少し前の話になるが、Appleから開発者メールアカウント宛にこんなメールが届いた。
要するに、2017年にリリースされたPIAZZA DatabaseというアプリのVer 2.0は作りが古すぎるから直せ、さもなくば非公開にするぞ、ということだ。古すぎるというのは失礼な話で、開発時点ではAppleが提示した仕様にきっちり沿っていたのに、Appleが勝手に仕様を拡張したものに追従してこないことに対し、追従せよと脅迫しているようなものだ。勝手に拡張しておいて酷い言い草だ。
過去にApp Storeから消えていったアプリはものすごい数に上るはずだ。アプリ開発がブームとなった時期に多数発生したジョークアプリは当然のこと、企業が絡んだアプリも多数消えている。残っているものの、明らかに古臭いskeuomorphismデザインのまま放置されているものも多数。
アプリが(開発者が)App Storeを去る理由はいくらでもある。個人開発者観点では、興味本位で開発・リリースはしたが開発費(Apple上納金含む)をペイしない、他のものに興味が移った、飽きた等。今回のようなAppleからの強要によりメンドクサくなって去る人も居るだろう。自分だって一瞬考えたぐらいだ。
企業視点では、まず儲かるかどうかがあり、宣伝広告費やブランドイメージ確保等の観点でも効果がないと判断されたら、やはり去るしかないだろう。一度作って放置でも良ければ大した問題にならないのだが、こうやって数年ごとに特にメリットがない改修を強いられてはたまったものではない。
とまあこんな感じでアプリ開発をやめてしまう個人開発者や会社も多数あり、逆に参入する人もパラパラと現れる状況下で、結局はAppleの指示通りに修正してPIAZZA Database Ver 2.1をリリースしてしまった。
今回PIAZZA DatabaseをVer 2.1にバージョンアップしてリリースしたのは、作業自体はそれほど大したものではないこと、辛うじて他アプリの広告収入が上納金を上回っているので開発者登録を継続予定であること等に加え、PIAZZAの車名を名乗ってリリースしてしまったので引くに引けない感があったことが理由だ。
開発者的には、WKWebViewのダークモード対応方法を始めとして、それなりに知見が得られたのでまあ良しとする。XcodeやSwiftのバージョンが上がるたびに毎度幾つかのライブラリが死んでいくので、いちいち代替品を探すのがめんどくさかった。対応しなかった開発者の気持ちがよくわかるだけに辛いものがある。
というわけで、今回はVer 2.1をiOS14向けにリリースした。今更追加したい機能も無いので、また何か言われるか、自分がApp Storeを去る(年1回の上納金支払いをやめる)と決めるまではそのまま放置になるだろう。