前回換えた安物燃料ポンプがイマイチだったことは何度か触れている通りで、掃除機みたいな高周波音がとにかく不快だった。元々安物だったのでハズレ製品か、もしくは個体差でダメなやつが当たったのだろう。動作自体は正常なので返品には値しないが、しつこいようだが不快だ。そこで、懲りずに似たような安物(前回と同じモノを掴まされると不愉快なので、見た目や製品構成が明らかに違うもの)を購入した。
前回購入品は、燃料ポンプホルダーにハマるように筐体に円周状の突起部があるが、今回はそれがない。上の画像には突起はあるが現物にはない(サイトの説明写真にも、突起があるもの、無いものが混在していた)。その点は明らかに欠点なのだが、その前に使っていたMoto-Binsから買った互換品にも突起部は無かったし、ネット上に転がっている外国人のレポートではタイラップで留めたりしているので、それほど重要とは見做していないのだろう。
ちなみに純正新品は安物の10倍の値付けだ。誰が買うんだこんなの。
また、Moto-Binsで現在売られているEnDuraLastの互換品も結構なお値段である。多少は名が通ったメーカーとは言え、互換品でこの値段では手を出しにくい。
交換
燃料ポンプを発注したのは昨年の長野ツーリング直後、2020/10のことなのだが、ピアッツァにかかりっきりだったり、謎の肩痛だったりして全く進まなかった。車検が近づいた夏頃になっても、他にやることが多すぎること、燃料タンク内のガソリン量が少ないタイミングがない(Vespaなりクルマなりに移せばいいのだが面倒くさい)、換えなくても不快なだけで車検には問題ない、車検に通るまでは余計なことはしたくない、等のネガティブ要件だらけで、燃料ポンプに関しては放置を決め込んでいた。車検が終わってようやくやる気になったのが本日で、買ってから11ヶ月後の話である。
交換すること自体は1年前にやったばかりなので大した話ではない。キャップを外し、(邪魔なので)燃料フィルターをタンクに繋いでいるホースを抜く。続いて燃料ポンプを固定するブラケットのプラ部品の爪を内側にカチッと押して外し、ポンプを抜き出す。ストレーナーが邪魔をするため、素直には出てこない。
中途半端に顔を出させて電源ケーブルを外し、燃料ポンプを取り外す。そしてアタッチメントを分解する。
ここまでは前回と同じだが、今回は突起がないポンプなので、単純に装着してもズレてしまう。仕方がないので上下をタイラップで挟む。勿論手で押すとズレてしまう程度にしか締まらないのだが、何もしないよりマシだろう。前々回のように針金とアルミテープで無理矢理突起を作る方法もあるが、そんなこと(強引に突起を作る作業)はワールド・ワイド・ウェブをくまなく探しても俺以外にやっている人を見たことがない。
そのため、いくつかの事例が見られたタイラップ方式を採る。実際問題として、ポンプは燃料ホースやら何やらで常時引っ張られている状態で、意図的にポンプを押したり引いたりしないと動かなそうなので、突起できっちり位置を固定されていることに特段の意味を見いだせない。そう思い込んでタイラップで挟んだだけの燃料ポンプを装着する。
装着は取り付け時の逆の手順となる。ポンプをタンクの入り口に置いて電源ケーブルを装着する。その状態でブラケット&燃料ポンプをあるべき場所に押し込み、ブラケットのプラ部品の爪をカチッと外側に押して固定する。思わずポンプを押してしまって位置がズレるが、ポンプ自体を全く押さずに全体を押し込むことはスペース的に無理があるので諦める。最後に燃料フィルターとタンクを繋ぐホースを押し込み、ホースバンドを締めて終了となる。
この時点でエンジンをかけてみる。キーオン時の音は、今回外したものよりは周波数は低いが、音量的には以前のものよりは五月蝿い印象がある。わざわざ比べられないので印象論のレベルでしかないが。
前よりはマシ pic.twitter.com/cP68Mejs60
— m.sota (@msota_RS) September 20, 2021
問題なさそうなので、外したタンクキャップを装着し、ネジ4本を締めて作業終了となる。突起部さえ開き直ってしまえばせいぜい1時間、ササッとやれば30分の作業である。
試乗感
作業を終えたK1100RSを道路に出し、横着してTシャツ短パンのまま試乗する。走っていても高周波音は聞こえるが、外した燃料ポンプの時ほどの不快感はなく、我慢できる範囲内である。純正新品ならもっと動作音は小さいのかもしれないが、もはや初代燃料ポンプの動作音のことなど覚えていないし、純正新品を買う気もないので比較できない。
燃料が少ないため五月蝿いという可能性もある(実際、燃料が減ると五月蝿くなるのは純正ポンプの頃からある固有の症状だ)ので、少しだけガソリンを入れてみる。また何かが発生してしまうことを恐れて満タンにはしない。5リットルだけ入れて走り出すと、気持ち動作音は小さくなった気がする。不快というほどではない、という点に関しては変わらない。
そんなわけで、燃料ポンプについてはこの二代目安物で良しとする。安物故に走行中に壊れたり、突起対策をテキトーに済ませたがために変なことにならないことを祈るばかり。
こうしてブレーキ修理、車検、フロントホイールベアリング交換、燃料ポンプ交換と一通り終え、ものすごく久しぶりに不安点が皆無な状態になったので、なんとなく洗車をする。水切りも兼ねて少しだけ走って倉庫にしまう。
さて、バイクも完調になったことだし、毎年恒例の会社創立記念日にかこつけたツーリングに行くか…と言いたいところだが、今年は本業多忙のため無理っぽい。せいぜい日帰りツーリングが関の山だろう。