若干遅刻気味に出社して、半分寝ながら仕事しているところに、矢部自動車から電話がきた。
昨日とはうって変わって、オッサンの声に元気が無い。何も聞かなくても悪い知らせだと判る。
案の定、ダメ出しの連打だった。
ヘッド付近から冷却液漏れ
ラックのエンドジョイントがボロボロ
マフラーとデフがぶつかっているらしい
エキマニの遮熱板がボロボロ
ブレーキパッド残り無し
ローターはさすがに研磨しないとダメ
燃料ホースがボロボロでガソリンが漏れそう
燃料フィルターの取り付け部がサビサビで落っこちそう
オッサン曰く「これじゃ車検は通らない」らしい。ちょっとした問題は放置してそのまま乗ろうかと思ったけど、それはやっぱり無理か。
これが普通の車だったら、部品を買って取り替えれば済む話なんだけど、相手はいすゞだ。一筋縄じゃいかない。いすゞが全ての部品を持っているとは考え難い。
ありえない。あるわけがない。持っているはずがない。
特にヤバそうなのがヘッド付近からの冷却液漏れ。これを直そうとすると一旦エンジンを降ろさなくてはならなくて、そうなると周辺のホースやら何やらの細かい部品が沢山必要になってしまう。まさに悪循環。
う〜〜〜ん、と唸りまくっていると、オッサンは
「自賠責どうします?」
なんてことを聞いてくる。自賠責は車検の前提条件であって、普通だったら「どうします?」も何もなく、泣こうが喚こうが強制加入である。それを「どうします?」なんてわざわざ聞くって言うことは、はっきりとは言わないけど、要するにこう言いたいってことだ。
「車検が取れないかもしれない→廃車にせざるを得ないかもしれないよ」
そこまで事態は深刻らしい。
参ったなー。錆だったら取れば済むけど、無い部品は取れないからなー。
錆び取りよりタチが悪い。
とりあえず、自賠責の話は置いておいて、必要な部品の在庫確認をしてもらうことになった。
ほとんど期待はしないことにしておいた。期待するほど落胆が激しいから。