フロントフォークオイルシール交換

Kのフロントフォークオイルシールは耐久性が高いとは言えず、概ね10,000〜15,000km程度でダメになってしまう情けないヤツなんだが、また駄目になる時期がやってきた。こうなるともう替えるしかない。

ダダ漏れというほどでもないので放置していたが、ABSユニットを替えたことで遂にKの駄目ポイントがここだけになってしまった。たまたま土曜日の午前中に時間があったので、あまり気乗りはしないがやってしまうことにした。

2010年に交換した社外品(ARIETE ARI.083)はなかなか具合が良く、14年・30,000km程度もった。純正の倍ぐらいもったことになる。じゃあまた今回もARIETEに…と言いたいところだが、随分前に血迷って何セットも純正シールをMOTO-BINSだか何だかから買ってしまったので、これを使わざるを得ない。長持ちしないと判っている部品に替えるのは気が進まないが、文句を言う対象は当時の自分だ。仕方がないので純正品に買える。

気が進まない理由はもう一つあり、フォークのボトムのボルトを抜くのに毎度毎度滅茶苦茶苦労するからだ。空回りして抜けてこないとか、全然回らないとか、レンチが折れて手のひらを切るとか、ろくでもないことばかり起こる。

とはいえ文句ばっかり言っていても絶対に自然治癒しないので、渋々やることにした。

何度もやっているので手順はわかっている。とりあえず作業場所を確保し、フォークオイルを抜く。

フォークオイルは交換して2年弱、3,000kmしか走っていないので再利用しようかとも思ったが、そこそこゴミが混じっていたので、素直に新品を入れることにする。

フェンダーやブレーキキャリパー、ABSセンサーをフロントフォークから外す。

スタビライザーのボルト・ナットを外す。随分前に締めが緩くて軒並み紛失してしまい、手持ちのテキトーなネジを使ったことを思い出した。

フォーク下端部にあるキャップボルトとアクスルシャフトのボルトを緩めて、エンジンのオイルパン部分をジャッキで持ち上げてフロントホイールを浮かし、キャリパーをローターに押し付けながら無理矢理隙間を広げながら抜き、アクスルシャフトも抜き、フロントホイールを外す。

プロはブレーキラインに負荷がかからないように針金で吊るしたりするんだろうけど、横着者はそういうことはしない。

ここまでは前座だ。これからがいつもの難所だ。8mmのロング六角レンチをソケットに挿し、気合を入れてフォークボトムボルト外しに挑む。どれだけ苦労するかと思ったら、何の支障もなくアッサリと抜けてしまった。拍子抜けもいいところだ。まあ面倒なことなど起こらないに越したことはない。

ここからはオイルシールの交換に入る。

まずは1.のダストカバーを外す。これは内装外し用の幅広マイナスドライバーみたいなやつを使って強引に外すだけ。これのスペアは手持ちがあると思ったらなかったので再利用する。

ここで中の状況が明らかになる。あまり綺麗とは言えない。こんなもの、といえばこんなものだ。

次に2.のCリングみたいやなつを、端部にマイナスドライバーを差し込んで強引に外す。

外したリングはかなり錆びている。これもスペアを持っていないので再利用するしかないが、もし次回があるなら交換した方が良いだろう。

ようやくオイルシールに辿り着く。これを長めのマイナスドライバーでテコの原理で外す。本来はフォーク上端部に傷よけのSSTを載せるらしいが、そんなものはないので無視だ。久しぶりだったのでコレの外し方を忘れていて無駄に時間がかかった。

これより奥にも4. 5.の部品があり、傷がある場合は交換が推奨されているが、正直よくわからんので無視してそのままにする。掃除だけして、新しいオイルシールを装着する。

純正オイルシールはマルゾッキ製だ。サスペンション製造の老舗であり、性能が良さそうに思わせておきながら、実は社外品の半分しかもたないという情けないヤツだ。手元にあるので仕方なく使う。過去に使ったヤツがハズレで、本来の性能はそんなもんじゃない…という姿を見せてほしいところだが、過去2,3回ハズレているので期待薄だろう。

ちなみにARIETEのやつはコレ。見た目は大差ないが刻印が違うので別物であることは間違い無いだろう。

このオイルシールを上から挿入するが、手では奥まで入らないので円筒状の金属をあてがってプラハンで叩き込む。その後、Cリングを入れて抑えつける。

ダストカバーを装着して完了となる。

同じことを左側のフォークに対しても実施する。こちらのボトム側ボルトもアッサリ外れた。そしてコツを思い出したので着々と進む。

若干時間をロスしたので昼飯時になってしまった。昼飯を済ませた後、フォークオイルを注入する。例によってドレッシングのボトルを使う。前回交換時と同じくYAMALUBE G-15を使う。なんとなく標準の10番より良い気がしている。

焦ってボトルを強く押して大量に注入すると、すぐに溢れてしまうので、気長にじわじわと注ぎ込むしかない。

その後は、外した部品を淡々と取り付けていく。動くために必要な部品を一通り取り付けたところで、フェンダーレス状態のまま軽く試運転に向かう。

問題なさそうだったので、フェンダーも装着して、別のところに試運転に行く。

4kmぐらいしか走っていないが、時間の都合により一旦これで終了にする。当たり前だが、乗車感は何の変化もない。漏れていないという気分の良さが得られるだけだが、マルゾッキ部品の品質がさらに悪かったり、何かポカをやらかしていたりして、やらない方がマシだったという事態にならないことを祈るばかり。