ちょっと早すぎたか。

去年は5:00出発、9:30到着、所要時間4:30。今年は4:30出発、8:40到着、所要時間4:10。R134が空いていた、給油しなかった、途中のPA・SAに長居しなかった、の3点が20分短縮の要因だろう。行動計画さえきちんとしておけば、次の早朝出発時は5:00出発で良い気がする。

Day1 毎年恒例ダラダラタイム

そんなわけでミーティング会場には着いたが、一応の開始時間までは1時間以上あるため、まだガラガラだ。ピアッツァは1台しかいない。地元名古屋から来た方だ。せっかくなので色々とお話をする。豊田市で前泊していたはずのピアッツァ軍団はまったく来ないが、117クーペばかりがどんどん増えていき、奥の方へ移動を強いられる。117とベレット偏重なのは相変わらずだ。

9:30をとっくに過ぎた頃に飲んだくれ軍団は到着。無事にピアッツァエリアに停めることができた。去年とはえらい違いだな。いずれにせよこの場所は開会式などが執り行われる入り口付近からは極めて遠く、かなり参加意欲が削がれる。

結果的に隅っこの方に折りたたみ椅子を広げてダラダラするだけの、単にいつもの横オフに折りたたみ椅子が追加されただけのような空間で過ごすことになってしまったが、まあいつも通りと言えなくもない。今年は強制的に参加費用にフードチケット1000円分を乗せられたので、それを昼飯で消費した程度が些細な違いか。

暑いのでルートビアが合う

先日導入したInsta360 ONE RSを持ってきていたので、せっかくなので一往復して撮っておいた。

本来だったら開会早々にぐるっと一周して何か買い物したりするのが正しい姿なのかもしれないが、もはや何かめぼしいものが出てくるとも思えず、全然そんな気にならない。結局何もしないまま閉会式の時間を迎え、抽選大会にも参加しないままいすゞミーティングは終了した。まあこんなもんだ。

Day1 長野県へ

ピアッツァ軍団は相変わらずダラダラしていたが、俺は下條村まで80kmほど移動しないといけないので、閉会早々に会場を去る…と言いたいのだが、渋滞が酷くて全然出られない。どうやら目の前のR153が大渋滞していて、青信号時に出られる車両数が少ないのが原因のようだ。この渋滞のせいで完全に出足を挫かれ、たかだか100m進むのに20分以上要した。

R153に出て渋滞の酷さを目の当たりにしたが、幸い俺が向かう長野方面は渋滞とは無関係だ。とりあえずR153に出てすぐのところにあるスーパーパレットに寄る。この先、キャンプ場の近くにあるスーパーまで何もないことがわかっていて、必要最低限のものはここで仕込んでおくつもりだ。

それなりに地元名物等も扱っているスーパーだが、キャンプ飯に適したものが見当たらない。とりあえず普通に焼き鳥、ホルモン、枝豆、地酒、ビールを買い、保冷用の氷を許されている範囲で確保する。あとは長野県のスーパーで何かあれば買い足すことにする。

その後は淡々とR153を長野方面に向かって走り続けるだけだ。北上するにつれて交通量は徐々に少なくなり、道も良いので快適だ。そしてとうとう長野県根羽村に入る。南側から長野県に入るのはたぶん初めてだ。南信エリアは中央道で通り過ぎたことはあるが、地に足をつけたことはなかった。

いい感じの山間快走路だ

その後もひたすら山間国道を快走する。時間も遅めなので交通量も少なくて快適だ。走っているうちに阿智村の市街地に入り、目的地としていたスーパー「キラヤ」ピア店に着く。

期待しないで入ってみたところ、あんまり活気がない店内の雰囲気とは裏腹に、品揃えはなかなか良い。南信エリア名物の肉類や惣菜がそれなりに豊富にあり、酒類もきちんとある。足助でガッツリ買い込む必要はなかった…のだが、買ってしまったものは食わねばならない。色々勘案しながら、自宅に持って帰ることも視野に入れつつ追加で肉や酒を買う。仮に来年以降に同じような行動パターンを取ることがあるなら、ここでそれなりに買えることを覚えておいた方が良いだろう。

魅力的な品揃えだ

買うべきものは買ったので、ようやくキャンプ場に向かう。ここからは10分ちょっとで着くことになっている。Googleさんの言う通りに進むが、曲がるところが判りにくくて何度か間違える。途中から急に標高を上げはじめる。晴れていたら良い景色だったに違いない。

遠くの山々がきれいだ

晴れていればねえ…

Day1 おおぐて湖キャンプ場

ほどなくして「おおぐて湖キャンプ場」に着く…のだが、ある意味今どきのキャンプ場なので、道案内一つとってもロゴが書いてあるだけで、どこにもキャンプ場の名前を書いていないので、どこを曲がっていいのかわからない。Googleさんが案内してくれるのでココだとわかるが、俺はあまりナビ頼りで走らず看板を頼るタイプなので、バイクだったら通り過ぎてしまっていた可能性が高い。せめてキャンプ場の入り口ぐらいはもっとアピールしてほしい。

どうやってもすれ違えないような細い道を抜けて、キャンプ場受付も兼ねた旅館前の駐車場に停める。受付のお兄さんに予約した者であることを告げる。予約したサイトは「乗入れサイト」というクルマ横付け可能なサイトだが、実はそれ以外にも横付け可能な場所があるらしく、そこでも良いという話になる。その場所の方が雰囲気が良さげだったのでそちら(Eサイト)にした。

相変わらず細い道を進んでEサイトに行く。なかなか良い雰囲気だ。まだかろうじて明るいがそろそろ暗くなる。早速設営を始める。まずテントを組み立て、タープを立てる。雨予報じゃなければタープなんて要らないんだが、いつ雨が降るかわからないので一応立てる。地面がかなり硬くてペグが入りにくい。ガンガン叩いて入れる。テントのペグ打ち、テーブルや椅子、火遊びの準備なども含め、30分ほどかけて設営を終える。

ここをキャンプ地とする!!

このサイトの裏手には展望台と称した高台がある。せっかくなのでそこに登ってみる。そんなに大した景色ではないが、視点が変わるのはそれなりに面白い。

良い眺めだ

諸々の準備を終えたので風呂にする。かなり暗くなってきて、他の客が完全にダラダラタイムに入っている中で英国紳士サウンドを轟かせるのは若干憚られるが、まだサイレントタイムじゃないので勘弁していただきたい。最も近い「コスモスの湯」までは10分程度だが、道が真っ暗で、知らない道なので随分遠く感じられる。Googleさんの言う通りに走って無事にコスモスの湯に着く。

秋に来たらコスモスが綺麗なんだろうか

券売機で500円の入場券を買い、受付のお爺さんに券を渡して中に入る。いかにも田舎の公営温泉らしい、のんびりした雰囲気が実に好ましい。日曜日の遅めの時間だからか、客は少ない。露天風呂からは飯田の市街地の灯りがよく見える。もう少し明るかったらかなりの絶景だっただろうが、目の前を通る高圧線が無粋だ。湯はこのあたりにありがちなヌメヌメしたアルカリ泉で、自分的には好ましい。サウナやナントカバスみたいな余計な設備がなく、内湯と露天風呂しかないところも潔くて良い。

満足してコスモスの湯を出る。来た時よりもさらに真っ暗になった道を走ってキャンプ場に戻る。なんだか色々と申し訳ないのでほぼアクセルを踏まないでクリープのまま自分のEサイトに向かう。そう言う意味では入り口に近い「乗入れサイト」にしておけばよかったのかもしれないが、今更どうしようもない。

さて、ようやくお待ちかねの晩餐だ。ネイチャーストーブに着火剤、炭、薪を入れて火をつけて放置し、枝豆とビールで晩酌にする。湖(と名乗っているが実質的には池だ)と星を見ながらビールを飲むのは最高の気分だ。

最高の組み合わせだ

それ以外の晩飯はこれ。もし足りなければキラヤで買ったジンギスカンを食うが、多分そうはならないだろう。

量的には問題ないがイマイチ地域感に欠ける

特に何をするでもなく、淡々と肉を焼き、枝豆をつまみ、酒を飲む。空には星が輝く。目の前の湖では魚が飛び、蛙が鳴く。たまにはこういう時間が必要だ。キャンプ場にも色々あるが、クッチャロ湖キャンプ場が素晴らしかったので、それ以降は極力湖畔か河畔を選ぶようにしている。視界のひらけ具合がちょうど良いし、色々な自然を感じることができる。この小さい湖畔もいい感じだ。

一通り飲み食いを終えたところで、夜景撮影タイムに入る。三脚にK-1IIを取り付け、カメラの設定を色々調整して撮影に挑む。

しかし、いくらなんでも暗すぎるようで、星空が撮れる程度に10秒程度のシャッタースピードで撮影しても、ピアッツァは影程度にうっすらとしか写らない。

よく見ないとなんだかわからん

シャッタースピードを多少を延ばしたところで結果は大差ない。しょうがないので一瞬だけライトを当ててみる作戦に出る。ライトを当てすぎると超不自然になるので、1〜2秒程度サッと当てる程度で良いようだ。ライトは普通の白色LEDだと人工的すぎるので暖色LEDにする。

普通に撮った結果はこんな感じになる。

これはこれで良い感じだ

ホワイトバランスを蛍光灯だか何だかに変えると、空がわざとらしい青色になる。何とか映えする仕上がりになる。

ちょっとわざとらしいか

カスタムイメージGOLDもなかなか良い。

デフォルトとわざとらしいやつの中間ぐらいか

さすがに誰もが寝静まった時にエンジンをかけて動かすわけにはいかないので、自分があちこち動いて色々なパターンを撮って遊ぶ。以下はわざとらしい設定。

流れ星っぽいのは実は飛行機らしい

実は薄曇りなのに星の数がすごい

こうしてしばらく撮影して遊び、さらにその後はRAW現像したり酒を追加したりしているうちに、いままで山の向こうに隠れていた月が出てきた。月は薄い雲の向こうにぼんやり見えている。そこで初めて気づいたが、実は空は薄曇りで、月明かりがないために星がそこそこ見えていただけのようだ。もし月がなく、薄曇りでもなかったら、この数倍の星が見えていたに違いないが、見えただけでも良しとすべきだろう。

さすがに遊びすぎた。明日は朝7時ごろから雨のようだ。雨の中の撤収は避けたいので、5時半には起きて撤収を始め、作業完了後の朝飯としたい。道具類を一通り片付け、大物はタープの下に入れ、食い物関連は車に仕舞い、自分もテントに入る。朝も早かったしすぐに寝られるだろう…と思っていたのだが意外と寝つきが悪い。どうやらエアマットのキャップがちゃんと閉まっていなくて漏れているようだ。

空気を吹き込み直し、さっさと寝るべく小瓶に入れたバーボンをラッパ呑みして寝袋に入り直し、半ば意地になって目を瞑っている間に、どうにかこうにか眠りについた。

Day2 雨との競走

5:25に目覚ましに叩き起こされた。眠さと疲れで何もやる気がしない…という状況を懸念していたが意外とそうでもない。バイクではなくクルマなので、そこまで酷い状況にはならないのだろう。テントのジッパーを開けて外を見ると、まだ雨は降っていない。雨雲レーダーやWindyを見てみても、相変わらず7時頃まではもちそうな予報だ。

なんとかして雨に濡れずに撤収を終えたい。その一心でさっさと片付ける。寝袋、エアマットとテント内の片付けを終えて外に出る。終わったものからどんどんトランクに積んでいく。周りを見ると、同じく早朝から動き出している人が数人いるようだ。考えることは皆同じだ。

その後もひたすら片付けに没頭する。ペグを抜き、フライシートとテントをたたんで袋に入れる。火遊び道具や調理道具を袋に突っ込む。テーブルや電灯類をトランクに突っ込む。タープのペグも抜き、畳んで袋にしまう。テキトーに突っ込んだトランク内を整理する。こうして朝飯を食うために必要なモノ以外の片付けを6:00過ぎには終える。撤収最速記録だろう。

ここで再度雨雲レーダーを確認すると、なんと15分後に雨とか言っているではないか。ちょっと前まで7時って言っていたのに、30分も早まってるじゃねえか。あれは一体なんだったんだ。

この予報はさらに悪い方向に振れてしまい、朝飯と調理器具を広げたままの状態で雨が降り出してしまった。

なんてこったクソっ

天に唾を吐いてもしょうがない。椅子はさっさと仕舞い、湯沸かしは始めてしまっていたのでそのまま続け、テーブルと食い物は木の下に移動した。そこまで強い雨ではないので助かっている。

雨には勝てません

しかし、湯が沸いて珈琲を入れ終わった頃にはかなり雨足が強くなってしまい、傘を出すか、20m先にある屋根の下に移動するか、面倒だからこの場で食うか…という状況になる。結局そのまま食い続け、慌ただしい朝飯を終えた。

Day2 宿場町へ

やることはやったのでピアッツァの運転席に座り、今日の旅程を考える。雨が降っているので、景色の良い展望台だとか、爽快なドライビングルートだとか、そういうのは避ける。去年のヤマハコミュニケーションプラザみたいなインドアで楽しめるものがあれば良いが、ここ伊那谷にそんなものがあるのかはよくわからない。仕方ないので観光地巡りをしようと思い立ち、25年か30年ぐらい前に行ったことがある妻籠宿・馬籠宿あたりの宿場町に行ってみることにした。ここまできたら岐阜県にも入ろう、という妙な勿体無い根性もないわけではない。

まだ片付けしている人も多いキャンプ場を後にする。目の前の道に出よう…としたところで撮影好適スポットを発見してしまったので思わず立ち寄る。

いい雰囲気だ

葉っぱのトンネル

その前の広場もなかなかいい

寒々しい感じがいい

雨の曇天下だったのでこんな雰囲気が出ている可能性はある。これが超快晴だったりすると逆にフツーな写真になってしまったかもしれない。こればっかりは同じ時期に超快晴の日に再訪してみないとわからない。その機会が訪れるかはわからない。

妻籠宿へはそこそこの距離がある。とりあえずガソリンを入れておこう。飯田市から阿智村に入ったところにGSがあるのでそこに向かう。来た道を戻ってもいいが、面白くないので別の道で向かう。途中までは昨日の温泉と同じで、その先にある道の駅に寄って用を済ませ、三遠南信道の無料区間に乗ってR153に出て、阿智村方面に進んでGSに寄る。

随分高ぇなオイ

そのままR153・R256を進んで妻籠宿へ向かう。基本的には何もない山間ルートで、晴れていたら良い感じの山岳ドライブルートだと思うが、雨なので走りを楽しむ余裕はなく、慎重に走らざるを得ない。逆にストレスが溜まる。

妻籠宿に近づいてくると、その辺の民家もそれっぽい造りのものが増えてくる。

若干のわざとらしさを感じる

というわけで妻籠宿までは来た。遠くからそれらしい街並みは見えるが、停めるところがなくて写真は撮れない。500円払って駐車場に停めて街並みに入れば当然写真は撮れるが、500円を払う価値がある場所なのかどうかを思い出せない。妻籠宿と馬籠宿、どっちかがわざとらしくて金を払う価値がなかった記憶があるが、どちらだか思い出せない。それはまあいいとして、とりあえず今この場は雨がかなり強く、傘無しで外を歩く気がしない。それが最大の理由で、駐車場に停めずに、遠目に見ただけでここを去ることにした。

とはいえ、せっかくなので「大妻籠」という別の小さい宿場町に行ってみる。ここは妻籠宿と違ってクルマが通れる…のだが、前方に赤帽のトラックが2台止まって通せんぼしており、他車が通る余地がない。仕方ないので延々バックで退がり、結局何もしないで大妻籠も去る。

大妻籠手前の橋でいい感じの写真が撮れたので良しとする

ここ妻籠宿は長野側。この先の馬籠峠(県境)を越えて岐阜県側に入ったところにあるのが馬籠宿になる。そこまで馬籠峠越えの県道を走る。晴れの日にバイクで走ったらそこそこ楽しめると思うが、雨天時にクルマで走っても全然面白くない。

「峠の茶屋」って日本に一体何軒あるんだろう

馬籠峠の先は岐阜県

ここから先は下り坂になる。登りと同じく、晴れた日のバイクなら楽しそうな道を降り続けると馬籠宿に着く。こちらは駐車場が無料なので停めて散策する。まずは展望台に行くが、案の定ろくに見えない。

雲が多すぎて、見えるのはピアッツァと手前の建物だけ

しょうがないので街並みを歩いてみるが、かなりのわざとらしさを感じる。30年前にわざとらしくて金を払う価値がないと感じたのはどうやら馬籠宿の方だったようだ。まあ駐車場無料だから別にいいんだけど。

建物はしょうがないとして、石畳がキレイすぎるのがダメなんだろうな

とりあえず上から下まで歩いてみる。わざとらしいという感覚は変わらず。そして歩いているのは外国人ばかりで、日本人は店員以外見かけない。30年前にそう感じた記憶はないので、そこだけは大きく変わった。外国人目線では、わざとらしさはおそらく感じられないだろう。

というわけで観光はおしまい。せっかく岐阜県中津川市まで来たのでスーパーに寄る。中部圏のスーパーといえばバローだろう、という思い込みのもと、バロー中津川東店に向かう。

目的のケイちゃんを買えたので特に不満はないが、バローはあまり旅行者に優しくないというか、よくある「地元の名産コーナー」みたいなものが無いので、目的が明確では無い場合の買い物に困る。去年の浜名湖からの帰り道も同じ感想を持った。こういうのはイオン系列の方が徹底しているので、土産物購入観点ではイオン系列に行くのが良いのだが、全国チェーンより地場チェーンという自分のポリシーと相反するので実に悩ましい。かなり時間を食ってしまうが、両方行くのが良いのかもしれない。

Day2 木曽経由で伊那へ

もう出発してから随分時間が経っている気がするが、出発が早かったので時間的にはまだそれなりに余裕がある。雨を避けたいという不可抗力で早起きしたが結果オーライだ。

ここからはR19をひたすら塩尻方面に北上し、途中で曲がって権兵衛トンネルを抜けて伊那に出るという算段だ。R19はトラック等が多くて退屈な道だという印象があるが、平日で交通量自体が少なめなのか、特に苦痛というほどでもない。途中で坂下、賤母と道の駅に寄りつつ、たまにR19から木曽川右岸道路に移ったりしながらひたすら北上する。

木曽川右岸道路はまあまあな快走路だが、木曽川はあまり見えない

R19に戻る途中

このへんの名勝である寝覚の床は、木曽川右岸道路の「寝覚トンネル」であっさり通過してしまったので、遠目に見ることさえできなかった。まあ雨なので行ってもしょうがないだろう。さらに北上して木曽福島市街地を過ぎ、R361で開田高原方面に向かう交差点を過ぎると、その先はKで何度も走っているので見覚えのある景色になる。バイクからしか見たことがない景色をクルマから見るのは少しだけ不思議な気分になる。

淡々と北上し、伊那方面に向かう交差点を曲がり、峠道やループ橋でガンガン高度を稼いで権兵衛トンネルに向かう。トンネルを抜けると伊那谷に出る。こちら側はあまり雨が降った形跡がない。なんだよ、宿場町やら中津川なんか行かないでさっさと北上したら雨を気にせず楽しめたのか? まあ景観観点ではどうせダメだっただろうからあまり気にしないでおく。

この先は谷底に向かって延々下るだけになる。目指すのは伊那市街地のローメン屋だ。途中でいい感じの田んぼを見つけたので寄り道して写真を撮るが、イマイチいい感じにならない。広過ぎると逆にどうしていいかよくわからなくなる。

広さをうまく表現できていない

ローメン屋はたくさんあるが、有名店に行こうとしたらなんと13:00で終了らしい。他の有名っぽい店も軒並みやっていない。月曜はダメなのか。そんな中で見つけた「珍三」という店を目指す。坂を下り切って川沿いに少し北上した、スーパー等が集積したエリアの片隅にある。店内には店主一人。客はいない。超お得なローメンセットを頼む(プラス50円で餃子3個と半チャーハンがつく)。

よくよくメニューを見たらローメンのところに「トン」と書いてある。まあ食い始めてから言っても後の祭りなのでどうでもいい。腹一杯食って店を出る。勿体無い根性でセットにしてしまったけど多過ぎた。こりゃ晩飯は多分食えないだろう。

せっかくなので向かいのスーパーに寄る。ローメンを食ったために寄ることができなかったテンホウの生麺が売られていたので買っておく。

ちゃんとしたテンホウ製造品なので本物の味のはずだ

Day2 羽広荘へ

次に目指すのは、過去にISUZU MLの全国オフで何度かお世話になった公共の宿「羽広荘」だ。もちろんそこに泊まるのではなく、単に今どうなっているのか様子見したいだけだ。ついでに、その向かいにある「みはらしの湯」に入るという算段だ。

さっき下ってきた山を再び登る。実はローメン屋に行く前に羽広荘に寄ってしまった方が経路的な効率は格段に良かったのだが、先に風呂に入ってしまったら時間的に食い物屋が全部休憩に入ってしまうので、効率が悪いことは承知の上でこのような順番にした。

勝手知ったる道を15分ほど走って羽広荘に着く。まず看板が違うところで違和感がある。

西山亭って何ですかね

生気が感じられない

廃墟感もないが、営業している感もない。なんだこれ。

199x年にいすゞ車をたくさん並べた駐車場には全く車がとまっていない。

右上が散々夜通し騒いだ「研修室」だ

後になって調べたところ、残念ながら廃業してしまったようだ。こちらの記事によると、2020年から旅館から食堂に業態変換していたようだが、建物老朽化により2022年に食堂としても営業終了したとのこと。

思い出深い場所が廃業してしまったのは残念だが、もう決定済みの話なのでどうにもできない。

羽広荘は廃業してしまったが、向かいの「みはらしの湯」は営業している。駐車場にピアッツァを停め、温泉道具を持って歩いて向かう。

平日なので空いている。券売機が動いておらず人力会計になっているとか、物品販売が少ないとか、なんだか以前より活気がない気がする。料金600円を払って中に入る(後で知ったが、500円から600円に値上げしたようだ)。以前は羽広荘の浴衣を着ていれば入れたので、金を払って入るのは初めてだ。

更衣室や風呂の景色にあんまり見覚えがないのは、男湯と女湯の配置が逆だったからなのかもしれない。とりあえず湯自体は良いものだった。クルマなので大して疲れちゃいないが、ダラーっと浸かることで、先ほど食い物を詰め込み過ぎた胃の消化に勤しむ。

広間のソファでしばしのんびりして、みはらしの湯を出る。さすがにもう帰らなければならないが、最後にやることがある。長野県内にいるうちにツルヤに寄らなければならない。伊那から諏訪に抜ける県道沿いにツルヤ伊那福島店があるのでそこに向かう。さっきと同じくひたすら谷底に向かって下る。そこから北上してツルヤに着く。買うべきもの、売っているものはだいたいわかっているので、買い物はあっさり終わる。

Day2 自宅へ

さて、ここからはどこまで高速に乗らずに粘るかのチキンレースになる。20:30頃の帰宅を目指し、そこから逆算してどこから高速に乗る羽目になるかを考えながら先に進む。とりあえず伊那から諏訪までは県道で行く。ちょっとした山越えになるが、ここもKでよく走っているので勝手はわかっている。諏訪ICの時点ではまだ多少の余裕があったので乗らずにスルーし、八ヶ岳ズームラインや鉢巻道路といった八ヶ岳山麓の快走路を走る。雨はもう上がっており、路面もほぼ乾いているので、それなりに快走できる。

もう17:30を回った。時間的にそろそろ限界だ。諦めて小淵沢ICから中央道に乗る。そこからすぐの八ヶ岳PAに寄って用を済ませ、シートに座ったところで急激に眠さを感じ、15分ほど仮眠する。自分の仮眠は大抵15分だ。それである程度スッキリする。

時間の余裕があれば一宮御坂ICで降りて山中湖を経由しながら帰るところだが、そんな時間はない。月曜日なので例の小仏トンネル渋滞も無いことだし、潔く諦めて中央道〜圏央道の大名ルートで帰る。休日割引の関係で、小淵沢〜寒川南のたかだか150km程度で、昨日の秦野中井〜豊田松平の240kmより通行料金が高いというのは受け入れ難いが致し方ない。

八ヶ岳PA以降は、藤野PAのワンストップで寒川南ICまで走り、いつもの柳島のGSで給油して帰宅した。最後まで腹は減らず、晩飯にラーメンを食う野望は果たせずに終わった。燃費は全体を通して10.1km/L。高速道路率が40%程度だった割には良い方だな。

これまでは左側からしか聞こえなかったギシギシ音が右前からも聞こえるようになったのが変化点だが、そのギシギシ音も出たり消えたりするのでよくわからない。修理に出しても原因不明で終わる気もする。それ以外は特に問題なく走り抜けた。高速走行でステアリングがブレるが、わざわざアライメント調整をするかは微妙なところだ。そんな速度を出す機会は年に数回しかないし。

去年に続いて2日のうち1日が雨で潰れてしまったが、両方雨になるよりマシだったと思うしかない。雨だったおかげで、30年ぶりの宿場町だとか、羽広荘やローメン屋も含めた伊那市街地散策だとか、その手の地味な活動ができたと思えば悪い話でもない。そもそも両日ともに雨だったら、前泊の予約でもしていない限り行かないだろう。

来年また行くかはわからないが、また例によってこの2日間が2024年の最長走行距離になり、これだけ走るのは早くても1年後の話になるだろう。

後日談

フロントウィンドウ上のモールが剥がれていた。汎用品をテキトーに両面テープで貼っただけのやつなのでしょうがない。走行中にどこかに飛んでいかなくてよかった。

後日談2

買ってきた肉やラーメンを食った。

ケイちゃんは何度か食ったことがあるので特に驚きはない。柔らかくてうまい。野菜を大量に入れたので味が薄くなり、上北農産のタレで誤魔化した。

ジンギスカンは現地で食う可能性を考慮して小さいパックにしたので、量的には物足りなかったが味は良かった。

テンホウのタンタンメンは、ほぼ店の味でびっくりした。スープの構成も醤油スープと胡麻スープの合わせで凝っているし、挽肉もよくできている。また長野方面に行った時は買いたいが、ツルヤには置いていないので別のスーパーに行かざるを得ない。

「とりじん」は、今回買った中では最もフツーだった。他が良かったので埋没してしまう結果になった。

今回買えなかったやつが色々あるので、また今度買って帰りたいところだ。