突発性ステアリングロック症状

今日は富士山がよく見える、という話を聞いたため、在宅勤務の昼休みにVespa LX125に乗り、海岸沿いまで富士山見物に出かけた。その話の通り、なかなかの眺めだった。冬は寒くて嫌いだけど、こと富士山見物という点ではやはり空気が澄んでいる冬が良い。

ん〜、ハンドルカバーはやっぱり無いほうが良いな。走る分にはサイコーなんだが。

問題発生

気分転換を終えて自宅に戻る。倉庫のシャッターを開けるべく、右に曲がりながら道路上で停めようとすると、突然ステアリングが言うことを聞かなくなった。右に曲がるつもりで身体は動いているのにLXは曲がらない。面食らってしまって一体何が起こったのか全然わかなかった。ほぼ停止状態だったのでコケるようなことは無かったのが幸いだった。

センタースタンドを立ててハンドルを左右に振ってみると、中央より少し右寄りあたりでハンドルが引っかかる。逆に動かすと今度は左側でも引っかかる。バキバキ言っていてそれ以上先に行かない。何だこれは。一体何がどうなっているんだこれは。これまで遭遇したことがない事態に狼狽える。

何らかのケーブル類が引っかかっているのか、それともどこかに何かが挟まってしまったのか。肝心のフロントフォークまわりがカウルやフェンダーに覆われてしまっていて全く見えないのがもどかしい。このままでは調べようがない。

とにかくLXを倉庫にしまわないことには仕事に戻れないし、滅多に他車は来ないとはいえここは一応公道だ。いつまでもここに鎮座させておくわけにもいかない。何の根拠もなくハンドルを強引にグリグリ動かしていると、多少引っかかるものの一応左右に振れるようになった。しつこくやっているうちに引っかかりもなくなった。ちょっとだけそのへんを恐る恐る走ってみた。特に問題はない。一体何だったんだ。とりあえず一旦LXを倉庫に入れて仕事に戻った。

フロント分解清掃

一応それっぽい単語でググってみたが、同じような症状は全く見つからない。仮にそんなこと(ハンドルが動かなくて全く曲がらない)なんていうことがあったら大騒ぎになるはずだが、そんな話はどこにもない。

何がどうしてこうなったのかさっぱりわからないし、予想をつけられるような事前情報も皆無なのだが、見られる範囲で目視確認はしておきたい。

仕事を終えた夜、モノコックをジャッキで持ち上げてフロント周りを浮かせた上で、再度LXのハンドルをグリグリしてみた。何度かやっているうちに問題の症状が再発した。

とりあえず外せる部品を外して原因を追求する。とは言ってもせいぜい小物入れがある内側のカウルを外すぐらいしかできないのだが、一応各種配線やアッパー側のベアリング状態は目視できる。

カウルを外した状態でハンドルを動かすと、見える範囲では何かが引っかかったり、干渉したりしているようには見えない。とりあえずワイヤーやブレーキホースがお互いに、または固定用バンドと擦れている部分にシリコンスプレーを吹いておく。

そして、折角ここまで外したついでに、先日電池を入れ替えたものの数日後にまたしても動かなくなってしまったデジタル時計を直すべくメーターAssyを外し、その結果として幾つかのワイヤー類のテンションが変わると、とうとう全く問題が発生しなくなってしまった。

上側のベアリングは、ざっと見た感じではおかしいようには見えない。グリスもきちんと残っている。

下側は、困ったことにこの状態では全く目視できない。歯医者用の鏡みたいなものがあれば見れたのかもしれないが、無いものは無い。フロントフォークを外せば見られるはずだが、そこまでやる気はない。仕方がないので潤滑剤WD-40の赤いホースを少し曲げて差し込んで、そこそこしつこく吹き付けておく。

他にも各所にシリコンスプレーやWD-40を吹き付けると、とうとうハンドルは恐ろしく軽く動くようになり、ちょっと動かしただけで簡単に反対側まで行ってしまうようになった。まあそれが正常なんだが。これまで全く気づかなかったが、実はこれまではどこかが相当酷い状態だったのだろうか。

ベアリング付近から音がしたり、妙な引っ掛かりがあったりしないかを確認(とはいっても、耳を近づけるとか、指先に精神集中するとかいう原始的なことしかできないが)してはみたが、明らかにこれはダメといった兆候は見つけられなかった。下側の見えないベアリングに問題があれば何らかの反応があると思うのだが、ちょっとわからなかった。

何が奏功したのかわからず、完治したのかもわからないという気持ち悪い状況ではあるが、とにかく現状だけ見れば正常と言うしかない。下側ベアリング付近は目視できないため詳細不明だが、それ以外についてはもうやれることがない。

せっかくここまで外したので、ダメになってしまったデジタル時計の電池にポリコールキングを吹き付けてみる、という少々不毛気味な作業をついでに実施し、各種カウル、ミラー、風防等を戻して一旦完了とする。

軽すぎて気持ち悪い

翌日の昼休み、ハンドルが軽くなったLXで試運転に向かう。何かあってジタバタする可能性を憂慮してハンドルカバーは外した。

倉庫から出す時点で、これまでとはまるで感覚が違う。切り返しがとにかく軽い。それは走り出しても同様で、ハンドルが軽すぎて気持ち悪い。そこそこスピードが乗っていればあまり気にならないが、低速時はヒラヒラしすぎだ。空気圧を激しく高めに設定したような感じ。そして最も懸念される「突然ロックされたようになる」症状は全く発生しない。

実はこのLXは若干ハンドリングが重いと感じていたため、フロントタイヤの空気圧を高めの2.0に設定していた(標準は1.6のようだ)のだが、それがそのまんま反映しているように思える。とりあえず1.8まで落としてみると、当然ながらヒラヒラ感は軽減されて普通の状態に近づいた。予想通り、タイヤの空気圧が高すぎただけ、と言えよう。

また、思い返してみれば、最近何度か自宅付近の峠道走行中にハンドルを取られるような事態が発生していた。この問題はその時点で既に発生していて、それがハンドリングの重さに繋がっていたのかもしれない。

こうなると原因を究明したくなる。とは言っても下側ベアリングぐらいしか思いつかないのだが、上側が全く問題無さそうであることと、仮にベアリングが損傷しても「ハンドル操作にガタが出る」ぐらいで「ロック」はさすがに無いだろうと思われる(ベアリングを全くメンテしていない原チャリなんて無数にあると思うが、それが原因でハンドルがロックされてコケたなんて話は聞いたことがないし、「ノーメンテだとロックして死に至るから」定期的に点検交換しろなんていう話も聞かないし、そこまで危険な構造を各メーカーが何十年も使い続けるはずがない、というのが弱めではあるが一応の根拠)ので、どこかに何かが挟まったり干渉したりしていたのが分解清掃で解消された…と思いたいのだが、これまた勿論根拠はない。ただ、それらの行為の結果として問題解消したこと自体は事実ではある。

予防措置としてベアリングを交換する(交換しないまでもVespa専門店に分解調査を依頼する)ことが一番気分的に落ち着くのだが、現状が好調すぎて逆にその気が失せてしまっている。おそらく当分このまま何もせず、ちょっと気にしながら走ることになるだろう。

「突発性ステアリングロック症状」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: 三浦半島ホームセンター巡り | sabitori.com

  2. カミトアキラ

    初めまして。

    私のLX125ieも本日同様な症状が出て、少し危ない思いをしつつ帰宅し
    明日にでもバラしてみようかと思っています。

    スピードメーターケーブルが引っかかりロックして断線、と言う様な記事を見掛けたので
    メーター周りをいじられた事で解決されたのは、やはりケーブル類が悪さをしたのかもですね。

    夏頃にヤフオクで買ってまだろくに触っていないので参考になります。
    また、ピアッツアに以前乗っていたので懐かしく拝見しました。(ジェミニには3台乗りました)

    文章がお上手で面白いので、また新しい記事を楽しみにしてます。
    突然のコメント失礼致しました。

  3. カミトアキラ

    こんばんは

    今日触ってみた結果をお知らせします。

    メーターケーブルは確かに引っ張られメーターの下5cm位の箇所で捩れが起き
    被覆が破れていました。
    最初はこれが原因かと思い、
    取り回しに変化を付け無理なく回る様にしようとしましたが
    ケーブルがフレキシブルではないのですぐ元に戻ってしまいます。
    部分的にタイラップで固定し、若干マシになりました。

    で、ロックしないか繰り返しハンドルを左右に振るとやはり引っかかりが起きます。
    注意して観察しても目視できる範囲に原因は見当たりません。
    上のベアリングや下側からも潤滑剤は吹きましたが変わりませんでした。

    何度も試す内にキーシリンダーの辺りで引っかかっている様に感じました。
    多分ハンドルロック機構の何かが悪さをしているのではないかと。

    キーシリンダーの裏側にピンでロックされているフタ(?)を外すと
    ハンドル機構に通じていそうな空洞が見えましたので、
    そこからこれでもかと潤滑剤を流し込みました。
    よく見るとキーシリンダーの脇にも細い隙間が見えましたので
    そこからも注入させました。

    ハンドルを動かすと何となくガサついた感じが残るもののかなり改善した様なので
    カウルを外したまま試走して、大丈夫そうでしたので元に戻しました。

    その後恐る恐る買い物に出かけつつテストしたら一応ロック現象は収まりました。
    これで治ったのかどうか、はっきりした原因も分かりませんし不安は残ります。
    走行中に少しでもロック現象が起きるとかなり怖い思いをするので、
    しばらくは注意しながら乗りたいと思います。

    また何か起こりましたらコメントさせて頂きます。
    ありがとうございました。

  4. コメントいただきありがとうございます。
    (気づくのが遅れてしまい失礼しました)

    ピアッツァ&ジェミニに乗られていたのですね。
    EUROPIAN SPIRIT by ISUZUとか言っていたぐらいなので、いすゞとVespaは何となく通じるものがあるのでしょうか。
    Vespaにも乗っているいすゞ車乗りはそれなりに居る気がします。把握しているのは3人だけですが…

    それにしても、同じタイミングで同じ現象が起きているなんてびっくりです。
    コレは体験したことがある人じゃないとわからない怪奇現象ですよね。

    どれが決め手なのかよくわからないのが難点ですが、私のLXもスピードメーター周りを緩めたところ全く発生しなくなった(そして、数週間前に電池交換のためにスピードメーターを外しており、その頃からたまに旋回時に違和感を感じていた)ので、ここはかなり怪しいですね。

    キーシリンダーの裏側でピンで留まっているものはイグニッションスイッチですね。以前セルが全く反応しなくなった際に交換し(実はスターターリレーが原因だったので無意味だった)、さらにその後キー自体が壊れたときにわけもわからず再度分解したことがあるのですが、もしかするとその際に何かやらかしたのかもしれません。

    しばらく恐る恐る乗っていたのですが、100kmぐらい走って全くなんともないので、そろそろ気にならなくなってきました。原因が不明確なままなのが気持ち悪いですが…

    突然の怪奇現象に面食らうことも多いですが、たまには何か起こる方が愛着がわきますね。
    トラブルにめげずにがんばりましょう。

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