先に右側の錆取りを終えたので、次はもちろん左側。
パッと見は右が酷かったが、実は左の方が酷くて手間がかかりそうだ。特に古いパテが浮いているところは、裏にどのぐらいの錆が潜んでいるか想像もつかない。
現状確認
まずはサイドシルのカバーを外す。
パテが浮いたところは、当然のように下の方も浮いている。かなりの錆っぷりが予想される。
ドア開口部前方のパネル接合部(錆やすい)は案の定錆びていて、小穴が開いている。
これより酷いのはフロントフェンダーとモノコックの接合部だ。触るとポロポロと錆が落ちてくる。
後端部のパテが浮いたところに、意を決してマイナスドライバーを突っ込んで抉ってみた。案の定ポロポロと剥がれてきた。予想はしていたが、これは酷い。スズメバチの巣のような模様をしているので余計にうんざりする。
後端部の処置に時間がかかることはわかりきっている。それ以外のササっとできそうなところをやってしまうことにした。
ドア開口部の応急処置
まずはここの錆を削る。ドリルの先端工具が入りづらい(余計なところまで削ってしまう)のでリューターも併用する。
ササっとPOR15 + グラスファイバーで塞ぐ。いつもの手法だ。
幸いボデー開口部を囲んでいるウェザーストリップに隠れるので仕上げにこだわる必要はない。ここはこれで一旦終了にする。
フロントフェンダーとモノコック接合部の応急処置
ここは全く見えないため、雑でいいので削りまくることに徹する。
ドリルに錆取りアタッチメントをつけてガンガン削る。カスが飛んできそうで怖い。
奥の方まで錆びているとは思うが、サイドシルと同じで、やれることに限度がある。ある程度まではやるが、その向こう側はノックスドールに頼るしかない。やれるところまでやってPOR15+グラスファイバーで穴を埋める。
ジャッキアップポイント側からも塞ぎたい気持ちはあるが、今じゃなくてもいいだろうという気がしたのでそこは放置。これで一旦終わりにする。
後端部の裏側を補強
後端部の錆取りをする前に、裏側からグラスファイバーで補強を入れておくことにした。理由としては、削りまくって鉄板がなくなり大穴ができてしまい、鉄板溶接が避けられなくなる事態を未然に防ぐことだが、まあ多分そこまで酷くはないだろう。
つい先日取り付けたばかりのリヤ左側内装を渋々外し、穴から覗き込んでみると、何箇所か光が差している。パテを剥がした時点で穴が開いたのだろう。
ここにPOR15を塗ってグラスファイバーを重ねる…のだが、作業性が悪すぎて非常に苦労する。POR15を使い捨てスプーンで掬って流し込み、そこにグラスファイバーを重ねていく。目が届かないので手探りでの作業になってしまう。
そもそも意味があるのか判らない作業なので、適当なところで切り上げた。
後端部の古いパテ落とし+錆取り
ここからが錆取りの本番になる。電動ドリルに錆取りアタッチメントを装着して遠慮なく削る。
最終的にはこのぐらいまで削った。予想より上の方に穴が開いてしまい、またしても裏側からFRPで補強する羽目になってしまった。
電動ドリルと先端工具では届きにくい角部やクレーター状の穴は、人力(スポンジヤスリ)+リューターで削った。
最終的にはこんな感じになった。もう少し広く削っても錆が出てくるとは思うが、キリがないのでやめた。
ここは少し真面目にやりたいと思い立ち、今まで使っていた古くて変色していたPOR15ではなく新品を使った。古いものは輪ゴムみたいな色だが、新しい方まメープルシロップのようだ。粘度もずいぶん違う。
しかしやることは全く同じで、POR15を塗ってグラスファイバーを重ねるだけ。
パテ盛り+塗装の苦行
さて、あとはパテを盛って削って塗るだけ…と言いたいところなんだが、毎度ここで無駄に苦労する。今回も例に漏れず苦行だった。
まず最初はパテ。右側をやった時に失敗したので、今回は最近開封したものを使い、硬化剤も適量を混ぜた。
そのつもりだったのだが、2日経っても固まらない。待っても無駄だと早々に見切りをつけ、ヘラで削ぎ落としてしまう。変なパテが残っていると碌なことにならないので、POR15を削り落とさない程度にガンガン削ぎ落とす。
そして硬化剤を少々過剰に混ぜて再度パテ盛りをしたが、やはり固まりが悪い。ヒートガンで温めまくったら固まったので、まずは荒削りする。
平坦部はいいのだが、特に特にサイドシルカバーの境目あたりは非常に削りにくい。しかも角度的に見えにくい。キャンプ用のアルミマットを敷いて寝っ転がって作業したが、それでも進捗が悪いのでリューターを使って削った。
何日かかけて、ようやくある程度形になった。見ればすぐにわかるが、古いパテが何層にも重なっている。自分が頼んだのはニッパとハトリックスの2回だが、それ以前にもやっていたということだ。
そしてサフェーサーを塗り、塗料のオカジマで調色したスプレーを吹いた…のだが、非常にノリが悪いし、パテの境目もすぐに変なことになってしまう。
横着して使った薄付けラッカーパテがいけなかったのかと疑って厚付けパテでやり直したり、サフェーサーを疑ったり、塗ってすぐにヒートガンでガンガンに熱したりしたが、何をやっても同じ結果になってしまう。
そこで以前のフロントグリルのことを思い出し、薄くサッと塗ってはヒートガンでほどほどに温めることを数回繰り返してみると、ようやくうまくいった。
同じパターンでクリアを何回か吹いたところで一旦完了扱いにする。コンパウンド仕上げは完全に乾いてからにしよう。
部品装着
作業開始から二週間程度経ってしまっていた。サイドシルカバーなんてあってもなくても運転には支障は無いのだが、気分的にノリが悪いので運転を避けていた。久しぶりに乗りたいのでさっさと装着してしまう。
カバーを装着しても形状に違和感は感じられない。実際には本物とは彫りの深さ等が違う気がするが、左右どちらも傷物なので比べようがない。これでヨシとする。