2023GW 東北ツーリング Day2

予定通り5:30に目覚めた。本日は今回のメインイベントたる八幡平アスピーテラインを午後遅めの時間に通る予定なので、極力さっさと出発したい。とはいえ朝風呂は外せないのでさっさと浴場へ行き、昨日と同じく熱々の風呂を水で薄めて入る。そして朝飯を食うのだが…どういうわけか胃の具合がよろしくなく、菓子パンを受け付けない。昨日変なものを食べたとも思えないのだが。

体調絡みで無駄な時間を過ごしてしまったため、結局若干遅れて宿を出る。そして荷物をパニアケースに戻そうとすると、突然ヒンジが割れる悲劇が発生。2020年に諏訪で発生した後に交換した中古品を持っていたので大惨事は逃れたが、それが無かったら面倒なことになっていた。

この対応も慣れたものである

体調とヒンジで無駄な時間を過ごしてしまったため、出発は少し遅くなり6:48になってしまった。6:30には出るつもりだったのに。

本日は日本海側を北上してから再び内陸に向かい、八幡平を超えて盛岡に出るという若干無謀な計画だ。まずは月山道路を通って庄内平野に出る。有料道路に乗っても数分しか変わらないので、下道で寒河江のスマートICを目指す。祝日なので交通量は多くない…と言いたいのだが、山形民は朝が早いのか、それなりにクルマは走っている。

日本の正しい田舎感がある

そしてさすが山形、思ったより寒い。ここから標高が上がるので防寒対策をする。寒河江スマートIC手前の駐車場に停め、フリースを着込み、レイングローブ兼防寒グローブを装着する。そして高速道路に乗って月山方面へ向かい、月山湖PAでトイレ休憩にする。

高速道路にしてはなかなか楽しい道

山にはまだ雪が多く残る

さすがGWまでスキーできる月山だけあって雪が多いし気温も低い。防寒対策しておいて正解だった。

少し走ると一般道(自動車専用道路)の月山道路に入る

一般道だが快適に走れる。クルマが多いのが難点

もしもしピット久しぶりだな

月山道路が終わると再び有料道路が現れるが、そちらには乗らずに一般道を選ぶ。そして途中から快速農道庄内こばえちゃラインに入る。時折現れるアップダウンが北海道を思い出させる素晴らしい道だが、そのような区間はさほど多くなく、北に進むにつれて単なる田んぼの中の直線道路になる。しかし前方に鳥海山を見ながら淡々と北進するのは、それはそれで東北らしくて気分が良い。

南の方にはこのような素晴らしいエリアがある

景色もまあまあ良い

残念ながら鳥海山の上の方は雲の中

酒田みなとICから遊佐比子ICの最終区間だけ自動車専用道路を走り、あとはR7を北上する。道の駅鳥海の手前で給油し、なんとなくそのまま道の駅鳥海に入ったが、ここまで撮影やら防寒対策やらで若干多めに時間を使ってしまっている上、有料道路ではなく一般道を選んでいるので時間の余裕が無くなっている。そのため、道の駅ではただ停めただけで何もせずに出発。そのまま鳥海ブルーライン方面には向かわずに海沿いに逸れ、十六羅漢のあたりで日本海と久しぶりの対面をする。

久しぶりだな日本海

すぐ先にある交差点を曲がって鳥海ブルーラインに入る。道の駅には大量のバイクやクルマが居たので混んでいることを懸念していたが、幸い交通量は少ない。

このあたりが最後の住宅地 この先はひたすら山道

しばらくは針葉樹林を走るが、徐々に木々の高さが低くなってくる

標高が低いエリアはあまり視界が開けないが、途中から少しずつ景観が良くなる。駐車帯はたまに現れるが、平地ではなく坂道ばかりで斜度もきつめなので少々気を使う。

日本海の沖縄の如し青さ

青い海と残雪

最高地点が近い

約10年ぶりに秋田県に突入

鉾立(最高地点)の駐車場に到着

残雪多し

駐車帯を見つけるたびに停めて撮影してしまって時間がどんどんすぎるのはいつものこと。そのためビジターセンター等に寄る時間が圧迫されてしまい、素通りしてそのまま下山する。残雪の流水がたまに現れるので気が抜けない。

仁賀保高原の風車を見ながら下る

おそらく元料金所があった場所

ここからは本来はR7で海沿いを走るつもりだったのだが、時間のロスが激しいので、象潟ICから日本海東北道の無料区間を北上することにした。R7を淡々と走ることと八幡平を天秤にかけたら後者を取るに決まっている。

とはいえ、仁賀保あたりは快走路が多いので心残りではある

日本海東北道は、以前来た時はもっと北の方で終わっていたと思われるので、初めて走る区間だ。無料なのに交通量も少なく、周りにも何も無いので、これだけ見たらわざわざ自動車専用道路を作る価値なんてあるのかと思ってしまうが、まあ色々事情があるんだろう。そのまま秋田道に合流し、協和ICで降りて田沢湖に向かう。

R46に入る交差点にあるガソリンスタンドで給油し、R46を田沢湖方面へ走る。なかなかの快走路だがトロいクルマが多いのが残念だ。この道はK100RSのみちのくひとり旅でも走ったはずなんだが全く覚えていない。あの時は男鹿半島に向かって一目散に走っていたので記憶になくても仕方がない。角館バイパスから先のR105、そこから田沢湖への県道を淡々と走って田沢湖に到着する。

たつこ像 とりあえず名物なので一応寄ったが、由来や意味はよくわからない

撮影スポットはさほど多くない

ここまでは前座であり、ようやくメインイベントの八幡平が近づいてきた。あとはR341をひたすら北上するだけだが、地図の見た目では近そうなのに距離はそれなりにある。日本海東北道を使ったおかげで、17:00のゲート閉鎖に引っかかることはなさそうだ。

R341は、いかにも三桁国道らしく山間の谷間をひたすら淡々と走る。よくありがちな電光掲示板が現れたので目をやると「八幡平方面通行止め」と出ている。ん? 17:00で閉鎖ならわかるが、通行止め??

慌てて路肩が広い場所に停めて交通情報を確認すると、どうやら昨晩降雪があったらしく、本日は丸一日通行止めらしい。なんてこった。ここまできてそんなことに気づくとは。

メインイベントたる八幡平に行けないやるせなさ、さっさと気付かずに別ルートを検討することなくここまで来てしまった間抜けさ等に包まれて一気に凹んでしまった。せっかくここまで幾つかのことを諦めて最短ルートで来たというのに、ここに来てコレか。

Twitterで愚痴を垂れているうちに少しずつココロが復活してきた。本日の宿泊地は北上の健康ランドなので、とりあえず八幡平やら岩手山やら一帯の山々を超えて盛岡〜北上あたりの盆地エリアに出なければならない。このまま北上して鹿角の手前からぐるっと廻る遠回りルートか、南下して雫石あたりを通る近道ルートか、その二択になる。率直に言って八幡平に行けないことにより襲ってきた心身の疲労感が強く、遠回りな上にさほど景観もよくない遠回りルートを走る元気はなく、南下ルートを選ぶ。こちらは盛岡の手前の小岩井農場あたりで景観が良いエリアがあるはずなので、そこで気持ちを回復させたい。

渋々ながら先ほど北上してきたR341を南下する。超を何個もつけたくなる渋々さ加減だ。それを解消すべく田沢湖駅そばの地場スーパーに寄って土産物を買う。本来秋田県ではスーパーに寄れないはずだったのに寄れたことをヨシとする。こういう落ち込み感は、ヨシとすることを重ねる以外に解決できない。

ダイソーの商品がほんの少しあるだけで、ダイソーの店舗はない

R341からR46に戻り、盛岡方面へ東進する。この道が思いのほかいい感じで、また少し落ち込み感を回復する。

トンネルを抜けると岩手県

気分良く走っていると、いよいよ岩手山が姿を表す。ホントはコレを八幡平の上から見たかったのに…なんてことは考えてはいけない。いま目の前にあるものを楽しむことに徹する。

空気が澄んでいて山がくっきりと見える

奥の方の八幡平山頂周辺は積雪で真っ白

ここからさらに東進し、小岩井農場周辺部に向かう道へ入る。観光地だけあってクルマがそこそこ走っているが、その分景色も良い。

岩手山へ向かって走る

わざとらしいエリアその1

わざとらしいエリアその2

有名な一本桜の近く(桜はとっくに終わっている)

北海道を想起させるストレート

1日1枚このアングル

だいぶ陽が傾いてきた

ここも北海道感がある

なんだかんだで小岩井農場付近に1時間ぐらい居ただろうか。八幡平の代わりとまではいかないが、落ち込み具合はかなり回復させることができた。さっさと方針転換できてよかった。

さすがに暗くなってきた

既に時計は18:00を過ぎている。北上の健康ランドは、一応20:00までにはチェックインしてほしいということになっている(あんまり厳密じゃないとは思うが)。ナビ的には1時間程度なのでさほど無理はない。とりあえず盛岡ICまで県道とR46で向かう。夕方の国道はそこそこの交通量だが、糞詰まることはなく普通に東北道の盛岡ICに到着。

さすがに陽は落ちてしまい、岩手県らしく周辺も真っ暗。途中で120km/h規制の区間が現れるが、そこまで飛ばす気もないので左側をダラダラ走る。北上江釣子ICまでの約50kmを軽々と走破し、ICすぐそばにある健康ランド「まーす北上」に到着。昔は「マース」だったのに何故平仮名に変えたのかは定かではない。ホントはガソリンを入れたり、近くのスーパーに寄るつもりだったのだが、20:00が近づいているし、何よりもうメンドクサかったので全部明日に持ち越しにする。

荷物をまとめてチェックインする。健康ランドなのにチェックイン?というのは変な気分だが、じゃらんで予約したので仕方がない(その分、クーポンが使えたので1000円安い)。

マース盛岡(今は名前が変えて存続しているらしい)は一度泊まったことがあるが、北上は初めてなので素直に説明を聞く。まあ要するに普通の健康ランドだ。さほど大きくないロッカーに荷物を詰め込んで早速風呂に入る。温泉じゃないのは残念だが、その代わりサウナがある。サウナブームは北上まで影響を及ぼしているようで、それらしきポスターがそこそこ見受けられるが、周りの客はごく普通の地元民ばかりでサ活などには全く興味無さそうで、ごく普通にサウナと風呂を楽しんでいる。東北はそれでいいのだ、というのは偏見だろうか。

風呂を出て食事処に向かい、晩飯にする。定食かおつまみ2品かを選べるが、今朝からの胃痛が収まりきっていないのでおつまみにした(昼飯も食わずじまい)。おつまみメニューはそれなりに豊富で、その中からシーザーサラダと鶏皮ポン酢を頼んだが、お姉さんがしきりにシーザーサラダは小さいからやめたほうがいいと言うので野菜炒めにした。結果的にはそれで正解だった。勿論生ビールも頼んだ。支払いは健康ランド定番のバーコード。このシステムを使うのはかなり久しぶりだが実に使い勝手が良い。

気分が良いので冷酒を追加し、テレビで流れている巨人対ヤクルトのどうでもいい試合を見たり、Google Mapで明日のルートを考えたりする。巨人が負けているのでさらに気分が良くなる。田舎なので巨人ファンが多いようで、周りのオッサン達はブツクサ言っているが、こちらは心のなかでほくそ笑んでいる。誰かが一番面白いテレビ番組を「巨人の負け試合」と言っていたが、あながち間違いではない。

晩飯を終え、休憩所でしばし地元の新聞や週刊誌を眺めた後に、眠りに就くべく二段ベッドに向かう。二段ベッドエリアは男性用休憩室の更に奥にあり、こちらは予約者優先らしくベッド番号が指定されている。かなり疲れたし、酒も飲んだし、すぐに寝られるだろう…と思ったらそうでもなく、あちこちから聞こえるいびきと、喉の乾きにより目が覚めてしまう。そこで持参していた耳栓を装着すると、あっという間に熟睡してしまった。一応持ってきておいて正解だった。