10月の第1金曜日は弊社の創立記念日で、それにかこつけてロングツーリングをするのが慣例になっている。今年は2泊3日で鳥海山方面へ行くつもりで安宿も予約していたというのに、出発の1週間前から体調が微妙な状態が続いていた。急に寒くなったからだろうか。
すぐに治るだろうと思ったらなかなか治りきらない。この症状は思い当たる節がある。季節の変わり目になると何故か10日ほど発熱もなく倦怠感が続く持病があったのだった。以前にもコレでツーリングを諦めたことがある。
近場というか距離短めの1泊ぐらいならイケる気がするけど、今回の予定は初日の宿から既に600km越えの日本海側で、体調がせめて8割方回復していないとキツい。出発前日の午前中の体温と体調で判断するつもりで日々を過ごしていたが、結局自信を持って行けると言えるほどにはならなかった。そのためすっぱり諦めてピアッツァで一泊ドライブに出かけることにした。ピアッツァに何の不安もないのかというとそんなこともないけど、天秤にかけてこちらにした。
ロングツーリング仕様化した pic.twitter.com/oGs87WLsqB
— m.sota (@msota_RS) September 27, 2025
コレもエンジンオイル交換も無駄になっちまったな。しょうがない、切り替えだ、切り替え。
元々鳥海山方面のつもりだったので意識が東北方面を向いている。そこで、2019年にK1100RSで行って好印象だった福島県桧原湖の早稲沢浜キャンプ場を再訪することにした。体調ビミョーなのにキャンプ?という気もしないでもないけど、バイクツーリングを諦めたのだからそのぐらいはしないと割が合わない。
そう決めたのでさっさと動く。大変申し訳ないが2泊分の宿をネットからキャンセルし、早稲沢浜キャンプ場に電話して予約をした。一応ネット予約もできるけど、こういう田舎の小規模キャンプ場は電話の方が間違いない。そもそも営業しているかさえ怪しいのだから。先方のオジサン曰く、朝はかなり冷えて今朝も10度以下だった、とのことなので手持ち最暖のイスカの寝袋を持参することにした。
急に決めたので準備も全然していない。Kでは宿のつもりだったので準備の方向性が全く違う。とはいえそこそこ慣れているので、昼休みにトランクから工具以外の荷物を出し、テント、寝袋、椅子、焚き火道具、炊事道具、ライト類などを袋に入れて放り込んだ。さすがに昼休みだけでは終わらず夕方もやった。ボデーの洗車は諦めてホイールとタイヤだけ洗って準備完了。書籍やネットを見ながら大雑把なルートを検討し、酒を飲んでさっさと寝た。
Day1 会津方面の観光地へ
1日目の最終目的地は勿論早稲沢浜キャンプ場だけど、そこまでの経路は色々考えられる。バイクだったら磐梯吾妻スカイラインとかに行きがちだけど、クルマで行ってもさして面白くない。せっかく平日なので、週末だと混みそうな観光地に行くことにして、その前後の道路も含めて興味があった「大内宿」に行くことにした。
まあ率直に言ってかなりわざとらしい観光地で、昨年ビミョーだと思った馬籠宿と同系統の可能性も無きにしも非ずだけど、行かないことには何もいえない。とりあえず行ってみようじゃないか。
そこそこ早起きして5:00過ぎに出発した。時間重視なら逗子ICから横横だけど、朝早いおかげでケチっても数分しか変わらないので幸浦まで下道で行く。幸浦から首都高に乗り、大井PAでの道路状況確認を経て、予定通り葛西JCTから中央環状線で東北道を目指す。扇大橋あたりで一瞬滞ったものの、基本的には順調に流れている。
そのまま走り続けて佐野SAで小休止する。数年前にリニューアルした佐野SAは、新しい割には給茶機が残されているので熱い茶をいただく。
佐野SA立派になったな
しかし最近のレモン牛乳はやりすぎじゃないかね pic.twitter.com/tTULwMZ92m— m.sota (@msota_RS) October 2, 2025
東北道をそのまま北上する。栃木県に入ったのでラジオをRADIO BERRYに合わせる。1996年5月から1年弱の宇都宮在住時は随分RADIO BERRYにお世話になった(それしか入らなかった)。あれから約30年経っている。アナウンサーの方々は当然入れ替わっているし番組も全然違うだろうけど、途中に流れるジングル類は当時の面影を留めている(気がする)。宇都宮は勿論、黒磯あたりまでは聞こえているものの、西那須野塩原あたりで怪しくなる。そろそろ福島県に入るから諦めるしかない。
那須高原SAを過ぎて福島県に入る。以前は「これより みちのく」というコケシの看板があって、いや〜遂に東北地方に来たか、という感じがしたもんだけど、残念ながらあの看板は無くなってしまった。
このピアッツァで福島県まで来るのはおそらく復活直後の2000年以来だ。記憶が曖昧だけど、母成グリーンラインと磐梯吾妻スカイライン辺りを走った記憶がある。写真はミノルタの銀塩一眼レフで撮ったはずだ。25年ぶりか。随分ご無沙汰だな。
今回の行き先は大内宿なので白河ICで降りる。福島県が目的地の場合は大抵白河で降りてしまう。ツーリングプランでもない限り道路代が理由だ。ここまで来てしまえば、あとはどこへ行っても快走路だから。
一昨年にここで降りた時は白河ラーメンを食ったりしたけど、今回は時間が早過ぎてやっていないし、そんな余裕もない。ICそばのGSで給油して、ちょっとばかり裏道を通ってから甲子道路ことR289を走る。今までは大概にして羽鳥湖や猪苗代方面を目指して北へ走ってしまっていたので、実はこのR289を走るのは初めてだ。
そのR289は平日だからということもあるのかもしれないけど交通量も多くなく快適だ。比較的最近まで「登山国道」だったぐらいなので、かなりの山の中を走る。
長いトンネルを抜けて南会津エリアに出る。ここからは盆地に向けて下り坂を降りる。途中のこじんまりした下郷の道の駅も商業感がなくて良い雰囲気だ。総じて気分の良いドライブを楽しめる。
R289からR121に入り北上する。大内宿こぶしラインに入る手前に会津鉄道の湯野上温泉駅の看板が出たので何となく立ち寄る。
列車は1日に10往復程度なので便利とは言えない。ここから大内宿に行くバスも出てはいるけど、利用者は極めて少ないだろう。自分もクルマなので何も言えない。クルマに戻って大内宿に向かう。
R121から大内宿こぶしラインに入る。これまでの国道に比べると道幅が狭まり、カーブのクネクネ具合や勾配の斜度も上がる。バイクの方が楽しいだろう。ほどなくして大内宿に着く。案内に従って駐車料金500円を支払って車を停める。駐車場はそこそこ広いが、週末は埋まってしまうのだろう。
駐車場から大内宿に歩いて向かう。観光客はさほど多くないが中国語が目立つ。
宿場町の入り口に着くと、まっすぐな道の両側に古い建物が並んでいる。昔からずっとこの姿だったのかどうかはよくわからないが、それなりに整備されているので、そこはかとないわざとらしさを感じる。
メイン通り沿いの建物は概ね昔のままで、飲食店だったり土産店だったりするけど、1つ奥に入ると普通の民家なので、それなりに生活感もある。とはいえクルマやバイクが通ったりはしないので雰囲気は保たれている。
行き止まりに着くと、その向こう側の山の中腹に人の群れがある。
突き当たりの道を左側に進むと、裏山に登る階段がある。
この階段を登って少し進むと、よく大内宿の紹介で使われているあの景色が見られる。
見たかった景色が見られたのでそれなりに満足した。大内宿を後にして会津若松方面に向かう。中心部のどこかでラーメンを食う算段だ。大内宿からは引き続きこぶしラインを走る。こちらの区間の方が道幅に余裕があって走りやすい。
その後の連続ヘアピンで大きく標高を下げて会津盆地に出る。稲刈りが始まっていた。
Day1 会津若松周辺徘徊
そのまま会津若松方面を目指す。途中でちょいちょいラーメン屋は現れるものの、坦々麺メインだとか、タンメンメインだとか、変化球の店が多いのでスルー。結局、中心部にあり駐車場がそこそこ空いていた「うえんで」に入る。
デフォルトのチャーシューの枚数が多いのがこのあたりのラーメンらしいところだ。山塩ラーメンというのは今日行く桧原湖の湖畔にもそれを売りにした店があるけど、ここも券売機の左上だったのでそれにした。会津ラーメンは醤油のイメージがあるけどまあいいか。山塩ラーメンは見た目の通りあっさり風味でまあまあ。めちゃくちゃ特徴があるというわけではない。
続いては、近くにある地場スーパー「かわちや」に行く。弁当や惣菜が色々あって魅力的だけど、今晩のメインは馬刺しで、それ以外のものを買いすぎると食いきれなくなるので、焼き鳥4本を買うに留める。それ以外に気になった飲むヨーグルト、末廣の冷酒、会津ほまれの紙パックを買う。
その次に向かうのは末廣酒造の酒蔵だ。これも近い。ここには15年近く前に一度訪問しており、その時は酒蔵見学をして、記念にここでしか売っていない大吟醸を買って帰った。大吟醸にも色々あるけど、かなり好みの味だった。
今回は酒蔵見学はせず、蔵の中にある売店で土産物の酒だけ買う。
そして次に向かうのは馬刺し屋さん。探してみたら近隣にいくつかある。城下町っぽい通りを抜け、只見線の七日町駅を過ぎたところに数軒あるようで、とりあえず最初にあった「馬さしの鈴静」に行く。
馬刺しもいくつかの部位があるようで、100gで1400円程度と、それなりの値段がする。しかし会津と言えば馬刺しであり、ここで怯むわけにはいかない。前回Kで来た時はスーパーで馬刺しを買い、夜中に腹痛に苦しんだ(貧乏舌なので高級品を食うと胃を壊す)ので少なめの50gにする。部位は一番目立っているモモにしておく。
買い物を終えて出発しようとしたら、エンジン始動に失敗し、さらにはキーを捻っても無反応で、メーターが何も点灯しない状態になってしまった。慌てずボンネットを開けてバッテリーターミナルをグイグイ押し込んで再挑戦すると無事にかかった。よりによって店頭駐車時に限ってこんなのが発生するとは。
さて、会津若松での寄り道もそろそろ終わりにしなければならない。最後に行くのは会津近辺では最も目立つスーパー「リオン・ドール」の七日町店だ。馬刺し屋さんの前で運転席に座ったら目の前に見えたので丁度よかった。
ここでは馬刺し・焼き鳥・日本酒以外の晩飯を買う。少々迷った挙句、ビール2本、春雨サラダ、ネギトロとカッパの細巻きを購入した。思いのほか会津っぽい惣菜がなくて選ぶのに難儀した。さっきの「かわちや」で買っておけば良かったとも思うけど、あっちはあっちで量が多過ぎた。まあとりあえず馬刺しがあればよかろう。
Day1 キャンプ場へ
観光地から会津若松買い物回りと、バイクじゃまずやらなそうな行動をしていたら、さすがに結構な時間になっていた。そろそろ磐梯山を登って裏磐梯に出てキャンプ場に行くべき時間だ。名残惜しいので最後に鶴ヶ城の姿を拝んでから行くか、と思って近くまで行ってみたけど見える場所がなかったので諦めた。ダイソーに寄り、百円のおでんパック、ガスがなくなりかけていたのでチャッカマンを買う。さて、これで買い物はおしまいだ。磐梯山方面へ向かう。
磐梯河東IC付近まで県道で移動し、磐梯山ゴールドラインに入る。以前は有料道路だったが現在は無料化されている。
ここから先の道はクルマよりバイク向きで、ひたすら登りながら若干キツめのコーナーをクリアしていく楽しい道だ。森の中を縫うように走るので景観的にはいくつかの展望台を除いてパッとしない。
ゴールドラインの最高標高地点あたりは登山客向けの駐車場になる。それを過ぎると桧原湖方面へ下っていく。
そのうちR459に合流する。リゾートホテルやペンション、高規格キャンプ場などが点々とあるエリアを走り抜ける。
Day1 早稲沢浜キャンプ場
そのまま湖岸道路を進み、桧原湖北端にある早稲沢浜キャンプ場に到着した。いや〜懐かしいな。
以前来た時は受付はオバチャンだったけど今回はオッサンだ。初めてですか?と聞かれたので素直に5-6年前に一度来ました、と言う。その時と大して変わっていないけど、向こうにある川の手前までならどこでも自由につかってくれとのこと。たしかに記憶の中の早稲沢浜キャンプ場そのまんまだけど、降水不足で桧原湖の水量が少ないので湖岸がずいぶん遠くにある。そして先客はせいぜい5組程度。さすがピークを過ぎた金曜日。期待通りだ。
場所は選び放題ではあるけど、結局前回Kで来た時と同じ場所を選んでしまった。星が見えるかどうかはわからないけど、夕陽にしろ星にしろ湖が入った方が良さそうだし、単純に焚き火をしながらボケーとするのも湖が近い方が気分が良い。そうすると結局前回の場所になる。トイレや水道が遠いのが難点だけど、それはトレードオフなので仕方がない。
さっさと設営して温泉に行きたいところだけど、日が暮れる前に記念撮影をしておく。雲が多くなってきたけど、たまに雲が切れて日差しが入るといい雰囲気になる。
撮るだけ撮ったので設営を始める。雨は降らなさそうなのでタープは使わずテントだけなのですぐ終わる。
あらかた準備を終えたので温泉に向かう。晴れていたら日が暮れるまで撮影に興じていたかもしれないけど、雲が切れる可能性は無さげなので風呂を優先した。
目指す温泉はここから西方面に数分走ったところにある。前回来た時は途中まで行ったところで倒木により通行止めになり無念の撤退を強いられた(そして反対側に一周するほど元気がなく諦めた)ところだ。今回は何ともなく到着することができた。
靴を下駄箱に入れ、左奥にある窓から400円払って男湯に向かう。更衣室の棚には脱衣カゴは9個。こりゃ狭そうだなあと思いつつ扉を開けると、3人入ったらいっぱいになりそうな湯船に先客の爺さん2名。流しも3人分。こりゃ6人が限界だろう。リンスインシャンプーとボディシャンプーが備え付けで置いてある。
こんにちは〜とか言いながら中に入り、流しで汗を洗い流す。爺さん2名はひたすら喋り続けている。その横に遠慮がちに入る。なんとも無味乾燥な湯ではあるけれども、数年越しにようやく入れたと思うと感慨深い。明るいうちに戻りたいので、それほど長居せずに先に出る。さっさと着替えてキャンプ場に戻る。
こりゃ夕焼けは見れなかっただろう。さっさと風呂に行って正解だった。
というわけで飯の時間だ。その前に薪・炭・着火剤を適当に重ねて焚き火を始める。
火が落ち着いてきたところで晩飯にする。
鍋にダイソーのおでんを入れて温めつつ、ビールを飲みながら馬刺しを食う。その向こうには焚き火と湖。至福の時間だ。これで空が満天の星だったらサイコーなんだけど贅沢言っちゃいけない。キャンプ場にも色々あるけど、やっぱり個人的には湖畔が好みだ。波がなくて静かで落ち着いていて、月明かりが湖面に反射して明るいのが良い。
馬刺し50gは少ないかと思ったけど丁度よかった。なんとなく日本酒な気がしたので2本目のビールにはいかずに末廣の生酒を出す。
ちびちび飲みながら馬刺しやおでんをつまむ。寒くなってきたのでライトダウンを着込み、フリースブランケットをかける。冷たい生酒を飲み干したのでパック酒をお湯に漬けて熱燗にする。
焚き火で焼き鳥を焼きつつ熱燗を飲み、個人的定番のKenny LogginsのライブをiPadで流す。酒が終わってしまったのでウイスキーを追加する。こっちの方がKenny Logginsには合う。しばらくボケーとしていたが、空は南側の雲の向こうに月がぼんやり見える程度で、西側では雲の隙間にほんの少しだけ星が見えているだけ。とっくに諦めていたけど残念ではある。星も見えないし、明日の朝は早起きするつもりだし、そろそろ寝ますか。
自分にしては珍しく22:00過ぎにテントに潜り込んだ。厚めの寝袋にダウンジャケットを着たまま入る。ちょっと暑いかもしれないけどそのまま寝ることにした。これで問題なかったようで朝まで爆睡だった。
Day2 朝焼け
釣り人が船を出す音、遠くから聞こえる猟銃の音、そして目覚まし時計のトリプルアタックにより5:00に目が覚めた。さっさと寝たのでそれなりにスッキリしている。前回Kで来た時は夜中に腹を壊してトイレに行ったとか、星空撮影に熱中してしまって寝るのが遅かったとか、色々あって猛烈に寝坊したけど、今回はそんなことはなくきっちり起きられた。
わざわざ5:00に起きたのは朝焼けの桧原湖と磐梯山を見たかったからだ。テントを出るとそこそこ明るく、期待通りの赤い空が広がっていた。
湖面から浮いてくるモヤも含めて実に良い雰囲気だ。これが見たかったんだよ。早起きして正解だった。
カメラを持って湖畔を歩く。渇水で水位が低いせいで奥の方まで行ける。すると磐梯山が姿を表す。
早起きは三文の徳とか言うけど、これは三文どころじゃねえだろ。三文が何円なのか知らないけど。
反対側に目を移す。こっちはこっちで良い雰囲気だ。
この状況でピアッツァを撮ったらいい感じなんじゃ…とはならないのが難しいところ。朝早過ぎてエンジンをかけて移動することも憚られるので、置いた場所でそのまま撮るしかないのでこうなる。
一通り撮影を楽しんだので撤収作業に入る。夜露が激しくてテントはかなり濡れている。雑に雑巾で拭いて適当に畳む。帰宅後の天日干しは避けられないのでテキトーに済ませる。焚き火台やら何やらも雑に仕舞う。残しておいたテーブル、椅子、コンロを使って朝飯にする。
食うだけ食って食後の乳酸菌摂取を…と軽い気持ちでヨーグルトに手を出すと、これがとんでもなかった。
なんとなく買ってみたコレがうまい。さらさらしているかと思ったら濃厚で、ストローで吸うのがたいへん。よく見たら「のみにくい」と書いてあった。 pic.twitter.com/VyWUbQ8LE2
— m.sota (@msota_RS) October 3, 2025
スーパー「かわちや」で何となく目についてしまい買ってしまったコレがこんなに美味いとは。こういう地場の美味いものセンサーにはそこそこ自信があるが、また見つけてしまったか。これは土産に買って帰らねばならない。
名残惜しいけどそろそろ出発しなければならない。最後にまた撮影する。ここぞとばかりに、わざわざ持ってきていたPENTAX K-1IIとFA77を取り出す。
Nikkor Z 50mm/1.8もいいけど、FA77が醸し出す空気感はやっぱり別格だ。そしてさすがPENTAX、色合いが自然だ。何もしなくても記憶色に近い色を出してくれる。
ちなみにNikon Z5 + Z 50mm/1.8で撮って、何もしないでデフォルトの「風景」で撮るとこんなのが出てくる。
なんだよこのコントラストが強過ぎて黒潰れした写真は。緑が全部深緑で区別がつかない。これがデフォルト設定なんだから困ったもんだ。いつも自作設定で撮っているけど結局毎度事後調整が避けられない。これがNikonの色なんだろうから自分でどうにかするしかない。
とかなんとか文句は書いたものの、ピント合わせの打率に関してはNikonが圧倒しているので、救える/救えないで言えばピントが合っている方が良いに決まっているので、結局Nikonの方を優先して使ってしまう。
最後にゴミ捨てとWCを済ませてキャンプ場を去る。お世話になりました。またそのうちお世話になりに来ます。
Day2 山形県へ
このキャンプ場から北に向かうと、元有料道路西吾妻スカイバレーに入れる。前回はこの道を登って山形県に入り、証拠写真だけ撮って帰ってきてしまったけど、今回はその先の米沢まで行くつもりだ。
とりあえずその前に証拠写真を撮っておく。西吾妻スカイバレーという道路名称はとっくに消滅しているので、スカイバレーという単語が残されている場所はそう多くない。磐梯吾妻スカイラインやレークラインはそのまんまなのに、どうして扱いが違うのだろう。
温泉宿とペンションが散在するエリアを抜けると、いかにも元有料道路の料金所という場所に出る。毎度ここで記念撮影している。
思わず長居してしまうが先に進まねばならない。意を決してスカイバレーを走る。この道は裏磐梯から米沢へ向けてものすごい勢いで登り、そして降る。とにかくひたすらヘアピンで、ちょっとだけ稜線上を走って山形県に入ったと思ったら延々降りていく。
稜線上を数キロ走ると、ちょっとした駐車場がある。クルマは数台止まっているけど人がいない。何やっているんだろう。
さて、とうとう山形県に入る。このピアッツァで未踏県を消化するのはものすごく久しぶりだ。2009年に石川・富山・新潟と一気に踏破して以来じゃなかろうか。基本的に2泊以上の遠出をしないし、遠出自体が何らかのイベント絡みでしか行かない(自分の意思では行かない)ので、中部エリアはよく行くけど、それより遠くだったり、その反対側には全然行かないと言う結果になっている。バイクの行動とは正反対だな。
米沢方面へ少し下ったところに広い駐車場がある。
この駐車場が最後の視界が開けるポイントで、あとはひたすら谷間を下っていく。
途中で白布温泉がある集落を通る。一般的には秘境・秘湯の部類に入るだろう。貧乏旅行ばかりの自分にはあまり縁がないけど泊まったら良いところに違いない。
山下りがすこし落ち着いてきて、斜度が緩やかになってくると、米沢市街地が近いことを告げる看板が現れた。
淡々と走り続けるうちに農地や民家が増えてくる。米沢の市街地が近づいてきた。ここ米沢市街地にはおそらく2000年代前半に自家用車で来たのが最後だ。バイクでは数回来ている。今回はとにかく山形県にピアッツァで来ることが目的で、米沢自体に特に目的地はない。それでもせっかく来たので土産物だけ買って帰る。
というわけで山形・米沢の予定は完了。ここから大峠を越えて喜多方に向かう。スーパーの前の道をちょっと走ってR121に入り、あとはそのまま道なりに進むだけ。豪雪地帯を走るR121、別名大峠道路は全線開通までかなりの年月を要したらしく、古そうな道と新しい道が混在しているが、基本的には快適な道だ。ただしトラックがガンガン走る主要国道であり、交通量が多いのでさほど楽しくはない。淡々と走り抜ける類の道だ。
Day2 喜多方周辺徘徊
大峠トンネルを抜けると喜多方市に入る。山形県には1時間半程度の滞在で福島県に戻ってきてしまった。
最初に立ち寄るのは、山間部から会津盆地に出たあたりにある旧国鉄日中線熱塩駅にある日中線記念館だ。朝晩の3往復しか列車がなかったので「日中は走らない日中線」として知られる。
奥の方に見えるラッセル車と旧型客車のある場所に行ってみる。旧型客車は室内に入ることができる。
駅舎にしろ車両にしろ極めて保存状態が良いことに驚く。関係者の苦労が偲ばれる。現役当時のことに触れているWeb記事などを読む限り、現役晩年は相当に酷い状態で放置されていたらしいので、そこからここまでの状態に持ってくるのは大変だっただろう。
それなりに楽しんだので出発する。喜多方市街地でラーメンを食うつもりだったが、既に11時近い。平日ならイケそうな気がするけど今日は土曜日だ。観光客で混んでいるとメンドクサイので、町外れのこのあたりで食ってしまおうと思って探してみると、隣の会津加納駅あたりに食堂があったのでそこに向かう。
あまり特徴はない王道の喜多方中華そば、と言った感じで、一定の満足感は得られた。おそらく似たようなこと(混雑を避けたい)を考えるソロ客と地元客がちょいちょいやってきて、それなりに席は埋まっている。忙しそうにしているおばちゃんに代金を払って店を出る。
次の目的地は特にない。とりあえず喜多方市街地で土産物として例のソフトクリーミィヨーグルトを買っておきたいのでスーパーを探す。流石に市街地周辺まで行かないとスーパーはない。そこにいく途中の道の駅、JAの産直などに立ち寄りつつCOOP系スーパーに行ったところ、会津土産は色々あるのにソフトクリーミィヨーグルトはなかった。
そしてようやくヨークベニマルで見つけた。
あちこち立ち寄ってウロウロしたせいで結構な時間を使ってしまった。今日はこれから只見線沿線を通って六十里越えをして新潟県魚沼市に出ようとしている。それを考えるとあまり時間の余裕がない。しかしソフトクリーミィヨーグルトを土産に買って帰るという使命感が上回ったのだから致し方ない。ヨークベニマルに置いていなかったら、わざわざ会津若松に出て「かわちや」に行こうとしていたぐらいだ。行かなくて済んでよかった。ちなみに、あとでわかったことだけど、会津坂下の道の駅にソフトクリーミィヨーグルトは置いてあった。
Day2 只見へ
そんなわけで少々慌てながら只見線沿線を目指して南西方向に走る。困ったことに雲行きが怪しく、先ほどからポツポツと降ってきている。そして行く先の空はそこそこ暗い。辛うじて山々の形状は見えているので大雨というわけではなさそうだ。
天気に文句を言ってもしょうがないのでナビに従って走る。途中で会津坂下、会津柳津の道の駅にちょっとずつ立ち寄る。会津坂下の方はやけに人気があるらしく混んでおり、ちょっと遠い第2駐車場に行く羽目になった。産直・土産コーナー・食堂いずれも充実していたので、たしかに一般的な評価が高そう・混みそうではある。会津若松から比較的近いというのもあるだろう。
それに対して会津柳津の方はガラガラ。ここは随分前に一度来たことがあるけど、いつ来たのかもはや思い出せない。過去写真を辿ってみると、2014年の蔵王・磐梯吾妻ツーリング(今はなき「カッパ王国」に泊まった)の際に会津坂下から金山町・昭和村から栃木方面に抜けて帰ったようなので、おそらく11年ぶりだろう。
ここは奥会津ビジターセンターが併設されていて、只見線復活への道程みたいな展示もある。興味深いけど今回は時間の余裕がないため、ざっと眺めるだけで去らざるを得なかった。
その後もR252を淡々と走る。次の道の駅みしまの隅っこに第一只見川橋梁ビューポイントがある。どっちかというとそちら目当てで停める。駐車場から100mほど歩いたところにビューポイントがある。
時間の都合もありB地点までに留める。GWに四国で見た坪尻駅展望台ではすごい偶然で特急南風を見れたけど、あちらは1時間に1往復ぐらいは来る。こっちは1日6往復だ。狙ってこない限りまず無理だろう。
撮影を終え、道の駅には寄らずにR252に戻る。少し走るといよいよ雨が降り出した。雨雲レーダーによると延々降るわけではなさそうなので諦めて淡々と走る。視界もよくないしペースも上がらないので睡魔が凄い勢いで襲ってくる。どうしようもなくなって道の駅金山に停めて10分ほど仮眠する。
ここには2014年にも寄ったみたいだけど全く覚えていない。会津柳津の方は覚えていたのに。
仮眠後に道の駅の売店をうろついてみたけど、やっぱり全然覚えていない。2014年は何もしないでルートの確認だけして出発してしまったのかもしれない。
仮眠してスッキリしたので出発する。その前に川の前で記念撮影しておく。
その後も相変わらず霧雨が続く。只見線、只見川と並行していて、たまに良い感じの橋もあったりするので、それなりに撮影スポットになりうる場所はあるものの、クルマだとどうにもこうにも停めにくくて撮り損ねる。
撮りたい・撮れない・どうしよう、を繰り返しているうちに只見の市街地に着く。するとどういうわけか雨が止む。止んだというより、そもそも只見市街地だけ全然降っていなかったらしく路面が乾いている。途中に山があるわけでも何でもないのに随分気候が違うな。そしてなぜか道路沿いに警備員が立っていて、そのすぐそばに只見駅入口の立看板が出たので、なんとなくそれに従って進むと駅前に出る。駐車スペースがあったので停める。
さっきのビューポイントだと6往復だったのに、そのうち半分は途中の会津川口駅止まりで、只見駅では残り半分の3往復しかない。よくこんな辺境の路線を何十億円もかけて復旧させたもんだ。到底ペイしないだろうに。只見線の災害復旧には沿線自治体が相当の資金を拠出しているはずなので、地元の人たちにとっては、費用対効果では測れない何かがあるんだろう。
Day2 六十里越え
ここ只見は、帰路として新潟・関越道経由にするか、奥会津・栃木・東北道経由にするかの最終判断地点でもある。元々六十里越えで新潟を目指すつもりだったので、基本的には何も迷うところはないが、1つ気になる点がある。朝出発する時点で気づいたが、フロントからミシミシ音が聞こえている。去年のISUZU MEETING時に発覚し、その数ヶ月後のフロント周りブッシュ交換で消えたミシミシ音が復活してしまった。
去年もミシミシ音が残ったまま数ヶ月間走り続けていたので、この音がしたからといってすぐに走行不能になるわけじゃないことはわかっちゃいるけど、気持ちよく走れないのは確かだ。
しかし、今この瞬間に自宅に居るなら話は違うけど、いま俺が居るのは只見だ。ミシミシ音がするから走らないというわけにはいかず、自宅に向けて走るしかない。じゃあ別にどっちの道でもいいじゃん、とも思うけど、仮にトラブった際に携帯電話の電波すら入らない六十里越えか、多少は人家がある奥会津・栃木ルートか、どちらを選ぶかと言われると少し迷う。
ここから先は何らかの可能性をどのぐらい大きく見積もるかの話になるけど、なんだかんだでミシミシ言いつつも普通に走れるんじゃね? という雑な判断と、せっかくここまで来たのに六十里越えをしないなんて勿体なさすぎるという感情が先に立ち、安牌な奥会津・栃木ルートではなく、茨の道である六十里越を選択した。
というわけで覚悟を決めてR252を西に進む。ちょっと走ると只見ダムに出る。遠くに見えるのが田子倉ダムだ。一体何段階のダムがあるんだろう。
さらに上流側に進むと万代橋という味のある橋に出る。ここから見る田子倉ダムはさらにデカい。
少し進むと急激に高度を上げるクネクネ道になる。コンクリの壁を見ながら、曲がるたびにミシミシ音を響かせながら登っていく。登りきったところに田子倉ダムと田子倉湖の展望台がある。
ちなみにダム湖百選と言いつつ今のところ65選しかないようだ。
ここまではまだ生活感があるエリアだったが、ここから先、しばらくの間は無人の荒野の如き区間になる。只見線の次の駅にあたる大白川あたりまで何もないし、携帯の電波も入らない。覚悟を決めて進む。
風の音以外何も聞こえないような山の中を延々とグネグネしながら進む。そこに突然現れたのは只見線の田子倉駅(跡)。当然入れないようになっている。田子倉ダムの工事用なのかと思ったらそうでもないらしい。何しろ場所的に全然離れていて工事用に使えるとは思えない。なんでこんな何もない場所に駅なんか作ったのかさっぱりわからない。昔は何かあったのかもしれないけど、今の現状だけ見たら廃駅になるのも当たり前だろう。
その登り道を淡々と走り続ける。途中で何らかの崩落に伴う工事をしているが、週末だからか夕方だからか何かやっている気配はない。こんな場所の工事は大変だろうけど、そろそろ冬で閉鎖になって何もできなくなるんじゃないかね。終わりそうに見えないけど。
ひたすら走り続けているうちに開道記念碑の前に着く。まともな駐車帯すら無いこの道において、数少ない、唯一に近い駐車帯がある場所だ。駐車帯とはいっても2,3台しか停まれない。
おそらくこのあたりでもう登り切った状態で、ここから先はさほどアップダウンせず進むが、相変わらずスノーシェッドだらけで景観もクソもない。それがこの道だといえばそれまでの話。バイクだったら単純に走りを楽しむこともできるけどミシミシ言っているピアッツァだとかなり微妙だ。そして道は遂に県境を越え、福島県から新潟県に入る。
久しぶりに現れた駐車帯ではあるけれども、撮影スポットとしては微妙なのでさっさと先に進む。しばらくすると只見線と並行するようになる。只見線はさっきの六十里越をひたすらトンネルでぶち抜いているので、只見駅から先はほぼ目にすることがなかったけど、久しぶりの再会だ。只見線の線路が見られそうな場所を探しながら走っていると、スノーシェッドを抜けてすぐの場所でようやく停められる場所を見つけた。
適当に写真を撮っていると、クルマの走行音とは明らかに違う轟音が聞こえてきた。何かと思ったら小出から只見方面へ向かう列車だった。1日3往復しか走らない列車に遭遇するなんて予想もしていなかったので何の準備もできていない。そしてただでさえオートフォーカス性能がショボいことで有名なNikon Z5が、この暗い時間にサッとピントを合わせられるわけもなく、無理矢理撮ってはみたけどもちろんピンボケだ。
いやービックリしたけどいいものが見られた。ろくな写真を撮れなかったのは予想外のことだったからどうしようもない。iPhoneの方がたぶんマシな写真が撮れただろうけど、手に持っていたのがZ5なんだからそれで撮るしかない。まあ証拠写真としては成立しているからそれでヨシとする。
Day2 小出周辺を巡る
六十里越えを走り抜け、陽もほとんど落ちかけている。2日目の昼間にやることはほぼ終え、あとは買い物や晩飯を済ませて帰るだけ、となるけど、1つだけ密かに目的としていたのが、2015年にKで新潟側から六十里越えをした時に走って好印象だった小出郷広域農道と、その最後の北海道ばりのストレートを走ること。
一応そこをナビの目的地にして走ってきたものの、只見を出た時点で到着時間は日没時間で、ちょいちょい寄り道した今となっては既に日没時間が目の前に迫っており、ストレートの終点にある上原コスモス園の到着見込みは18:00を回っている。着いても真っ暗だろう。
ふと思い出してみれば、今日は朝早くから磐梯山の朝焼けを見て、米沢まで出て買い物をしてから喜多方で駅見学と昼飯、その後の買い物徘徊を経てから只見線沿線をひたすら走って六十里越えをしたのだ。そりゃ遅くならない方がおかしい。これが夏至の時期だったらイケただろうけど、既に秋分を過ぎているのだから仕方がない。
過ぎたことに文句をいってもしょうがないのでそのまま小出方面に進む。日は落ちて暗くなる一方で、例のストレートも期待はできないけど一応行くことにする。そしてようやく上原コスモス園に着いたものの、予想通り真っ暗で何も見えなかった。
このコスモス園自体はさほど重要ではなく、その目の前を走るストレートが目的だったものの、こちらももちろん何も見えない。ハイビームで辛うじて見える単なる直線に過ぎない。しかし、せっかくここまできて何もしないのも悔しいので、元々桧原湖で夜景を撮るために持ってきていた三脚を持ち出して適当に撮ってみた。
というわけで、やることはやった。あとは買い物・晩飯・旅程上必要であれば風呂、といった用事を残すのみとなった。買い物とはいっても土産屋や道の駅などとっくに閉店しているのでスーパー一択となり、新潟でスーパーといえば原信なので、小出にある原信を目指す。数分走って到着。
新潟は、そこで何かをしたわけではなく、六十里越えの後半で通過しただけなのだけど、せっかく来たので少しだけ土産物を買う。
続いては晩飯だ。昼の喜多方ラーメンがアッサリだったので、少々くどいラーメンが食いたい。新潟は比較的ラーメンの種類が多く、その中でくどいラーメンと言えば燕背脂ラーメンだけど、それっぽいものを出す店が比較的近くにあったのでそこに行く。
燕背脂ラーメンは15年ぐらい前に一度食べただけなので正直全く覚えていない。今回の背脂ラーメンは、特に燕背脂ラーメンを意識したものではなく、普通のオリジナルのラーメンに背脂を乗せたもののようだ。味はまあまあで、くどさもほどほどで丁度よかったので、これはこれでOKだ。
Day2 帰路
何も考えずにラーメン屋から出発してしまった。地図やナビを見ながら考えたいので、ちょっと走ったところにあるスーパーに停める。せっかく停めたのでちょっとだけ店内を眺めて、さんざん推されていたニュータッチ凄麺シリーズの長岡生姜醤油ラーメンのカップラーメンを買う。これが最後の買い物だろうな。
さてこれからどうしますかね。決定事項としては、高速道路代をケチって深夜割引が効く時間帯に料金所を出る、ということだけ。どこの料金所を出るかも決めていない(圏央道の寒川か、関越の練馬か)。時間はまだ19:00なので、それなりに余裕はある。温泉に入って休憩所で仮眠してから帰る、というのが一番やりたいことではあるけど、思いのほか近くに温泉がない。あっても20:00閉店だったりする。おいおい、22:00とか23:00とかまで営業してないのかよ…と思ったけど、このあたりだったら21:00までやってりゃいい方か。
いずれにせよ良さげな温泉が見つけられなかったので、温泉案はボツ。時間だけはあるので、とりあえず下道のR17で行けるところまで行くことにした。
スーパーからしばらくの間は高速道路顔負けのペースで走る快走路で、さすが田中角栄のお膝元の2桁国道だと感じさせられたが、浦佐を過ぎたあたりで単なる普通の国道になってしまう。交通量がすごく多いわけではないけどあまりペースは上がらない。南魚沼の道の駅に着いたらもう20:45だった。いくらでも時間はあると思っていたけど、それほどでもなくなっていた。ある意味丁度良い気がする。そんなわけでR17での苗場越えはやめて、素直に湯沢ICから関越道に乗る。
関越道を南から北に走って、そこから六十里越をしたり、新潟港に行ってフェリーに乗ったりと、関越トンネルを南から北に抜けたことは何度かあるけど、いずれも帰路は別の道だったので、関越トンネルを北から南に抜けるのはものすごく久しぶりだ。宇都宮在住時代に新潟の出雲崎に泊まりのツーリングに行ったことがあったので、その時は間違いなく使っているはずだ。たぶんその時以来だろう。ってことは30年ぶりか。
まあ関越トンネルは激しく長い以外は単なる真っ直ぐなトンネルなので、特にクルマだと走り抜けたところで何か感じるものはない。バイクだと入口・トンネル内・出口で天気や気温がガラッと変わったりして何かしら印象に残ることもあるけど、クルマだとその手の体感変化が少ないので記憶に残らない。夜だと余計にそうなる。
トンネルを抜けた谷川岳PAで小休止する。ちょっと走った赤城高原SAでも小休止。さらについ先日Kで使った駒寄PAでも停まる。眠くなってきたので休止が増えている。このまま走ると危険な気がしたので駒寄PAで仮眠をとる。いつもは10〜15分のところ、珍しく25分の睡眠をとった。おかげでかなりスッキリした。時間もかなり進み、すでに23:00。これなら終点の練馬で降りても深夜割引の範囲内だろう。圏央道方面はついこの間走ったばっかりだし、今回はこっちにしとくか。
その後は高坂SAで緑茶休憩をして、鶴ヶ島JCTを直進して練馬ICで一般道に出る。以前はちょいちょい使った経路だけど、圏央道ができて以降はほぼ使うことはなかった。久しぶりすぎて何も覚えていない。ナビと看板の指示通りに進んで環八に入る。深夜なので交通量は少ないが、とにかく信号に引っかかりまくって進みが悪い。それなりに立体交差化が進んでいてもこの状態なんだから、もう運営側としてもやれることはあまりないのだろう。
久しぶりに第三京浜に入ると一気に快適になる。というかこれが普通で、環八が異常なだけだろう。その後は横浜横須賀道路を使ってさっさと帰るのが普通なところをケチって環状2号を使い、いつもの上郷のENEOSで給油してから帰宅した。ちなみに全体を通しての燃費は9.9L/kmだった。良い部類だろう。
費用は1泊2日しては随分かかった。Kに比べると燃費が半分なので同距離なら単純にガソリン代が倍になるし、道路代も二輪定率割引やツーリングプランがない上に元々2割の差があるため、おそらくKの1.4倍程度はかかっているだろう。土産物が高いのはいつものこと。
総括
ピアッツァに乗って随分経つが、ISUZU MLの全国オフやISUZU MEETINGといった何らかのイベント出席や、Irmscherでの波乗り遠征を除くと、何のイベントも絡まない単なるドライブで1泊2日という旅程は過去ほとんど経験がなかった。おそらく2009年の北陸方面が最初で最後だろう。そのため、今回のように東北地方をクルマ的な行動(観光地や道の駅、スーパーにそれなりに立ち寄り、そこそこ買い物もして、昼寝もする)をするのは案外新鮮で楽しいものだった。
早稲沢浜キャンプ場を主目的として、大内宿、会津若松の酒蔵やラーメン、米沢、喜多方周辺、只見周辺と六十里越と、若干無理目な詰め込み方をしたが、最後の小出郷広域農道で日が暮れたことを除けば、それなりに予定をこなすことができた。バイクのロングツーリングから急遽予定変更して検討した割には悪くなかった。早稲沢浜キャンプ場は相変わらず素晴らしく、是非星空が見える時に再訪したい。今回の雰囲気からして、近々で廃業などということはなさそうだ。すぐに行けるとは思えないので、次また行けるときまで営業が続いていてほしい。
とはいえ、発生する費用がどうしてもバイクに比べて高額になる点は気になってしまう。高燃費車なら気にならないのかもしれないけど、高燃費なピアッツァなど存在しないのでどうしようもない。高燃費な別のクルマに買い換える予定もない。いくら燃費が良くてもカッコ悪い車で旅に出る気にはなれない。
ミシミシ音が悪化したのは想定外だったけど、これは仕方がない。何も発生しない方がおかしい。無事に帰宅できてよかった。それ以外に特に気になる点はなかった。
ちなみにバイクを諦めた体調不良は、ピアッツァで出かけている2日間は発生しなかったけど、気が昂っていて発症しなかったのかもしれないし、普通に治っただけなのかもしれない。じゃあやっぱりバイクで行けばよかったとか、そういうことは考えないでおく。