2019年以来、3年ぶりの北海道。
バイクではなくレンタカー。まあ致し方ない。
予定概要
往復の飛行機はクレジットカードのポイントとして貯めたUNITEDのマイルを使う。
特典航空券の空きを見て日程と旅程を定めた結果、以下のようなフライト予約になった。
8/24(水) 羽田→千歳
8/29(月) 釧路→羽田
その間はレンタカーで広い北海道をあちこちうろつくのだが、さすがにキャンプというわけにはいかず宿泊になる。
以下のように予約した。
8/24(水) 赤平 エルム高原 コテージ
8/25(木) 旭川 高砂温泉(という名前の宿)
8/26(金) 富良野 コンドミニアム一花
8/27(土) さらべつカントリーパークのトレーラーハウス
8/28(日) 帯広 ふく井ホテル
富良野だけは家人の要望で贅沢な宿になったが、他は全て家族全員で1万円前後。高くはない。
大雑把に言えば、前半は旭川〜富良野周辺、後半は帯広。旭川や富良野は毎度行っていて新鮮味がないので、そこに十勝エリアを追加した形になる。最初から旭川や富良野を除外してもいいのだが…(以下略)。
本来は帰りの飛行機を帯広空港発にしたかったのだが、空きがなかったので釧路になった。帯広からは新千歳空港より釧路空港のほうが近いのと、何故か帰路の千歳便にまともな時間帯のものが無かったため、消去法で釧路空港になった。
Day 1
朝8時発の全日空便で千歳に向かう。電車だと色々と面倒なのでクルマを選択。5時過ぎに自宅を出て6時頃に空港パーキングに入れた。菓子パンを食ったり、屋上デッキでプラプラしているうちに時間になり搭乗する。
1時間半ほどで新千歳空港着。名古屋に行くのと大差ない。レンタカー屋のオフィスまでバスで移動。今回の相棒はMAZDA 3だった。
トランクルームはあまり広くなく、さほど大きくない荷物が辛うじて入る。現代のクルマなので窓が狭くて室内が暗い。操作系は、今時のクルマ過ぎて勝手がわからない。パーキングブレーキが何処にあるのか全くわからずあちこち探したのだが見つからない。結論は、なんと物理的なレバーやペダルがなくボタンを押すだけの電子制御だった。そしてカーオーディオ&ナビはApple Car Play対応で、何もしていないのに勝手に接続を求められた。言われたままに接続したが、使い方がさっぱりわからないのでとりあえず普段どおりiPhone+Google Mapナビにした。ようやく準備を終えて出発だ。
とりあえず北に向かう。レンタカー屋を出て早々R337に入り、バイパス状の道をただひたすら真っ直ぐ走る。このだだっ広い大地を走るのは格別だ。自車でないのは残念だが、それより走る爽快感の方が上回る。
MAZDA 3は現代のクルマらしくしっかりと走るが、ATの変速タイミングは若干癖があって今ひとつ馴染めない。なにか変なこと(センターラインオーバーとか)をやるたびに警告音を発したりと、余計なお世話が多い。クルマが高性能化するほど操作する人間が緊張感を失うので、個人的にはあまり良くないことだと思うが、時代の流れなのだろう。
ひたすら真っ直ぐなR12を北上し、最初目的地である美唄市のしらかば茶屋に入る。ここで名物らしい「とりめし」を食う。
とりめしは素朴な味でうまい。ラーメンもまた素朴でうまい。こういうのでいいんだよ感がすごい。客は地元民が多く、ラーメンセットを頼む人が多い。普段の昼飯にしては値段がお高い気がするのだがこの味なら満足感は高いだろう。
次いで目指すのは砂川にある北海道子どもの国。家族旅行だとこういうスポットは外すわけにいかない。さすが北海道、横浜や富士山のこどもの国とはスケールが違う。そして、人が全然居ない。人口密度がまるで違う。
そろそろ寝床へ向かわねばならない。滝川のイオンで晩飯の食材を買い込む。松尾ジンギスカンの本店が滝川にあるとのことなので、松尾ジンギスカンと野菜をメインにする。そしてわざわざセイコーマートにも寄って、そこで朝飯を買う。そして赤平市のエルム高原にあるコテージに向かう。実に立派なコテージだ。これで12500円は安い。
すぐそばにある温泉(500円)に入ってから晩飯にする。松尾ジンギスカンは初めて食ったのだが、臭みもなくうまい。
初日から直線道路、郷土料理、ジンギスカン、温泉、酒と、北海道を堪能しまくった。コテージの2階に布団を敷いて寝た。
Day 2
セイコーマートで買ってきたパンと、持ってきたドリップ珈琲の朝飯。そして北海道の朝といえばソフトカツゲンは不可欠だ。
これをコテージ2階のベランダで食う。なんという贅沢だ。
あんまりのんびりしているわけにもいかない。支度を終えてコテージを出て道央道の滝川ICへ向かう。
道央道を北上して旭川北ICで降り、旭山動物園へ向かう。東口の無料駐車場に停める。平日なので空いている。
入場料(大人1000円。前は800円ぐらいだったような気がするのだが…)を払って中に入る。いくつか新しい施設が出来ていたが、定番施設はもう3回目なのであまり新鮮味はない。色々見て回り、下の方にある店でスープカレー等を買って昼飯にした。
北海道にしては暑くて疲れたので、上野ファームにあるカフェに行ってアイスを食う。
中に入るつもりだったのだが、アイスと玄関で満足してしまったので、中に入らずに出発する。
時間に余裕があったので、東川町のモンベル&道の駅に行って買い物をしてから高砂温泉に向かった。
年季が入った建物の前に車を停めて荷物を降ろす。フロントで手続きをして、325号室の鍵を渡される。普通は勝手に部屋に行くと思うのだが、何故か部屋まで案内される。エレベータで2階まで行き、階段を少し降りて別棟に移動し、さらにまた階段で3階に上がるという滅茶苦茶な動線で部屋に着く。
ネットの情報から古いことは想像ついていたが、想像以上の古さだった。それをレトロと称して開き直っている。個人的には嫌いじゃない。
晩飯は旭川郊外の回転寿しトリトンに食いに行く。
18時前には着いていたのだが、人気店なので先客多数でかなり待たされることになった。この待ち時間を利用して、すぐそばにあるスーパーで買い物をする。ラーメンサラダのタレ、豚丼のタレ、スープカレーの素など、自宅近辺では手に入らない調味料類や明日の朝飯等を買い込む。
まだ順番が来ないので百均で買い物をしていると、ようやく順番になった。注文は基本的にタブレットだが、一貫の片方だけサビ抜きとかは口頭で伝える。そんなことをしているうちに全部口頭になってしまう。非常に回転が早く、オススメ品の北海道産ホタテ等はあっという間に品切れになってしまう。まだ19時前だというのに、これから来た人は何を食うのだろうか。
評判通り美味いが、関東の普通の寿司屋より格段に美味いかというと、そこまででもない。うちのあたりは魚は美味いので、案外舌が肥えてしまっているのかもしれない。
再び高砂温泉に向かう。そしてお待ちかねの風呂だ。コレが実に素晴らしい。やたらとだだっ広い室内、灯台やら何やらのよくわからない多数の装飾、違いがよくわからないが多数ある小さい湯船、中国漢方薬湯、頭をかがめないとたどり着けない露天風呂、一人しか入れない五右衛門風呂と、今や全く見られなくなったものがたくさんある。そして極めつけは、高砂温泉と名乗っておきながら温泉ではないところだ(地下水を加熱したもの)。今や絶滅危惧種となった健康ランド感が満載だ。そもそも宿泊料金からして健康ランド級なのだから言うことなしだ。何度か泊まった旭川健康ランドなき今となっては、北海道ツーリングの宿泊地候補に十分なりうる。昔ながらの貧乏旅行に抵抗がない人には是非お勧めしたい。
風呂を十分堪能し、部屋に戻ってクラシックを飲んでさっさと寝た。
Day 3
この日は富良野のコンドミニアムに泊まるということ以外は何も決まっていない。とりあえずそちら方面へ向かう。Googleさんの言うとおりに走っても全然おもしろくないので、以前行った就実の丘へ向かう。丘がどうこうではなく、そこまでの道が目当てだ。
素晴らしい。THE HOKKAIDO。言うことなしだ。
その後はなんとなく美瑛の千代田ファームに寄り、美瑛駅近くのBEETLE CAFEで豚バーガーを食う。
昼飯後は、とりあえずジェットコースターの路を走る。これは外すわけにはいかない。
遠くに見える観覧車に行きたがる人がいたので深山峠へ向かう。ツーリングだったら間違いなく素通りするのだが仕方がない。
そして江花パノラマロード。こちらも外せない。
メロンだソフトクリームだとうるさい人がいたので、とみたメロンハウスに行く。
そしてメロンが載ったソフトクリームを買う(自分は一口食っただけだが)。
食ってばかりで腹が減らないので、晩飯としてふらのマルシェでおにぎりと惣菜を買い、近くのラルズマートで酒などを買う。そしてコンドミニアムに向かう。スタッフはおそらく中国人で、今ひとつ会話が通じにくいのだが、一生懸命さが伝わるので好感が持てる。今や日本なんかに来ても大して稼げないだろうに。
さすがは今回最高値の宿だ。前日のレトロな部屋(要するにボロい)と比べたら桁違いだ。大浴場(温泉ではない)も十分広い。
風呂を済ませて晩飯。
食いすぎて腹が減らないのでこれで十分だ。
ここまでは順調だったのだが…
今回はそこそこ長旅だったので、ここのランドリー(無料)で洗濯するつもりだったのだが、2台ずつある洗濯機と乾燥機がなかなか空かず、全然洗濯できない。たまたまランドリーのすぐそばの部屋だったので、頻繁に空きを確認できたので終わらせることができたが、違うフロアだったら途中で投げ出していたに違いない。皆考えることは同じだったということか。
Day 4
この旅も折り帰し地点を過ぎてしまった。帰る時が近づいてきてしまう。1日1日を大事にしなければならない。
その1日のクライマックスはいきなり朝飯に来る。元々朝飯のバイキングが良いという評判は見ていたのだが、そのとおりだった。
腹も埋まったので(埋めすぎた)出発する。目的地は帯広の南にある更別村。天気は雨。この日は基本的に移動に徹して、インドアな遊びを楽しむしかない。
R38をひたすら南下し、一旦それて金山湖付近を走る。天気が良くて、バイクだったら素晴らしいワインディングロード体験だったに違いないが、雨天のレンタカーでは楽しめない。道の駅南ふらの(通ったことがあるはずなんだが、全く記憶にない)に寄り、メイン施設と化しているモンベルと物産館で買い物をする。
すぐ近くの根室本線幾寅駅(災害のため休止中)に寄ったところ、既に廃線済みの様相だった。どう見ても鉄道としてやっていく気概が見えない。残念だがコスパを考えたら廃線にせざるを得ないだろう。
気を取り直してR38を走る。何もない原野のような谷間を真っ直ぐ走る。何にもないのに鉄路だけは走っていて、数キロおきに限界集落が現れる。北海道にも色々なところがあるが、このあたりの風情は独特だ。
そして道は富良野エリアに別れを告げるべく狩勝峠に到達するが、残念ながら霧のためまったく十勝平野は見えない。素通りして十勝に入り、ひたすら下る。下りきった十勝清水のドライブインで昼飯にする。
相変わらず天気は雨模様。何もできないので、数年ぶりの十勝のトウモロコシ畑を堪能しながら帯広市街地に入り、ドン・キホーテで今夜のBBQ用に使い捨てコンロ的なもの等を買う。
ドン・キホーテの一角には、十勝にしかないカレー店「インデアン」が入っているのだが、腹いっぱいでとても食えない。いつか食いたい。
腹いっぱいにもかかわらず、雨でやれることがないので、音更町にある柳月スイートピアガーデンに向かう。著名な観光地だけあって混んでいたが、暇を持て余していたうちの食欲怪獣を懐柔するには十分だったようだ。
そろそろキャンプ地へ向かわねばならない。帯広市街地へ南下し、フクハラ(このあたりの地場スーパー)で晩飯の買い物をする。
そして何もない十勝平野を走ること数十分、目的地であるさらべつカントリーパークに到着。雨なので苦渋の選択としてスクリーンタープを借りる(普通のタープが出払っていたので、レンタル料2000円のスクリーンタープを借りざるを得なかった)。それとテーブル・椅子も借りる。タープはうちのやつとほぼ同じ構造のコールマン製品なのでさほど苦労せず建てられた。
トレーラーハウスということになっているのだが、基礎の上に建てられているので、実態は細長いコテージにすぎない。これなら同じ値段の普通のコテージにしたほうが良かったんじゃないかという気もするが、そんな野暮なことは言わない。
高い金を払ってスクリーンタープを借りたのだが、寒いし蚊は多いしで、結果的にはこちらにしておいて良かった。普通のヘキサゴンタープだったら悲惨なことになっていたに違いない。
晩飯はドン・キホーテ内のダイソーで買ったインスタントコンロで、フクハラで買ってきた十勝牛と焼鳥を焼いて食う。今回唯一のBBQである。ランタンやらトングやらは持ってきておいたし、食器類はトレーラーハウス備え付けなので何も困らない。こんな旅先でBBQができるのは大変素晴らしいことだ。晴れていればもっと良かったのに。周りになにもないこの場所では星がキレイだったに違いない。
大したことをしていないのであまり疲れていない。トレーラーハウスの中で日本酒を飲んでから寝る。
Day 5
5日目の朝になった。天気は相変わらず霧雨だ。丸一日北海道で過ごせるのはこの日が最後。なんとか天気が復活してほしいのだが。
とりあえず朝飯にする。トレーラーハウス内で食ってもいいのだが、なんとなく外にする。前日投げ売りしていたメロン味のお菓子を朝飯にする。
スクリーンタープを仕舞い、トレーラーハウス内を片付けて、レンタルしたタープ・テーブル・椅子を返してさらべつカントリーパークを去る。更別の道の駅に寄ってから中札内の道の駅に行く。こちらのほうが色々と施設が充実している。ここでようやく「ゆでとうきび」にありつけた。コレがない北海道旅行などあり得ない。
ようやく雨が上がった。それほど遠くない幸福駅跡に立ち寄る。広尾線だのキハ22だのには全く興味がないであろう観光客が多い。皆コレを電車と言っている時点で丸わかりだ。
北上し、帯広駅近くのサンドイッチ屋で昼飯にする。相変わらず腹が減らない。
さらに北上し、道の駅十勝川温泉、十勝が丘公園、十勝エコロジーパークと転々とする。エコロジーパークの超巨大なふわふわドームに驚愕した。
そして本日の宿(そしてこの旅最後の宿)である帯広駅前のふく井ホテルに向かう。本当に駅の前だ。駐車場に止めて部屋に入る。かなり広い。しかも十勝川温泉の源泉かけ流しの温泉付き。これで3人で9100円なら十分だ。
そして晩飯を食うべく近隣の居酒屋に向かうのだが、日曜日だからか、全然やってない。空いている店が極めて少ない。そしてめぼしい店はほぼ満席で断られる。まだ18時前だというのに。帯広といえば函館や釧路と並んで札幌、旭川に次ぐ規模の都市のはずなんだが、駅前なんていうものが全く価値がないことを痛感する。散々歩き回ってようやく入れた居酒屋で、めでたく本日の晩飯とする。ホッケ、ラーメンサラダ、ポテトフライと、毎度おなじみのものを頼む。ビールは勿論サッポロクラシックの生だ。
満腹状態でホテルに戻り、ホテルの地下にある温泉に入る。タオル類は全て備え付けで、手ぶらで向かえば良い。素晴らしいシステムだ。ヌルヌルな十勝川温泉なので床が滑るのは仕方がない。ちゃんとした温泉である証拠だ。
食って飲んで風呂入って寝る。北海道最後の夜にふさわしい。
Day 6
遂に最後の日が来てしまった。暑苦しい神奈川に帰らなければならない。とりあえず朝風呂に入る。気持ちいい。
帯広に居るので帯広空港から帰るのが筋なんだが、残念ながらチケットを取れなかったので釧路空港に向かう。そのため、最終日で時間がないのに移動だけで1時間半ぐらい浪費してしまう。マイルの特典航空券であり、しかも例によって争奪戦に出遅れまくったので致し方ない。
残り物のパンやら何やらを朝飯にしてホテルを出て、ほど近くにあるヤマト運輸の営業所に寄る。途中で買い込みまくった瓶入り調味料を詰め込んだ段ボールを自宅へ送る。国道や道道を通って東に向かい、池田ICから道東道に乗って足寄町に向かう。天候が回復していることもあり、ガラガラの道東道の景観が素晴らしい。米国ケンタッキー州あたりのインターステーツを思い出す。最後の最後に良い物が見られた。
足寄町中心部の公園と道の駅で最後の用事を済ませる。
そしてこちらも最後のセイコーマートでの買い物を終え、また道東道に乗って釧路空港へ向かう。足寄から阿寒まではトンネルが多くて冴えない景色だった。
一般道に出て暫く走ると、大変不本意ではあるが、釧路空港に到着してしまった。残念なこと極まりないが、これで今回の北海道旅行はほぼおしまいだ。
相変わらず腹が減らない。売店で昼飯のおにぎりを買い、また別の売店で土産物を買い、(しつこいようだが)大変不本意だが羽田便に乗り込んだ。
飛行機は何の問題もなく羽田空港の駐機エリアに到着した。釧路のようなマイナー便はゲートには着かない。飛行機から出た瞬間の暑さに帰ってきてしまったことを痛感する。荷物を受け取り、空港駐車場のクルマに向かう。無事にクルマはあった。首都高を南下して幸浦で降り、並木のイオンで晩飯を買って帰宅した。不本意極まりないのだが2022年の夏の旅行は終わってしまった。翌日いきなり仕事なのではなく、1日おいて仕事なのが唯一の救いだ。
この手の数日間のジプシー的な旅行は2015年以来。レンタカーではあったが、やはり旅のスタイルとしては自分好みだ。来年はまた行けるのだろうか。