Vespa LX125ie 後輪ロック現象発生

Vespa LX125ieで晩飯の焼き鳥用の鶏肉を買うべく鈴木水産に向かっていた時のこと。横須賀しょうぶ園の前で信号待ちしていて、青になったところで加速しようとした際に「バチン!」という音がしたかと思ったら後輪がロックし、エンジンも停止してしまった。

セルを回してもエンジンはかからない。なんだかさっぱりわからないが、路上に居たら他車両の迷惑なので、脇の歩道に乗るべくLXから降りて押そうとしたのだが、押しても全然進まない。何なんだこれは。

リヤタイヤが1mmも動かないLXを無理矢理引きずるようにして歩道に乗せた。

こんな位置に停めたくて停めているわけじゃないんですよ

センタースタンドを立て、ホイールを手で回そうとしてみたが、全く動かない。

ブレーキは普通に動いているので、ブレーキのせいではなさそう。問題発生時に聞こえたバチンという音からして、駆動系で何らかの問題が起こって動かなくなったんじゃないかと想像はできる。

工具も持っていないし、この場でできることはない。お手上げなのは間違いない。潔くJAFを呼ぶ。アプリからロードサービスを要請すると、程なくしてメッセージが届いた。120分待ちという何ともつれない返事だったが、残念ながら待つ以外の選択肢がない。

本来は鈴木水産まで行くつもりだったが、それは無理っぽい。仕方がないので、徒歩圏内のエイビイ平作店で焼き鳥の肉やら、安ステーキ肉やら何やらの買い出しをする。それでも時間が余りまくるので、DAZNで湘南の試合を観る。ひょんなことからリアルタイム観戦できることになってしまった。

そんなわけで、それほど苦にならずに120分の待ち時間を食いつぶしていったのだが、1時間ほど経ったところで電話がかかってきた。いま鎌倉辺りでこれから向かうとのことだった。そして、どこに持っていきますか? と聞かれたので、バイク屋のアテがないのでとりあえず自宅で、と言ったところ、何故かしきりにバイク屋へ持ち込むことを勧められる。

まあ確かに他にやることがたくさんあって時間もないし、頼めるなら頼んだほうがいいかと思ってはみたものの、しつこいようだがアテはない。思いを巡らせているうちに、以前逗子・葉山駅そばの山上輪業のサイトを見たらVespaロゴが載っているのを見て驚いたことを思い出した。あらためて見てみたら相変わらず載っている。ダメ元で電話してみたところ、なんと受け付けてくれるではないか。どうせ断られると思っていたので逆に拍子抜けしてしまった。

引き続き湘南の試合を観ていると、JAFの積載車が到着した。試合がいいところだったんだが、こちらを優先せざるを得ない。

いかんせんタイヤが回らないのでJAFのニイチャンも苦労している。台車のようなものを持ってきて後輪を乗せ、どうにかこうにか積載車に載せた。

そして山上輪業へ。ニイチャンは何故かやけに遠回りの道を選択し、距離は13.5km。ギリギリ無料の範囲内だった。

動かないLXを無理矢理ガレージに連れ込み、伝票に名前と電話番号を記入する。それ以外の余計なことは何も聞かれないのが実にバイク屋っぽい。たぶん駆動系だと思うけど開けてみてわかったら連絡しますとのこと。

家人に迎えに来てもらって帰宅した。要冷蔵だった焼き鳥はとっくに常温になっている。慌てて炭火を起こして焼いて食った。

そして翌日、早くも山上輪業から電話がかかってきた。ベルトが破断して絡んで動かなくなっていたとのこと。まあ予想通りだ。概算23000円ぐらい、部品の納期次第だけど1週間ぐらいでできるとのこと。案外仕事が早い。

さらに3日後、またしても山上輪業から電話。もう終わったらしい。1週間と言われたらさらに倍はかかることに慣れすぎていて、この早さに面食らってしまった。G湘南と同じく場所の問題があるのだろうか。いずれにせよ仕事が早いのは良いことだ。

翌日の夕方に取りに向かった。代金22200円をカードで支払ってLXを受け取る。乗ってみると、リヤブレーキが激しく遊んでいたのが適正位置になっていて、ブレーキの効きはじめが早すぎて焦る。こっちが適正なので慣れるしかない。そして駆動系は勿論まったく問題ない。元々このLXの駆動系は俗に言う「クラッチジャダー」が出ていて、そんなもんだと気にしないようにしていたのだが、それも無くなっている(これはもっと乗ってみないと直ったのかどうかはわからないだろう)。

暫く帰ってこないだろうと高を括っていて、K1100RSの部品を散らかしまくっていた倉庫を大慌てで整理し、狭い空間にLXを押し込んだ。

期せずして山上輪業にお世話になってしまったが、他店で買った外国車を快く受け入れてくれて、さらに仕事も早い。不可抗力みたいなきっかけだったが、良い店に巡り会えてよかった。しかし、いまWebサイトを見てみたら、Vespaロゴが無くなってしまっている。これは残念だが、今のピアジオジャパンのやり方からして仕方ないのだろう。