気にしなけりゃいい、と思えば思うほど結局気になってしまうエンジンの鼓動感。
車検からの帰宅後、日を改めて乗ってみると、やっぱり気になってしまう。
乗るたびにますます気になる。なんか前より悪化してないかこれ?
お前が原因か
茅ヶ崎からの帰り道はもうちょっとマシだったよなあ…とか考えつつ、ボンネットフードを開け、なんとなくプラグコードをグリグリしてみる。すると、4番のコードをグイッとやると、アイドリングの回転状況に変化が現れた。これは気になる。グイッ、グイッ、とやると、ブゥーン、ブゥーン、と微妙に回転が落ちるようになる。おぉ、これか。お前が原因か。
ピアッツァでホームセンターに行き、買い物を終えて出発すると、またもやエンジンが3気筒っぽい挙動になった。道端に停めてエンジンをかけたままプラグコードをグリグリすると、4番をグイッとやるたびに挙動が変わった。ヤフオクで買ったCARDINALもさすがに寿命か。諦めてULTRAの赤いやつを注文した。
— m.sota (@msota_RS) February 2, 2020
現在装着しているCARDINALのプラグコードは、2000年代初頭にヤフオクでデッドストック品を購入し、2004年に装着したものだが、おそらく購入時点で製造後20年近く経っており、それからさらに15年以上経った。装着後の走行距離は15,000〜20,000km程度ではないかと思われるので、距離観点で寿命かどうかというと多分寿命ではないのだが、実際こうやってグリグリすることで挙動が変わるならどこかが駄目なのだろう。プラグコードは消耗品だ。諦めて新品を買おう。
というわけで定番のULTRAの赤いやつを発注する。より高性能な青いやつもあるが、こんな古いクルマに高性能部品など不要だ。送料込みで約8,000円。少々痛いが、これであの鼓動感が無くなるなら許容範囲だ。程なくしてプラグコードが届いた。未だにJR130ピアッツァ用のアフターパーツを出してくれている永井電子に大いに感謝したいところである。
お前は悪くなかった
部品は届いたものの、交換する時間がなく数日経過した。なんとなく4番のプラグコードをグリグリすると、やはり回転状況が変わる。相変わらずだ。エンジンを止めて、なんとなくプラグコードを外してプラグを触ってみると、なんとプラグ自体がガタガタと緩んでいた。グリグリして動いていたのはプラグコードではなくプラグだったのだ。嗚呼、何ということだ。CARDINALに飛んだ濡れ衣を着せてしまった。悪いのはプラグコードではなく俺だ。
さっさとプラグを締め、プラグコードを装着して試走する。少なくともここ数日悪化していた鼓動感は消え、車検帰りの状態には戻っていた。濡れ衣確定の瞬間である。
プラグコードを変える前に、ふと気になったのでプラグ自体が緩んでいないか確認してみると、1番と4番が半回りほど緩んでいた。締めたあとにプラグコードをグリグリやると、以前の変な症状は出なくなった。CARDINALよ、疑ってすまなかった。買う必要無かったか…せっかく買ったからそのうち替えるけど。
— m.sota (@msota_RS) February 8, 2020
防水カバー
こうしてプラグコード交換意欲は下がってしまったのだが、せっかく買ったのでやはり装着すべきだろう。CARDINALが買って5年ぐらいのものだったら返品したかもしれないが、こいつは35年モノだ。これだけ古いものだからもう変えても構わないだろう。とかなんとか自分を納得させて意欲を高める。
プラグコードを替えるにあたって気になるのは、デスビキャップとの接続部の防水だ。一般的なものはデスビキャップに直接コードを接続してカバーで覆って防水しているが、G200W搭載のピアッツァに限ってはそうではなく、イグニッションコイル用も含めて5本のコードをまとめて覆っている防水カバーが存在し、デスビキャップとコードの間はただ差し込むだけになっている。どうしてG200Wに限ってこんなめんどくさい構造になっているのかは知る由もない。このせいだけではないがディストリビューター周りは他車種流用が全くできない。いい迷惑である。
CARDINALプラグコードに交換したときにどうしたのかは全く記憶にないが、現時点でその防水カバーはついていない。そのため水分に関しては完全に無防備状態だったのだが、茅ヶ崎の巨匠に手により大量のコーキングを盛られることにより事なきを得ている状態だ。
この際防水カバーを買おうかと思ったのだが、パーツカタログを見るとどうやらG200W用に限ってはプラグコードとカバーのセット販売のようだ。せっかくULTRAプラグコードを買ったのに、カバーを付けるために純正プラグコードを使うというのは本末転倒感が漂う。
仕方ないのでゴム手袋とかを使って適当にカバーを作ろう(古いMINIの人とかはそういうことをしているらしい)、とか変なことを考えていたのだが、ふと思い立って部品入れを探ってみたら防水カバーがついた純正プラグコードとディストリビューターが出てきた。なんだよ、持っているじゃないか。せっかく持っているなら、プラグコードを買い換える前に、これを使ってプラグコードが原因なのか確かめるぐらいすればよかったのに。
じゃあ防水カバーだけ使い回すとしよう…と言いたいところだが、プラグコードとカバーが強力にくっついていて全く外れる気配がない。純正部品はセット売りなのではなく、一式で売っている理由はこれか。しかし、これをULTRAプラグコードに装着しているWeb記事(ジェミニでの話だが同じようなものだろう)を見たことがあるので、どうにかすれば外れるに違いない。
一応プラグコードとカバーの間に隙間はあるので、一体成型ではなさそうだ。というか、そんなもの作れると思えない。ゴムの滑りを良くする類の潤滑剤(バイクのキャリパーOH時に使った)を吹いたり、精密ドライバーを差し込んでグリグリしているうちに、少しずつ剥がれる。それほど強力ではない接着剤または両面テープで接合されていることがわかる。
そうとわかればこちらのもの。精密ドライバーで隙間をグリグリやって接着剤を剥がしてプラグコードを引き抜く。これを5本。かなりうざい。ひたすらグリグリやって抜く。
遂に防水カバーをゲットした。あとは装着するだけだ。
取り外し、そして装着
プラグコードなんて、ただ外してつけるだけ、と言いたいところだが、現時点でコーキング剤が大盛り状態なので余計な手間がかかる。マイナスドライバやらカッターやら爪やらを駆使してコーキング剤を剥がしてCARDINALプラグコードを抜く。実はクリアのコーキング材の奥に別の黒いコーキング剤があったことに初めて気づく。茅ヶ崎の巨匠の徹底ぶりには恐れ入る。
とにかくただ抜くだけでも非常にめんどくさい。かなりの時間をかけてようやく5本外し終える。
それに比べると装着は簡単だ。新品のプラグコードにはシリンダー番号など書いておらず、現物合わせでそれに近いものを用いるということになっている。既にK1100RSのプラグコード交換で経験済みなので特に驚くこともない。
とりあえず防水カバーは通さずにデスビキャップに装着してエンジンを始動する。当然きちんと始動する。
プラグコード自体に問題ないことがわかったので、防水カバー装着も含めて正式に装着する。
防水カバーがあるため、デスビキャップにコードを挿しづらい。半ば手探りでコードを挿し、カバーをディストリビューターに装着する。遂に完成だ。交換前のコーキング剤盛々状態よりも正しい姿になった。
インプレッション
さっそく試乗する。正直言ってあまり期待していなかったが、結果としてはまあその通りで、劇的な変化はなかった。少なくとも低回転&登り坂での鼓動感は解決しなかった。
とはいえ、SRX400に装着したスーパートラップのディスクを増減した程度の違いは感じられたので、全く意味がなかったわけではなさそうだ。そうでもないと8,000円の投資効果がない。それを感じたいがために効果があったと思いこんでいるだけだろうというツッコミは否定しない。
大して期待しなかったものが、本当に期待通りではなかった。
そうなると、いよいよ茅ヶ崎の巨匠が3番だけ掃除したインジェクションのカプラーに手を出さざるを得ないのか。これはちょっと敷居が高いのだが、既に「気にしない」モードではなくなってしまった。早晩やることになるだろう。