というわけでクラッチワイヤー交換である。本来は新品を購入すべきなのだが、週末に清水でイベントがあり、それに間に合わせたいため過去にゴリゴリ感を感じたために交換した予備、というより緊急事態用のクラッチワイヤーを13年ぶりに復活させることにした。
新品クラッチワイヤー購入
とはいえ、予備部品というか緊急事態用部品には全く期待していなかったので、新品は買う。購入候補は以下の通り。
- 純正部品を日本のディーラーで買う(モノタロウ価格は7525円)
- 純正部品を海外ショップから買う($57)
- 互換部品を海外ショップから買う(moto-binsで21ポンド、約3200円)
- 互換部品を日本国内のショップから買う(ヤフオク価格で4280円+送料198円)
純正新品が結構な値段だったので、互換部品をヤフオクのセラーから買った。VENHILL製品なので品質は問題無いだろう。Moto-binsも純正ではなくVENHILL製品しか売っていないぐらいなのだから。Moto-binsの方が若干安いが、送料や納期を考えればヤフオクの方がリーズナブルと言えよう。
クラッチワイヤー交換(to 予備部品)
前述(週末にイベント云々)の理由により、新品は注文したものの、一旦予備部品に換えてみる。
一度やったことがあるから簡単だろう…と言いたいところだが、いかんせん13年前のことで、まったく覚えていない。自分のblogを見ても全く参考にならないので、超有名な知人のサイトを見て回って復習してから作業を始める。
まずは切れてしまったワイヤーの端部(リリースロッド側)を外す。何しろ切れてしまっているので簡単に外れる。そして、ゴムの蛇腹にシリコンスプレーを吹き付けてダルマ形状の穴を通す。そのままだと抜けないのでシリコンスプレー云々というのは完全に上記サイトの受け売りである。このような確かな情報が残っているというのは大変ありがたい話である。
そして、古いクラッチワイヤーをタイラップで繋げる。
その状態で、サイドカバーを外し、ガソリンタンクを浮かせてクラッチレバー側からワイヤーを引っ張る。間に色々と障害物があるのはわかりきっているので、ある程度引っ張ったところで、タンクの隙間に手を突っ込んでグリグリやる作業が発生する。そうしてじわじわとワイヤーをクラッチレバー側に抜き、メーターとトップブリッジの狭い隙間を抜いて一段落となる。
あとはワイヤーを接続するだけ。クラッチレバー側はニップル(タイコ)にワイヤー端部を噛ませてレバーに入れる。
リリースロッド側はレバーとマフラーの隙間にワイヤーブラシ(木の棒)を挟んで持ち上げた上でタイコ部を入れる。とりあえず装着できたところでクラッチレバーを握ってみると、やはりというか何というか、クラッチ操作にゴリゴリ感がある。元々それが気になって交換したのだから当たり前ではある。
パニアケースに入れっぱなしだった古いクラッチワイヤーは、一応ワイヤー端部にエンジンオイルを垂らして一晩置いたので、何もしないよりはマシになっているはずだが、結局駄目だったようだ。
本来はレバーの遊びだの何だのを調整すべきなのだが、このゴリゴリ感があるワイヤーでそれをやる意味があるかというと微妙だ。つい一昨日にクラッチワイヤーが切れ、このゴリゴリ予備ワイヤーを使ってしまったのでもう手元に予備はない。その状態で隣県まで行くのはどうなのか。
一瞬考えたが、潔く隣県遠征は諦めることにした。
クラッチワイヤー交換(to VENHILL製 互換新品)
数日後に新品クラッチワイヤーが届いた。
早速昼休みに交換する。やることは基本的には同じなのだが、クラッチレバー側のゴム形状が違う(VENHILL製の方が大きい)ため、タンク下の密集地帯を通過させることに苦労する。前回(純正品使用)は外さずに済んだタイラップを外さざるを得なくなるが仕方ない。その代わり、リリースレバー側のダルマ形状の穴を通す方の蛇腹は純正より細身なので全く苦労しない。いいところどりした製品があればいいのに。
交換自体はつつがなく終えたが、今回は新品なのでちゃんと調整をする。マニュアルに沿って作業をすると以下のような手順となる。
- リリースレバー側のはみ出し分が75mmになるようにクラッチレバー側を調整する
- その状態でリリースレバー側のタイコをレバーに装着する
- リリースレバーの調整をするため、アジャスターのロックナット(13mm)をディープソケットを使って緩める★
- アジャスターのボルト(10mm)を普通のソケットで無抵抗になるところまで緩め、手で抵抗感があるところまでねじ込む
- そこから少しだけ工具でねじ込む
- ロックナットをディープソケットで固定
- クラッチレバー側の遊びが4mmになるように調整
知人のサイトでは★の作業に大変苦労していたのだが、ディープソケットを使ったら特に苦労することなくロックナットを緩め/締められた。2008年にやったときは全く違うことをしてやった気になっていたのが笑える(当時もマニュアルのPDFは持っていたのだが英語版のためテキトーに解釈していた)。それ以降、まるで調整できていないクソ重いクラッチレバーを13年間、44,000kmにわたって握り続けていたのだ。車検をディーラーに出していれば体験できないであろう苦労をひたすらし続けていたのだ。無駄に左手の握力を鍛え続けていたのだ。笑うしかない。
自虐行為はこのへんにして試運転に出かける。恒例の富士山ビューポイントまで走った限りでは特に問題はない。クラッチレバーの4mmの遊びが心地よい。いったい何年間まったく遊びが無い状態で、それに何の違和感も感じずに乗っていたのだろうか。タイムマシンに乗って20xx年に移動してクラッチレバーをニギニギしたくてしょうがない。
こんなことをしていると昼休みの時間はとっくに超過している。満足に試運転をすることはできず、早々に倉庫にKをしまわざるを得なくなったが、作業自体は一応成功裏に終了したと言えよう。