ゼロリッター走行

俺のJR130は、燃料計がぶっ壊れて久しい。正確には、燃料計というよりも、デジパネの残量表示部がぶっ壊れているというのが正しい。そのため、燃料残量が全然判らないという困った車なのである。
そういう場合はトリップメーターを使って走行距離から燃料残量を推測するというのが常套手段だが、困ったことに俺のJR130はバッテリーが上がりまくるため、バッテリーを外すたびにトリップがリセットされてしまう。これでは燃料の残量なんて全く判らない。
しかし、俺のJR130は最高峰のXEグレードであり、これには伝家の宝刀、マルチドライブモニタが装備されている。これには燃料残量をリットル単位で表示する機能がある。これならバッテリー上がりも関係ない。デジパネが壊れてもいいように別の機構を用意しておくなんて、さすがはいすゞと唸らざるを得ない。
というわけで、気が向いたときにマルチドライブモニタの「FUEL」ボタンを押して燃料残量を確認するようにしているのだが、やっぱり忘れてしまう。常時居座っている燃料計とは違って、コイツは意図的に「FUEL」を押さない限り、いつまでも時計のままである。
この日もやっぱりやってしまった。藤沢バイパスの渋滞で何となく「FUEL」を押してみると、そこに出てきた数字は”1″であった。
20051126-050529_1158~0001.jpg見たくないものを見てしまった
これまでに聞いた中では、2ぐらいまではいけた実績があるらしい。しかし、今そこに表示されているのは1だ。俺も3とか4は当たり前に見てきたが、さすがに1は焦る。しかも俺は悪名高い原宿交差点渋滞のまっただ中に居るのだ。この状況では、いつガソリンスタンドに到着できるか判ったものではない。
しかし、俺の車はひと昔どころか大昔のJR130だ。仮に道端に止まってしまったとしても、殆どの人は単に故障したと見なすに違いない。ガス欠なんていう屈辱的な止まり方をするより、故障の方がまだマシだ。それだけでもJR130に乗っている価値があるというものだ。そんな下らないことを考えているうちに、少しずつガソリンスタンドが近づいてきた。そしてそれにあわせるように、遂に残量は”0″になってしまった。
ヤバい。もういい加減ヤバい。何でもいいからさっさと進んでくれ。電車の中でひたすらウンコを我慢しているような気分だ。あーもうじれったい。バイクだったらすり抜けできるのに。さっさと進めこのトヨタ車め。とにかくモンクを言って気を紛らす。そしてようやくセルフスタンドに着いた。
早速給油してみると、JR130の58リッタータンクには、53リットルしか入らなかった。何のことはない、単に余裕率が高いだけじゃないか。実はまだ数10キロくらいは走ったに違いない。実は0の次はマイナスになるなんていう仕様だったりしないだろうな? さすがに試す勇気はないけど。