ALPINE 7618J ハーネス複製

少し前にALPINE機材の在庫調査をしていた際、7618Jの本体は4つあるものの、ハーネスが1本も無いことに気付いた。

普通に考えれば本体と同じ場所に保管しているはずなのだが、そこにはない。他にありそうな場所を調べたが、やはり無い。かなり探したが、無い。随分前に、もう使わなそうな配線類を処分したことがあるのだが、その際に間違って捨てたぐらいしか考えられない。

自分の馬鹿さ加減に呆れてしまって暫く何もする気になれなかったのだが、何日か経ってようやく気持ちを取り戻し、ハーネス複製を試みることにした。

コネクタ調査

複製するためには、現物と同じコネクタを調達しないことには始まらない。コレがないことにはどうにもならない。

まずは現物調査である。唯一残っている利用中ハーネスを引っこ抜いて手がかりを探すと、コネクタ部に”AMP”の3文字を見つけた。

ついでに各部のサイズを計測する。

それらをヒントに調べていくと、どうやら既にTEという会社に買収された旧AMP社のコネクタのようだ。

サイトには図面も載っており、正確なサイズがわかる。そのため、ほぼコレで間違いなさそうだということはわかった。いい時代だ。

もろもろ発注

この Multilock 040 というコネクタは幸いネットで普通に買うことができる。業販限定でロット購入必須などということはないようだ。コネクタ自体は大した値段ではないのだが、送料がかかるとバカバカしいのでモノタロウで購入する(199円)。

コレはあくまでコネクタで、電気的接続を担当するピンは別売りである。7618Jの場合は本体側がオスなので、メス側のピンを別途購入する(798円)。

その他、電線を何本か(何色か)購入する。できればオリジナルに合わせたいところだが、白だとか青/白だとかいう電線は売っていないので別の色で代替する。

これで終わりと言いたいところだが、ネット上の先人の行動を見る限り、ピンに電線を固定するための圧着ペンチは適切なものを使う必要がありそうだ(ちゃんとしたものを使わないとコネクタにピンが入らない)。現在使っている安物はギボシ端子ですら頻繁に失敗するので、若干高いとは思いつつ、いい機会だと自分に言い聞かせて新しいものを購入した。

コネクタ接続確認

数日後、発注した部品類が届いた。

とりあえず、目視確認で購入したコネクタと現物ハーネスのコネクタを比較すると、どう見ても同じものに見える。そして、現物がが本当にはまるかを確認する。

問題ない。ここまでは読みどおりだ。

複製作業&装着

早速、購入した圧着ペンチを使って、ピンに電線を固定する作業を始める。予想はしていたが、若干難易度が高い。固定自体は難なくできるが、端子形状をコネクタの穴に合わせて四角くしないと入らない。きちんと四角になるようにするためにはそこそこのコツがいる。

それでも、やっているうちに慣れてくるもので、1本目より2本目、2本目より3本目と、少しずつ精度が上がる。

そして遂に全てのピンをコネクタに挿入した。

とはいえ、これは片方(コネクタ側)を終えただけで、車体側はこれからである。こちらは使い慣れたギボシ端子なので難易度は低い。今回購入した圧着ペンチのおかげで作業精度も上がっており、被膜カバーが入らないなどという事態も発生しない。

結線を終えて動作確認。キーを捻り、7618Jの電源をオンにすると、普通に動作した。複製は成功した。

試運転

作業を終えた翌日の昼休み、試運転に出かける。オーディオだけなので運転する必要は全く無いのだが、そういう問題ではない。

ハーネスを入れ替えただけなので、音質が変わるわけもなく、なんの感動もない。普通に走って、普通に帰ろうとしたところ、マルチドライブモニタが点灯していないことに気付いた。

時間の余裕もないので一旦帰宅し、夜になってからマルチドライブモニタのコネクタを抜き差ししたところ、無事に復活した。

こうして、ハーネスをなくさなければ全く必要がない散財と作業を終えたのだが、こんなことでもない限り調べないことを色々調べた結果、それなりに知識もついたので、まあまあ面白かったとは言える。エンジンOHの際も同じようなことを書いた気がするが、まあ要するに強がりですよトホホ。