アッパーカウル修理:整形手術編

スクリーンに続いて、アッパーカウルの修理をする。

まず、パズルの如くバキバキに割れてしまったカウル右側の部品を集める。残念ながら全ての部品は集まらず、ところどころ歯抜けになる。雨で流れてしまったのだろうか。無いものはしょうがないので、あるもの同士をエポキシ系接着剤で固定する。部品が無いところは、エポキシパテを埋める。この状態で一晩放置しておいたら、それなりに固まっている。まずは第一段階通過だ。

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続いて、折れてしまったカウルを接合する。これは左右とも折れているので、同じことを2回やらなければならない。そのまま接合しようとしても、裂けたグラスファイバーが邪魔をしてしまい、ぴったりとくっつかない。そのため、ささくれているグラスファイバーを削り落としては噛み合わせを調べる作業を繰り返す。

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バキッと折れたことによって破断面が歪んでいる(たいてい膨らんでいる)ため、どうやってもうまくツライチにはなってくれないのだが、ある程度妥協できる範囲までもっていく。本気で直すなら、この後で削りまくって平滑化するのだろうが、今回はそこまではしない。ここまできたところで、やはりエポキシ系接着剤で固定する。ただ放置するのではなく、なるべく真っ直ぐになるように、テープで傾きを矯正しながら乾燥を待つ。

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強度はともかく、カウルっぽい格好になったところで、裏側からFRPで補強をする。接合に使ったエポキシ系接着剤は、それなりの接着力だが、あくまでそれなりだ。これだけで100km/hの風圧に耐えられるわけがない。そこで、カウル裏側にFRPを貼って補強する。本来は、表側からも貼ってサンドイッチにすべきところだが、見栄えが著しく悪化するので裏側だけにしておく。

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この作業自体は、サーフボードの修理、ピアッツァの錆取りで散々やっているし、道具や素材も揃っている。早速やろうとしたところ、去年使ったポリエステル樹脂が硬化してしまっていて出鼻をくじかれる。やはり修理費用ゼロ円では無理だった。セローでホームセンターに出かけてポリエステル樹脂を購入し、補強作業を始める。

ポリエステル樹脂と硬化剤を紙コップで調合して、補強箇所に置いたグラスファイバーの上に乗せるだけ。こんなの簡単簡単、と調子に乗っていると、誤って硬化剤を大量に入れてしまい、おびただしい熱を発してしまったりする。そんなトラブルがありながらも作業は終わる。

乾燥後、手で押したり曲げたりしてみた限りは、きちんと固定できているように感じる。この補強が成功しているかどうかは、ポリエステル樹脂&硬化剤の接着力にかかっている。グラスファイバーがどれだけカウルに密着してくれるか。かなりの接着力であることは経験上判っているが、これ以上は神頼みの他にやることはない。

接合が完了したので、あとは表側接合部の仕上げだ。そのままパテ埋めしてもいいのだが、塗装面が浮いてしまっている箇所は、試しにプラリペアを流し込んでクランプで固定してみる。これはうまくいったようだ。溝が深いところにも、同じくプラリペアを流し込む。ある程度平らになったところで、薄づけ用のラッカーパテに切り替える。

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そして最後は耐水ペーパーで仕上げる。500番のペーパーでしつこく擦る。やはり接合部の浮きは隠し切れず、ミミズ腫れのような状態になってしまうが、これはもう致し方ない。気合を入れて削りまくれば平らになるとは思うが、今回はそこまでやる気は無い。

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ここまでの作業は順調だが、問題はこの先。最大の難関、塗装が残っている。

と思いきや、実は順調でも無かったことが後になって判るのだが。