北海道2010 Day8 最終日はいつも切ない

健康ランドの館内放送によって7時に起こされた。目覚ましはもう少し前にかけていた筈なのだが、全然気付かなかった。それなりに熟睡できたのだろうか。結局、自力でちゃんと起きたのは昨日のクッチャロ湖だけだったか。

ちょっと寝転がってダラダラし、朝風呂に入ってから出発する。近くにあったオカモトセルフで給油し、セイコーマートで朝飯にする。結局朝飯は最初から最後までセイコーマートのおにぎり2個だった。モスバーガーの北海道限定ざんぎバーガーを朝飯にするか最後まで悩んだのだが、おにぎりで統一する方を選んだ。しかし、それとセットのソフトカツゲンが何故か品切れで、はっさくカツゲンにする羽目になってしまった。これだったらざんぎバーガーの方が・・・

気を取り直して美瑛方面に向かう。その途中に就実の丘というのがあるので寄ってみる。そこまでの道にダートがあるので走ってみる。農場の中を一直線に走るこのダート、北海道らしくて良い道だ。

そしてダートから舗装路に戻る。まるでジェットコースターの道のようなアップダウンをクリアし、就実の丘に到着。目の前には十勝岳。いい眺めだ。

そこでボケーとしていると、レンタカーでやってきたオジサン、オバサンに話しかけられる。この方々、先日の天人峡での洪水被害に遭い、自衛隊のヘリで助けられたらしい。今日には道路が開通するので、自分の車を取りに戻るのだそうだ。

就実の丘から国道に出て、美瑛の道の駅に向かう。ここで「青い池」の場所を確認する。青い池はつい最近入れるようになった場所のため、俺の2008年版ツーリングマップルには載っていないのだ。地図をゲットしたので、さっさと現地に向かう。まあどうせ看板ぐらい出るだろう。

白金温泉、吹上温泉に向かう道道を淡々と走っていると、ビジターセンターを過ぎたあたりで青い池の看板が出た。いかにもつい最近無理矢理木々を伐採して作りました的な駐車場にセローを停め、歩いて青い池に向かう。500mほど歩いたところに池はあった。確かに青いが、エメラルドグリーンに近い。どっかで見た写真だともう少し青が強かった気がするのだが、先日の雨で濁ったのかもしれない。いずれにしても、神の子池の神々しさにはかなわない。

道道に戻り、望岳台に寄ってから吹上温泉露天風呂に向かう。土曜日だから混んでいることを危惧していたのだが、運がいいことに先客は一人しかいなかった。今日は当たりだ。そこで、今まで混んでいて入れなかった上段に入ろうとすると、猛烈に熱い。あの熱かった相泊温泉より熱い。とても入れるようなものではないので諦めて下段に入る。こっちも充分熱い。後から来たオジサンが持参していた水温計によれば、44度だそうだ。体感的には50度なんだが。人が少ないのでのんびりしようかと思ったが、のんびりする間もなく熱さで追い出される。まあ出たり入ったりするのも気兼ねなくできるので、それはそれで良い。

無料露天風呂を充分堪能してセローのところに戻る。どう見ても風呂にいる人数より停車車両数の方が多いのだが、これらは皆ここに居ついている車中泊者のようだ。布団を干したり、洗濯物を干したりしている。そんなオジサンとちょっと会話をして、吹上温泉を去る。

今までは、吹上温泉の後は単に下山していたのだが、今回はさらにこの上にある十勝岳温泉に向かう。特に温泉に入る気は無いのだが、PAがあるらしいので行ってみることにした。そこまでの道は、高度を稼ぐために今までよりもさらに勾配がきつくなる。そしてPAに着く。高さはあっても、あまり開けていないため、眺めはそれほどでもない。どちらかというと、登山口的な役割みたいだ。

一番上まで来たのでとりあえず満足して下山する。さて、そろそろ苫小牧に向かうことを考えなければならない。しかし、帰路で散々目にする「千望峠」の看板が気になる。そう遠くないので行ってみる。確かにまあまあな眺めなのだが、そこまで看板を出しまくるほどの場所でもないような気がする。

実はここはジェットコースターの道の終点に近いので、折角なのでジェットコースターの道にも行くことにした。もう今までに何往復もしたので新鮮味も驚きも無いのだが、この道は単純に楽しい。そして、出口、というか本来の入口のそばにある「農家の店」というところでゆでとうきびを食べる。やっぱり茹でたては実に美味い。オマケでくれたプチトマトもまた美味い。

空腹感が満たされたところで、再びジェットコースターに乗る。続いて江花パノラマロードにも行く。このあたりはセットで楽しめる。何度も行っているのでもはや迷うことは全く無い。

もうちょっと行ってみたいところもあるが、そろそろ時間的に限界だ。諦めて苫小牧に向かうことにしよう。苫小牧へは、夕張経由で向かうことにした。一旦国道に出て給油し、その後裏道に抜ける。一瞬R38を通り、道道を経てR452に入る。あとはひたすら夕張方面に走る。

このR452も、昨日の霧立国道と同じく交通量が非常に少ないワインディングロードだ。これもまた存在する意義を疑いたくなるような道だが、その昔の石炭採掘時代からの歴史もあるのだろうか。SoftBankがずっと圏外なのも同じだ。とにかくひたすら走り続け、途中で三菱大夕張鉄道の遺構や保存車両などを見ながら新夕張、というか紅葉山に出る。北海道に来た初日に寄ったこの場所に、最終日にまた来てしまった。

夕張ICから道東道に乗る。これまた初日と同じだ。これに乗ってしまうと苫小牧までは一気に走るだけだ。北海道の道なんて、一般道も高速道路もあまり変わらなかったりする部分もあるが、やはり高速道路に乗ってしまうと「帰る」感が高まってしまう。
あーあ、もうあのだだっ広い一本道も、誰もいないワインディングロードも走れないのか。

苫小牧東ICで高速を降りる。そして、普通だったらR36を西に向かって苫小牧のフェリーターミナルに行くところだが、反対側に曲がってラーメン屋「味の大王」に向かう。ここのカレーラーメンを食わないと苫小牧に来た気がしない。昼飯を食わずにとうもろこしだけで済ませたのは、カレーラーメンを遅い昼飯にしたかったからなのだが、ちょっと遅くなり過ぎた。

味の大王はきちんと営業していた。当然頼むのはカレーラーメンで、0円マップのクーポンで味玉もつける。他に客が居ないのですぐに出てきた。あーこれだこれだ。この味だ。普通のラーメンも美味いんじゃないかと思うが、多くても年に1回しか来れないと思うと、他のものを頼むのは勇気が出ない。

次に向かうのは、明野にあるセイコーマートである。苫小牧ではここでだけ、函館にあるハセガワストアーの名物「やきとり弁当」を買えるのだ。これをフェリーでの夜食にする。どう考えても食い過ぎなのだが、食いたいんだからしょうがない。やきとり弁当自体は苫小牧名物でもなんでもないのだが、道東や道北をメインにすると、苫小牧以外で食えるところがないのだ。それと、明日の朝飯のおにぎり2個も当然買う。これで遂におにぎりコンプリートだ。

あとはフェリーターミナルに向かうだけだ。無呼、遂にあそこに行かざるを得なくなったか。一番来て欲しくない時が来てしまった。馬鹿みたいに広い片側4車線の道をダラダラ走る。夕日に映える山々を見ながら走っているうちに、左折する交差点に来てしまった。これから乗るフェリーがどんどん大きくなってくる。仙台行き、と書いてあるところにセローを停める。あー行きたくねえ。

しょうがないので乗船手続きをする。簡単に終了。ほどなくして乗船が始まる。さて、気を取り直して乗るか。前回仙台行きに乗った時は、乗り遅れそうになって大慌てで乗ったので、どんな乗り方をしたか全く覚えていないのだが、今回普通に乗ってみると、今まで乗ったフェリーの中でもトップクラスの楽勝さだった(ちなみに最悪だったのは横須賀~大分間のシャトルハイウェイラインだったが、既に航路廃止で会社もない)。

エレベータに乗って客室に向かうと、B寝台なのに巧みに個人スペースが確保された実にうまい作りの客室だった。続いて船内を探検してみると、とんでもない豪華さに驚く。いわゆる豪華フェリーとかいうものじゃなくて、これは単なる定期航路のはずなのに、これは一体何なんだろう。パブリックスペースも豊富で、一人でダラダラ過ごす場所が豊富にある。これに乗ってしまうと、大洗航路なんて乗りたくなくなる。

出航とともにSoftBankは圏外になり、暇な時間が続く。コンセント付きのOAエリアなる場所で、俺はこの文章を書いていた。そろそろ風呂にでも入り、やきとり弁当を食いながら、最後のサッポロクラシックを飲み、じっくりと今回のツーリングの回想でもしよう。明日は灼熱の仙台~茅ヶ崎の移動が待っている。身体がついてくるのだろうか。

本日の走行距離:330km(やっと普通の距離になった)