北海道2010 Day6 最高のキャンプ場

ずっと目覚まし以外の何かに起こされ続けているが、今日は下痢に起こされた。予定より早く目が覚めたのに、宿を出たのは予定より遅れた。何が当たったのだろう。川北温泉の飲泉だろうか。

今日は基本的に道北の日なので、そこまでは高速でさっさと移動する。北見から丸瀬布まで一般道で行き、あとは高速で士別剣淵に行くだけなのだが、丸瀬布までが思いのほか遠くて時間がかかる。結局、士別剣淵に着いたら11時を回っていた。10時頃には着いていたかったのだが、仕方がない。

士別で給油し、名寄の道の駅で(もち米が名物らしいので)大福を買い、美深の「ぴうからーめん」で塩ラーメンを食べる。道北内陸部のこのあたり一帯には初めて来るのだが、どっちかというと、北海道よりは東北の岩手あたりの雰囲気がする。盆地だからそう思うのだろうか。

さて、ここまでは前座だ。ここからが本日のメインイベントである函岳登頂だ。どっかに書いてあった受け売りだが、函岳はオフロードライダーにとっての開陽台的な場所なのだそうだ。前日セローで開陽台に行った俺としては、函岳にも行かないわけにはいかない。

函岳に行くには、美深の北の方にある道道から、美深歌登大規模林道に入り、途中で函岳方面に分岐する、約30km弱の林道走行が必要だ。情報によれば、それほどきつい道ではないみたいだが、ちょっとばかり緊張する。

林道の入り口に到着した。すると、看板が立っている。美深歌登大規模林道の加須美峠から歌登方面が崩落のため通行止めになっているらしい。函岳に行くだけなら問題無いが、函岳に行ったあとに加須美峠から歌登方面に抜けようと思っていたので、これは痛い。今後の予定が大幅に狂う。

でもまあこれは仕方がない。とりあえず函岳の頂上まで行って帰ってこようではないか。空気圧の調整など、できることはやってから林道に入る。

加須美峠までの約18kmは、まあごく普通の林道である。林道とはいえ、メジャーな林道なだけに整備もしっかりされており、危ない場面はほとんどない。あるとしたら、ビビりが入った俺が硬直して曲がりきれなくなるぐらいしか想像がつかない。そのぐらい危なげない道である。そのため、それなりのスピードで走れてしまう。

特に問題なく加須美峠に着く。そこからは函岳に向かうのだが、この道が非常に素晴らしい。ありえないほど素晴らしい眺めがそこには待っている。加須美峠より上は標高の関係か樹木が少なくなり、クマザサが多くなることも、この眺めと関係しているのかもしれない。

次第にペースを上げながら、函岳の山頂に到着。360度のパノラマ、というのは最近そこかしこで聞いたが、ここのパノラマは、目に入るもといえば山と海だけ。人の気配がない。多和平や開陽台は牧場が多い。その違いもあり、函岳の方が凄いところに来たっていう感じがする。

そびえ立つレーダーの裏に回ると標識があり、あっちがオホーツク、こっちが利尻富士、なんて書いてある。オホーツク海はよく見えるが、利尻富士は、判るような判らないような微妙なところ。

登頂を記念して、名寄で買った大福を食いながら、ノンアルコールビールで一杯やる。なんだかんだで頂上で30分もダラダラしてしまった。来た道をそのまま下に降りる。登りは1時間近くかかったが、帰りは35分ぐらいだった。まあ、多少は慣れもあるだろう。

美深のホクレンで給油し、道央仕様のオレンジのフラッグを買う。あとは道北の青か。もう帰る日も近いし、今更ながら感じもするなあ。

さて、問題はこれからだ。次の目的地は本日の寝床であるクッチャロ湖なのだが、R275をひたすら北上する方法と、道道を使って枝幸あたりに出てから北上する方法がある。時間的にはあまり変わらなそうなので、旧国鉄美幸線の遺構が見られる道道経由にする。この時点で時間は4時。夕日を見ようとしたら、6時前にはキャンプ場に着きたい。果たして着けるのだろうか。

道道49号を東に走って仁宇布に向かう。ここは美幸線の暫定的な終点だった場所だが、現在はトロッコ王国という施設になっている。しかし、美深から仁宇布までは、ほとんど人の気配すら無かった。通る車も少なく、たまにしかすれ違わない。そりゃ、こんなところを通る鉄道なんか廃止になるはずだ。トロッコ用の路線はそれなりに長い距離が残されているので、好きな人にはたまらないだろう。

仁宇布から先も、鉄道未成線の遺構が残されているらしいのだが、あまりよくわからない。道は道道120に変わるが、相変わらず人の気配がない。そのくせして道路状況は非常に良いそのため、セローの性能限界まで使えてしまう。夕日という時間は制限があるので無意識のうちに飛ばし気味になってしまうのだが、あまり良い事ではないと思う。

そしてセローは17:45に無事にキャンプ場に到着する。何とか夕日には間に合った。奥の方の人が少ないところに場所を確保し、テントを設営しているうちに日没の時間が近づく。素晴らしい夕日だ。準備の手を休めてしばらく夕日鑑賞と撮影に興じる。そして、それが終わるとまた準備。

準備を終えて、すぐそばにある「はまとんべつ温泉ウイング」に向かう。別府温泉に続いて日本トップクラスの泉質、なんて書いてあるが、そもそも泉質って順位付けできるようなものなのだろうか。ちなみに、実際にここの湯はなかなか良いので、看板倒れではない。トップクラスなのかどうかはコメントできない。

その後スーパーに行ってみたが、残念ながら刺身類は「さく」でしか売っておらず、切ったものを置いていない。包丁なんか持ってきていない俺にはどうしようもないので、結果的に晩飯はまたセイコーマートになってしまった。今日もまた、前々日に続いて居酒屋モードにすることにして、100円の惣菜類を多数買い込んだ。

テントに戻り、目の前にあるテーブルに晩飯を並べ、飲み食いしながら湖を眺める。対岸には丘があるのだが、誰も住んでいないようで真っ暗だ。その下には月の光が反射しているクッチャロ湖、上には星が広がる。なんという素晴らしい景色だ。これぞキャンプの醍醐味だ。こういう「大当たり」を掴むことがあるからキャンプはやめられない。

ずっとこの景色を見ていたい。寝るのがもったいないぐらいだ。しかし、困ったことに身体に限界がくる。

明日は宗谷岬を経由して稚内を通過し、オロロンラインを南下する予定。

本日の走行距離:426km